転生したらアウラだった件   作:ちゅーに菌

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また、今回も楽しんでいただければ幸いです。





アウラ(45歳)+14歳

 

 

 

 

 

・1日目

 

「うおーん!」

 

「コテンパンにされたからって泣き過ぎなんだけど……」

 

 

 

 

 

・2日目

 

「うおーん!」

 

「はぁ……癇癪だといつも3日は泣くのよねぇ」

 

 

 

 

 

 

・3日目

 

『――! ――――!(ギシギシ)』

 

「………………」

 

 

 

 

 

・4日目

 

「うおーん!」

 

「コイツ、いつもより泣き止まないじゃんね」

 

 

 

 

 

・5日目

 

「うおーん!」

 

「ちょっと、何処か壊れちゃったんじゃないでしょうね?」

 

 

 

 

 

・6日目

 

『……ん…………ぁ……!(ギシギシ)』

 

「……壁薄いなぁ」

 

 

 

 

 

・7日目

 

『――――! ぁっ……――!!(ギシギシ)』

 

「早く終わらないかなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわーん!」

 

「コイツ、全然泣き止まないじゃない……」

 

 2人掛かりで魔王の腹心のシュラハトというそもそも勝てるわけない寄りの相手に終始手玉に取られてボコボコにされてから1週間後――。

 

 私よりも10倍以上生きている筈のエルフは、依然として敗北を引き摺っており、大泣きしているようだ。

 

 まあ、"少し村にいる"という感性で、既に14年ほど経過しているため、この古代怪獣ツインテールの感覚からすれば、1週間どころか1ヶ月ぐらいちょっとですらないということはよく知っている。

 

 私もそんな箆棒で大雑把な時間感覚を持ちたいものだが、生まれついて人間の知識を有しており、半世紀も生きていないばっかりに今のところは、フリーレンと感覚が合わない。成長する時の環境とは熟大事だと思うばかりだ。

 

「アウラのえっち……」

 

「何なのよコイツ」

 

 居候の身で1週間喚き散らして、そのクセ3食おやつまでキッチリ摂った挙げ句、家主の片割れを淫売扱いとはいいご身分じゃんね?

 

 まあ、魔族殺しの専門家であるフリーレンに生かして貰って側にいるということは、私が珍しく人間と活動している魔族だという証明に対外的にもなるので、それぐらいは全然構わないのだがな。

 

 これが現代だったならコイツの泣き顔をトリミングして、デカい枕の上に貼り付けて寝かせた画像を適当な幾つものスレッドに投げ込むぐらいするものだが、蝋燭や油を灯すのが勿体ないと日々考える程度の文明のため、夕飯のサラダに生タマネギが多少散らされる程度のものだろう。

 

 フリーレンが泣き喚いても私の仕事場はこの自宅で、夫の仕事場は村役場だから問題ないという理由もある………………私の仕事場も村役場に移すべきだろうか? 村外れに建つここよりもそちらの方が村人のアクセスもいいし、最近は長年の移住者の受け入れが根付き、新しい世代が農家以外の働き手になり始めたこともあり、目まぐるしい発展を遂げ、かなり大きな村程度の規模になって来て――。

 

 

「フリーレン様かわいい……」

 

 

 そんなことを考えていると、隣から同意出来るのだが、いざ言われるとコメントに困る発言が飛び出し、今同居しているのは、夫とフリーレンを除くと――。

 

「エルフって可愛いわよね、お母さん」

 

 3人目の私の子であるアウレリアしか居ない。フリーレンが来た時には、まだお腹にいた娘だ。

 

 それから穀潰しと化したフリーレンにも育児をある程度やらせ、人間としても魔法使いとしてもすくすくと成長すること早14年。私が美少女と言える容姿で外見年齢が固定化された上、アウレリアは諸事情によって容姿から背丈まで生き写しレベルでやたら私に似ていた。

 

 そのため、並ぶと角と目の光の有無以外は双子の姉妹にしか見えないので、2人で手を繋いで外を歩いていると"脳が可笑しくなる"、"何者かに魔法攻撃を受けているかと思った"などと村人や旅人からはとても好評である。

 

 

