ガンダムビルドセーバーズ   作:地水

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 始まりました、ガンダムビルド二次創作。

ガンダムビルドファイターズ、ガンダムビルドダイバーズ、そしてガンダムビルドメタバースとも異なる世界観で繰り広げるのは、新たなる世界観でのガンプラバトル。

ただならぬ情熱をもって戦いあう戦士(ファイター)達の戦い様をその目に刻んでください。

最初にお送りするのは、とあるプロローグから。


BATTLE:00 序章(はじまり)宇宙(ソラ)にて

 そこは、無限広がる広大な宇宙。

いくつもの星々が漆黒の闇の中に輝く幻想的なその空間……。

静寂だけが支配するその場所に、一筋の流星が光る。

 

宇宙の闇を駆け抜けていくのは、一つの白き機影。

白を基調に赤・青・黄色とカラーリングされた鋼鉄の人型で、両腕にはライフル型射撃武装と黄色の十字が描かれた赤いシールドが装備している。

顔にはⅤ字のアンテナ、黄色に光る二つのカメラアイ、赤い顎とへの字の溝の面貌が特徴的な頭部。

背部に設置された推進器(ブースター)から青い炎を吹かしながら宇宙空間を飛んでいく。

 

 

――RX-78-2 ガンダム。

アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する人型ロボット兵器・モビルスーツの一機であり、世間でよく知られるガンダムというジャンルの顔でもあるキャラクター。

通称ファーストガンダムとも呼ばれる彼が駆け抜けた事によって、いくつもの後続作品を生み出してきた。

今じゃ数多の作品がこの世を知らしめているが、それでもこの白き悪魔の如く強い知名度を誇る機体を超えるものはまずいない。

 

 

そんなガンダムは独特の機動音を唸らせながら、ブースターの速度を上げて進んでいく。

やがて目指している場所へ辿り着くと、そこに佇んでいたのは幾つものモビルスーツの姿があった。

 

青を基調とした重装甲と大型火器で身を包んだ重量機で、前腕部に装備された滑腔砲と体の各部に装備された姿勢制御用スラスターが特徴的な武装を有し、こちらも頭部にあるモノアイが赤く輝く。

ティエレンシリーズの一機、宇宙空間用に開発された"ティエレン宇宙型"。

 

ドラゴンを思わせる姿を持った翼と尻尾を有するモスグリーンのボディを有する歪なシルエット。

頭部のスリットのカメラアイが緑色に妖しく光り、その異様さを浮かび上がらせる。

謎の勢力・ヴェイガンが作った主力モビルスーツ"ガフラン"。

 

緑と白の角ばったアーマーを纏い、黄色の四角いカメラを有する頭部。

一番特徴的なのは腕の小さな盾(ガントレット)に接続している直剣(ロングソード)

ギャラルホルンの最新鋭主力モビルスーツの"レギンレイズ"。

 

そのどの機体もファーストガンダムが生まれた世界観……通称・宇宙世紀とは全く異なる世界観で生まれた"アナザーガンダム"と呼ばれるガンダム作品から生まれたモビルスーツ達だ。

彼ら三機のモビルスーツを目にしたガンダムは一旦ブースターを止めて、その場で急停止。

モニター越しに映るガフラン達の姿を見て、ガンダムを思いのままに駆っていた操縦者(ファイター)はにやりと不敵な笑みを浮かべた。

 

 

「随分と豪勢だなぁ。いいねぇ」

 

 

若い青年の声を発した後、手元の操縦根を操作し、再びブースターを吹かす。

青い炎を噴射しながら三機へと近づいていくガンダム……そのガンダムを見て、ティエレン・ガフラン・レギンレイズが動き出す。

まずガンダムへと襲い掛かるのは、ティエレン。

右腕の射撃武装・200mm×25口径長滑腔砲をガンダムへ向けて狙い撃っていく。

 

「おっとぉ!」

 

ティエレンの弾幕を避けながらガンダムは接近していく。

並大抵の敵なら近づくことすら適わないであろうその射撃を軽々と避けていくガンダムに、ティエレンを操る操縦者は次なる一手を打って出た。

ティエレンもう片方の腕部に握っていた大型の誘導弾発射装置・550mmミサイルランチャーを構え、その引き金を引く。

発射口から放たれたいくつものミサイルが宇宙空間を駆け巡り、ガンダムへと迫る。

だが焦る様子もなくガンダムはビームライフルの銃口を向け、その引き金を引いた。

 

