【アニ視点】
最悪だ。
エレンを捕らえられなかった事が・・・ではない。確かに一度は確保したのをあの化け物共に奪われたのは痛いがまだ次がある。なんなら今度はゴリラにやらせればいい。
デイビット・ゼム・ヴォイド。
私が最も警戒していた兵士に目を付けられてしまった事、平地の一対一であいつを逃がしてしまった事、そして今こうして疲労しきったタイミングであいつに狙われてしまっているこの状況。
その全てが、総じて、最悪だ。
私があいつに違和感を覚えたのは入団して直ぐだった。
教官による儀礼に対し、淡々と、それでいて意思をはっきり感じさせる口調で『善いことのため』なんて啖呵をきった時、無意識にだがあいつを気にするようになった。
私があいつに警戒心を抱き始めたのは入団してしばらく経ってのことだ。
訓練兵団では頻繁に団体での活動が行われる。巨人と一人で戦えるのなんて一握り。大抵は班で行動するから、協調性・連携を養うのは当然だろう。
私はデイビットとよく同じ班になった。お互い無愛想で社交性に欠けているから纏められたのだろう。
それから数回同じ班で行動するようになった頃、私はある事に気付いた。
あいつが私に与える負担が少ないのだ。
きっかけはベルトルトに掛けられた言葉だ。
『デイビットってさ・・・アニとよく同じ班になってるよね。・・・あいつに何かされたりしていない?』
なぜそんなことを聞くのかは意味不明だったが、少し考えてみるとデイビットが私に体力の消費が少ない役割ばかり与えていることに気付いた。
『・・・分からないけど、何か気に掛けられている感じはする・・・』
私のその言葉を聞いたベルトルトは何故か狼狽えていたが、そんなことより私はデイビットの気遣いの原因が気になった。しかし答えは出なかったので、ある日直接本人に尋ねる事にした。
『あんたさ、やけに私に対して気を遣ってるの、何で?』
それを聞いたデイビットは表情を変えることなく返答した。
『お前に疲労が溜まっていると判断したからだ。身体を壊さないようにと配慮したが、不要だったか?』
私は驚愕した。
確かに疲労は溜まっている。それは『座標』の情報を集める為に内地まで潜入捜査を行っていたからだ。お陰で体力は限界。本来なら楽にこなせる訓練も一苦労だった。
しかしその様子を表に出した覚えはない。周りにはただサボっているだけに見えた筈だ。なのに、こいつは即座に私の状態を見破った。
そのうえで、さりげなく私の負担を減らした。正直、その気遣いの仕方は非常にありがたかった。下手に周りにバレる類の配慮をされたら困る。教官に報告なんてされたら、内地調査の件が露呈するかもしれない。決して周囲に勘づかれず、それでいて私の体力を温存してくれる。
意外と気の遣える男だ、とその時は思った。
しかし同時に、その洞察力は危険だ、とも感じた。下手な動きをしたら何か勘付かれるかもしれない。その時から私はあいつを警戒するようになった。
私があいつに不気味さを感じたのは卒業する一年程前だ。
あれは訓練後の夕食の時だった。いつも通り馬鹿どもが中央で騒いでいる中、私とデイビットは近い席で食事を取っていた。同席だからと言って仲がいいわけじゃない。元々狭い部屋で騒がしい連中から離れようとすると必然的に席は近くなるだけだ。
普段はお互い無言だ。しかし、その日奴は珍しく私に話しかけてきた。
『無駄な行動が多すぎるぞ。』
『・・・・・・いきなりなに?訓練の説教?』
『壁が破壊されてから4年が経つが、その間何を手にした。』
『・・・意味が分からないんだけど。人類にまだ貢献できていないのは同じでしょ。幾ら優秀だろうと、まだ兵士見習いのあんたに何か言われる筋合いはないよ。』
そうぶっきらぼうに返すと、デイビットはこちらを見透かすようにじっと見つめて、続けた
『・・・オレは人類の為に動いている。なので、お前たちにも忠告しておく。闇雲に動くのはよせ。手応えが掴めないなら一度離れろ。そして考えるべきだ。
―――壁の中の世界の成り立ちと、その目的を。』
