オリジン・リフレクション   作:ジェームズ・リッチマン

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ハーメルンにブルリフの二次少ない……少なくない?
だったら書けばいいだろ!


第1章 原初のリフレクター
うまれかわっ……ちゃっ……たぁ!


 

 私は転生者である。

 いや、転生者というと語弊があるかもしれない。

 正確には、“別世界に存在する集合無意識”から掬い上げられた大雑把な転生者である。

 下北沢とかを歩いている一般人を適当に十人くらい選んでミックスして十で割ったような存在……それがこの私だ。

 

『我を呼んだか。想いを束ねし者よ』

 

 そして今私の目の前に立っているこの……身長20メートルを越えていらっしゃる……ソウルキャリバーに侵食されたマッチョなデスアルカディアみたいなデザインの化け物が……はい、私の創造主になります。

 

 ……うーん……どう見ても邪神!

 

『どうした』

「あ、はい。ダアトさん。お忙しいところすみません……実は折入ってお願いしたいことがありまして……」

『言ってみよ』

 

 いつ聞いても不思議な声だ。男のような、女のような。老人のような少年のような……様々な人間の声が入り混じったような響きがある。

 そして喋るたびに、ダアトさんが背負っておられる翼に無数についた目玉がギョロギョロと蠢いている……うーん、キモいな……。

 

「ダアトさんにお願いしたいこと。それは……連絡手段の確保です」

『連絡手段、とは?』

「はい。私はダアトさんによって特別に生み出された『リフレクター』なので、こうして神殿であればダアトさんとお話する力もありますが……この前のように、出先で魔物に襲われた際などにダアトさんの指示を仰げないのは、とても大変なのです」

『ふむ』

「なので、こう……なんといいますかね……このくらいのサイズのですね……あ、集落の人達が使ってる解体用のエーテルナイフくらいの大きさで、ダアトさんと遠隔でお話ができるアイテムなどがあったら嬉しいなぁと……」

『遠隔……』

 

 ダアトさんはムキムキな腕を組んだまま、俯いて考え込んだ。

 こころなしかダアトさんの放つ赤黒いオーラが増えた気がする。超怖い。怖いけども……。

 

『……よかろう。想いを束ねし者よ。お前を生み出す際に使った触媒から、そのような道具を創り出してみよう』

「本当ですか!? ありがとうございます! ダアトさん!」

 

 話がわかるぅ〜。ビジュアルはクソほど怖いし完全に悪のそれだけど、話が通じる系の邪神。それがダアトさんなのである。

 

『我は今回の戦いにおいて勝利の目が高いと見ているが、それをより盤石にするためであれば是非もない。くれてやろう』

「やった! スマホだ! ありがとうございますダアトさん!」

『また何か必要なものがあれば、我を呼ぶが良い。想いを束ねし者よ』

「はい! お忙しいところありがとうございました! また何かありましたら今度はこのタブレットからご相談させてください!」

 

 私が頭を下げると、ダアトさんは渦巻く黒い雲へと昇ってゆき……神殿から姿を消した。

 ダアトさんが消えると、辺りに立ち込めていた強いエーテルの気配は霧散し、いつもの夜が戻ってくる。

 

 満天の星空に、濃厚な自然の香り。

 ……一体どれくらい昔かわからないほど、古代の地球である。紀元前何年くらいなんだろうね。紀元すら来てないから誰に聞いたってそんなことわかりようもないけども。

 

「『想いを束ねし者』、か……ダアトさん、そろそろ私のことも名前で呼んでくれてもいいんだけどな。セイラって」

 

 ダアトさんから貰った艷やかな赤いタブレット。その黒い画面を覗き込むと、星明かりにぼんやりと照らされる私の顔があった。

 

 褐色の肌。金色の長髪。切れ長の青い目に、文字通り神によって作られたかのような美しい顔立ち。

 転生元の原材料がふわふわしてるからTS転生と呼んでいいのかどうかはちょっと微妙なところだが……私は自分の容姿を気に入っている。

 

 背も高いしな。モデル体型だし……我ながらアリ寄りのアリだ。

 二千年代の日本だったらもう100メートル歩くごとにナンパされんじゃねーかな私。クフフ……。

 

 素材は最高だよ。素材はね。

 

「……これでもうちっと、ファッションがマシだったら良かったんだけどな……」

 

 悲しいかな今は原始時代と呼んで差し支えないレベルの過去である。

 大蛇の革の腰巻き(ミニスカ)サラシ(チューブトップ)に毛皮のジャケット。

 そして編み込みのロングブーツ……。

 

