【TF3ブルー万丈目回の鬱エンドを打破すべく続きを書いてみた】   作:ノウレッジ@元にじファン勢遊戯王書き民

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 デュエルアカデミアを買収するべく動き出した万丈目グループ。その御曹司三兄弟の三男坊、万丈目準と、そのタッグパートナーの手によってアカデミア内部で次々と実力者達が倒される事数ヶ月。やがて卒業式の日、プロデュエリストのエドとヘルカイザーすらも下した万丈目グループは、とうとうデュエルアカデミアを手中に収めた、かに見えたのだが……?



デュエル開始前、もしくは謀略について

「フハ、フハハハハハハハハハハ! やったぞ、とうとうデュエルアカデミアが! 万丈目グループのものに!!」

「よくやったぞ、準!」

「これで我ら万丈目グループが世界を掌握できるぞ!」

 

 デュエルアカデミアのデュエルリングに響く高笑い。それは万丈目グループと一部のオベリスクブルーにとっては栄光の福音、そしてそれ以外の者にとっては最悪を知らせる悪魔の嘲笑だった。

 実際の悪魔はもっと酷い笑い声だったな、と万丈目準のタッグパートナーを務めた赤帽子の少年、コナミはぼんやりと思った。――その背中にアカデミアの皆の恨みとも絶望とも知れぬ視線を受けながら。

 

『コナミ君、見損なったよ……』

『酷い、信じてたのに!』

『嘘だ、こんなの嘘だぁ!』

『もう駄目だ、お終いだぁ……』

『クビは、クビは嫌ナノーネ!?』

『何でだよ、何でこんな事になっちまったんだよ!』

 

 奇跡と凡庸の少年、コナミは。

 

 

 

「くひっ」

 

 

 

 不気味に笑った。

 そうとも知らぬ万丈目準は、契約書を手にコナミに話しかける。

 

「お前も子分にしてはよくやったな。さあ、この契約書にサインしてお前も万丈目グループの一員になるのだ」

「フッフフフフ……、クックククク……!」

「ど、どうした?」

 

 突如奇妙な声を上げるコナミに戸惑う万丈目。そこに一瞬の隙が生まれた。

 素早くコナミは万丈目の手から書類を引っ手繰るとそれを紙片になるまでビリビリに散り散りに引き裂き破り去ったのだ。

 

「な、貴様何を!?」

「いっひひひひひ、可笑しくって腹痛いわぁ! 万丈目、お前面白い奴だな。本当に俺の事を子分だなんて思ってやがって!」

「何!? どういう事だ!!」

「まだ解らねぇかぁ? そんじゃ面白ぇモン見せてやるよぉ! じゃんじゃじゃーん!」

 

 一堂、大仰な動作にて急展開な事態について行けず、呆気に取られる。だがコナミは構う事無く帽子から一枚の書類を取り出し見せびらかした。

 

「何だ、それは……」

「これかぁ? これは海馬社長が、『俺が万丈目グループの代表とデュエルして負けたらデュエルアカデミアを渡す』っつー事が書いてある契約書だよ!」

「何!? あのヘボプロデュエリスト共を倒せばアカデミアが手に入るのでは無いのか!?」

「ヘボプロデュエリストォ? 誰それぇ? 本当のアカデミアを守るデュエリストは俺だよ。

 鈍いなぁ、まだ解らないのかよ。さっきまでのエドとヘルカイザーも、鮫島校長に知らされた相手も、俺と海馬社長で用意した偽物だよ! 本当のアカデミアを守るデュエリストはこの俺、コナミって訳だぁ」

「何、だと……!?」

「ジャンジャジャーン! 今明かされる衝撃の真実ぅ! いやぁ、本当苦労したぜ。阿呆な子分演じて詰まらねぇ協力までしてさぁ……。

 しかしまあお前は単純だよなぁ。俺がヘコヘコしてたら俺の事を全部信じちまうんだからなぁ!