そう口にしてあいつは去っていった。意味不明だ。真面目に取り合うのは馬鹿げているだろう。
しかし・・・有り得ないだろうが・・・とある可能性が私の頭によぎった。
あいつは兵士ではなく、『戦士』としての私に語り掛けていたのではないだろうか。
確かに内地の調査は全く進捗がない。この四年間で危険な状況を生き延びて手に入れたものは殆ど無かった。
デイビットはそんな私たち戦士の作戦に助言をした、一度離れて俯瞰して考えろと・・・・・。
・・・・・・・深読みのし過ぎだ。そもそも壁内人類のあいつが私達の正体と目的を知る筈はない。仮に知ったとしても助言なんてする筈がない。普通は報告するか、私達を殺そうとするかだろう。ただの気のせいに決まっている。
そう頭では納得しつつも、私はあいつに対する気味悪い感情を拭いきることは出来なかった。
何を知っている、何を考えている、何が目的だ。全てが何も分からない。そんなあいつに私は不気味さを感じ、それからはあまり近づかない様になった。
私があいつを真っ先に殺すべきと判断したのはトロスト区襲撃後だ。
あの襲撃の後日、調査兵団に捕縛されていた二体の巨人を私は殺した。
その翌日、調査兵団はその犯人捜しの為に全員の装置の検査を行うことにした。その直前に、デイビットは私に話しかけてきた。
『アニ、立体起動装置を貸せ。』
『・・・何で?検査はまだだけど。』
『念の為だ。』
そう言って立体起動装置を半ば強引に奪ったあいつは角度を変えながら一通り装置を確認する。
『これは・・・思ったより分かりやすいな。アルミン辺りなら気付くだろう。』
そう呟きながら、あいつは自身が着けていた立体起動装置を外して私に手渡してきた。
『こっちの装置を持っていけ。そちらの装置はオレが預かる。』
『・・・あんた、とうとう本格的におかしくなっ―――
『少なくともマルコの装置を持っておくよりはマシだろう。』
『っ!!!!!!』
同じ立体起動装置ならバレないだろうと考えた私が甘かった。こいつの気味の悪い程の洞察力を忘れてしまっていた。
『・・・なんのこと?』
『シラを切るのも雑だな。不要な巨人の殺害といい、証拠の杜撰な隠ぺいといい、そもそもこの5年間の動きといい、全体的に無駄が多すぎたな。まぁ無理もない。この任務をお前達だけに背負わせたのがそもそも酷な話だった。』
息が止まった。多分表情にも動揺が出ていただろう。『何を知っている?』と問おうにもその声すら出なかった。
『立体起動装置の傷跡は出来る限りお前の元々のやつに似せておいたから安心しろ。お前は憲兵団だったな。なら当分会うことはないだろう。じゃあな。』
そう別れを告げてあいつは私の前から消えた。
そして動悸が収まったころ、私はあいつを真っ先に殺すことを決めた。
『次の壁外調査でデイビットもターゲットに加える?そりゃどういう意図だ、アニ。』
ライナーが私を訝しげに見て真意を問う。
私達は次の調査兵団の壁外調査のタイミングでエレンを奪取する為の作戦を考案していた。周りに人はいない。決して強くない焚火を中心に、情報共有と計画策定を3人で行っていた。
私はライナーとベルトルトに向かって、当初無かった計画を足そうと提案した。
『デイビットは危険過ぎる。もう私達は目を付けられているよ。下手なことをされる前に殺しておかないと不味いことになる。』
私の返答にベルトルトは信じられないという表情を浮かべる。
『そんな訳はないよ、アニ。僕らは何も疑われるようなことはしていない筈だ。』
『俺もベルトルトに同意だな。いくらあいつでも俺たちが壁の外からやってきたなんて考えに至るはずがねぇ。ビビりすぎだ、アニ。』
そう言う二人に対して私は自分の素直な心情を吐き出す。
『・・・分からないんだよ、デイビットが。私が捕獲された巨人を殺したことはもうバレている。でもあいつはそれを報告するそぶりすら見せない。それを出汁に脅す事もなかった。本当に分からない、あいつのことが・・・何一つ。』
『『・・・』』
ライナーもベルトルトも、神妙な面持ちで私の言葉を受け止めた。私は続ける。