「古代の世界で黒ギャルはねーべよ……」

 

 そう。有り体に言って、私の姿はギャルっぽかった。

 いやまぁ、ギャルのファッションも嫌いじゃないけどさぁ……。

 この時代マジで蛮族しかいねーから、部族化って言葉が……なんか脳裏を過ぎるのよね……。

 

 

 

 今、人類は窮地に立たされている。

 なにせ、今のところ人類が百人くらいしかいないのである。レッドリストのかなり端っこにあるような生き物。それが今の人類だ。

 

 なんでこんな人間が少ないのかというと、それは簡単。今この世界にいる全ての人類もまた、ダアトさんによって生み出された存在であるからだ。

 進化論に真っ向から喧嘩を売ってるような気がしないでもないが、マジな話。我々は猿から進化した存在ではなく、神に作られた生き物として、現実にこの世界に生きている。神話かよってツッコミを入れたいが、マジで神話の時代なのだから仕方がない。

 

 現在、この世界にはダアトさんのような『原種』と呼ばれる神様が十体ほど存在しており、原種たちは世界の支配権を巡って争っている。ダアトさんが言うには、この神様バトルは百万年周期とかで開催されているのだとか。スケールもスパンもデケェなオイ。

 私達人間はそんな戦いにおける切り札として生み出された存在だ。ダアトさん曰く、私達人間の想いの力とやらは莫大なエーテルを生み出すとかで、それが原種やその眷属たる魔物に対して非常に有効なんだそうな。私達は神々の戦いのために生み出された、まぁ、言い方は悪いが家畜みたいなものなのである。

 

 実際にこの人類たち、生みの親たるダアトさんの目論見通り想いの力はなかなかのもので、生み出した当初は人間たちも想いの力を槍に変えたり拳に纏わせたりして、眷属の魔物相手にかなり優位に戦えていた。

 ……のだが、想いの力の利用効率があまり良くなかったらしく、カタログスペックほどの力を出せずに魔物らに押し返され、窮地に立たされていた。そこはダアトさんにとって、ちょっとした計算違いだったんだろうな。神とはいえそんなこともあろう。

 

 そこで逆転の一手、というより改善の一手として生み出されたのが、この私、セイラである。

 

 人間たちを纏める優秀な頭脳と力を持つ最強の統率個体として生み出された私は、文字通り人類の切り札だ。

 全ての人間の想いを束ね、魔物と原種の攻勢を跳ね返す最強の戦士、『リフレクター』。

 

 実際、私は生み出された直後に地平線を埋め尽くすほどの子鬼じみた魔物と無双ゲーみたいなことをやる羽目になったので……己の強力さについては、嫌っていうほど理解しているつもりだ。

 

 私が死ねばダアトさんは負ける。

 ダアトさんが負けると自動的に人類が滅びる。

 

 ……正直、戦うのは好きってわけじゃないし……ネットもテレビもゲームもない世界で暮らすのはわりとガチでキツい……キツいんだけど……。

 

 人類の存続や未来を天秤にかけられたら……ネ……。あはっ……あはっ……。

 

 

 

「うおおおお! 魔物がなんぼのもんじゃい! 人類に牙を剥く連中は全員リフレクトしてやるよオラァン!」

 

 死ね魔物! 喰らえ正義の鉄槌!

 戦いたくねえってサボれねえよ! 戦うしかねえよもうこんなん!

 

 お前(戦う理由が)重いんだよ!!

 ぁああああああもうやだぁあああああああ!!

 

 

 今日も! 私は!! 戦います!!!(半ギレ)

 




:セイラ
褐色金髪青眼長身目つきワルい系黒ギャルファッションの少女。
人類の創造主たる原種、ダアトの忠実な駒として日々魔物との戦いに明け暮れている。
日々の暮らしが原始的すぎてうんざりしているが、人類の未来が双肩にかかっているのでさすがに頑張っている。
最終的に他の全ての原種を倒しても最後の最後にダアトが“よくやった、貴様らは用済みだ”とか言ってラスボスになるんだろうなと確信している。
それはそれとして最近ダアトからスマホっぽい端末を貰ったので機嫌が良い。

:ダアト
十体いる原種のうちのひとつ。とても人類の創造主とは思えない禍々しい姿をしている。
原種の争いに勝利するため、想いの力を持つ人間を創造した。
けどそれだけだと劣勢になりそうだったので追加で主人公を創り出した。これで安心だぜ。
争いを勝ち抜いたとしても最終的に人類を滅ぼそうとかは全く考えてない。つまり理想の上司。
引き継ぎ? ククク……。
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