転生したらアウラだった件   作:ちゅーに菌

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〜 感想の超一部返信 〜

Q:まずは連日投稿ありがとうございます、日曜日も期待してますね。

A:おう、考えてやるよ(投稿するとは言っていない)





†アウラ†(14歳)

 

 

 

 

「な、なんだ……か、かっ、身体が……!?」

 

 私の"服従させる魔法(アゼリューゼ)"は凄まじく強力な魔法であると、目の前で支配下に置かれたモノたちを見て(つくづく)感じるものだ。

 

 服従の天秤に自身と対象の魂を乗せて互いの魔力を測り、魔力が大きい方が相手を半永久的に操れるようにする魔法であり、冗談のような性能をしている。

 

 ダークソウルというゲームでオモチャだった不死の魅了という呪術に似ているだろう。しかし、効果時間が30秒しかなく、不死人の単体にしか効果がなく、距離も然程ないそれと比べて余りにも強力過ぎるのだ。まあ、発生速度に関しては不死の魅了の方が上だけれど。

 

「角……!?」

 

 こういったチート染みた技は、基本的に何かしらの制限があるが私の服従させる魔法には特にはない。一度発動さえしてしまえば、私の視界範囲内か、ある程度探知に魔力を行き渡せられる半径円内なら見ていなくても対象に取れたりするが、後者は魔力の消費が高いので余り使う事はないだろう。また、前者なら大して魔力を消費しないのも追い風で、複数の魂を同時に天秤に乗せる事も出来る。

 

 なんというか、人間が持っていて本当に良い能力なのだろうか? こういうモノは、ゲームで言えば魔王軍の大幹部とかボスキャラが持っている奴の気がする。

 

 兎も角、今のところ他の人間に対しても魔物に対しても有効。というよりも生きてこの方、私より魔力量が多い奴を見たことがない。

 

 コイツらもたった今、視界内に入った全員を同時に天秤に掛け、服従させる魔法を成功させたところだ。

 

「な、なんでこんなところに……!?」

 

 それはそれとして、私は自身の服従させる魔法に満足しているし、これからもこの魔法を第一に研鑽して行くのだが、同時に前世の知識から考え、他にも戦闘で使える魔法は必要だとも考えた。

 

 何せ、強過ぎる能力を持つキャラは詰将棋のように完封して倒されるか、奇襲で倒されるかの2パターンが主だろう。他にも一時的に能力を制限されシバかれたり、普通に魔力量で格上の相手に圧倒的暴の力で潰されたりするじゃんね。

 

 そんなわけで自衛手段は必須。幼馴染みに小指で腕相撲に勝てる程度に元々筋力はあるにしても私の力が何処まで通じるのかわからない以上油断は禁物だ。

 

「アジトを壊滅させて回って――」

 

 方法は幾つかあるが、大きく分ければ2つに絞られるだろう。

 

 ひとつは服従させる魔法で従えたモノに守らせつつ戦わせて相手の魔力を削ること。一度支配下に置いたモノを操る分には特に魔力の消費もないため、非常に合理的だろう。

 

 ふたつは私自身が戦い、相手の魔力を削りつつ服従させる魔法を差し込むこと。こちらはかなりリスクが高く、戦闘には当然私の魔力を用いるため、服従させる魔法の強みを殺すことにもなる。

 

 まあ、究極的に言えば両方するのが、最も合理的だろう。しかし、概ね自動的に操れるとは言え、イチイチ指示などは必要なため、自身が戦うとなると戦闘中に指示を出す時間を作るのは若干の不安要素が残る。それを解消するなら戦闘は完全に従えたモノにやらせ、相手の魔力を削り、自身は相手との魔力差や形勢を見て服従させる魔法を使えそうなら行使し、そうでなければ逃走する。まあ、それがある意味ベストだろう。

 

 しかし、私は前世でそこそこTPSのゲームなどを嗜んでいた。この時代の世界観とも少し合致しそうなソウルシリーズなどは作品ごとに数千時間は遊んでいたのだ。そんな私的には――殴った方が早い、といったところである。

 

 なので私は合理的でない方を取ることにする。弓や魔法でチクチクするより、特大武器を振り回している方が性に合っている。脳筋は最も頭のいいビルドだ。

 

 まあ、真面目な話。服従させる魔法は秘匿しておいた方が強いとも考えている。一切の事前情報無しにこんなモノをぶち込まれれば、当然ながら堪ったものではない。逆に普段から服従させる魔法を行使すれば、その極めて強力な奇襲性によるアドバンテージを全て捨て去ることにもなる。

