夜食を町下のラーメン屋に食べに行った、そう...ウキウキしながらね。
「いらっしゃい、今日は上機嫌だね。」
「そうなんだ~実はいい事があってね~」
「そうかそうか!!いつものでいいかい?」
「うんうん!!」
そしてそのまま自分の席で...
無法都市
ミサイル
血の女王
という単語を喋りながらね、ガッツリ不審者です。
そしたらその後に入店してきた赤髪の綺麗な人に突然話し掛けられた、やっべ...煩かったか。
「私はメアリー、君は貴族の子女か?」
と思ったが別にそんな事なかった、私に用かな?何だろ。
てか王都は貴族ばかりだぞ...
「いやまあそんな感じだね、うるさかった?それは悪かった。」
「悪い、急に話し掛けてすまない。
君はアレクシアというアーティファクト職人と親しい人間か?」
はい、それどころか本人です。
...アーティファクト職人か、面白れぇ噂が流れてるな。
「何か要件でもあるの?」
話だけはタダだから聞いてやるか、どうやら面白い事になりそうだからね。
...吸血鬼か、きな臭いな。
「ああ、少しな。
...力を借りたいんだ、朝の目覚めをよくするアーティファクトがあるなら譲って欲しい。」
何だその用途がピンポイント過ぎるアーティファクト、そんな朝弱いの?夜更かししてるからだよお姉さん。
「夜寝て朝起きる生活をオススメするよ」
この細麺が美味しいんだよなぁ、これを作る工場を自分で建てた甲斐があるよ。
「いや...そうだがそうじゃなくてだな...」
話を濁された...自分に使うんじゃないのかな?
「生憎そんな用途が的確過ぎるアーティファクトは存在しないよ、てかそれがあったらまあ先に渡すべき人が居るし。」
ミリアお前の事だ
「そっ...そうだな変な事を聞いた、オススメを一品頼む。」
そうメアリーという少女はオルム製金貨を一枚出す...両替を兼ねてかな?
「悪いな嬢ちゃん、オルムの金貨は使えないんだ。」
「そうなのか?すまないこれでいいか?」
次はベカルタ製の金貨である
「悪いベカルタのも使えねぇんだ、金貨でならミドガル王国製か旧製の金貨で頼む。」
「そうなのか...」
これが旅行者への洗礼である、圧倒的な通貨価値の差だ。
悪いなメアリー、この国だと混ぜ物ばかりの金貨モドキは使えないんだ。
「旧製ならいいんだよ?10年以上昔の金貨ならね、まあそこそこ高貴そうな人に見えるし一枚二枚ぐらいなら持ってるでしょ。」
「そうなのか?悪かったな大将、これで頼む。」
メアリーさんの持ってる金貨1000年前のじゃねぇか、何歳だよ怖いわ。
「...見た事のない金貨だな、まあいいか。」
「大将って結構適当だよね、また悪銭ばかりを掴まされたりしない様にね。」
「大丈夫さ、悪人の様には見えんし...まあ旅人へのささやかなサービスってヤツよ。
1杯1000ゼニーだからな、釣りが銀貨9枚に銅貨9枚9万9千ゼニーだしっかり数えろよ」
「二人には為になる事を教えてもらったな、ありがとう。」
彼女にもラーメンが渡される
てか吸血鬼かこの人...
綺麗な目だなと思ってたら案の定だった、でも人の食べ物を食べるんだな。
...断血したのかな?
となると血の女王の関係者か?
...女王様からの命令?朝の目覚めをよくするアーティファクトを用意せよという?
ミリアと目覚めが悪い者同士で仲良くできそうだな...
「その目...メアリーさん吸血鬼か、珍しいね。」
「嬢ちゃん吸血鬼なのか?!