閃光。

鮮やかなピンクのビームがミサイルを貫き、爆発と共に撃ち抜いてく。

ミサイルに被弾せずに済んだガンダムはティエレン達へと向かう……だが、その一瞬の隙をついて迫る二つの機影があった。

 

片方は掌のビーム発射口を向けて襲い掛かるガフラン。もう片方はライフルを構えたレギンレイズ。

二人はそれぞれビームを繰り出しながらガンダムを狙い撃とうと迫った。

だが、迫りくる二機を相手に対して、ガンダムの操縦者は叫ぶ。

 

「そうはやらせん、ってな!」

 

操縦根を強く握り、思いっきり引く仕草をした。

それと同時にガンダムの背部ブースターは今まで向けていた方向を変えて、バックステップの要領で後方へと回避。

寸前の所で飛来するビームが通り過ぎ、ガンダムの操縦者の背筋をヒヤリとさせた。

当たれば確実に撃墜される可能性はあった、と脳裏で思いながら、肝を冷やした後に来る歓喜と高揚感が自分の心を支配する。

 

「さぁて、ノッてきたぜ!」

 

嬉しそうな声を上げ、ガンダムを操作して体勢を立て直す。

その手に握るビームライフルでビームを再び発射。

近づいてくるガフランとレギンレイスを牽制しつつ、ガンダムは何も握っていない手を背中へと回す。

背部ブースターにある柄を握り、それを一気に振りぬいた。

柄の先に取り付けられた発振器からビームエネルギーでできた光の剣が生み出され、ガンダムはその武器・ビームサーベルを持って目の前を進む。

振り抜かれた光の刃に対し、応戦をするのはガフラン。

距離をとるのは間に合わないと思ったガフランは尻尾型の武器・ビームライフルを構えて発射する。

だがガンダムはそのビームライフルによる銃撃をビームライフルで叩き落とし、そのまま急接近。

やがてガフランの眼前まで迫ると、ガンダムはその手に握るビームサーベルを振り下ろした。

 

「ハァッ!」

 

――斬。

ガンダムのビームサーベルに一撃により、ガフランは左から斜めの一閃になっては撃沈した。

その際にガフランは胸部にある発射口・拡散ビーム砲で撃ち抜こうとするが、先程の一撃によってそれも構わず不発に終わってしまう。

その一方で、ガンダムの背後を狙うのは銀色の刃・ナイトソードを構えたレギンレイズの姿があった。

強敵ガフランに激闘を繰り広げて疲れているであろうガンダムへの必達の一撃を捉えようとしていた。

だが、その一撃を届く寸前、信じられない動きを見せた。

 

なんと、両手握っていたビームライフルとビームサーベルを手放し、振り下ろされたナイトソードを両手で挟んで受け止めたのだ。

その姿はまさに、真剣白刃取り……映画やドラマといった創作作品でよく見る、しかし現実世界に確かに存在する武術の技。

レギンレイズは自慢のナイトソードを受け止められて驚いているのか一瞬の隙を生み出し、それを逃さなかったガンダムは頭部のバルカンを発射。

有効打にならないながらも直撃してしまい、頭部のカメラを破損させてしまったレギンレイズに対し、ガンダムは相手の胴体を容赦なく蹴り飛ばす。

 

「さぁて、お前さんはちと厄介だ。どう攻略するか」

 

そしてすかさず、自身の腰部に備え付けてあった鉄球型武器・ガンダムハンマーを取り出し、その狙いをレギンレイズの関節部に狙う。

元来、レギンレイズが登場したガンダムの世界観――『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の中ではナノラミネートアーマーと呼ばれる衝撃とビーム兵器に強い装甲構造をしており、それは他の世界観のモビルスーツ相手にも有効だった。

――故に、ナノラミネートアーマー相手の攻略法は用意していた。

 

「おまちどう、特製ガンダムハンマーだ!」

 

従来のガンダムハンマーを強化したそれ……言うなれば、改良型ガンダムハンマーと呼ぶべきそれは、加速バーニアを噴射されて飛んでいく。

鉄塊の流れ星が瞬く間に駆け抜け、レギンレイズの胴体へと直撃。

質量を持った一撃を食らったレギンレイズは装甲を大きく拉げて、そのまま爆発と共に砕け散った。

 

