〔ミッション開始だ
中央の巨大高炉を破壊しレーザー障壁を解除しろ〕
休息を終えて仕事を再開。巨大高炉を内側から破壊し、超高出力レーザー障壁を機能停止させるのか今回の目標だ。これを停止しない限り何人もこの先へ進む事はできない。
[危険因子の侵入を検出 脅威レベル8
防衛フェーズ4.0 対象を排除します]
〔「危険因子」か 侵入者から格上げになったようだな〕
ここからは封鎖機構も本気で俺たちを排除してくるという訳か…足場を渡りながら照射レーザーを凌ぎ、巨大高炉への侵入を目指す。
〔外周に沿って進め 内部への入口があるはずだ〕
レーザー砲台を破壊した事でこの辺りの安全は確保出来ただろう。コンテナや情報ログを集めつつ指定された座標に移動を開始。このFCS…扱えるなら621の機体と相性が良さそうだな…少し尖り過ぎているような気もするが。
〔変圧チャンバーを探せ
それを壊せば出力超過による炉心爆発を引き起こせる〕
炉心爆発…破壊したらすぐに撤退出来るようにすべきか。高炉内の封鎖兵器を倒し、高炉中心部に突入。
[危険因子の高炉侵入を確認 防衛フェーズ4.5]
流石に警備が厚いな…3人で分担し仕留めていく。
〔…レーザー障壁ひとつに ここまで大規模なジェネレータを用意するとは
惑星封鎖機構…ここまでして封じておきたかったということか〕
封鎖兵器を撃破、隔壁を開いて変圧チャンバーへ向かっていく。
〔それだ 目標を破壊しろ〕
安全の為、離れた所から617がミサイルを放ち破壊。破損した変圧チャンバーが爆発していく。
〔変圧チャンバーの破壊を確認した
爆発に巻き込まれる前に脱出するんだ〕
後は離脱したら依頼達成…
「隔壁が閉じた!?」
[防衛プログラム フェーズ5.0
パターンC 危険因子を排除します]
『あれは…ACなのか!?』
俺たちの前に異形のACが舞い降りる。
《……………》
「あとにふんで、ばくはつする!」
時間が無い…!このACは襲撃者の足止め…なんとしてでも俺たちを排除するつもりか!
[目標 脅威レベル9 排除します]
戦闘開始、敵ACは左腕の奇妙な武器から2発の光波を放つ。それを左右に回避してアサルトブーストで接近、ブーストキックで壁に叩きつけてブレード、怯んだ所にレーザーキャノンで追撃。続く621のパルスブレードによってACS負荷限界。動作を止めたACへ617のガトリングが集中砲火されていく。
このまま押し切りたかったがリペアキットを使用されてしまった。敵機は両肩の武装から…なんだあれ…形容し難いレーザーのようなものを発射。レーザーは独特の軌道でこちらに迫ってくる。引きつけて回避。
プラズマライフルを凌ぎながら絶え間なく攻撃を続け撃破…ターミナルアーマー…!少しでも時間を稼ぐつもりか。
ターミナルアーマーの展開中は手が出せない。回避に集中しつつ少しでも時間を削る為に攻撃を続ける。
[技研…市封鎖に対…る 深刻…脅威と…定]
ターミナルアーマーが終了すると同時に火力を集中させて撃破。
〔やったか!?〕
今度こそやったようだがのんびりはしていられない。隔壁を解錠する為にアクセス…
[強…執行シ…テム 最終プロト…ル
非常弁…閉鎖 炉心溶…加速
排…執行]
「開いた!」
617の声と同時に3人で飛び出す。
〔ハウンズ…お前たちの仕事はまだ残っている
集中を切らすなよ…!〕
入ってきた座標に向かってアサルトブーストで突撃…間に合った!
