父を訪ねて617光年   作:おーるどあっくす

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◯スネイル
テストパイロット時代(黒歴史)のイロハの強さに脳を焼かれた
その上で仕事を回せばちゃんと指示に従い、旧世代型とはいえど上澄みの実力もあるので快適に使える人材として重宝していた

…またお前がラスボスかよ





V.II迎撃

 617達は行ったか…ハンドラーさえいれば俺は居なくても立て直せるだろう。この後の戦闘に備えて機体の復旧を開始。

 

 最後のリペアキットを使用。ターゲットアシストがイカれたか…OS強化も軒並みダウンしているがマニュアルエイムへの切り替えは可能なのは不幸中の幸いだな。放熱系統もイカれている。アサルトブーストは使えて一回か。致命的なのが機体と俺の神経接続の強制切断だ。放電から搭乗者を守る為の機能が裏目に出ている。

 

 拡散レーザーキャノンとマシンガンの残弾数も心もとない。アイビス相手に垂れ流しすぎたか…ここからはブレードとミサイルをメインに、確実に当たる場面でレーザーキャノンを運用すべきだ。

 

 

 

 つまり…今から俺は、放電による痺れが残る身体による手動操作で、マニュアルエイムでの戦闘をしなくてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく 企業を出し抜こうなど貴方らしくもない

 駄犬共に絆されましたか イロハ」

 

 膝をつき、崩れ落ちた俺の前にACが現れる。

 

『拠点…把握していたのか』

 

 オープンフェイス…V.IIスネイルだ。

 俺たちへの奇襲は流石に想定済だが、ウォルターの隠れ家を直接落としに来るとは思わなかった。

 

「当然です 企業に歯向かうということが

 どういうことかは身に染みたでしょう

 素直に私からの依頼を受けるべきでしたね」

 

『あんな依頼…誰が受けるかよ』

 

「非合理的な判断をしたあなたのせいで

 駄犬共は逃がしてしまいましたが…

 本命は手に入れたのです、まあいいでしょう」

「人のものに手を出すような身の程を弁えない

 駄犬共には後で教育が必要です

 …それから その飼い主にも」

 

『俺の雇い主と仲間を愚弄するなと言ったはずだ

 それに…おまえのものになったつもりはないが?』

 

「これからなるんですよ

 貴方のためにもう一度チャンスを差し上げます

 ヴェスパー部隊に入り、私に……グウッ!?」

 

『断る』

 

 返事をすると同時にレーザーキャノンをチャージして放つ。スネイルが長々と話してくれたお陰で万全とまではいかないが身体の痺れも回復できた。

 

「ッ…!残念です

 貴方はもっと賢いと思っていたのですが…

 ならば、身体に訴えるとしましょう」

 

 

 スネイル1人で来てくれたのは幸いだった。重量機であるオープンフェイスならば今の俺でも手に負える範疇だ。これがスティールヘイズやデュアルネイチャーだったらなす術もなかっただろう。

 

 開幕のレーザーランスを回避…クイックブースト後にブースターの出力が大幅に低下した。クイックブーストの連続発動は厳しそうだな。回避する攻撃を選ばなくては。

 

 

 ひとまずスネイルの背中に照準を合わせてレーザーキャノンを撃ち込む。チャージを2発撃ち込んだとはいえEN防御に長ける先進開発局のフレームが相手では分が悪いか…流線型の装甲にレーザーが逸らされている。

 

 

「このオープンフェイスは貴方の駆った試作機の後継…

 その程度の攻撃は効きませんよ」

 

『あぁ…何処かで見たとは思ったが…

 あれは酷い機体だった

 破綻した設計の欠陥品だ』

 

「同感です …ですが、

 貴方はそれさえも制御してみせた…!

