暗殺教室 〜LAST MISSION〜   作:robertjr

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EP4 忘れられない夜空

渚があのタコに手榴弾を投げてから3日後・・・・

 

 

俺も渚や磯貝以外と話す様になり、他の生徒も渚があと少しまであのタコを追い詰めれたのを見て積極的に暗殺を行う様になった。磯貝たちが今日の昼休みに隙をついて一斉に襲い掛かるらしいが、そんことより問題が起きた。それは……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では反復横跳びをします、先生の動きをよく見て下さい」ドドドドドドドドドドドド!!!

 

 

 

 

 

 

「「出来るか!!!」」

 

 

なんでコイツは全員マッハ20で動けると思ってんだよ!?

 

 

「あ、慣れてきたらあやとりをするのも良いでしょう」

 

 

「「できるか______って上手い!?」」

 

 

 

 

 

 

 

・・・もうなんでもありだなこのタコ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今はそういう感じか……………どうだヒロ、殺れそうか?』

 

 

「『全っ然殺せそうにないんですが』」

 

 

『そうか………イリーナが来日する日が決まった。その学校の英語教師という名目で1週間後来るぞ』

 

 

「『まぁ、あのタコ巨乳好きですから隙をついて殺せるかもしれませんね』」

 

 

『フッ、そうだったのか?なら期待できるな』

 

 

えーっと、今何時___ヤベッ、話しすぎた。

 

 

「『あっ、もう時間なので切ります。はい、では』」

 

 

 

 

 

 

 

・・・さーてと、磯貝たちの暗殺は成功し____「マッハでやらずに一つ一つ心を込めて植えなさい!」

 

 

 

「承知しました!」

 

 

「そこ土乗せすぎ!」

 

 

「ハィ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ、殺せんせーも大変だな」

 

 

「磯貝、これどう言う状況?」

 

 

磯貝が振り向くと、広木が困惑した顔で立っていた。

 

 

「あぁ、俺たちが昼休みに殺せんせーを襲うって言ったろ?それ失敗したんだけど、先生カッコつけて全員のナイフをチューリップに置き換えたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

…………みんなが一生懸命育てていたものをね」

 

 

「おぅ、それは確かに怒られて当然だな」

 

 

 

再び殺せんせーの方を見ると、ようやく全部を植え終えてヘトヘトだった……………が、女子たちの怒りは治ってない。

 

 

「先生、何かハンデを下さい」

 

 

「はぁ、はぁ…………は、ハンデですか?」

 

 

「そうよ、チューリップ植えたぐらいで許すわけないでしょう?」

 

 

「ヒ、ヒィ!?」

 

 

 

 

_____________________________________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

「カエデさんこの『竹槍』みんなに渡しといて、俺この弾広木に持ってくから」

 

 

「うん、わかった………あっ鳥間さん!どうしたんですか?」

 

 

カエデが玄関を出ると鳥間が来ていた、その隣を磯貝が大量のマガジンを持って裏庭に走っていく。

 

 

「あぁ、今日から俺もここの副担任となった。よろしく頼む」

 

 

「そうなんだ。じゃあ今日から鳥間先生だね!」

 

 

「あぁ、それはそうとして………奴は何処にいる?」

 

 

「実はね、殺せんせーみんなが育ててた花の花壇荒らしちゃって。その謝罪として」

 

 

 

「な、なんだこれは…………?」

 

 

「ハンデキャップ暗殺大会です!」

 

 

 

 

 

 

ドン、ドドドドォン!!

 

 

 

 

「ヌールフフフ。遅い、遅過ぎます!先生がこんなにもハンデを背負うのはまたとない機会ですよ?ホーレホレホレ!!」

 

 

「クソッ、舐めやがってこのタコォ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………どう渚、誰か当てられた?」

 

 

「うん………広木くんが何発か掠めてるんだけど、それだけなんだよね」

 

 

「そうか・・・うん?」

 

 

 

 

 

 

 

『何発か掠めてる』?

 

 

竹槍を突いたり銃を撃っている生徒達をある程度見渡した鳥間は、渚やカエデに聞くことなく誰が広木か分かった。

 

 

 

1人だけ、明らかに様子が違った。

 

 

足元には大量の空になったマガジンが散らばり、他の銃を使っている生徒は時間をかけて装填しているが、そいつだけ一瞬で終わらせ、構え方もしっかりしている。だが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・エアガンにあんな操作は必要ないはずなんだが」

 

 

広木がマガジンを交換する時、毎回必ずボルトリリースボタンを押してる。リアル寄りな動きをするサバゲーマーもそういう事をするが、それ以外の動きも完全にエアガンではなく『本物』を扱う様な動きだ。

 

 

「そういえば、彼はアイツがこの学校に来ることが決定してから転校した子だったか」

 

 

しばらく鳥間が考えてると、広木ががっかりした顔をして渚たちに近づいた。もう半分諦めてる顔だ。

 

 

「無理だ渚、アイツ紐で括り付けられても余裕で避けてきやがる。これ以上撃ったらバッテリーが持たないよ」

 

 

「…………あっ!でも殺せんせーの弱点なら」

 

 

「?」

 

 

「ヌルフフフ、そんな攻撃で先生を殺すなど、夢のまたゆ____あっ」バキッ。

 

 

 

 

 

ドサッ………

 

 

 

 

 

「・・・(汗)」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・今だ殺せぇ!!!