「お母さんはずるい! こんなだらしなくてダメダメで残念可愛いエルフを飼ってるんだもん! 私も欲しい!」

 

「……………………。ひぐっ……うおーん!」

 

「折角泣き止んだのに、また泣かすな」

 

 

 いかん、フリーレン的に可愛いだけでは流石にカバー出来ない判定だったらしい。

 

 しかし、奇妙なことに理想的な母親として完璧に偽れている筈の私が育てたにも関わらず、この娘は好意的に言えば歳上の可愛い者が大好きな子であり、否定的に言えば数百歳を超えた上位存在のヒモを作って貢ぎたいという常人には理解しがたい性癖を抱えたクソアホ人間になった。

 

「逆に飼われてるのよ」

 

「むしろご褒美じゃない!」

 

 弱った。娘の言っていることがわからない。全く勝てそうにない。どうして、日々フリーレンの介護と育児を足したような生活に奔走しているという、人間の知識からすれば同情を誘えるであろう筈の私を見て育ったらこのようになったのだ。

 

「いつか私だって……私だけの素敵なエルフ様を養って見せるじゃんねぇぇぇえぇぇ!!?」

 

「なんだその変な語尾」

 

 アウレリアは身を震わせつつ、若干身体を仰け反らせながら私に宣戦布告するように指を突き付けて来た。

 

 不思議だ……私の教育論は完璧だった筈。実際、上二人の子はマトモ……マトモ? まあ、世間一般的にはアウレリアほどは逸脱せずに独り立ちしたので、やはりフリーレンがいる環境で生まれて育ってしまったせいだろう。子供の生育にも良い影響を与えないとは、なんというツインテールだ。グドンけしかけるぞ。

 

 後、私は魔族だから別にいいが、外で人を指差すんじゃありませんよ? え? もう、死んでもしない? そっかぁ……聞き分けはいいのよねぇ。

 

「それはそれとして、お母さん。今日は唾液が欲しいからこのガラス管の半分ぐらいまでいっぱいにしてね?」

 

 転換の接続詞のようなものを使えば全ての話題を逸らしたり過去に出来ると思うんじゃないわよ。

 

 なんでこんな転生してまで新型コロナ抗原検査キットみたいなことしなくちゃならないのだろうか? え? 自分の魔法のため? そっかぁ……それなら仕方ないだろう。魔法の探求は何よりも優先されるべきなのだ。

 

 私の子供たちは魔族のように生まれついての魔法使いである。比較対象をフリーレンや偶に村に立ち寄る魔法使いぐらいしかマトモには知らないので、よくは知らないが、旅の魔法使いの口から一番上の子の話が出ることもあるため、それなりに能力はあるのだろう。

 

 まあ、脳ミソレベルで100%魔族の私やフリーレンに比べるとふた回り以上は劣ると言わざるをえないがな。それでも歩くように飛行魔法を使えることや、ひとつの魔法を生涯探求し続ける姿勢は、何かしら魔法使いとして生きる役に立てば幸いだ。

 

 ちなみに子供たちがそれぞれ探求し続けている魔法の中でもアウレリアは、一際珍妙なモノを研鑽している。まあ、どこまで形になるのかは不明だが、母親としても魔法使いとしてもそれを後押しはすれど拒む理由など何処にもない。

 

「でも私の唾なんて汚いわよ? 魔法に使うのはいいけれど、ちゃんと終わったら捨てておきなさいね」

 

「は? お母さんの唾液がばっちいわけないんだが? 謝ってください、早く」

 

「何によ?」

 

「いい? お母さんは髪の毛の一本から角の先っぽまで尊いの。世界の何処を探したってこんな可愛くて綺麗で優しくて(ささ)やかで尊みが深い魔族はいないわ。珍重され、保護され、崇め奉られ、讚美されて然るべきなのよ。だから謝るべき、そうするべ――」

 

服従させる魔法(アゼリューゼ)――お昼まで食卓で座ってなさい」

 

「うわぁぁあぁぁぁ!? なんでアゼるのぉ!? 暴力反対っ!」

 

「躾けじゃん、ね」

 