〔爆発するぞ!衝撃に備えろ!〕
俺たちが脱出した直後に巨大高炉が爆発。機能を停止していく。
『全員…無事…だな…?』
息も絶え絶えだが、2人の安否を確認する。
「問題…無し…」
「だい…じょうぶ…」
〔どうやら…間に合ったようだな〕
ウォルターも安堵しているようだ。
〔見ろ レーザー障壁が消えていく
コーラルは近い
俺たちの仕事にも…ひとつ区切りが付くだろう〕
短い仕事ではあったが流石に肝が冷えた…今日はゆっくり休ませて貰おう…
地中探査を終えた翌日、俺たちの元に依頼が届いた。アーキバスからはレッドガン部隊の殲滅を、ルビコン解放戦線からはヴェスパー部隊の襲撃…企業勢力の力を削ぐと言う訳だな。
ヴェスパー部隊への襲撃はルビコン解放戦線の司令… 帥叔ミドル・フラットウェルが僚機として着くらしい。僚機がいるならレッドガンに2人、ヴェスパーに1人行くのが良いだろう。
…別に、V.IVにレッドガンを任せてヴェスパー部隊を4人で叩きに行っても良いが。
『621、どうする?』
「わたしは…れっどがんとたたかう」
『…良いのか?君はG13だろう?』
「わたしがやらないと、せんゆうがあぶない」
どうせ殺すならば、自ら選んで殺せる方が良い…選べない奴は敵にも味方にもなれないんだ。
彼女は選択した。ならば俺も…。
『617、621の事を任せても良いか?
アーキバスとやり合うなら俺の方が適任だ』
「任せて」
厳しい戦いになるだろうが…彼女達ならやり遂げる筈だ。俺は俺の仕事を果たそう。
「独立傭兵イロハ、協力に感謝する」
『こちらこそ、解放戦線の重鎮と協働できて光栄だ』
社交辞令を済ませ、ミッションを開始。俺たちはエンフォーサーと戦闘をした地点の上で奇襲の時を伺う。
『V.VIIIペイターに先制攻撃をした後、俺はV.Vホーキンスを攻撃する
貴方にはペイターを抑えて頂きたい』
「了解した 仕掛けるタイミングはお前に任せる」
ホーキンスは多くの経験を積んできている。勘づかれる可能性を考慮するとまだ若いペイターを狙うべきだろう。その後は先にホーキンスを撃墜してから最新型のペイターを仕留める。
隔壁が開き2機のACが入ってきた。4脚のリコンフィグがホーキンス、逆関節のデュアルネイチャーがペイターだ。
「第2隊長閣下から緊急招集とは何事でしょうか?」
「スネイルにはよくあることだよ ペイター君
人を呼びつけるのが好きなんだろうね」
スネイルは相変わらずのようだな…どうせいつも偉そうに遅れてくるのだろう。
「第5隊長殿 聞かれでもしたら面倒ですよ」
ペイターは真面目な後輩のようだな。さぞかしホーキンスさんに可愛がられているのだろう。
「番号付きが2機 間違いないな…
イロハ こちらの準備はできている」
フラットウェルの準備が完了していることを確認してペイターにチャージされた拡散レーザーキャノンを放つ。
「ぐあっ!?」「むうっ!?」
直撃。2人の距離が近いお陰でホーキンスにも爆風が当たったようだ。ミサイルを放ちながら降下していく。
「伏兵か!? ペイター君 被害状況は!」
「損傷軽微 戦闘に支障ありません!」
「よし 迎撃始め」
流石はホーキンス…立て直しが早いな。
「なるほど…理解したよ ペイター君
スネイルをだしに使うとは
いかにもありそうな嘘を吐くものだね」
「はっ いっぱい食わされました」
「流石に番号付き 偽計の効果は薄かったか
ここからは力戦になるぞ!」
ホーキンスに向かってブーストをかけながらブレードで先制攻撃。
「誰かと思ったらイロハ君か…
なるほど 君ならスネイルの癖を知っているのも納得だ」
ホーキンスさんは強化手術を受けた時期こそ俺より遅いが、親の借金のカタとして実験体にされた俺のことを気にかけてくれていた。
