二日遅れ申し訳ない
ピノコニーで穹と別れてから少し経ち、最近は行く星々で列車組と会うことが増えてきた。会うたびにバトルになる(ほとんどカフカと銀狼のせいではある)が、個人で会うときはみんな友好的に接してくれるようになってきた。
余談ではあるが、『星核ハンターサム』として戦っているときは、普段であれば全力で戦っているが、最近守りたい人である穹が相手ですごく困っている。
そうして交流していくうちに、列車組のメッセージのグループにもなぜか招待され、みんなから「いつでも列車に歓迎するよ!」と言われて舞い上がっているホタルであった。
そんなある時グループチャットでバレンタインの話題になった。
「俺が元いた世界には2月14日に大切な人に想いを伝えるバレンタインデーという日があるが、知っているか?」
ホタルはバレンタインについての知識は穹のことが好きになったときから調べていて、とある星で同じような文化があることを知っていた。
「あっ...それ知ってる!元々はとある聖人を祭る日だったけど、今は大切な人にチョコレートで気持ちを伝えるという日だよね?例えば...恋人とか...」
恋人という言葉をいうと少し照れ臭くなってしまう。顔が見えないだけまだましだったかもしれない。絶対赤くなってる。
「そうだな、だが大切な人というのは家族や仲間も入る。普段照れくさくて言えない言葉も伝えるといいかもな」
ヴェルトはそう締めくくった。
ホタルは料理などしたことはなかった。だが、この日のために事前に調べて学習しておいた。経験はないが知識はある状態だ。経験はないが。
「えっと...ガトーショコラって...」
材料をいったん出して考えていると、
「あらサム?あなたがキッチンにいるって珍しいわね?」
カフカが入ってきた。
「あっカフカ...これは...その...」
ホタルがカフカへの返答に詰まっていると、
「この材料...ガトーショコラね?一体誰に作るのかしら?とは言っても、一人しかいないわね」
「えっと...うん、そうなんだ」
「でもサム?貴女、料理したことないわよね?一人で作れるかしら?」
カフカは容赦なく刺してくる。
「うぐっ...それは...だ、大丈夫だよ。レシピはしっかり見ながら作るし...」
「あらそう?その割には不安そうな顔をしているけれど」
レシピを見て大丈夫だと思っていながらも顔には出ていたらしい。
「私もチョコレート作るつもりだけれど、手伝わなくてもいいのね?」
その言葉にだんだん不安になってくるホタル。
「カフカ,,,やっぱり教えてくれないかな...ちょっと不安になってきた」
「いいけれど、全部はまかせないでちょうだいね?」
そういうと、二人で並んで作り始めた。
翌日、どうにかこうにかしてガトーショコラを作り上げることができた。
出来上がったそれをラッピングしながらホタルは思い出していた。
「サム?何しているのかしら?」
「えっと、チョコを溶かしてるけど、何か良くないことあった?」
「お湯の温度は?」
「90℃だけど」
「説明にはなんて書いていたかしら?」
「え?あっ...50℃だった...」
「温度が高すぎるとぼそぼそのチョコができてしまうのよ。大体は温めたクリームを入れれば戻るけど、あまり高すぎるとそれでも戻らない場合もあるから注意してね?」
「はい...」
その後は滞りなくでき、カフカからも経験さえあれば問題なくできるといわれたほどだった。
やはり何事も経験だと思うことにしたホタルだった。
「よし...できた!」
ラッピングを終え、列車組が今いる星へ向かう。
近くにカフカがいるがさすがにサムの姿で行くのは違う気もするので、ホタルの姿で行くことにした。
「穹はどこにいるかな...?」
「もうすぐじゃないかしら?」
噂をすればなんとやらで、しばらく歩いていると両手に荷物を持った穹がいた。
「彼が持ってるアレ、全部チョコかしら?ふふっモテモテね、サム?」
「......ムゥ」
カフカがホタルを見ると案の定頬を膨らませてむすっとしている。
「ほら、今からチョコを渡すのにそんな顔をしていたら、彼も受け取りづらいでしょう?」
「わかってるけど...」
などと言っていると、向こうが気付いた。
「あっホタル!」
と手を振りながらこちらに駆け寄ってきた。
「カフカもいたのか...」
「あら?私はいたらだめなの?」
カフカを見るなり複雑そうな顔、まるで友達と遊びに行くときについてくる母親を見るときの顔である。
「ダメっていうわけじゃないけど...」
「まあいいわ、はいこれ列車のみんなと分けて食べて頂戴」
カフカが手渡したのは、いろんな種類のチョコが入った箱だった。
「心配しないでいいわ、何も入れてないから。サムが証人ね、これで疑うのなら『ホタルちゃん』を疑うことと同じになるけれど」
「もとから疑ってない、ありがたく頂いておこう」
穹が受け取ると、懐からもう一つ包みを取り出した。
「それとこれはあなたに、よ。受け取ってくれるかしら?」
「えっと、ありがとう」
こちらも素直に受け取った。
その一部始終を見ていたホタルは少しだけ複雑そうな顔をしたが、すぐに表情を改めた。
「それじゃあサム先に戻っているわね」
そういうとカフカは踵を返した。
二人きりだ。そう意識したらホタルは急に恥ずかしくなってきた。
「えっと、これ...あたしからもチョコレート、もらって...くれるよね?」
と不安そうに言うホタル。
「え?ああ、ありがとう」
二人とも目線も合わせずにぎこちなく言葉を交わしている。
「...」
「...」
そして流れる沈黙。
「実は今日、ホタルに会えるなんて思ってなかった」
と半ば照れ気味に穹が言う。
「あたしが来て驚いた?」
とホタルが聞く。
「驚いたというよりうれしかった。バレンタインの話聞いてからホタルならどんなチョコを作るんだろうってずっと考えてた」
「...///」
穹の言葉を聞いて露骨に照れるホタル。
「今日、いろんな友達からチョコをもらったけど、ホタルからのチョコが一番うれしい。だって...俺は...ホタルのことが...」
「まっ...待って!あたしに言わせて」
ホタルは穹の言葉を遮った。
「あたしは...キミが好き。ピノコニーで助けてもらった時...ううん、キミが列車に乗る前からずっと好きだったんだ。だからえっと...その...結婚してください」
「ああ、俺もだよ...って、え?今なんて?」
そういわれて初めてホタルはとんでもないことを口走ったことに気づき、顔が一気に赤くなった。
「あぅ...///えっと今のは...さすがに話が飛躍し過ぎたね...ごめん」
「いや俺は大歓迎だけど、いきなり結婚は早いかな」
「えっとじゃあ...結婚を前提にお付き合いできないかな?」
「こちらこそよろしくお願いします」
こうしてホタルの告白は成功した。
二人はその足でアクセサリーショップへ行き、おそろいの腕輪を買い、しばらくデートした後、名残惜しそうに別れた。
のちに二人は籍を入れ、星核ハンターとのいさかいもなくなったのだとか。
もうちょいムービー見て全体的に話し方研究しなきゃな
頭の中のキャラが混在してる気がする…
もうちょっとうまく書きたいね