 それとアウレリアはなんか知らないが、私へも妙な感情を向けている節がある。こんな調子で、私の魔族としての身体や精神の事実を述べている筈なのにやたら噛み付いてくるのだ。

 

 いったい、なぜ? どれだけ考えてもわからない。私はただの魔族なのだ。褒められる所以など人間の知識から考えて何処にもない。

 

 ただ、一番わからないのは――人間の知識にある()の私の性格がアウレリアとそこまで大差なかったような気がすることだ。何から何まで意味がわからない。

 

「アウラ、そろそろお昼だね。今日のご飯はなに?」

 

 そして、家の腹ぺこエルフも動き出したので、そろそろ昼食の準備をしよう。

 

 なのでカルガモの親子の光景を思い浮かべつつ、フリーレンを連れてキッチンへ向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――そして、その時に私は勇者ヒンメルのマセガキに言いました。私は赤子の頃にフリーレン様の腕に何度も抱かれたことあるけど貴様は?――と」

 

「うわぁ……」

 

 中央諸国の聖都シュトラールの郊外にある一軒の小屋に隣接する薪割り場。

 

 そこで最低なマウントを取った発言を聞き、フェルンはこのような大人にだけは絶対になりたくないと思った。

 

 大人――"アウレリア"という名の魔法使いの女性である。

 

 彼女はアウラと全く同一の容姿をして角が生えておらず、目に光のある女性は、定期的にアウラの元に来ているらしく、家事の手伝いをしながらフェルンに昔語りをしつつ薪を割っていたのだ。

 

 賢者アウレリア――。

 

 フェルンが気になったので、本で調べると直ぐに出て来たアウラの子供たちの1人であり、アウラに"魔法史ぐらい読んでおくべきじゃない"と手渡された本にも度々名前が上がるほど高名な魔法使いである。

 

 アウラの第三子にして次女である魔法使いの名を現代まで代々襲名している魔術家系――などでは一切なく、唯一存命のアウラの実子であるアウレリアその人であり、魔法によって既に500年を生きる生粋の人間の怪物なのだ。

 

「そおいっ!」

 

「わぁ……」

 

 スコーンと小気味よい音を立ててアウレリアの手により薪が真っ二つになる。比喩表現ではなく、文字通り呼吸するように使われている魔力移動と衝突時の微弱な発散のみによる手刀で叩き割られており、言動とは裏腹に無駄に熟練と洗練された無駄のない無駄な魔力操作技術が光り、最早魔族レベルの技量であった。フェルンが見ても息を漏らすほどである。

 

 実際、賢者アウレリアと呼ばれる前の彼女は、魔女や魔人アウレリア等と呼ばれており、奇異や畏怖の目で見られることも少なくなかったらしい。

 

 もっとも――。

 

「それはそうとフェルンちゃん?」

 

「はい、なんでしょうか賢者アウレリア様?」

 

「うーん……カチカチねぇ。それなら私のことは気軽にお姉ちゃんと呼ぶといいわ」

 

「はい……?」

 

「お姉ちゃん大好き」

 

「いや……それは流石に……」

 

「お姉ちゃーん」

 

「恐れ多いと言いますか……」

 

「あなたも家族よ」

 

「…………アウレリアお姉さま」

 

「――――んッ゛ー!! エヘンっ!

ンっンっ……まあ、今はそれでいいでしょう。ウェへヘ……小さい娘が合法的に妹になったぁ……!」

 

 ――話し出すと途端にコレである。

 

 普段真面目で仏頂面のアウラの姿で目を爛々と輝かせ、半開きに開かれた口のまま、両頬に手を当ててイヤンイヤンとでも言いたげにブンブン首を振っている様子を見ているとフェルンの脳がバグりそうになる、なった。

 

「あの、アウレリアさ――」

 

「お姉ちゃん」

 

「……お姉さまの魔法って」

 

「ああ、私の魔法? もちろん、"肉体を魔力で構成させる魔法(ゼーンズフト)"よ」

 

 肉体を魔力で構成させる魔法(ゼーンズフト)――。

 

 人間の肉体を魔力で構成された肉体へ完全に変換したという人類で唯一人しか成功しておらず、全く再現性のない最早"呪い"レベルの魔法の使い手であり、それ故に魔人と呼ばれていた。

