赤龍生徒のマーセナリー! 気になるアイツは異世界帰還者   作:傭兵企業赤龍帝

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プロローグ フォース・デリバリー

 地球。それは多種多様な種族が生きる万華鏡。

 

 聖書の教えに由来する、悪魔・天使・堕天使の三大勢力。多種多様な神話宗教の頂点に立つ神々。多種多様な妖怪妖精。吸血鬼や獣人。

 

 そんな存在が人間社会の裏側に潜み、誰もがにらみ合い交流を避ける冷戦。人間たちが科学により発展する裏側で、核すら超える力を持つものもざらにいる異形たちは、互いに小競り合いを頻発させながら過ごしていた。

 

 そんな中、異形に関係する者たちの間で突如として話題を誘うものたちが現れる。

 

 その名をフォース・デリバリー。

 

 三年前に突如として現れた傭兵集団であり、場合によっては上級悪魔と敵対しながらも死亡率ゼロを誇る組織。

 

 傭兵とは、本質的に癖の強い職業だ。

 

 仕事がなければ金が手に入らない。ひとたび仕事になれば大金を手に入れることも可能だが、平和になれば食うに困る。そのため基本的に割高であり、しかし安定した収入と社会保障がない職を選択している時点で、その場限りの信用すら怪しいことも間々ある。より高い金額を提示された瞬間に手のひらを反したり、情勢不利を見れば尻尾をまいて依頼人を見捨てるものもいるのが実情だ。

 

 だがフォース・デリバリーは相場のギリギリを責める安さを維持し、ひとたび契約をすれば依頼者側が虚偽報告や裏切りをしない限り、殿まで務める非常に優良な企業だ。

 

 そして同時にネットでの契約にこだわり、各勢力が調べても悟られない謎のネットセキュリティを誇る。

 

 そんなフォース・デリバリーについて、悪魔が進展をつかんだのは数日前のことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

——————————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕は木場祐斗。

 

 上級悪魔グレモリー家の本家次期当主、リアス・グレモリー部長に仕える眷属だ。

 

 今は主であるリアス部長と同じ、日本の駒王学園に通いながら、午後は彼女が部長を務めるオカルト研究部の部員をしつつ、夜は悪魔として仕事をこなすため、日本からも許可をもらって縄張りにしている駒王町で、契約の対価と引き換えに様々な要望をかなえている。

 

 そんな僕たちのもとに、通信が届いたのは少し前だ。

 

 その相手が相手故、僕たちリアス・グレモリー眷属は、誰もがかしずいていた。

 

「お久しぶりですわ、アジュカ様」

 

『久しぶりだな、リアス。まぁ、眷属たちも楽にしてくれ』

 

 通信をつなげたのは、魔王アジュカ・ベルゼブブ様。

 

 今の悪魔を率いる現四大魔王の一人であられ、技術という点において冥界で右に出る者がいない権威でもあられている。

 

 本来、僕たちに直接魔王様が接触するのなら、現ルシファーであるサーゼクス・ルシファー様のはずだ。あの方がリアス部長と接触できる機会を逃すとも思えないしね。

 

 ……なんで、アジュカ様なのだろう?

 

『さて、今回の通信だが、サーゼクスの許可を得たうえで君たちに依頼したいことがあってね。俺が直接つかんだ情報なので、君たちに直接頼もうとしているのさ』

 

「……と、いいますと?」

 

 リアス部長がけげんな表情を浮かべたとき、アジュカ様は小さく微笑んだ。

 

『フォース・デリバリーは知っているだろう? どうやらその関係者が、君たちの管轄である駒王町に潜伏しているみたいだ』

 

 っ!?

 

 フォース・デリバリー。

 

 依頼内容を精査したうえで受けるかどうかを決め、その価格は相場ギリギリの低さでローンもあり。

 

 一度依頼を受ければ依頼者側に不義理がない限り必ず契約を守り、勝てない戦いでも殿を務める集団。

 

 今はこちら側でも平均的な上級悪魔が出てくる程度の仕事しかしていないが、死者が出ているという話は聞いていない。それだけでも、彼らが優秀である証拠だろう。

 

 そして彼らの厄介な点は、ネット経由で依頼を受けそこから探ることがまったくできない秘匿性だ。

 

 傭兵という職業は、基本的に軍隊ほどの規律は望めない。ある程度探りを入れたのなら、多少は中身を話すものも出てくるだろう。

 

 故に警戒必須だ。彼らはただの傭兵集団ではないだろう。それこそ、PMCの類とも違うだろう。

 

 そんなフォース・デリバリーの関係者が、リアス部長の管轄区であるこの駒王町に?

 

 少し緊張感が走る中、リアス部長は考え込む動作をとっている。

 

「一つ伺いますが、どうしてわかったのですか?」

 

『なに? 俺も興味本位や警戒もあって、奴らについては探っていてね』

 

 そう答えるアジュカ様は、小さく微笑みながら手元にPCの画面を見せた。

 

『二重三重にデコイを入れたハッキングを仕掛けることで、奴らのネットでの対応の反応を探ってみた。その結果手に入ったごくわずかな情報に、この町のある住所があったのさ』

 

 簡単に言ってくれるが、それはすさまじい高等技能だろう。

 

 さすがはアジュカ様だ。今の冥界に必須な技術をいくつも作り出した御刀だけある。

 

 ただ同時に、アジュカ様の微笑は若干苦笑のようになる。

 

『ただ探ってみたところ、どうやら君たちが通っている駒王学園の生徒が済んでいる家のようでね。今度接触をしてほしいんだよ』

 

「……わかりました。とはいえ、こちらも若干警戒する内容がありますので、少し遅れるかもしれませんわ」

 

 リアス部長は、若干苦い顔でそう返す。

 

 そう。僕たちも実は少し忙しいことになっている。

 

 問題はまずないだろう。ただ同時に、少し苦い出来事になる。そういう内容だ。

 

「報告は上にしているのですが、いま駒王町に堕天使が侵入しています。積極的な隠ぺいもしていないので、仕事の一環だとは思いますが」

 

『わかっている。俺も急いで探ってほしいとは言わないさ。デコイの可能性もあるからな』

 

 会話が進む中、僕は少し疑問符を浮かべてしまった。

 

 フォース・デリバリーは異形関係者である以上、異能か異形のどちらかだ。

 

 だが、駒王学園で積極的に異形に関与している生徒は把握している。その中にフォース・デリバリーの関係者がいるのだろうか?

 

 それとも、僕らの監視網をかいくぐっている? リアス部長は上級悪魔として管轄区を十分管理できているほうだけど、まだお若いかただし手練れならいけるかもしれない。

 

 ただ、アジュカ様でもわずかな情報しか使えなかったフォース・デリバリーが、わかっていて放置するとも思えない。

 

 少し不安を覚える中、リアス部長は一通りの打ち合わせを終えてから、少し首を傾げた。

 

「それで、その生徒とは?」

 

『ああ、忘れていたな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『兵藤一誠。どうやら彼は、フォース・デリバリーと何度も接触しているようなんだ』

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