吸血鬼っていったら人の血を吸う化け物って触れ込みだが、普通に人間と変わんねぇだな。
本当に適当だな聖教の奴ら...」
立ち去ろうとするメアリー
「ステェイ、折角の飯なんだから食ってから帰れ勿体ないぞ。」
思い止まったメアリー
「あぁすまないすぐに出るよ、断血すれば私達吸血鬼でも吸血衝動が治まるんだ。
...この国の人は吸血鬼を怖がらないんだな、変な気分だ。」
「勿論怖がる人も居るぜ、俺でも忌避感もある。
でもこの麺を食いにきたヤツなら誰でも歓迎だ、勿論明日も来ていいぜ。」
懐広いなぁ大将、私の次に懐が広い。
「そうか...」
う~ん美味しかった、ラーメン餃子チャーハンでお腹が幸せだ。
さてこの人を招待して戦力の適切な運用法を練って...
いやでも得体の知れない人を呼ぶと姉様が怒るしなぁ、でもいいや好奇心を埋める方が上だ。
メアリー...吸血鬼...
ん?思い出した、シドん家の禁書に書かれてたメアリーって最古の吸血鬼狩りだったよな。
...じゃあ女王を狩りに来たのか?いやでもアーティファクトの件とは関係ないな、何だろマジで。
「御馳走さん、明日王城に来るといい。
...面白そうだし話は聞くよ、吸血鬼狩りのお姉さん。」
口を開けて固まるメアリー、クスクス笑いながら店を後にする私。
「...大将?でいいか?あの人は誰か知っているか?」
「あの人はな、ウチの国の王女様だな。
...第二王女アレクシア・ミドガル、因みにこの麺を作ってるのもあの人だ。」
「...は?」
「やあ待ってたよ、メアリーでいいかな?改めて私はアレクシア・ミドガル。
...しがないアーティファクト職人さ、早速だが吸血鬼狩りの話をしようじゃないか。」
「あっ...ああ...」
「アレクシア...正気?吸血鬼...敵だよ?」
「といっても彼女は最古の吸血鬼狩りだ、まあ自分の友達の子孫みたいなものじゃん仲良くしなさい。」
「ん...」
「あっ...
勘違いさせた様で悪い、私はエリザベート様を殺す算段を立てるつもりではなかったのだ。
いや合ってるのだが...その...」
「信用...できない、今ここで...斬るべし!!」
あれ?私の勘違いだった?
痛い奴じゃん私...てか今斬るべしとか言ったよね?!なんだその訛り...
「すまない話だけでも聞いてくれないか?」
「何かとんでもない勘違いをしてたみたいだしね、認識の擦り合わせからしようか。」
「ありがとう、君はいい人だな。」
分かってるじゃん、いや~この人が部下に一人欲しいね。
「じゃあ話していいよ」
「私の目的は吸血鬼の王であるエリザベート様の復活の阻止です、エリザベート様は目覚めが悪くてな...月の魔力に惑わされるが儘力を開放してしまう事を阻止したいんだ。
...身の上話になってしまうが不忠者の私の一方的な願いなのだが、できるならあの人を救いたかったのだ。
その為に、目覚めをよくするアーティファクトを探していた。」
ああそういう...目覚めが悪い人は手が負えないもんね、分かるよその気持ち。
「うんうんよく分かった、でも私にそんな変なアーティファクトを作る方法はない...悪いね。」
「はい、なので今の目的はエリザベート様の復活の阻止...もしくは討伐それだけです。
...昔私と同じ、エリザベート様の臣下であったクリムゾンという者が居ます。
その男がきっと贄を探し出し、それを依り代として月が赤い夜に復活させるでしょう。
私はその阻止をしたいのです、力を貸していただけませんか。」
「いいよ、元よりそのつもりだったし手札が増えるのは大歓迎だ。」
「ありがとうございます!!」
「それでは早速、征伐の話をしようじゃないか。」
肩を掴んでニコニコで言う
この人の笑顔を見てメアリーは思った、協力して大丈夫なのかな?って。
この世界のアレクシアさん自分で言うのもなんだけど原作以上にいい性格してますよね...隠さないから余計に際立ってる()