オリジン・リフレクション   作:ジェームズ・リッチマン

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ちょっとお仕置きが必要かな〜


こんにちは死ね計画

 

 百さんはリフレクターになってくれた。

 

「あたしもベンキョーとかあっからさ。昼間からってわけにはいかないけど、手が空いてる時にやらせてもらうよ。……正直、金をもらえるのもすげーありがたいしね。ばあちゃん家に金入れたいし、バイクも金が掛かるしさ」

 

 快諾と言って良いだろう。

 原種との戦いやそのリスクについても説明したが、怖気付くような様子もなく、逆に奮起するように手をバキボキ鳴らしていた。

 

「人を守るついでに世界を守るんだ。上等じゃねえか。やってやんよ」

(おとこ)ですねぇ……」

「女だよ」

 

 何度かコモンに飛んでリフレクターとしての体の動かし方を確認してみたが、百さんの覚えは実に早かった。

 元々喧嘩好きなヤンキーとして活動していたのも良かったのかもしれない。

 この分ならそう時間もかからず、私のいない場所でもリフレクターとして戦っていけるだろう。

 

「……な、なぁ星藍」

「なんですか?」

「この衣装さぁ……ちょっとあたしにはフリフリすぎるってーか……可愛すぎじゃねーかな……?」

「いえいえ、とんでもない。よくお似合いですよ」

「そ、そうかぁ……?」

 

 ただ百さんは、リフレクターのコスチュームがちょっと恥ずかしいらしい。確かに変身後のリフレクター衣装はヒラヒラした部分は多いけども……別にその格好で人前に出ろってわけじゃないし、良いと思うんだけどね。高校の制服のスカート丈とあんま変わらんでしょ。まぁ他にも色々露出はあるけど。

 

「てか普段私たちがやってるソシャゲのキャラの方が露出あるじゃないですか。気にしすぎですよ」

「いやっ、あれは絵だから大したことないように見えるけど! 実際に着てみたらやべーって! 出し過ぎだろ! 色々と!」

「ギャルから見たら普通ですから」

「前々から思ってたけどさぁ! 星藍あんた別に言うほどギャルじゃねーだろ!?」

「言ってはならぬことを……」

 

 衣装やらアイデンティティやらで色々と紛糾することはあったが、リフレクターの活動そのものは順調だ。

 百さんの戦いは私と同じタイプの長剣を使った近距離特化で、時々炎を出して牽制したりする。こっちの魔法はあくまで補助って感じだろう。

 

 最初こそ異形を見て慌てたりはしたが、魔物に対して怯えを見せないし、何より戦闘勘が良い。

 リフレクターに誘って正解だったな。君、素質あるよ。

 

 

 

「さて。リフレクターを一人増やすことはできたけど……まだまだ数が足りないな」

 

 リフレクターになることに関して、本当に驚くほどデメリットが無い。

 ダアトさんのツラを見てしまうと“まぁ最終的に魂を取られるんだろうな〜”とか思ってしまいそうになるけど、本当にマイナス効果はないようである。

 魔法少女モノだと魔力回復のために死闘を繰り広げなくちゃいけないなんて世知辛い世界観もあるが、幸いこの世界はそうではない。なので、思う存分リフレクターの数を増やしても良い。

 

「もっともっと大勢リフレクターを増員して……日本の特異点に来た原種を囲んでボコす! これだな」

 

 目標は私がいなくとも完璧に原種全討伐ができるくらい。ダアトさんとしての最低ラインもそこだろう。私の力に頼ることなく原種を退けることができれば、人類は安泰だ。つーか私がダアトさんから“今回は手を出すなよ”って言われてるからそうなってもらわないと困る。

 手助けはするけど、私抜きでもどうにか勝ってくれ……人類……。

 

「……とはいえ、何も手出ししないというのはちょっと……最悪のパターンもあるからなぁ」

 

 しかし、そう上手くいくだろうかね。

 ダアトさんは確かに計算高いし、人類の繁栄を願っていることも確かだが……全知全能の存在というわけではない。計算違いをすることだってある。

 

 特に、私の中ではひとつの懸念があった。

 

「マルクトみたいな原種がいたらヤバい」

 

 マルクト。前回、百万年前の戦いで誉の無い戦法で私を追い詰めかけた原種だ。

 ラスボスのくせにセーブ&ロードを駆使してパターン構築までやってきた。あともう少し試行回数が重なっていたら、知らぬ間に私は負けていたかもしれない。

 

 前回はどうにか倒したし、マルクトの力の根源でもあった世界でもマルクトの根っこを排除したが……あの作業でマルクトの力を完全に無効化できたのかというと、その確証はない。

 あいつが今回の戦いでもまたセーブ&ロードを駆使してきたら面倒すぎる。

 何より、時間の巻き戻しに耐性があるのは私だけだ。万が一を考えて、マルクトの出現に備えていなければならないだろう。

 つまり……。

 

「ダアトさんに頼んでマルクトだけ私にやらせてもらおう」

 

 私はマルクトの殺しのライセンスをもらうべく、ダアトさんに電話を掛けてみた。

 

 

 

『セイラよ、どうした』

「あっ、どうもお疲れ様です。お忙しいところすみません、ダアトさん。実はダアトさんに一つだけお願いしたいことがありまして……」

『ほう』

 

 誰にも使われなくなったナイトクラブを掃除しながら電話中。

 あー忙しい忙しい。

 

「ダアトさんは以前私に対し、原種に手を出すなとおっしゃっていましたが……次にマルクトが出現した場合、その討伐だけは私に任せていただきたいのです」

『……ほう? マルクトか。理由を聞こう』

「あれは……私にとって宿敵です。一度は倒しましたが、今回もまた現れるのであれば私が闘いたい。……これは私のわがままになってしまうのですが」

『フッ……その程度であれば構わん。原種の一体程度であれば問題ない。お前もこの時代で己がどう戦えるか試したくもなるだろう』

 

 まぁそういう部分も気にはなるっちゃなるけど、実際は普通にマルクトが脅威だからってのがデカいっすね。はい。

 

『何より、我は今機嫌が良い』

「お、何か良いことでもありましたか」

『一部の人間がコモンの世界に対して意図的に強く干渉し始めた。あるいはコモンの力をより多く引き出し、我が力を手中に収めようとしているのかもしれぬ』

「へー……え、それなんか危なくないですか? なんでそれで機嫌が良くなるんです……?」

『この時代の人間も、面白いものだな。お前たちは常に、我に新たな可能性を示してくれる』

 

 マジで隙あらばラスボスみたいなことばっか言うねダアトさん……。

 

「あー……コモンが危なくなるようなことになりそうなら、阻止してくださいね? ダアトさん……」

『考えておこう』

 

 いやだからそういう変にノーガードなところやめてくださいよマジで……。

 この人ほんとゲームオーバーのCG見たがるノリで危ない橋渡るよな……。

 

 




:各務原 星藍
不確定要素はしっかり潰しておく系リフレクター。
マルクトの時間操作能力含め、原種たちの意外な能力の高さについてはかなり警戒している。
以前潰した犯罪組織の一部施設を掌握し、再利用可能な状態に復元しようと試みている。

:田辺 百
フリフリで少し露出多めの衣装に恥じらう新米リフレクター。
原作では相方だったMO姉よりも早い。
炎タイプの魔法が扱えるが、それ以上に戦闘のセンスがいい。

:ダアト
人類を守護している原種。コモンの化身。
最近人類側の謎の組織からコモンへの干渉が増えており、喜ばしく思っている。
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