 

 

 

 

 

 

 

にゅやああああああ!?

 

 

 

 

 

次の瞬間、渚含む四人以外の全員が殺せんせーに襲いかかった。その中を必死に殺せんせーが縄を解こうとしながら逃げ回っている。

 

 

「渚、みんなそのメモ役に立たないって言ってるけど………」

 

 

「う、うん。どんどん入れていこう」

 

 

「さーてと、俺もちょっと竹槍で突く____あっ」

 

 

突きに行こうと思った矢先に、あのタコは縄を解いて逃げた。

 

 

「はぁ、はぁ……………バカめ!基本性能が違うんですよ、バーカバカバカ。ハハハハハ!……………………はぁ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日の宿題を倍にします

 

 

 

 

 

 

「「(器が)小せぇ!!」」

 

 

 

全員がそうツッコミを入れた瞬間、独特な笑い声を上げてアイツは去っていった。だが全員ガッカリせず、むしろあと少しまでいったところを喜んでいた。

 

 

「いやー今の惜しかったね」

 

 

「うん………でもこの調子なら来年までに殺せるかも!」

 

 

 

 

 

「なんか______変だな、学校の生徒であると同時に殺し屋。本来真逆の世界に生きる者達なのに、共存してる」

 

 

思わず広木がそう呟くと、それを聞いていた鳥間が自然と答えてきた。

 

 

「確かに妙な事だが現にこの教室ではそうだ。アイツを殺す事を目標にしつつ、それでいてアイツから教えを受けて日常を過ごしている」

 

 

・・・ハハッ、なんだ。てっきり俺みたいな『壊れた奴』なんてろくな学校生活送れないと思ったけど、ここなら普通に過ごせるかも。このままみんなと一緒に『一般人』として___________ッ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

気をつけろ。例え一般社会に戻ろうとしても、7割近くは戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・分かってるよ

 

 

「ん、どうした?」

 

 

「いえ、何でもありません」

 

 

そう言うと広木は鳥間を押し退けて裏庭を出て行った。それを見た渚が慌てて追いかけて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渚が教室のドアを開けると、暗い表情で広木が帰る準備を進めていた。

 

 

「広木くん、あの……………本当に大丈夫?」

 

 

「____すまない、今日は話しかけないでくれ。嫌な事思い出した、お前もそういう時あるだろ?」

 

 

「・・・うん、分かった。じゃあ僕は_____『でも、心配してくれてありがとう』……え?」

 

 

再び広木を見ると、少し笑顔になっていた。

 

 

 

 

………………………うん、じゃあね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・その日の夜、E組校舎。

 

 

 

 

 

 

誰もいない静かな裏庭の階段に、広木が座っていた。

 

 

 

 

・・・綺麗だな。日本は建物が多いから夜空は見れないって聞いてたんだけど、ここなら周りに電球もないししっかり見れる。

 

 

「綺麗な景色ですね。先生意外です、まさか広木くんが夜空を見る趣味があるとは」

 

 

「・・・こんな夜中に何してんですか」

 

 

いつの間にか隣に『ヤツ』がアイス片手に座っていた。

 

 

「それは私のセリフです。親はこの事を知っているんですか?」

 

 

 

 

 

「・・・いませんよ、親なんて」

 

 

「にゅ?」

 

 

 

 

 

 

 

「俺ね、こう見えてロシア人なんですよ。日本人の血を引いてはいるんですが、それはちょっと前にDNA検査をして初めて分かったんです。酷いもんでしたよあの国は、正義の為だとか国民の為だとか変なこと抜かして内戦が起き、地方は未だに貧しく、マフィア同士の殺し合いがそこらじゅうで起きてて。でも…………」

 

 

広木はゆっくり空に手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………でも、夜空だけは本当に綺麗でした。あの後世界中を渡り歩きましたが、あんなに綺麗な景色は見れなかった。ここもあんなに凄くはないけど、他よりは綺麗ですね」

 

 

 

 

 

「そうだったんですか………………………広木くん、なぜあなたはこの国に来たんですか?」

 

 

「・・・フッ、なんでそんな事を聞くんですか?」

 

 

「妙だと思ったんです。貴方のような才能溢れる方なら、わざわざ日本に来なくてももっといい国・・・例えばアメリカで大学を受けて即飛び級という『裏技』もありますよね?」

 

 

____この先生なら、俺を分かってくれるかも。言ってみるか

 

 

「・・・俺ね、夢が『あった』んですよ。ある男に認められたいという夢が。

 

 

 

 

 