 

 また、自分自身の複製などを生み出す分身魔法は、かつて魔族しか使えないと言われていたものを、人類が使える魔法へと落とし込んだ先駆者であり、魔族と同様に限りなく不老の肉体を持つ賢者なのだ。

 

「どうやってそのような魔法を考えついたのですか?」

 

「だって、人間の寿命なんかで死んだら可愛いエルフ様たちの営みを見ていられないじゃない?」

 

 理由は聞いてないと考えたフェルンであったが、それ以上に異常な回答が来たために閉口する。

 

「だから角と脳以外の身体全部をお母さんにすることにしたの。小さい頃からずっと。まあ、脳までは再現出来なかったんだけどね。ほら? 誰だって憧れの人に成りたいものじゃない?」

 

 そう言ったアウレリアは、表情と目の光を消して口元の両端を釣り上げ、まるでアウラであるかのように無機質に微笑んで見せた。つまり、肉体を魔力で構成させる魔法の正体は――"肉体をアウラにする魔法"に他ならないのだ。

 

 更にアウレリアが触りを語った魔法理論によれば、他の人類の誰にも再現できないというのは当たり前の話である。何せ、アウレリアはアウラという魔族の身体のみを模し、それは対象の魔族の身体を髪の毛の一本から体液の一滴まで正確に解析する機会がなければ成し得ない魔法なのだ。その上、アウラを模すことに最適化されている。

 

 それだけで人類でも逸脱した存在は理解の及ばない化け物とそう変わり無いことがわかるであろう。控え目に言って狂っているとフェルンは思った。

 

「何かを愛するってことは、自分が狂わされて行くってことよ、フェルンちゃん? きっといつかわかるわ」

 

「そうなのですか……?」

 

「…………それに姉さん達と違って親より先に死ぬのは親不孝者だと私は思うしね。例え、それが私のエゴだとしても」

 

 それだけ言ったアウレリアは、フェルンではなく何処か遠くを眺めているようであったが、直ぐにふにゃりと破顔して何処からともなくそれを取り出す。

 

「そして、エルフ様たちから直接見聞きして我が生涯を掛けて編纂中の本がこの――よくわかるエルフ図鑑よ!」

 

 ズガンと書物とは思えない音を出して、一国の歴史書よりも分厚くデカい本がフェルンの前にある切り株に置かれる。むしろ、切り株より巨大なため凄まじい異彩を放っていた。

 

「あっ、フリーレン様……」

 

 それは表紙にフリーレンが小首を傾げて片手にピースサインをしている魔法絵が貼られており、大きさに反してファンシーなデザインをしている。

 

 ちなみに魔法による写真撮影技術を数百年分進展させたとも言われ、現代に於いて多くの魔法使いが写真を撮れるのは、アウレリアの功績と言っても過言ではない。

 

「今、改訂第27版なんだけどね。世に出てる奴は本人に差し止められちゃったから載ってないけれど、それと違ってフリーレン様が載っているわ! フリーレン様だけで全1470ページよ!?」

 

「読みたいです」

 

「あげるわ。フェルンもフリーレン様の良さがわかってきているようね……将来有望だわ」

 

 フェルンは、良い物を貰った。家宝にしようと誓う。

 

 ちなみにページ枚数が魔法でなければ有り得ないことになっているため、数万ページあるらしい。尚、世に出ている奴はゼーリエという名のエルフが表紙らしく、アウレリアの師でもあるとのこと。

 

「そう言えば、ツィーちゃんから聞いたわ。お母さんの血を引いていることを気にしているそうね?」

 

 ツィーちゃん――フェルンの脳裏に"良かれと思って"と言って、レモン片手に無表情でサムズアップしているツィトローネの姿が浮かんだ。余計なお世話である。

 

「それぐらい大丈夫よ。最早誤差レベルでめちゃくちゃ薄まってるじゃない。というか、そんなこと言ったら私なんて魔族の産道を通った女よ?」

 

「………………えっと、その……」

 

「子孫相手にセクハラするな」

 

「に゛ゃぁー!?」

 