『もし仮に壁外のことも、私達の目的も、全てあいつが知ってても驚かない。あいつが生きている限りは、私は安心することは出来ないの。』
『アニ・・・・』
『・・・・手強いぞ、デイビットは。どうやって殺すつもりだ。』
ライナーの問いに私ははっきりと返す。
『平地の一対一に持ち込む。巨人化した私相手ならデイビットでも勝ち目はない。』
『・・・そうか。幸い奴の位置はエレンと近い、右翼索敵だ。作戦に支障はないだろう。』
『そう・・・それは願ったり叶ったりだね。安心して、確実に殺すから。』
そう意気込んで実行したがこのザマだ。
デイビットを平地で一対一に追い込んで勝利を確信したが、殺すことに意識が向き過ぎて反撃を喰らい、その隙を突かれて逃げられてしまった。
そして当初の目的であるエレンの奪取も失敗し、疲労しきった最悪のタイミングで再び相対する事になって今に至る。
私の眼前には刃を携えて無表情にこちらに向かうあいつの姿があった。平地で戦った先程よりも条件は悪い。こちらは限界近くまで疲労もしている。
しかしそれでもまだ、私に分がある。
あいつは人間だ。私からエレンを奪い返したあの化け物共とは違う。身体能力に限界があるはずだ。
そして私は巨人だ。疲労はしているがまだ戦える。先程のように油断さえ見せなければ負ける事はない。
慎重に対処して向こうの体力が切れた隙を狙って、殺す。
そう決めて構えをとって迎え撃とうとした瞬間・・・
デイビットは私の視界から消えた。
上だ。
あいつが移動した一瞬を捉えていた私は木の上を見上げるが、森に紛れてあいつの姿は見えなくなった。
そりゃそうだ。立体起動装置を存分に使いこなせるこの森の地形を利用しない手はない。
消耗戦を覚悟して森の中に意識を完全に向けてしまった為、私は気付かなった・・・
五体の巨人達が私に襲い掛かるのを。
「ッ!!!!」
反応が遅れ、巨人達に体中に喰らいつかれてしまう。
―――デイビットの奴・・・私に巨人をぶつけてきやがった。
自らを囮にして巨人を誘き寄せ、私の所までやってくるなんて作戦、イカれてないと出来やしない。あいつには、巨人への恐怖なんて微塵もないのだろうか。
体力が限界に近付いていた私は巨人達を簡単に引き剝がす事が出来ない。もたついているうちに右腕が噛み千切られてしまう。
非常にまずい。このままだと全身を喰われて巨人化が解除されてしまう。流石にもう一度巨人化する体力は残っていない。状況に危機を感じた私は限界まで力を振り絞って巨人達を振り払おうとする。
「アァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
力を振り絞ると同時に叫び声が出てしまった。これで更に巨人を呼んでしまったかもしれないが、今はこの状況を脱出する事に注力しなければならない。
何とか身体に纏わりついた巨人達を全員剥がし、その勢いのまま巨人の頸に蹴りを入れる。
頸を潰されて消滅する巨人を他所に、他の四体にも攻撃を仕掛ける。いくら体力に限界が来ていてもこいつらに負ける程落ちぶれちゃいない。
二体目、三体目、四体目、そして最後の一体を踏み潰し、巨人達をせん滅した。本当に限界だ。もう立っているのも難しい。即座にここを離脱しなければ。
ふらつきながらそう考えていた私の後頭部は、完全にがら空きだった。
木の上から私の頸に向かって降りてくる気配を感じた頃にはもう遅い。
「フンッ!!!!」
力の入った掛け声と同時に、刃が肉を断ち切る音が私の耳に鮮明に届く。
その次の瞬間には私は巨人の身体を失い、強引に引きちぎられて外に出される。
私の負けだ。
デイビットと目が合う。私を目視したあいつの表情にはなんの動揺も視えなかった。それが当然であるかのように、いつも通りの機械染みた面構えで、私に刃を振り下ろす。
・・・ほら、やっぱりね・・・。
ライナー、ベルトルト、私達・・・全部こいつに暴かれてるよ。
多分、とっくの昔に。
これからのあんた達に同情するよ。
精々頑張れば?