最後に残ったのは、ティエレン宇宙型。

彼は自分の推進器を吹かしながら、ガンダムへと接近していく。

既に使い切ったミサイルランチャーを投げ捨て、代わりの短いジャマダハルのような格闘兵装・カーボンブレイドを装備して、滑腔砲を連射していく。

恐らくは逃げ場を塞いだところへカーボンブレイドによる一撃で接近戦に持ち込もうとする魂胆なんだろう。

ティエレンの操縦者通りにガンダムは逃げ場を狭まれ、最高速度を維持したままティエレンが突っ込んでくる。

やがてカーボンブレイドを構えたティエレンがガンダムへと向かっていき、二機の機影が交差した。

 

 

この宇宙空間に映し出された光景にモビルスーツを操縦者達、そして見ていた者(・・・・・)たち、息をのんだ。

誰しもが今この瞬間、時が止まったと錯覚するほどにその戦いを熱中していた。

 

 

そこで映し出されたのは……。

ガンダムが突き出したナイトブレードに突き刺さったティエレンの姿だった。

ティエレンの繰り出したカーボンブレイドはガンダムのシールドによって何とか軌道を逸らして直撃は免れ、逆にレギンレイズの使っていた武装が背中を貫通するほど深々と刺さっていた。

どうやらガンダムは近くに漂っていたナイトソードを咄嗟を掴み、勢い任せて突っ込んでくるティエレンの速度を利用して、その破壊力を増して繰り出したようだ。

ガンダムはティエレンから咄嗟に離れると、自分の使っていたビームライフルを回収してその狙いを定める。

 

「これで、終わりだ!」

 

ビームライフルによるビームの一撃でティエレンのボディを撃ち抜く。

風穴が空いた後、スパークしながら爆発を起こし、最後の敵はここで宇宙の藻屑となって消滅。

やがて生き残ったのは、ガンダムただ一人であった。

 

【BATTLE ENDITE】

 

【WINNERS:RX-78-2 GUNDAM / DAITI・TAKAISI】

 

ガンダムの頭上にある宇宙空間にて浮かび上がる電子の文字エフェクト。

勝者と評されたガンダムの機体と、それを操っていた操縦者の名前が明らかになり、それを見ていた人々が歓声を上げた。

 

 

「「「わあああああああああ!!!」」」

 

 

先程までのガンダム達を見ていた人々……もとい、この戦いを見守っていた観客たちのドーム内に響き渡る、

そこは、巨大ドーム内の会場。本来だったら有名歌手やスポーツをするために開かれる場所だが、今回ここで行われていた事は違う。

 

昨今有名になりつつある電脳競技『GPF』……正式名称は『ガンプラファイト』。

機動戦士ガンダムのプラモデル、通称"ガンプラ"を使って競わせるこの競技は今世界的人気を誇りつつあった。

今回行われていた事もその一つであり、多対一という圧倒的不利な状況でありながら人々に魅せる戦い方をしたガンダムも、倒した機体達も元はプラスチックでできた玩具だ。

何故架空の存在だったガンダムをはじめとしたモビルスーツがプラモデルにて動くのか……それは近年開発された専用の未来ガジェット・GBC――"GANPLA BUILD CREATER(ガンプラビルドクリエイター)"で読み込まれたガンプラを読み込み、それを立体化した電脳空間に映し出し、その中でデータ化したガンプラを戦わせている……という仕組みだ。

今まで夢にまで見ていたようなガンダムを動かす事が実現した今、世界は新たなる熱意を迎えようとしていた。

 

そんな本気の遊びの火付け役である『彼』は、自分を称える歓声を浴びながら、自分が使っていた愛機・RX-78-2 ガンダムを突き上げ、嬉しそうな笑みを浮かべる。

 

 

「やっぱいいよな、ガンプラファイト!」

 

 

「なぁ、これからガンプラファイトを知った世界がどうなるかわかるか?」

 

 

「きっとすごい世界になることは明白だ!」

 

 

そう嬉しそうに言いながら、ガンダムのファイター『タカイシ・ダイチ』は満面の笑みを浮かべる。

 

 

これは、彼をはじめとした情熱と闘争心を有した戦士達が繰り広げるガンプラファイトの物語の『序章(プロローグ)』。

とある少年と、彼と出会う少女のきっかけとなった世界での物語。

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