 

 前世の知識にある能力バトル漫画の12本脚の蜘蛛の入れ墨を入れた盗賊団の連中のように主で使う能力と、秘匿したもうひとつの能力を持つというのは、厄介極まりない初見殺しと言えるだろう。

 

 なので、普段は普通に魔法や身体で極力勝てそうな相手と戦闘し、戦いの最中で殺す相手にだけ服従させる魔法を密かに放つ。それが自身が戦うならば、服従させる魔法を最大限活かせる方法だ。

 

「ひっ……身体が勝手に……!?」

 

 とすれば、魔法選びは重要だ。服従させる魔法は当然として、まずは身体強化魔法と回復魔法は外せない。私の身体は魔力で構成されているため、魔法による身体強化が容易で、身体を強化するというひとつの工程しかない兼ね合いで、魔力の消費も最小限で済む。回復魔法は理由を述べる必要もないだろう。

 

 そうなると主で使う身体強化以外の魔法には、魔力の効率がいい魔法を選ぶことが重要だ。

 

 例えば炎の玉を放って相手を攻撃する場合、炎の玉を形成する、炎の玉を浮かせておく、狙いをつけて放つという3つの行程で魔力が毎回必要となる。

 

 しかし、魔力で構成したものを操る場合、一度構成すれば壊れるまでは、再形成する必要は無くなるのだ。

 

 となると剣などの武器を構成して、それを操って戦う事がいいだろう。また、剣身を伸ばしたり、重さや鋭さを変えるようなことも出来るため、ただ剣で戦うだけでない強みを作ることも出来る。

 

「誰か動ける奴は……!? なんだこりゃ――」

 

 だが、非常に残念なことに私が住んでいる廃村寸前レベルの寂れた村には剣の一本すらなかったのだ。前世の知識にも剣の実物はなく、仕方のない話だが、流石に見たことも触れたこともない物質は作りようもない。作れたところで強度や整合性がアレになってしまうだろう。

 

 仕方ないので、村にあった武器っぽいピンときたモノ――大鎌(サイズ)で代用することにした。

 

 背の高い草を刈り取ったり、麦などの作物を収穫するために用いられる農機具のひとつなアレである。木製で170〜180cm程で私の身の丈を超える長柄、長柄の下端に柄からL字に突き出すように曲がる刃、中央と上端の2ヶ所に設けられた短いハンドルで構成されたものだ。

 

 よく間違われるが、大鎌の刃は上部ではなく下部に付いており、使用方法も上から振り下ろすのではなく、草の根を根本から水平に攫うように薙ぐというのが正しい。まあ、前世の私には大鎌に農具としての馴染みがほぼないのが一番の理由だろう。

 

 やはり命を刈り奪る形をしてるのがいけない。ちなみにそちらの方はどちらかと言えば大鎌ではなく鎌の方だ。また、大鎌の方をサイスやサイズといい、鎌の方はシックルと言うのが正しい。なので、例えばデスサイズと言えば大鎌で、小鎌はデスシックルになってしまうのである。

 

『私って大鎌とか似合いそうじゃない』

 

 最初は代用なんて如何なものかと思っていたが、大鎌のどう見ても農具に見えない実物を見て気が変わった。ついでに私のなんか、悪魔や死神っぽいビジュアルを考え、死神の大鎌のような武器を持たせたら非常に映えるのではないかと思ったのだ。

 

 なのでビジュアルは死神が持つような更に刃が長い大鎌のそれに完全に寄せた。当然ハンドルは付いていない。私が持つ大鎌と、周囲に大量の大鎌を精製し、回転させるという魔法にしたのだ。ちなみに長柄と刃の長さを変えることも出来る。

 

 

 

「それで私はこの"大鎌を廻す魔法(シュピラーレ)"を作ったのよ?」

 

 

 

 この場において空を飛び異音を上げ続けながら廻る大鎌は私の魔法であり、誰一人として動けずに並んで跪かされているのもまた私の魔法。

 

 別に大鎌を廻さないでおくことも出来るし、魔力も消費しないから本当はそっちの方がいいんだけど、動きがかなり変則的になるからこれはこれでよかったわ。

 

 ちなみに大鎌を大量に出現させるのかは兎も角、回す必要があるのかと言えば……。なんかこう、前世で吸血鬼から30分ぐらい生き残って死神をシバいたりシバかれたりするゲームのせいで、大鎌は自分の周りを回転しながら飛んでいて欲しい気がしたからかも知れない。

 