 アカデミアを買収するぅ? 万丈目グループの一員んん? ウッヒャハハハハハハハハハハ! ま、楽しかったぜぇ、お前との主従ごっこ! アカデミア買収完了目前、おめでとうございます、万丈目準様! ウッヒャハハヒヒハハハハハハ!」

「う、嘘だ! 貴様はこれまで俺様の忠実な部下として――」

「ひゃははははははははははっ! じゃあ言ってやる! これまでのデュエルのほぼ全ての場面で、俺の力を借りずに勝てたケースがあったかぁ?

 翔と隼人とのデュエル、『マスター・オブ・OZ』を迎え撃った『収縮』!

 大地と剣山とのデュエル、『ディノインフィニティ』を潰した『禁じられた聖杯』!

 明日香とクロノス先生とのデュエル、『古代の機械巨人』の攻撃を防いで次のお前のターンに回した『ネクロ・ガードナー』!

 エドとヘルカイザーとのデュエル、『キメラテック・オーバー・ドラゴン』を利用した『ディメンション・ウォール』!

 フヒッ、反論は無いよなぁ? あの俺のカード達が無かったら、大事な大事なデュエルで負けてたもんなぁ!?

 ありがとうよ、俺のサポートに(かま)けて自分が強いと錯覚しててくれてよぉ! ひゃっはははははははははははははははははっ!」

 

 長々とした台詞によって、皆は漸くコナミの目的を知った。

 万丈目にずっと付き従っていたのは彼の慢心を誘うため。そしてそのデッキの内容を探るため。アカデミアを乗っ取るという作戦にて、テレビの集まったこの場を最終防衛ラインと考えれば、運命の勝負を後回しにする事はできない。そう、例えこの場にあるデッキがコナミの知り尽くしたものであっても。

 

『……わざと汚名を被っていたのね』

『そしてアイツの絶好調のタイミングで突き落とす、と』

『性格悪いわぁ~』

『まるでスパイなんだな』

『そんな意図がまさかあったとは……』

 

 そしてアカデミアを手に入れるにはコナミにデュエルで勝たなくてはならない。そう、彼が傍にいて知り尽くしたデッキで(・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「き、貴様、万丈目グループの一員になりたくないのか!」

「いらねぇよ、ンなモン! 勝手に子分だ部下だと好き勝手言いやがって。挙げ句の果てに万丈目グループの一員だぁ? ザけんなよテメェ。俺は! このデュエルアカデミアが大好きで! 守るために! わざとヘボデュエリストであるお前の下にいたんだよ! ……あわよくば、お前を改心させるためにな」

 

 最後の言葉は聞こえなかったらしく、怒りの沸点をとうの昔に越えた準はコナミに怒鳴り散らした。

 

「貴様ぁ! グループを馬鹿にするだけじゃなく、俺を糠喜びさせた上に騙していたのか!

 許さん、許さんぞ! デュエルしろ、コナミ! 俺様は貴様に勝利し、このアカデミアを今度こそ手に入れる! 万丈目グループの覇権のために!」

「良いぜ、元々そのつもりだ。何なら俺が負けたら一生テメェの奴隷にでもなってやるよ」

「ほざけ、貴様如きに負ける俺様では無いわ! そんな条件をつけるのならば、俺が負けたらこのアカデミアに万丈目グループは永遠に関わらない事を約束してやる!」

「おい準! 兄者!」

「やらせておけ。組織経営には博打もある。それにこんな大事な一戦で負けるようでは、準はその程度だったという事だ」

 

 冷静さを失った万丈目。

 策が上手く決まって余裕綽々のコナミ。

 海馬瀬戸からの電話で真相を知った鮫島校長が、アナウンスを入れる。

 

『あー、あー。それでは、このデュエルアカデミアの命運を賭けた、本当のデュエルを開始します!

 万丈目君が勝てば、デュエルアカデミアは万丈目グループの物となり、コナミ君が勝てばそれは回避されます。それでは両者、正々堂々のデュエルを……』

「行くぞ、コナミィ!」

「来い、万丈目ぇ!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

コナミ:LP 8000

万丈目:LP 8000

 




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