『お久しぶりです、ホーキンスさん
恩を仇で返すようで悪いですが…これも仕事ですから』
「ああ 分かっているとも」
『それと、この策を立てたのが俺で無い事だけは弁明させて下さい
あの癖、まだ続いてるんですね…』
「そうかい…
もうひとりは…「帥叔」 フラットウェル
解放戦線の重鎮までお出ましとは
ちょっと頑張ろうか ペイター君」
「はっ 望むところであります」
ホーキンスにホバー移動をされると分が悪い。飛ばれる前に仕留めるぞ。話している間に冷却の終了したブレードをチャージ。ホーキンスもチャージせずにブレードを振ってくるが、それが当たるよりも早くこちらが動いた。
回転しながらの2連撃でACS負荷限界、ロックを待たずに直接ミサイルを発射してからレーザーキャノンで追撃。
「…やってくれるじゃないか イロハ君
スネイルが執着する訳だ…」
リペアキットを使用したようだな…このまま俺のペースで持っていく。
プラズマライフルとレーザーキャノンを躱して接近。プラズマは完全には躱しきれなかったが仕方ない。迎撃の為にレーザーブレードを構えたのを確認してリコンフィグの真上までクイックブースト。そのまま俺もブレードのチャージを開始する。
ブレードを大きく振り抜き隙だらけになった背中に再びブレードを叩き込み、そのままアサルトアーマーを発動。ACS負荷を誤魔化す為にパルスアーマーを展開したようだが、俺のアサルトアーマーが即座に消し飛ばす。
跳躍し、ホバー移動に移行しようとするホーキンスに対してチャージされていない拡散レーザーキャノンを放ち、トドメを刺した。
「やっぱりいいね…イロハ君…
今からでも…ヴェスパーに…来ないかい…?」
落下し、ジェネレータの爆発によって崩れ落ちたリコンフィグに呟く。
「ごめんなさい、俺は今の居場所を気に入っていますから…」
当然、返事は無い。
「馬鹿な…第5隊長殿…!」
次はペイターだ。彼も俺のようにホーキンスさんに面倒を見て貰っていたのだろう。それなりに精神を揺さぶれる筈だ。
「う…ううっ…」
やはりショックを受けているようだな。俺だって彼と同じ立場なら…
「第5隊長…ペイター ううっ…悪くない響きだ」
はぁ!?え?切り替え早過ぎじゃないか?さっきまでは確かに悲しんでいたよな…?
お、落ち着け…敵を揺さぶるつもりだったのに俺が揺さぶられてどうするんだ…
フラットウェルを追いかけるペイターにレーザーキャノンで横槍を入れ、すかさずブーストキックで追撃。
「来てくれたか…イロハ
番号付きめ…やはり容易ではないな」
「…ホーキンスさんが空けてくれた番号 身が引き締まる思いだ
これを足がかりに もっと上を目指さなければ…!」
2対1の不利な場面なのにブレないな…敵は先にフラットウェルを潰すつもりらしい。隙だらけの背中にブレードを叩き込む。レーザーキャノンで追撃するつもりだったがターミナルアーマーが発動。仕方ない、一度距離を取って時間を稼ごう。
「…旧世代型とは思えない強さだ
ハンドラーの猟犬として迎えられただけのことはある…」
ターミナルアーマー終了直前にミサイルを発射。逆関節の水平跳躍性能で容易く回避されたが、逆関節のクイックブースト性能は連続で発揮できない。
本命のレーザーキャノンを放つと、怯んだ所にフラットウェルが小型バズーカで追撃。即席で合わせてくれたようだな。FCS負荷限界にレーザーブレードをチャージせず叩き込んで終わりだ。
「そんな…! 今日から私が… 第5隊長なのに…!」
さ、最後までブレないな…出世欲に目が眩んだ結果ある意味精神は揺さぶれていたようだ…
『依頼は達成だな』
「協力に感謝する
今後も良い関係を築けることを祈ろう」