英雄奇譚 虎杖悠仁が緑谷出久と最高のヒーローになるまでの物語   作:さっちゃん∀

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緑谷出久と虎杖悠仁が主人公です


虎杖悠仁 オリジン

「オマエは強いから人を助けろ」

「オマエは大勢に囲まれて死ね。俺みたいにはなるなよ」

 

 

 

 これが祖父の遺言だった。まだ中学生の小童である俺はそれを受け止めきれなかったが。それでもその遺言(のろい)を背負った。

 

 強いから人を助けるというとそれに近いのはヒーローという職業。

 

 この世界は個性という特殊能力や身体能力が備わっている。俺にも地味だがあるっちゃある。

 それ故に(ヴィラン)が湧きやすい。それに対処し 災害や事故から救けるお仕事だ。

 

 

 ヒーローという職業の中で圧倒的1番人気を誇ってるのはオールマイト。平和の象徴とも言われるヒーローだ。

 俺も彼の映像を穴があくまで見たこともある1人だし彼を知らないのは流石に無理があるという程の知名度を誇る。

 

 必ず救け 必ず勝利する最強無敵の英雄。良くも悪くも彼の影響力が強い。

 

 そう、良くも悪くも。

 

 なら目指すのはそこだ。NO.1という拘りは特にないがそれでも俺が目指す理想像はオールマイトそのもの。祖父の遺言も叶えられると思う。

 困ってるやつを片っ端から助け あらゆる敵に勝利するヒーローだ。 そしたら俺が死んだ時多くの人達が看取ってくれるだろう。

 

 その難しさを その道の苛烈さを過酷さをあの時の甘ったれた俺は知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい! 緑谷!」

「あ、虎杖くん」

「ノートが落ちてきたから。拾ったぞ しかしまぁお前ってすげぇな。様々なヒーローの技や得意不得意書き上げてる。ヒーローオタク極まれりだな」

「そう言ってくれると嬉しいよ」

 

 緑谷との出会いは中学1年からだ。その時はヒーローというものに関心がそこまでなかったが 多分緑谷出久が居なかったらヒーローを志すことにもならなかった気がしていた。

 

 彼は重度のヒーローオタクであるが無個性の為 ヒーローになれないと諦めそうになっていた。その時は仕方ない話だと思っていたが同じ夢を持つ同志となった以上はほっとけない性分だ。

 

「緑谷。また爆発三太郎か?」

「爆発三太郎って……うん。かっちゃんだね」

 

 爆発三太郎そして かっちゃんこと 真名を爆豪勝己。緑谷の幼なじみで"個性''爆破というとっても強いヒーロー向けな力を得ている。自尊心が高い故に無個性である緑谷を下に見てるんだろう。それだけでは無いと思うがそれは俺には分からない。

 

「また。お前を虐めてるのか。器がちいさい奴だな。今度分からせないとな」

「う、うん……流石 折寺中の虎……」

 

 話を聞くに、爆豪に酷いことを言われたらしい。自尊心が他より圧倒的に高いが故のアレなのか。それとも緑谷出久が爆発三太郎の中で畏怖する存在なのか。何処か理解できないから虐げているようにも見える。度が過ぎたら流石に介入して止めには入ってるが。

 

「緑谷、お前も最近鍛え始めたんだから怯むなって」

「だからって個性持ってる人に敵わないからさ」

 

 諦めてる顔をしている。らしくない顔だって本気で思う。だって緑谷出久は他人の為に動ける人間だって俺は知ってるから。だから余計なお節介になりうるかもしれないが発破をかけることにしよう。

 

「お前さ。そうやって無個性だからって言う理由を盾にしてたらなれるもんもなれねぇよ」

 

「で、でも……」

 

「否定から入ったって得られるモンってないぞ いつか個性が目覚めるかもしんねーし。なんならサポートアイテムがメインウェポンの時代が来るかも知れない。未来の可能性とやらは未知なんだ。 無個性だから諦める理由はなんないぞ? 」

 

「無個性の気持ちが分かるわけが無いよ……!」

 

 この世界は良くも悪くも個性があって当然の社会だ。今となっては個性がないというのは絶滅危惧種認定されている。時代が進むにつれて個性を持ってる人が多くなっていったからだ。 個性が前提で話が進まれることがあるからどうしたって無個性は狭い思いをしなくてはならない。 今も緑谷出久がそれに苦しんでるのだろう。

 

「スマンが俺にはどうしたって分からん。でも言えることならある」

 

「確かにヒーローになるには個性というのは大事なファクターだ。それは揺るぎないし 事実だ。だからこそ」

 

「個性だから無個性だからとか可能が不可能かじゃない。お前の気持ちが聞きたい。 お前はどんなヒーローになりたいんだ? 緑谷」

 

 お前が否定されて言うのすら難しくなってきた夢があるのなら今ここで吐き出してみせろ。

 

「どんなに困ってる人でもっ」

 

 震える声で誰よりも決意を込めた強さもある声で

 

「恐れ知らずの笑顔で救けるかっこいいヒーロー……」

 

 己のオリジンを口に出す緑谷がヒーローと何処か感じた。

 

「なら、なろうぜ。2人で」

「─────え?」

「俺もさ。死んだ祖父の遺言がきっかけでヒーロー目指してんだ。あの雄英の試験受けるつもり」

 

「そして俺もお前と一緒でオールマイトみたいなヒーロー目指してる。恐れ知らずの笑顔で人を救け 勝利する最高のヒーローにさ。そうなったら遺言も叶うかなって」

 

「俺はお前をヒーローになれるって肯定することは出来んよ。そんな甘い世界では無いと思うし。 でも、一緒にヒーローになってやろうぜって言えることは出来る」

 

「だからヒーローになってやろうぜ。俺と緑谷2人でさ」

 

「う、うん……!!」

 

「んじゃ いつもの筋トレ頑張ろうぜ」

 

 俺と彼の物語がここから始まるのだ。

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