オリジン・リフレクション   作:ジェームズ・リッチマン

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日間ランキングに載ったみたい すごいわね


セイラの悶絶調教

 

 フリスペ。それはスマホ用のメッセージアプリである。

 チャットとか通話とかができるやつだ。グループを作ったりビデオ通話したり既読無視したり、まぁよくあるSNSだな。

 

 色々なバイトを通じて連絡先を交換し合ったりしているうちに、私のフリスペアカウントにも友達や知り合いがたくさん増えてきた。まぁほとんどは短期バイトで知り合った元同僚みたいな人ばかりなんだけども、今でも時々話す人とかはいる。

 それと、私のプロフィールに「短期で入れるバイト募集中です」と書いてあるおかげなのか、知り合いを通じて結構面白い仕事を紹介してもらえたりもする。

 条件が条件だからか日雇い風の仕事が多いけど、こちらとしてはそういう方がありがたい。一風変わった仕事と出会えるので飽きなくて良いや。

 

 おかげさまで私にもセーフハウスというか、倉庫っぽいものが手に入った。

 個人で貸し倉庫をやってる人が、仕事を手伝った報酬かなんなのか知らないけど、ルームをひとつ貸してくれたのである。

 いや私こういうの借りようにも住所とかないんすけどって正直に言ったら、いいよいいよそんなのって言うので、ありがたく使わせていただいている。しかし本当にいいのかそれは。駄目な気がするが。まぁ貰えるものは貰っておくけどな! 近頃は服も増えて置き場所に困っていたから渡りに船だったのだ。

 けどこれ、私が美少女じゃなかったら多分……いや間違いなく貰えてなかっただろうな。美人は得だ。

 

 遊ぶ金はそこそこ手に入った。

 雨風凌げるスペースも手に入った。

 

 古代で人類の命運を賭けて戦っていた頃と比べると、随分と平和な世界で安定した生活基盤を築いちゃったなと思っている。

 けどそれに物足りなさを感じたりとかはない。私はだらけることができるなら最大限ダラダラしていたいタイプなので。

 

 毎日スマホ見ながらゲームして動画見て……それだけの暮らしをしていたいですね、ガチでね……。

 

 

 

 そんな暮らしを続けていたある日のこと。

 以前引越しのバイトで何度か立ち寄ったことのある、月ノ宮という街にやってきた。

 そこそこ栄えていて景観も綺麗。何より、日本では星ノ宮と同じくエーテル豊富な特異点でもある。リフレクターにとっては居心地の良い場所だ。

 

 前に一緒に仕事していた知り合いが「セイラちゃんにお願いしたい仕事があるから来てほしい」というのでやってきたのである。

 報酬は驚きの日給五万。キツいけど短時間で終わる力仕事なので是非お願いしたいとの話であった。

 金は十分にある……けど五万と聞いたらね? うん。誘惑には抗えなかったよ……おちんぎんほしいのぉ……。

 

「ギャルだ……」

「何人だろ、綺麗……けどギャルだ……」

 

 栄えてる街中を歩きながら考えるのは、仕事のこと。

 ……短時間で五万。かつての仕事仲間はそう言ってくれたが……詳細な仕事内容については、あまり話してくれなかった。

 聞いても細かい内容は曖昧で、力仕事だけど具体的な背景については説明がなく、ただここに来てくれという場所だけ指定されている。

 

 はっきり言おう。すっげぇ胡散臭い。

 その仕事仲間ってのも数日一緒になっただけだし、連絡先は交換したけど別に親しい訳でもない。むしろ話していてどこか軽い奴だなと思ったくらいだ。あまり好きなタイプじゃない。

 

 そして肝心の待ち合わせ場所というのも、繁華街に近いし、こう……アンダーグラウンドな感じがする。

 大部分は私の勘になってしまうが、よからぬことに巻き込まれそうだなというのが、私の予感であった。

 

「つーか巻き込まれるだろうな、この感じだと」

 

 待ち合わせ前の昼の時間にその場所を下見してみると……うん。実際に来てみるとなかなか、人通りも少なくて寂れた場所だ。

 夜の仕事の時間になったら、後ろ暗い事をするには最適な場所になっていそうな感じがする。

 

「……まあ、暇だし顔出しはしておくか」

 

 仕事は夜からだ。

 それまでの間、月ノ宮観光でもしていよう。

 

 

 

 薔薇園で写真を撮ったり、よくわからない土地の記念館でよくわからない記念メダルを作ったりしているうちに約束の時間になった。

 今日の私はかつて古代でも着ていたようなレザーと毛皮の服に身を包み、薄暗い路地でスマホを弄っている。

 

「イノセントクエストの詫び石渋すぎだろ……詫びる気持ちがあるなら10連くらいさせろよマジで……」

「ご、ごめんごめん! セイラちゃんおまたせ!」

「……ああ、こんばんは。竹本さん、お久しぶりです」

 

 約束の時間から一分遅れで来たのは二十代の男だった。パッと見た印象は普通の人。前のバイト仲間の竹本さん。

 なのだが、彼の後ろからやってきた数人のお仲間さんたちは、普通とはちょっとかけ離れた風貌をしていた。

 

「おー、君が竹本が言ってたセイラちゃんか! 可愛いね!」

「今日は来てくれてありがとう!」

「じゃ、行こうか」

 

 刈り上げ、編み込み、変な柄のシャツ、屈強な体格……。

 私詳しくないけど、こういうのあれよな。半グレ? チンピラ? ヤクザ? そんな感じの人らだよな。案の定すぎる見た目で逆にその隠す気の無さに驚かされた。

 

