やらなきゃいけない事は目白押し
「従兵、話は一旦区切らせてくれ...悪いね。」
「いえ、問題ありません。」
「認めるよ、君は我々を彼を越したとね。
君の為に何でもすると誓うよ」
私と彼で意思を統一させる為この場に呼んだ、次の円卓会議とやらで他派閥を攻撃する下準備も手伝って欲しいって言ってたからその手伝いもね。
「そうか、じゃあ私の下に正式に付いてもらうよ。」
「ありがとう、礼というか道理というか教団は価値のある内に売らせてもらうね。
技術人員資産全てをあげるよ」
「太っ腹だね、ではその手筈は整えておいてね。」
「分かった、話は以上かな。」
「うん取り敢えずね、従兵の話もあるからまた後で。」
おい睨むな、そうそう笑顔で居ればいいんだよ駄目だよ怖いわ。
「...あの方は?」
「魔剣士フェンリルだね、ディアボロス教団を裏切るんだってさ。」
「そうですか...」
「信用ならないのは分かるよ、君達の仲間が彼に殺されてる事は知ってる。」
「なのに何故!!私含む兵達は決して認められません!!」
「私が彼を受け入れると決めた、勿論国を守るのは君達の仕事だから泥棒させるつもりはない。
そもそも私が君達と同じ雇用形態を選ぶ訳ないだろう、彼にはかなりキツい仕事があるからね。
...まあ君達が代わりにするというのなら殺しても構わんが」
「構いません、我ら陸軍全て参謀から一卒兵まで命は惜しくありません!!あの者ではなく私にやらせて下さい。」
マジか、引き下がらんか。
何だろう涙出てきた...
「そうか、だが君達にさせたくない。
...試して悪かった、でもごめんこれは私の決断なんだ。」
「...」
「あれは人ではない、災害の様なものだ。
...人には人の仕事がある、君達には人として国に奉仕して欲しいんだ。」
「はい...」
ただ、意思は尊重させてもらう。
「多分同じ職場で働く事になるしね、仲良くしなさい。」
「は...?」
「それで従兵、何か報告する事があるのだろう。」
「あっ...失礼しました!!
実はゴニョニョ...」
まさかの、あの時シャドウごと王都を爆撃したらしい。
しかも全滅...死傷者多数?
「何十億年千億何兆何十億何兆何十兆かけたと思ってんだよ...呆れて何も言えん国の矛を自分の国に向けてどうする?
そもそも出撃させたの誰だ、王都に爆撃とか正気か。」
「いえ...
ただシャドウの存在の報告を受けた者達が自発的に行動致しました、誰が命令したという訳ではございません。
「制止した者は居なかったのか?」
「それが...あの時、参謀は王都に居まして。」
要するに集団パニックが行き過ぎたのね、ったく人心というものは...ドーパミンの出過ぎだな。
最前線で教団と小競り合いしてた陸と比べたらメンタルが弱いな、私の慢心だなこれは。
「作戦を行った全員の私的な外出を禁止する、嗜好品の量も絞れ。」
「甘過ぎるのではないでしょうか?」
「反抗する輩が居たら状況に応じて斬り伏せて構わん、寛大な処置であると伝えろ。
次同じ様な事が起きぬ様にすればいい、実戦経験をしていなかった者も多かったのだ...空軍全体としても初めてのミスだ仕方あるまい。
十分以内で人員を集め出撃準備を済ませたんだ、訓練以上の成果を出している。
そもそも敵性存在に爆撃を許可するとしか規定がなかったからな、仕方がない皆新兵なのだ。
...それにこの死者数、設計者として私にも原因があるだろう。
民を王を土地を臣民の財産を守る為の我らだという事を、それを爆弾で吹き飛ばしてはいけないと頭に叩き込め。
それで十分だ...」
「承知しました」
被害も大きい、被弾軽視だったからかな?シャドウと戦闘する予定はなかったけど戦闘する事になってしまったからな...シャドウと戦う為の必要性が生まれたな。
威力向上の為に10mmリボルバーカノンから20mmバルカン砲に換装するべきだな、最低限の自衛能力は必要と判断したで。
そして被弾面積を減らし機動性と生存性を向上させる為の努力が必要だろうか。
シャドウガーデンの連中がシャドウと同じ事ができない筈がない、七陰クラスとなれば規模は兎も角高度2万mの航空機を狙撃しても何らおかしくはない。
...うむ空母用の艦載機の開発と同時並行で、必要性がロマンに追い付いて来るとは。
戦闘機
戦闘攻撃機
爆撃機
の三種に分類すべきか、シャドウみたいな化け物と直接戦える戦闘機が必要だな。
まあ勝つ事は不可能だろうけどね!!はっはっはっはっは...