 空を舞う私の大鎌の幾つが回転を止め、それらは人間の頭上で止まり、全員にひとつずつ首に刃が当てられた。

 

「こんな……。ま、待て! まっ――」

 

 一人の首が飛んだ。

 

 個々の動かし方の精度を上げる練習には丁度いい。

 

「頼む! 俺が悪かっ――」

 

 更にひとつ首が飛ぶ。

 

 骨ごと綺麗に断つというのは中々加減が難しい。

 

「い、イヤだぁ!? 死にた――ひぎ!?」

 

 首に半分だけ刃が突き刺さり止まる。 

 

 ああ、間違えた。やはり精度を上げるにはもっと練習が必要だ。

 

「ひとりひとり丁寧にしないと……。無駄にはしないわよ?」

 

 まだ、ここに人間はたくさん残っている。

 

 ああ……。もっと、もっと魔法を極めなくては……研鑽を、研究を……もっと先へ、誰より強く……まだまだ、まだまだ私は道半ばなのだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私の目の前には数十の人間の首が並べられ、近くにはそれと同じ数の胴体が積み重なって山になっていた。

 

 もう少し、練習をしたかったが、先に居なくなってしまったので仕方ないだろう。首は証明として残しておくとして、胴体は疫病対策に燃やしておけば十分だ。

 

 胴体の山に魔法で炎を放って炎上させる。火が着くまでは多少苦労するが、一度火が着けば後は人の脂で燃えるからもう気にする必要もないだろう。

 

 とりあえず、一仕事終えたため、特に理由はなく区切りとして溜め息を吐く。

 

 その時に地面に並べた首のひとつに目が向いたので、徐ろに持ち上げ、切断面を確認する。よく斬れてはいるが……それはそれとして、斬れ味はもっと上げるべきだな。刃の強度も共に上げて、刃を厚くするか、薄くするかは一長一短か。

 

 そんなことを考えていると、首の断面の赤々とした肉と滴る血に目が留まっていることに気付く。

 

 そう言えば私は長寿種だと教えられた。更に魔力で身体が出来ているためか、食事も事実としてほとんど必要としない。けれどコレを見ていると、何故か空腹と食欲を覚えるような気がする。

 

 まあ、誰も見ていない。よくよく考えれば、気にされるような所以もあまりない。少しぐらいなら構わないだろうと私は口を開き――。

 

 

 

「アウラ……!」

 

 

 

 知っている声に呼び掛けられ、そちらを向くと私とそこまで変わらなそうな年代の青年の姿があった。

 

 私が村長の家に拾われ、そこで共に育った村長の孫に当たる男だ。

 

「これは……こんな……」

 

「これで終わったわ、根絶やしよ」

 

 今にも吐きそうな様子で、燃える胴体の山や並ぶ首を眺める彼は、暫く唖然としていたが、私の下まで歩いて来る。

 

 そう言えば、私が今手にしている首が一番賞金が多く出る筈だったので、それを彼に手渡そうと向けるが、彼は食い入るように見つめたまま震えるばかりで受け取ってはくれなかった。まあ、別にいいけど。

 

「コイツら……。ここ何年もこの地方の旅人や村々を襲ってた盗賊団で――」

 

「だから私を村ぐるみで育てたのでしょう? お前の殺された両親や他の村人のように何も出来ず、いつかまた盗賊団に奪われて殺されるよりは、化け物みたいに強い奴を飼って殺させた方がずっとマシ」

 

「うっ……」

 

 知っていたのかと言わんばかりの視線をこちらに向けて来る彼。14年も私みたいなモノを手厚く育て……いや、飼ってたんだもの。そんなのは理由が無ければ異常だ。

 

 そして、それが全ての理由。私は最高の殺しの道具として使われたってわけね。まあ、わかっていたけれど、私って多分、かなり化け物寄りの種族なのでしょうね。少なくとも彼を含めた村人にとっては。

 

「とは言え、これで役目は果たしたわ」

 

「――ッ! 待ってくれ、何処に行くんだ……?」

 

 私は首を適当に放り捨て、踵を返すと彼に背を向けて歩き出したのだが、途中で彼に声を掛けられた。

 

 当たり前のことを聞かれて何を今更といったところだが、首だけ少し振り向き、言葉だけは返しておく。

 

「もう、村にいる理由もないでしょう? 私としてはもう少し居たかったけれど……。役目を終えた化け物を飼っておく理由もないじゃない? それどころか処分されたら堪らないわ」

 

「それは……。いや……大丈夫だ。そんなことは、俺が絶対にさせないから!」

 

