明蒼怜は告らせたい   作:咲鋼

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明蒼怜は映画を見たい

今日は予定があり、映画館に行く予定だったが、

 

『いますぐ来てくれない?』

 

と、L〇neが来た。どうせ昼までは何もなかったので身支度を整えて俺はある場所へと向かった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

「………なぁ早坂」

 

「なに?」

 

「いやさ、

 

 

四宮ってこんなにバカだっけ?」

 

 

俺は今、リムジンに乗っている。そして、隣には早坂と

 

「早坂、胃薬とかない?」

 

緊張しっぱなしの四宮がいた。

 

俺が呼ばれたのはドラマなどでいう“ガヤ”の役割だった。他にのも、ハウスキーパーさん、庭師さん、コックさん…など、四宮家の権力をフルに使って本日のデートに臨んでいる。権力の無駄遣い、ここに極まりけり。

 

「もうすぐなので、我慢してください。怜、行くよ」

 

「オッケー」

 

「あ、ちょっと」

 

緊張している四宮を置いて、俺たちは配置についた。

 

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「はーい、撤収~」

 

無事、白銀と四宮が会えたので使用人たちは撤収作業に入っていた。

 

「なんでこんなこと(どっちが告るか)のために権力使うんだ?」

 

今更過ぎる疑問をぼやきながらも、目深にかぶっていた帽子をとる。

 

「ありがとう、怜」

 

「俺もここに用事があったし、気にしなくていいよ」

 

「なんかあるの?」

 

「ああ。映画見て適当にぶらつくっていう」

 

「それ、用事っていうの?」

 

俺と早坂はしばらく話していた。

 

「そういえば、今日、仕事は?」

 

「かぐや様のお付き、といっても、映画が終わって帰るまで待ってるだけだけど」

 

「そうか。……よかったらだけど、俺たちも映画を見に行くか?」

 

「え」

 

早坂に提案をすると、少し間の抜けた声が返ってきた。

 

「いや、俺も早坂と見たほうが楽しいし、四宮が心配なんだ」

 

四宮のほうをみると、引換券を持ったままドリンク売り場に向かおうとしてた。

 

「…な」

 

「……わかった」

 

「よし。じゃあ、ポップコーン何がいい?」

 

「じゃあ、バターで」

 

「飲み物は?」

 

「メロンソーダ」

 

「オッケー、買ってくる」

 

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俺たちはジュースとポップコーンを持って『ラブ・リフレイン』のシアターへと向かったが…

 

「…なんであいつら、斜めの席に座っているんだ?」

 

「うん、なんでだろ」

 

そう、なぜか白銀と四宮は斜めの席に座っていた。

 

「「……またなんかあったんだろうな」」

 

頑固なプライドのせいでこうなっているとは理解したが、どうせ何を言っても変わらないことでスルーすることにした。

 

10分ほどで映画が始まり、黙々とポップコーンをつかみながら見ていた。

 

~~~~~~~~~~~~

 

『なんであなたはこんなことを?』

 

そう女性が問いかけ、主人公の幼いころの記憶が映し出された。火の海の中に向かおうとしても、周りに止められて、

 

(と…さ……あ…ん)

(危…い!ち…よ……な!)

 

「ウッ...」

 

急にめまいがした。

 

「怜、大丈夫?顔色悪いよ」

 

「だい…じょうぶ」

 

気合で声を絞り出す。心配させてはいけないと。

 

~~~~~~~

 

しばらく見ているとキスシーンに入った。宿敵を倒した主人公に向かってヒロインが

 

『あなたが好き』

 

そう告げ、そっと唇を奪った。

 

「ロマンティックだな」

 

「…そう…だね」

 

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映画が終わるとちょうど12:00だったので、俺たちは近くのマ〇クによった。そして、当然のように話題はさっきの映画のことになった。

「いや~あのおっさん、かっこよかったな~」

「うん、特に『俺が守りたいから、守っているんだ』ってセリフはいいよね~」

「その後にあったキスシーンはインパクトすごかったな」

 

そんな話題を続けていると不意に、

 

「ねぇ、怜って唇奪われる方と、奪う方、どっちが好き?」

 

こんな質問が飛んできた。

悩みながら俺は自分のありのままの感想を告げる。

 

「ん~、まぁ俺は奪うよりは奪われるほうが好きかな。自分が求められているってわかるし」

 

「へ~……ちなみにそれって誰でもいいの?」

 

「いや、さすがに友達とかかな。それも仲のいい」

 

「漫画とかにはよくあるけど、『友達なのに~』とかは思わないの?」

 

「………まぁ恋愛と友情は切っても切れないものだから、そこらへんの抵抗はないかな」

 

「ふ~ん……よかった

 

「そういう早坂はどうなんだ?」

 

「…私は奪うほうかな?そして上げた愛情をそのまま返してほしい」

 

「あ~、なんか分かる気がする」

 

話が一区切りしたところで早坂が立ち上がった。

 

「じゃあそろそろ私、戻らないといけないから」

 

「そっか、がんばれ」

 

「うん」

 

そう言い、俺は早坂を見送った。

 

「……よし、仕事に戻りますか」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「……以上が調査結果となります。彼は真っ白です。むしろ、妻思いのいい旦那さんですよ」

 

『そうですか、ありがとうございます』

 

「いえ、今後も何かあればご贔屓に」

 

そう締めくくり、通話を切る。

 

「…はぁ~~~」

 

今日、俺が映画に向かったのは依頼人の旦那さんがあの映画のチケットを持っていたのを見つけたからだ。

 

「それにしても、結婚記念日にプレゼント送るとはね」

 

人の心の温かさが、少し凍てついた心を癒してくれた。




白銀と四宮が斜めの席の理由(飛ばしてもよい)

”12匹のペンギンG(ゴールド)”  
↑主人公の〈ペンたん〉が印象に残って、それにちなんだ座席にした。『白銀』(座席12G)
       ↑
      {Pentane(C5H12)}C5は埋まってるからH12にいる!『四宮』(座席11H)
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