それでいて姉様クラスを殺せる打撃力と空の魔物を軽々処理できる戦闘力がある戦闘攻撃機、最後に軍団を丸ごと制圧する爆撃機か。
やるべき事が増えた、必要に応じて軍を改革しなければシャドウガーデンやディアボロス教団に追いつかれてしまう。
犠牲を前提にした作戦は怠慢だ、それに始めたのは私だからね全部やらなければならない。
...それは可能になったのだ、細部はフェンリルに丸投げすればいい。
大改革が始まったんだ、これを乗り越えた陣営が勝つ。
...ディアボロス教団シャドウガーデンミドガル王国聖教ベカルタ帝国オリアナ王国その全てがいまキツイ状況なんだ、その点一番有利なのが我が国だ。
苦ではない、自分にとって機械を弄る事作る事考える事は楽しいからな。
それでいて方向性は決まってる、迷う事もない。
それでも平和なのはいい事だよな...
「このままだと先に列車が完成するぞ?綺麗に均すんだ!!
軽便鉄道でも何でも三日以内に騎士団と軍で3線づつ完成させないと輸送力の問題で餓死者が出るぞ!!」
騎士団員と軍人に大型トラクターから運ばれてきた砂利を均させ、その後に枕木とレールを敷いている。
まあ昨夜の揺り返しで無事地盤は再度固定されたしね、深夜私一人で軽便鉄道を二通完成させて用意した砂利と枕木とレールなんだ。
100万人都市のインフラ整備マジで面倒だな、地震で崩壊した1000万都市のインフラを再整備した人達には頭が上がらんな。
イラつく、軍人達はともかく騎士団の連中の半数は働かない...普段の勤務態度がよく分かるよ不良騎士どもめ。
「精が出ますね、アレクシア。」
「ちょっ姉様!!シャドウに何されたか分からないんだから動いちゃ駄目でしょ...てか何でここに?」
「アレクシア、貴女は悔しいですか?私はとても悔しいです。
アレクシアが王都に張り巡らせた鉄道網やアスファルトやコンクリートで舗装された道路が、あのシャドウという男に破壊された事...それを阻止できなかった事がとても悲しいです。」
ん?いきなりどうした、珍しくセンチメンタルだな。
「悔しいか、でもまあアレはなぁ災害みたいなものだし仕方がないよ。
...聖教で出てくるディアボロスとかそういう類のモノだよ、嵐や地震を剣で止められないのと同じ。
あんな化け物に勝つ事は不可能さ、私達普通の人間にできるのは備える事だけ。」
「「...」」
あれ?何か話しミスった?
「できる範囲でやるべきだ、リソースは限られてるからね。
...シャドウが王国を直接滅ぼしにくる事はないよ、どうせ羽虫みたいなモノだからね。
私達はシャドウではなくシャドウガーデンに勝てればいいんだ、それが最も現実的で経済的で効果的な目標。
シャドウはオリアナ王国の、お気に入りのローズ先輩...ローズ・オリアナのゴタゴタに介入されたくないんだよ。
その邪魔をしなければこんな事にならないで済むだろうしー...」
あちょ、どこに行くのよ。
...まあ今は話す暇ないや、余裕ができたら腹を割って話そう。
姉様タフだしね、ルクレイア先生みたいに死ぬ事はないだろう。
基本は生きてればどうにでもなるしね...