seven shades in η
「アレクシア王女!!久し振り、研究費ちょうだい。」
「私からの仕事があればね、その時は多めにお金出してあげる。」
「むー...」
アルファに甘やかさない様にと言われているんだ、ごめんね。
「研究費がないの?」
「シャドウガーデンとしての研究費は足りてる、でも自分のやりたい研究が...できない。」
「ふむ...それならいい方法を教えてあげようか?」
「...お願い!!さすが師匠...先輩!!」
可愛い、そして強かだ。
この子年上なんだもんなぁ...
「うむ、今はガーデンの仕事を...どんな研究をしてるのかな?それを終わらせてから考えてみようか。」
「もう全部終わった、仕事はちゃんとやる...偉いでしょ?」
あれマジか、自分のやりたい研究が優先だと思ってた。
「偉い偉い、それじゃ仕事場に案内してくれ。」
「ん...」
散らかってるなぁ...
いやでも方向性がある、散らかってる様に見えて整頓されているな。
仕事道具は超最新器具ばかり、流石の資金力だな教団から徴発してるだけある。
「道具に関しては特に言う事はない、いいだろう研究をしてるところ見せてみ。」
「ん...」
コイツ理論だけ紙に纏めて設計は脳内で完結させている、何と言う脳内容量の無駄遣い恐ろしい子。
にしても勿体ないな、作ってポイか。
「おし、まずイータ普通の人間は一元的にしか考えられない。
それはいいね?」
「ん...」
「でもイータ君は超天才だ、三元的どころか四元的に考えられている。」
「ん...」
「でもこの世界は11次元以上の要素で構築されている」
「...そうなの?!」
魔力を足したらそれ以上に増えるだろう、西暦世界の技術研究で人類が...特に電子機器類の開発でどれだけ迷走したか知らない人には分からないだろうね。
...地球では電子コンピュータの開発に最低でも11の11乗で約3000億から、11の11乗の11乗の約300垓回の研鑽をした筈だ。
だというのにこの子は、それに想像力だけで追い付こうとして...フィーリングで真空管の開発とは正気とは思えん。
研究者の癖してどんな柔軟な頭してるんだ、普通そういう奴は変な研究にのめり込むというのに。
そういえば君達、変な研究や知識にのめり込んでたね。
「真空管の開発は、最低11の11乗で約3000億回の技術の積み重ねで果たされるものだ。
...だというのにフィーリングで完成まで後一歩とは天才にも程があるよ君、その上で電子コンピュータを開発しようとしてるとかそれで研究費足りないとか当然じゃん。」
「むー...」
「まあ君だからできる開発法があるよ、脳内設計図この紙に書いてみて。」
「...分かった」
「それを見て三元的四元的に考えるといい、そして思い付いた事をスライムで他の紙に書き続けるんだ。」
「うん、確かに盲点...
システムに沿って、自分の想像に沿って動かせるから...後から確認して組み合わせれば楽。」
これを一発で真似ちゃう才能はどうかと思うよ、いやほんと何で聞いただけで真似できちゃうのかな。
「うむ、それで知識の管理がより楽にできるんだぜ。」
「流石師匠!!先輩...天才!!」
研究開発は確率論なのだ、そう確率論なのだ。
...私達は結果の想像はつくが過程だけは地道に何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も...................繰り返すしかない、その結果を収束させるのは大事なのだ。
できるものならな?
普通は不可能だ、それこそ複数の分野で様々な専門的な学問を理解してる超人じゃなければ絶対に不可能だ。
...そんな超人でも人生を賭けてソレをするよ、ただ俺は知識と確率論的な圧倒的な量のリソースを無駄遣いをしてコレを為してる。
前世技術者志望の解と数を知っている俺が、確率論的な研究開発で楽をしてやっとこれだ...前世で魔法なしで数多の電子機器類を完成させた人達への尊敬の念は尽きない。
だというのにコイツは、ただその言葉を聞いて考え実行しただけで並んだのだ。
...彼女を弄りたい、この子を素体にすれば概念をただの想像を安易と技術に落とし込む事ができる生命体を作れるだろう。
西暦世界の理論上可能を全て実践できる様にする頭脳...
それは易々と世界の真理に辿り着く、安易と神を地上に引き摺り下ろし魔力が生まれた理由も知る事ができるだろう。
ま俺はそんな事させる気ないが、一度凝り固まった技術なんて俺はあんま好きじゃないし。
俺は工学的な人間だが、正直工学は嫌いだ。
...いや訂正しよう工学的な製品は好きだが、工学的な技術開発は嫌いなのだ。
可能性を狭める行為であると俺は考える、まあ地球の技術を異世界にそのまま持ち込んでいる俺が言えた事ではないが。
ただこの子は、そんな事どうでもいいんだろうな。
「それと同じ種類の部品を使い回すといい、シンプルisベストだ。
1つの機械に何種類ものネジを使う意味はない、今のイータのしてる事は技術研究じゃなくて技術開発なんだからな。」
「む、分かってない...ロマンは大事!!」
「そうか、じゃ仕方ないな。
...あんま開発費用下がらない気がするぞ?」
「しまった...!!」
アホやな俺達、そうだなロマンは大事だな。
「それじゃスライムで作って、そのスライムで稼働実験をするとか。」
「それは、マスターか師匠しかできない...」
うん、これを真似されたら泣いたよ安心した。
「地道に頑張ろっか、それが一番。」
「む...マスターは式を教えてくれる、でも師匠は実践しか教えてくれない。」
「コッチの方がいいだろ?」
「ん、そこが好き...」
表情はあんま変わんないな、でもそこも可愛い。
...まあ何を考えてるか分からない部分もあるが、いやマジでどうなってるんだろうねこの子は。
そして紆余曲折あって数年後、ついに彼女はENIACを異世界で作り出した。
「おめでとうイータ」
「凄いわイータ!!」
私とガンマがイータを褒め称える
「師匠、それは皮肉...よくない。」
「一応言っとくけどさ、こういうのって数百人が頑張って生涯を賭けて研究するものだからね?その偉業をたった数年でたった1人で行ったんだ誇れよ。
君はこの世界で最もコンピューターを理解した人間だ、これからも研鑽を続け技術や知識を積み重ねるんだよ。」
「...師匠より?」
「そう、私よりね。」
この時イータは、アレクシア・ミドガルを追い越した。
尚この後にアレクシア・ミドガルがNC旋盤の開発を果たしてから、たった一年と数ヶ月で追い越され突き放される模様...う〜ん容赦がない()