「竹本さん。私は引越しで高い家財を運ぶと聞きましたけど」

「う、うん! それもある……けど、ほら」

「竹本はいいよ。仕事を頼んだのは俺だから。あー、引越しね。引越し。そう、仕事やるから、ひとまずうちのマンションまで来てもらえる?」

「ちょっ、山中さん!? 約束がちゃいますよ! ぐえっ……」

 

 あ、竹本さん腹蹴られた。痛そう。ウケる。

 

「まあ引越し作業やるなら良いですけど。犯罪とか悪いことに加担はしませんよ」

「大丈夫大丈夫! 悪いことなんてないから。良いことだよ」

「お金ちゃんと出すからね」

「だったら良いんですけど」

 

 三人組の男たちに囲まれながら目的のマンションまでついていく。

 

 まあ、うん。相手が誰だろうと別に良いのは確かだ。

 非合法な犯罪行為に加担するとかでなければ、グレーな仕事でも私は構わない。私の存在自体がグレーだし。

 

 だからこんな展開から本当に真っ当に、お高い荷物を運ぶってだけなら大人しく仕事をするつもりだった。

 内心それはなさそうだなーとは思いつつ、ホイホイマンションの一室に入って行ったのだが……。

 

 

 

「んーっ……むぐーっ……!」

「なんか犬っぽくねぇなぁ」

「ゆ、ゆるして……か、勘弁してください……」

「勘弁はしたことねぇなぁ」

 

 防音設備が万全に整えられたマンションの一室で、全身をキツく縛られて喘ぎ声が漏れる。

 数々のアダルトグッズによる責苦は一時間にも及び、既にプライドはズタズタにされていた。

 

 もちろん私ではない。男達の方がである。

 

「悪かったです……もう許してください……!」

 

 男達は顔をボコボコに殴られた上、全身は裸かつロープで縛られた挙句、口や鼻にアダルトグッズを突っ込まれた状態で半泣き状態になっていた。

 もちろんやったのは私である。

 マンションの部屋に入るなりアダルティな撮影会を始めようと強引に迫ってきた連中をボコボコにして、現在こうなっているというわけ。戦闘描写はカットだ。そもそも戦闘らしい戦闘にすらなってない。最強のリフレクターがパンピーなんかに負けるわけねぇだろ! 

 

「こんだけ色々オモチャ用意してるんだから全部使わなきゃ損でしょ。オラ、このピンクローター鼻の穴に入れろ」

「ゆるひて……フゴゴゴ……」

「アーイイ……お前らを芸術品に仕立て上げてやるからなぁ」

 

 別に私の趣味では断じてなかったが、ムカついたので男達のあられもない姿を写真と動画でしっかり保存しておく。

 裸体にエロ同人でしか見ないような落書きを施した上で身分証を見せつつ自己紹介させ、ゲイポルノの淫語を朗読させる。そんな動画を撮ってやれば、コワモテな男達の心も一瞬で折れてしまった。

 

「人がせっかく稼げるバイトがあるってんで遠征してきたのによぉ……なんでわざわざきったねぇ野郎の裸を見なきゃいけねーんだよ。オイ聞いてんのか」

「ぶへッ」

 

 喋るたびに意味のない体育会系ビンタや蹴りを入れて立場を弁えさせる。ほぼ拷問だが仕方ない。本音を言えばさっさと警察に突き出してやりたいが、警察のご厄介になると自動で私もしょっぴかれる可能性が高いからその手を使えないのだ。

 暴力には暴力で応えるしかない……。

 

 ……バイトが空振りに終わって、案の定面倒事にまで発展し……まあ、いつかはこんなことに巻き込まれるとは思っていた。

 けどこれも良い機会だと思う事にしよう。トランクルームを手に入れてから、セーフハウスが複数あることの利便性を認識したのだ。きっかけ作りにはちょうど良い。

 

「この動画ばら撒かれたくなかったら……お前ら、私の下僕になれ」

「げ、下僕……」

「私がやれっつったら一分でコンビニまでダッシュして焼きそばパン買ってくる犬になれっつってんだよ。活動範囲が広がって足も欲しかったしな。車持ってんだろお前ら」

「ぶべっ」

 

 無意味にビンタしながらこちらの要求を突きつける。

 そう、車だ。私は各地で仕事に精を出しているが、その際の移動にちょっと不便を感じつつあった。こういう時にいつでも出せる車があると楽で良い。何より移動中もソシャゲができる。

 

「な、なります……星藍さんの犬になります……」

「動画は……だから動画だけは勘弁してください……」

「下僕にしてください……」

「なんか一部やたら従順になったが……よし、良いだろう。今回は許したる。けど次また何かやったら今度は動画ばら撒くだけじゃ済まねえからな。全身に公衆猥褻ポルノの刺青入れてやるから覚悟しろよ」

 

 男達は半泣きでいい返事を返してくれた。

 

 よし、下僕ゲットだ。

 世の中に迷惑をかける暇もないくらい、せいぜいコキ使ってやるとしよう。

 

 




:各務原 星藍
搦手がなければ近距離パワータイプのリフレクター。
三人の半グレ男たちをボコボコにして手駒にした。
車を出すのも部屋を使うのも制限が無くなり、快適な生活が約束されることとなった。

:山中
三人組の下僕のリーダー。
一般人を緩く脅したりして甘い汁を啜っていたタイプの半グレ。
知り合いの竹本から謎の褐色美人の自慢話を聞かされ、食いついた。そしてボコボコにされた。
星藍に何度もビンタされるうちに何かに目覚めかけている。

:竹本
腹パンされた後は置いてかれて泣いて家に帰った。
星藍からのフリスペは切られた。
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