…………………でも、もう無理なんです。その人はもう死んでました。それでもう自分が今までやってきた事が馬鹿らしくなって。これを『最後』に新しい人生を歩もうと思って来たんです」

 

 

「_____なるほど、やはり『そうだった』のですね。

 

 

 

君は殺し屋で、私を暗殺する為にこの学校に来た。確かに私を殺せば、賞金100億で順風満帆な一般生活を送れるでしょう。ですが、キミは勘違いしてます…………いや、知ってて目を背けてる。暗殺の世界とは底なし沼のようなものです、一旦その沼にハマれば、足掻いて元の世界に戻ろうとしても、完全に抜けきれなければズルズルとまた戻っていくことになります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・分かってる。言われなくても

 

 

 

 

 

「なんなら、もうすでに自分と他の生徒達の価値観がかなり違うことに気付いてるのでは?だから自分と似ていると感じた渚くんと親しくなり、『普通の学生』を演じようとした_________『黙れぇ!!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、『ヒロ』は拳銃を取り出して殺せんせーに向けて撃つが、それを全てかわされた。放課後の時とは違い、1発も掠められず。

 

 

「ヌルフフフ………確かに君の射撃技術は凄まじい。だが感情が昂ると人の射撃能力は落ちるものです、例えどんな修羅場を潜り抜けてきた者でもね」

 

 

全弾撃ち切った銃を震えた手で持ち続けていたヒロは、しばらく経ってようやく銃を下ろし、何事もなかったかのようにまた階段に座った。

 

 

「はぁ・・・そうです。渚は俺と似てると感じてます、だからこそ俺みたいにならないように___________いや、そういう訳でもないかも」

 

 

自分を嘲るように鼻息で笑った後、話を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………本当は試してみたかったんですよ。もしかしたら俺も違う人生を送れたかも知れないって」

 

 

俺と似ている渚が殺し以外の道を歩んだら、俺の選択は間違っていて、同時に普通の生活は俺でも出来ると自信が持てる。もし渚も殺しの世界に入ったら、俺はあの時最善の選択をしたんだと納得し、その後の失敗を渚にさせないように技を教えようと思った。まあ、コイツに言っても分かんない________「広木くん、その検証をしても意味などありませんよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

「確かに渚くんはあなたに似てるところもあるでしょう。しかし似てる『だけ』であってあの子はあなた本人ではない。それに彼の考え方や価値観はまさに一般人と同じです。いつ死ぬかどうか分からない、そんな世界にずっといた貴方とは違う選択を取る事の方が多いですよ。そしてこの二つの世界は決して相容れることはありません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・はぁ、やっぱり無駄なあがきのようですね」

 

 

やっぱり、俺は殺しの世界の方が______「ですが、まだ選択肢はありますよ?」

 

 

「なんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたは私の生徒であり、同時に命を狙うものです。そしてそれはこの教室に来る生徒全員が同じです………………確かに君は他の生徒達より冷酷で、一切躊躇せずに人を殺せるでしょう。であるからこそ、ここで先生とルールを作りましょう」

 

 

「ルール?」

 

 

「まず一つ、『ここの生徒である間は決して人を殺さない』

 

 

  二つめ、『生徒に殺し屋時代に培った役に立つ技を教える事』

 

 

  三つめ、『何かあったら・・・私に是非話して下さい。先生が全力でサポートします』

 

 

  そして最後が……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………「ちゃんと私を殺せんせーと呼んでください!いまだに『アイツ』とか『タコ』とか、先生に言っていい呼び方ではありませんよ!?」

 

 

 

「はぁ!?そんなタコ面してるからいけねぇんだろこのタコ野郎!!」

 

 

「なっ、そう言う態度で挑むのなら、徹底的に手入れをして差し上げま_____にゅやぁぁ!?」

 

 

殺せんせーが油断している隙に再び拳銃を向けて撃ち込んだ。止まっている隙に足に1発当たり、その後マッハで避ける殺せんせーに7発も掠めた。

 

 

全弾撃ち終えると、さっきまで意気消沈していた広木は嬉々として立ち上がり、裏庭を出ようとした。全身が校舎に隠れて見えなくなる直前、後ろを向いて殺せんせーと目が合う。

 

 

「・・・そんなルールつけてるんですから、俺も『アナタ』に一つルールをつけてもいいですよね?」

 

 

「内容によりますね」

 

 

「じゃあ言います……

 

 

 

 

 

 

 

 

……『俺たちがどうしようもないくらいのクズにならない限り、絶対に見捨てないでください』」

 

 

それを聞いた殺せんせーは緑の横線が入って笑い始める。

 

 

「ニュルフフフ、ルールにつけるまでもないほど、先生にとっては当たり前のものですね」

 

 

それを聞いた広木は、完全に明るい表情になった。

 

 

「じゃあ、これからよろしくね『殺せんせー』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




せっかく前書きと後書きがあるので、今回から書いていこうと思います。広木(ヒロ)や本作品の設定に何か聞きたい事があれば、是非感想に書いてください。ネタバレにならない程度にお答えします。
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