あ!ゲートから野生のドータクンがとびだしてきた! 作:でかすぎ史郎
男は、伊丹耀司は走る。全力で走る。友を救うために。
「レレイ、いるか!」
ドータクンがあの後、どうなったのかは分からない。ウルトラホールをくぐって特地の世界に来た。その後にドータクンが来ると思い待っても一向に来る気配がなかった。それどころかウルトラホールが閉じ始めたのだ。
あの白い龍の放つプレッシャー的にあの世界の神なのだろうと伊丹は考えた。それと同時にドータクンがそいつに殺された可能性も考えた。
偶発的な事故で自衛隊を送還する
「お父さん、目撃情報ではレレイは最後に食堂にいたって」
テュカが伊丹にそう伝える。
それを聞いて早速、ドータクン食堂の責任者である店主を呼び寄せて尋問する。すると店主は簡単に口を割った。
「…ディアボ皇子が連れて行きました。日本と交渉をする為らしいです」
「クソったれがぁ!日本と交渉じゃない、中国と交渉をする為だ」
伊丹は思わず叫んでしまう。
杖が中国にあることからディアボの意図は明らかだ。中国と何らかの交渉を行うことだ。その過程でレレイの身柄を引き渡したか引き渡す予定なのだろう。
こうしてはいられない。伊丹は店主から聞き出したディアボがいるであろう場所に直行する。
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●毎朝新聞●
異世界由来の果樹に薬効が確認される
異世界由来の果樹、モモン、クラボの実に薬効が確認された。化理学研究所によるとモモンの実はアルコールを始めとした数多の毒性に対して即効性の回復効果が。クラボの実には運動麻痺への回復効果がそれぞれマウス実験により確認されたことが判明した。これらの効果は地球にはない未知の効果であり研究機関企業などが注目を集めている。日本政府は「将来的には日本に輸入することを含めて検討を加速する」と声明をだした。
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場所は変わり中国、北京。
そこには中国のトップ、薹主席とその側近が話し合っていた。
「尖閣諸島への漁民の突撃、為替操作、メディアのジャック…しかし大がかりですな薹主席。レレイ、いえ玉璧を手に入れられなかった時のリスクを考えるともっと慎重に動いた方がいいのでは?アメリカや日本からの反撃が来ますよ」
「言うまでもないがここで異世界利権を逃す意味が君にはわからんのかね。例えばモモンの実にクラボの実だ。見たかね?日本の新聞を。日本がこの木の実達の成分を解明すれば一気に医療の最先端を行き、我が中国は後れを取ることになる。まさしく百年国恥の再来だと思わないかね?」
「ですが果樹ならば後から盗めばよいではありませんか」
「いや果樹は始まりにすぎない。特地から得られる情報に市場に盗めるものから盗めないものまで利権はたくさんだ。だというのに。だというのにディアボという男は…」
薹主席は怒りを滲ませた表情でこぶしを握る。ディアボは中国にレレイを送らずに杖だけを送っていた。これは大変な誤算だ。既にNGOが門を占拠しているせいでレレイを秘密裏に輸送する手立てはない。故に彼らは
「仕方ありません。ではNGOを引かせますか?」
「いや引かせるな。そうだ!NGOを特地内に進軍させるのだ」
「そ、それは!装備差からも無理があるのではないのですか?」
側近はそう言って薹主席を静止しようとする。
「勝てればそのままアルヌスの町に入っていき玉璧を入手できる、負ければ日本軍に汚名を着せることになる。民間人を蹂躙したという汚名がな。どちらにせよ
薹主席は冷静に物事を考えて敵国への嫌がらせという最善手を選んだのだ。
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場所は戻り特地、アルヌスの丘のある宿の中。そこにはディアボ皇子と伊丹が睨みあっていた。
「ディアボ皇子ですね。レレイを返してもらいたい」
「レレイ?私が返すわけ…ガッ!」
伊丹がディアボを殴る。ドータクンを失いレレイまで失いそうになっている彼には冷静さがかけていた。
「早くしてください。国難なんですよこっちは」
「こ、断る。私は歴史に名を残すのだ。こんなところで引くわけにはいかない!」
「ではあなたを殺します。これで永遠に歴史に名は残りませんね」
「いいのか?私を殺せばレレイを確保している従者メトメスがレレイを殺すように命令している!」
2人が問答をしている。しかし話は平行線だ。それが続くと思った時、空に亀裂が走った。
「こ、これはドータクンの!」
ドータクンの門、と言おうとしたがそれは最後までいえなかった。なぜなら出てきたのはドータクンではなくマッシブーンだったのだから。
「ギャベッ!」
運の悪いことにディアボはウルトラホールの真下にいた。マッシブーンの
「な、なにが起こってるんだ」
伊丹がそう叫ぶ。だがこの事態はここだけの話ではなかった。
「大変です狭間陸将。自衛隊駐屯地内に白い巨大ゴキブリが次々と出てきています。銃弾は全て躱されてます」
門の歪みの影響で
「なんということだ。これが門の歪みの影響なのか。総員、駐屯地とアルヌスの町にいる虫へ対処しろ」
「ですが中国軍、いえNGOへの対処をしなくては。奴ら死に物狂いで特地内に侵入しようとしていますよ」
「守りが薄くなるが仕方あるまい、門の防衛隊を一部を駐屯地とアルヌスの町へ行かせろ」
狭間陸将はそう命令を出した。
そしてそれは愚策であったことはこの時、誰も知る由もなかった。
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「|继续《<rp>(</rp><rt>進め</rt><rp>)</rp>》!」
中国の工作員は歓喜していた。自衛隊が異世界からの生物に蹂躙されている隙に何人かの中国人工作員が特地の中に入り込めたのだから。
そしてある1人の工作員はアルヌスの町に入り込むことに成功した。
「おい!そこのお前!
China.その単語に工作員は反応する。そしてそれを呼びかけたのはディアボの従者にしてレレイの身柄を確保しているメトメスであった。彼の傍らには人が1人入るくらいの箱がある。レレイが入っている箱だ。
「我是一个中国人。玉佩在哪里?」
「何を言ってるのか知らないがこれが玉璧だ。さあ、これが欲しければチャイナの兵力をッッ」
メトメスが中国の工作員によって殴られる。そしてメトメスはそのまま気絶する。彼らの予定では中国に兵力を供与してもらって帝位についた後にレレイを供与する予定であった。だが中国は元から兵力を供与する気はない。だからこそメトメスを殴ったのだ。
「这是我们国家的胜利!!!」
中国の工作員は嬉しそうにレレイが入っている箱を開け中身を確認する。顔を確認する。
「ごぉん?」