これから死ぬ私には関係の無い話だけどね。
私はそう自分の死を受け入れる様に目を瞑った。
その瞬間、上から新たな巨人が大口を開いて私達に向かって飛びついてきた。
先程私が叫び声で呼んだ巨人がやってきた様だ。
「・・・これがお前の意思か。」
デイビットはぼそりとそう呟くと、私から手を離す。そして、襲い掛かってきた巨人を一瞬で切り伏せた。
そこに、数秒の隙が生まれる。
この隙に逃げる?無理だ。直ぐに追いつかれる。
反撃?もっと無理だ。
じゃあやっぱり大人しく死ぬ?
―――それもごめんだ。私には父親との『約束』がある。
自分の唯一の家族を思い浮かべながら、私は最後の力を使って身体全てを硬質化で覆った。
第57回壁外調査は成功とも失敗とも取れない結果に終わった。
当初の目的だった意識を残したままの生け捕りには失敗したが、これまでにない大きな手掛かりを手に入れることには成功した。
確実に言える事は、人類は決して少なくない犠牲を生みながら、また一歩前進したという事だ。
「・・・つまり作戦が漏れていたわけではなく、君は自ら推測で今回の作戦の真意に辿り着いたということか。」
「はい。内部に敵がいる可能性は元々考慮していました。相手を誘き寄せて捕獲する為にエレンを囮にして壁外で作戦を実行するというのは合理的です。僕もその作戦自体は頭にありました。」
時は第57回壁外調査の帰還後、場所は調査兵団本部のとある部屋。その中には三人の兵士がいた。
1人は机に座って尋問を行っているエルヴィン・スミス。
1人はエルヴィンの後ろで壁にもたれかかって話を静聴するリヴァイ。
そして最後の1人が、エルヴィンの問いに淡々と答えるデイビット・ゼム・ヴォイド。
調査兵団は第57回壁外調査から帰還した。成果として女型の巨人の捕獲に成功したが、その事実は秘匿する事となった。そのため、市民からしたら再び何一つの成果も挙げずに死人だけ生み出したことになる。帰還時は市民から失望の声が聞こえた。
帰還後、エルヴィンは真っ先に作戦の立役者であるデイビットと秘密裏に会談を始めた。内容は単純、彼の行動の真意を問い詰める事にあった。
「・・・なるほど、そこまで見通されていたか。因みにどのタイミングで作戦には気付いた?」
「兵団勧誘の演説を団長がされた時には大体予想をしていました。いくら壁外の調査でも3割の犠牲を予想するのは普通の作戦では考えられません。全貌を読めたのは偽の作戦が配られた時です。」
「・・・そこまで読めていて何故お前は報告をしなかった。」
それまで口を閉ざしていたリヴァイが尋ねる。
「本作戦に一員として参加するよりも、単独で行動した方が女型討伐に貢献できると考えたからです。」
「・・・どういう意味だ。」
「本作戦は優れたものでしたが、我々は巨人への知識がまだ浅い。捕獲までは上手くいっても未知の手段で突破されることは十分に想定できました。なら突破された後に単独で追撃を加える役割が効果的である、という判断です。」
リヴァイの問い詰めに対しても無表情で報告するデイビット。それを見たエルヴィンは感嘆のため息を吐いて称える。
「大した洞察力だ、デイビット。訓練兵団から恐ろしく頭が切れるという報告は受けていたが、予想以上だよ。君のお陰で我々は本作戦で成果を挙げることが出来た。」
一連の話を聞いたエルヴィンの頭の中にはある考えがあった。それはデイビットを昇格させることであった。
「(間違いなく、我々の中でも抜けた頭脳を持っている。彼に権力を与えた方が命を落とす兵士も減るだろう。しかし・・・)デイビット、一つ聞いてもいいか?」