 フェルンの前から魔法で浮いたエルフ図鑑が、アウレリアの頭部に命中する。フェルンよりやや小さい程度のサイズという本として巨大な図鑑は容易く彼女を上から押し潰した。

 

「お母さんの……愛がッ! 重い……!」

 

「お前の執念の重さでしょうが」

 

 ちなみに図鑑の重量は二百数十kgほどあるらしい。アウレリアの500年の長きに渡るしょうもない推し活の結果が伸し掛かる。

 

 フェルンの助け舟に入ったお母さん――アウラは相変わらずの無表情ながら口をヘの字に曲げてそんなことを言っている。どうやら薪割りが遅かったため、様子を見に来たとのことだ。

 

「それでも……幸せだからご褒美です……!」

 

「フェルン、コイツの言うことは話半分以下に聞かないと身が持たないわよ? 今後定期的に付き纏われると思うし」

 

「わかりました」

 

 幼いフェルンにとってアウラは、少なくとも尊敬出来る方になっていた。時々、確かに魔族的な発言はするが、少なくともフェルンが知る者の中でトップクラスに常識的だからである。

 

「それはそれとして、この人どうにかしなさいよ」

 

 するといつの間にか、アウラの隣にフリーレンよりは大人びて見える眠たげな顔をした女性の姿がある。特徴的な長耳と極めて高い魔力量からエルフであることが容易にわかるだろう。

 

 また、よく見ればそのエルフは、酒瓶を抱えており、湿った瞳でそれを眺めていた。

 

「ミリアルデ様! どうかしましたか!?」

 

「アウレリア、お酒切れた」

 

 すると一目散にエルフ図鑑から這い出て来たアウレリアは、エルフ――ミリアルデの手に自身の手を添える。その時に互いの左手の薬指にシルバーリングが嵌っている様子が見えるだろう。

 

 ミリアルデはフリーレンとも友人であり、またアウレリアがアウラにとってのフリーレンのように見付けただらしなくてダメダメで残念可愛いエルフであり――。

 

『あなたがこの先に生きる何百年、何千年の時間の中で……私が死ぬまででいいので一緒に居てください! 今より退屈には絶対にさせません!』

 

 ――等とエルフとしての長過ぎる人生を生きる気力も意味も失っていたミリアルデにプロポーズし、それから数百年経つが、基本的に無気力なミリアルデをあのテンションで引っ張り続け、何だかんだずっと一緒にいる。

 

 尚、アウラは"結婚詐欺じゃんね"とそれについて語っていた。

 

「わっかりましたぁ! ただいま買って来ます!」

 

 次の瞬間、空に高く飛行魔法で飛び立ったアウレリアは、隕鉄鳥(シュティレ)の三分の一ほどの速度で聖都シュトラールの方へと吹っ飛んで行った。30分もすれば大量の酒瓶を抱えて戻り、ハイターに禁酒を解かせるかも知れない。

 

「いつ見ても速いなぁ……」

 

長女(ラウラ)の最高速度は隕鉄鳥(シュティレ)より速かったわよ」

 

「マシな戦闘魔法極めて無いからお母さんの子供の中で最弱だものね、アウレリア」

 

「…………今に始まったことじゃないけど、やっぱり遥か歳上のミリアルデにお母さんって言われる度にムズムズするのだけれど?」

 

「ふふふ……後、何百年かしたらきっと慣れるよ」

 

 眠たげな表情を変えずに口元だけニヤリと歪ませて笑うミリアルデ。その様子は何処か楽しげに見えた。

 

 ちなみにフェルンは、フリーレンに魔法の実技を、アウラからは魔法の座学の手解きを受け、対魔族戦を想定してツィトローネが訓練相手になっているが、それに加えてアウレリアやミリアルデなどの訪問者が参加することもある。

 

 要するにフェルンは、魔法使いとしてこれ以上ない環境ですくすくと育てられているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






アウラの子供で存命なのはアウレリアだけです。後、基本的に色々なエルフの住処を回っているのでフリーレンの旅にはほぼ関わりません。これからは過去(魔族のいる村)と未来(フェルン以降)を行ったり来たりします。






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