「私と違って魔法も力もないし、ズボラで仕事も私に投げてたお前に何が出来るのよ?」

 

「うっ……。いや、出来る! 必ずだ! 必ず村に居られるようにする!」

 

「口だけでは何とでも言えるわね」

 

 せめて信用が出来なければ無意味な上、彼が信用を失うことをそこそこしていたからこう言っているというのに全く話にならない。

 

 私はそこで会話に見切りをつけ、また歩き出す。さて、何処に行くのがいいだろうか? まあ、何とかなるだろう。とりあえず、路銀は盗賊団の残党に見せ掛けてバレないように旅人でも襲えば問題な――。

 

「アウラ……!」

 

「…………はぁ」

 

 背中と腕などに包まれたような感覚を覚える。どうやら彼に背中から抱き締められたらしい。

 

 どうやらそれなりに彼は私に執着しているようだ。これ以上、何かされると後々面倒なことになるかも知れない。それなら彼も村も消しておいた方がいいか?

 

 そのようなことを考え始めたところで、彼に正面を振り向かされる。そして、今まで見たことがないほど真剣な表情と真っ直ぐな瞳で私を見つめ、さっきとは少し違った身体の震えを直に感じる。

 

 

 

「アウラがこの先に生きる何百年、何千年の時間の中で……」

 

 

「――百年だけ俺にくれないか!?」

 

 

 

 その言葉に私は、確かに彼への関心と興味を抱いてしまった。

 

「…………へぇ」

 

 それと、どうやら私は、縛られる方が性に合うらしい。服従させる魔法なぞ使えるからだろうか?

 

 私は彼の頬に手を添え、その瞳を見つめ返す。

 

 

「悪くないじゃない……」

 

 

 そして、口付けで返事を返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――様。ア――――。アウラ様」

 

 私が目を覚ますと、目の前には若干魔族っぽい目の光の無さをした少女――フェルンの姿があった。

 

 どうやら魔法研究の途中で少し寝落ちしてしまっていたらしい。数十年振りだ。

 

 手で目を擦り、首を回すとバキバキと音が鳴る。なんでこういうところは人間も魔族も同じなのだろうか?

 

「あの……アウラ様?」

 

「どうしたの?」

 

「その指輪って、その……アウラ様は結婚しているのですか?」

 

 フェルンは私の左手の薬指――正確にはそこにはめられているシルバーリングをまじまじと見つめながらそんなことを言って来た。現代の感覚からすれば質素で安っぽいモノだろう。500年前はこれでもそこそこの値がしたのだ。

 

「ええ、してたわ。500年以上も前に人間とね。けれど、そんな昔の取るに足らない話なんて面白くも――」

 

「聞きたいです」

 

「えっ……? いや、別に面白い話じゃな――」

 

「アウラ様、聞きたいです」

 

 なんか、フェルンの食い付きが、普段話している私の武勇伝や、フリーレンに苦労させられた話より良くないかしら……? それに目がキラキラ輝いているような気もする。

 

「そこまで言うならいいけれど……。本当に大した話にならないわよ?」

 

「あっ、本当にいいんですね」

 

 そっちが聞いてきたんじゃないと思ったが、どうやらダメ元だったらしい。こういう時の人間の機微は、個体差があり過ぎるため、人間の頃の知識も全く当てにならないものだ。

 

「あの……。それともうひとつ、どうして私をこんなに気に掛けてくれるんですか?」

 

「魔族なのにってこと?」

 

「そこまでは言ってはいませんが……はい、そうです」

 

 はて? 理由なんてひとつだけに決まっている。

 

 

 

「そんなのフェルンが私の子孫だからじゃない」

 

「…………………………………………え?」

 

 

 

 えーと……。彼との話の参考になりそうなものは、指輪以外何処に仕舞っていたか。フリーレンのトランクよりもたくさん物を入るようにした弊害で、最早城みたいになっているからな。まあ、中身はフリーレンが自分のトランクから溢れさせたガラクタが8割なんだけど。

 

 こういう時に魔族は感情が薄く印象に残らないせいで、思い出としてあまり記憶に残らない。そのため、何かと紐付けなければ思い出せないために不便だと感じつつ、私は何故か呆けているフェルンの前に彼と関係がある品を並べ始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 







〜 アウラが戦闘で主に使う魔法 〜

服従させる魔法(アゼリューゼ)
大鎌を廻す魔法(シュピラーレ)
・身体強化魔法

※このアウラは魔族の将軍レベルの前衛の武闘派です。

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