「はい。」
「君がもし今回の作戦を指揮していたら、被害はもっと少なかったと思うか?」
エルヴィンは真っすぐとデイビットを見据えて尋ねる。それに対してデイビットは軽く考えた後に返答する。
「それは無かったでしょう。戦術ならともかく、兵士と共に行動する協調性は僕には欠けているものです」
「 (下手に地位を与えるとかえって動きづらくなるか)・・・そうか、分かった。これからも君の好きに動いてくれて構わない。責任は私が取る。時間を取らせてすまなかった、デイビット。」
「はい、それでは失礼します。」
デイビットはエルヴィンの指示に対して、内心で『妥当だな』と呟きながら退出した。
デイビットが退室した後、リヴァイはエルヴィンに問いかけた。
「なぜ普通の兵士のままにさせた。あいつ、相当使えるぞ。」
リヴァイは本作戦でその能力の高さを証明したデイビットを何故昇格させなかったのかを尋ねた。普通に考えれば一隊を与えた兵団にとって大きな力になるだろう。しかしエルヴィンはデイビットを単独で好きにさせる決断をした。
「彼を駒として使うのは効果的ではない。仮に今回の作戦に彼を組み込んでいたら、我々は女型を捕らえられなかった。私が彼に指示を出すよりも、彼に好きに動いて貰った方が良いだろう。」
エルヴィンはデイビットの本質に直ぐに辿り着いていた。彼は誰かの指示で動く人間ではなく、個人で混乱した状況をいつの間にか制圧している男だ。その力を最大限活かす為には、エルヴィンの下した判断が最適だろう。
「だが、あいつを上に据えることで救える兵士の命もあるはずだ。」
立場を与えるという事は兵士の命を預けるということ。デイビットに多くの兵士を預けた方が犠牲は減るだろうというリヴァイの提案に対しても、エルヴィンは即座に却下する。
「その結果、巨人の討伐・・・ひいては人類の勝利への貢献が損なわれたら元も子もない。調査兵団は人類の勝利の為の兵団だ。」
エルヴィンは兵士の命を救う救世主としてのデイビットより、敵を屠る英雄としてのデイビットを求めた。この決断を即座に下せるゆえ、エルヴィンは調査兵団の団長なのだ。
この瞬間、デイビットの兵士としての役割は決まった。自由に行動する権利を与えられた彼は壁内人類へ多大なる貢献をもたらす事だろう。
とある仮定が成り立つ限りは・・・だが
「・・・あいつが人類の味方という保証があるなら、だがな。」
「・・・無論、野放しにするつもりはない。彼の身辺調査は入れる。だが、少なくとも巨人の味方でないなら、問題はない。人類の勝利の為に多少のリスクは必要だ。」
「そうか・・・どちらにせよ俺はお前に従うだけだ。」
そうリヴァイはデイビットについての話を締めくくり、次の話題へと移った。
「それで、これからどうするつもりだ。これで内部に潜む敵が居なくなった・・・なんてぬるいことは考えてないだろうな。」
「無論だ。更なる手掛かりもある。それに104期のアルミン・アルレルトという兵士が報告したいことがある様だ。エレン達も含めて会議を開こう。」
「時間を掛けると女型を捕獲した件もバレてくる。すぐに行うべきだ。」
その後彼等はアルミンに加えてエレン、ミカサも交えて会議を開き、とある兵士の疑いを強める結論に至った。そしてその予想は数日後に最悪な形で的中する事を、殆どの兵士達はまだ知らない。
数日後―――
「昨夜ぶりだな。ライナー、ベルトルト、ユミル。任務から独断で離れてすまなかった。」
「・・・何しに来た・・・デイビット。」
「別れを告げに来た。」