 ヴェスパーに来ればその寄せ集めや欠陥品よりも

 貴方に相応しい機体を用意しましょう」

 

『アーキバスの武器はACS負荷が低いから嫌いなんだ

 ベイラムやBAWSの方が性に合ってる』

 

 当てつけのようにオープンフェイスへベイラム製マシンガンをマガジン1つ分撃ち切り、ACS負荷限界。レーザーブレードで追撃を叩き込んだ。

 

「ッ!ルビコンの猿共と斜陽企業に…

 アーキバスが劣ると!?」

 

 冷却が完了したレーザーキャノンも撃ち込んでおく。

 

『俺の好みの話だ

 負荷限界への追撃には良いと思うぞ

 アーキバスの武器は寄せ集めと相性が良い』

 

 

 システムを復旧したスネイルはスタンガンを連射し、こちらに圧をかけてくるが、有効射程外まで離れて対処。強制放電の脅威はこの身で味わったが、針が突き刺さらなければ放電のしようがない。

 垂直プラズマミサイルの被弾に関しては必要経費と割り切ろう。致命傷にはなり得ない。

 

 

「不愉快なんですよ 旧世代型は

 旧世代型の駄犬と一緒にいては

 貴方にまでカビが生えてしまう」

 

『その理屈だと俺もカビの生えた旧世代型…』

 

「貴方は他の旧世代型とは違う!

 私のように最新の調整を重ねれば…

 貴方はフロイトにも並び立つ逸材だ!」

 

 

 俺も最初はコーラル代替技術の安全性を確認する為の実験体…彼が受ける「調整」の安全性を保証するための強化人間達のうちの生き残った1人でしかなかった筈だろう。

 

 

 マシンガンはついに弾切れか…マシンガンをパージし、スネイルに向けて投擲。その隙にブレードをチャージして回転斬り。用済みにも相応に使い方がある。機体負荷の軽量化にもなるしな。

 

 パンチ、パンチ、パンチ。硬直にレーザーキャノンを撃ち込んでフィニッシュ。拡散レーザーキャノン残弾数3。チャージ1発分だ。

 

 

「貴方の価値を理解しない上層部…私の地位を狙う第8隊長…駄犬に媚びを売り部隊の品位を損ねた第7隊長…指示待ちしか出来ない第6隊長…私の陰口を叩く第5隊長…裏切り者の第4隊長…食事に文句を言う第3隊長…そして話を聞かないフロイト…!」

 

 

 ぶつぶつと不満を垂れ流しながら放たれたスタンニードルランチャーをクイックブーストで回避…連続発動出来ない事にとうとう気付いたか。スネイルはレーザーランスを構えている。リペアキットもアサルトアーマーも無しに喰らうのは洒落にならない…6連ミサイルをパージ。それによって余ったENをブースターに供給し、強制的に再起動させてクイックブーストを再発動。

 

 これで俺は右側の武装を全て失ったな…アポーションRSなのに。

 

 

「そして何より!私からイロハを掠め取ったハンドラーウォルターとイロハに擦り寄るカビの生えた駄犬ども!!!

 その全てが!!!私を苛立たせる!!!」

 

「死んで平伏しろ!私こそが企業だ!!!!!」

 

 

 お前が企業かどうかなんてどうでも良いが、流石に我慢の限界だ。

 

『…ひとつ言っておく

 俺の仲間(ウォルターの猟犬)には敬意を示せ

 彼女達(第4世代)はどの世代(血統)にも劣らない』

 

 

「ッ!どれだけ私の邪魔をすれば気が済む…

 駄犬と飼い主共は…!!」

 

 

『もうひとつ

 俺の雇い主と仲間を愚弄するなと言ったのは

 これで3度目だ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺にも、譲れないものができた。

 命をかけてでも果たしたいことが。

 

 

 これで終わらせる。メインブースターの破損覚悟でENを回し、強制的にアサルトブーストを発動。オープンフェイスに取り付き、コアにレーザーブレードを突き立てる。自爆覚悟でレーザーキャノンを接射。

 

「何をするつもりですか…!

 それ以上は貴方も無事では済みませんよ」

 

 

 背部ユニットを展開。ようやく復旧したコア拡張機能アサルトアーマーを発動。

 

 

 俺も、ようやく自分の意味を見つけられた。

 

 ここ(ハウンズ)が!この(彼女達の居る)場所が、俺の魂の場所だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[C7-168 ロスト]




ここたま!
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