父を訪ねて617光年   作:おーるどあっくす

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タグにもある通り、ハウンズは全員銀髪薄幸美少女です。それ以上の情報は極力出さないようにするのでご想像にお任せします。


ハウンズ

 3機のACが曇天の荒野を駆け抜け、砂埃が舞う。

 

  [ハウンズ 作戦領域到達]

 

 私達ハウンズは第4世代強化人間3人からなるAC部隊…ハンドラーの猟犬だ。

 

  [フェーズ2移行]

 

 機体は3機共通でRaDの探査用フレームC-2000。私達のハンドラーが友人から融通してもらったらしい。

 

 右腕にガトリング、左腕にパルスブレード、右肩に拡散バズーカ、左肩にパルスシールドを装備した私…C4-617が先陣を切り、傾斜から飛び出す。放たれたレーザー砲台を空中で横へ移動して回避。

 

 私に続いて飛び出したのは両手にハンドガン、右肩にレーザーライフル、左肩にアサルトライフルを装備したC4-620。

 

 最後に飛び出したのがC4-619。右腕にアサルトライフル、左腕にグレネード、両肩に12連装垂直ミサイルを装備している。

 

 私達の作戦目標は遠くに見えるレーザー砲台を備えたレーダー基地、惑星封鎖機構監視基地の破壊。レーダーを機能停止させることでルビコンを目指すための布石とするとハンドラーは言っていた。

 

 

 

 619が露払いのため両肩の12連装垂直ミサイルを発射。しかし発射完了と同時にレーザーによってコアを貫かれた。

 

 619の発射した24の垂直ミサイルは施設の防壁へ降り注ぎ、防衛兵器を爆撃、壁諸共破壊していく。

 

  [619 生体反応ロスト]

 

 619は仕事を果たした。620と共に壁を飛び越えて彼女が切り開いた道を進む。着陸と同時に左肩のシールドを展開して敵からの攻撃を防ぎ、620を庇う。

 …ダメージに耐えきれずシールドが破壊された。続く攻撃で左腕も失う。私に残された武器はガトリングだけだ。

 

  [突入ルート再計算]

 

 一直線に目的に向かう私の正面から巨大な兵器が飛び出してきた。間一髪のところで轢き潰されずには済んだが、右肩の拡散バズーカを失ってしまった。

 

 巨大な兵器…特務機体カタフラクトと向かい合い、右腕のガトリングを連射して攻撃。620がハンドガンの連射でカタフラクトの注意を引き、私も反対側から攻撃を仕掛ける…装甲が厚く、最初の攻撃以外あまり効いているようには見えない。

 

 620が2発のレーザーで両腕を失い、追撃でコアを撃ち抜かれた。

 

  [620反応ロスト]

 

 620の方から私に砲台を向き直すには時間が掛かる。照準が合う前にブーストで肉薄。懐に入り込み突進を強引に止めた。頭部にガトリングを押し当てる。先に散っていった仲間達の分まで、私は「意味」を果たしてみせる…!

 

 気づけば私は咆哮しながらトリガーを引いていた。

 

 

 

 

 どれほど時が経ったのだろうか?

 気がつくと、敵機も私のガトリングも動かなくなっている。

 

 機体はもはや限界。所々からは煙やスパークが発生している。

 

 

 

 

 

ーーー617…お前に意味を与えてやる

 

 ハンドラーの声が聞こえる。

 

 意味を果たせという仲間たちの声が聞こえる。

 

 

 

 

 

 私は、私の「意味」を果たす。

 背部を展開して私に残された最後の武器を準備する。

 

  [フェーズ3 パターンE]

 

 私は目標に突入し、アサルトアーマーを発動。

 

 

 

 

 

 …叶うことならば

 ハンドラーの目的が達成されるまで

 主人の為に戦いたかった。

 

 

 

 

 

 そう思いながら私は機体と共に爆発に巻き込まれていく…

 

 

 

 

 

  [617ロスト]

 

  [ハンドラー・ウォルターに報告]

 

  [ミッション完了]

 

 

 

 

 

 画面の向こうで通信を聞いていた男は、

 悔しそうに机へ拳を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お、目が覚めたか』

 

 

 目が覚めると、知らない青年が私の顔を覗き込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『既に襲撃から3日が過ぎている。恐らく襲撃終了後即座にルビコンに迎えるように用意が済んでいる可能性が高い』

 

『既にハンドラー・ウォルターがルビコンへの密航を済ませているなら追跡は困難だ…間に合うといいんだが…』

 

 

 イロハは不思議な人だ。

 彼のAC…たしかパンタレイ?のコックピットに2人で乗り込み、ハンドラーの拠点に向かいながら私は思う。

 現在私は、コックピットのシートの足元に座っていた。

 

 

 私の身柄を惑星封鎖機構に引き渡せばイロハはかなりの報酬加算が望めたはず。私は封鎖機構のレーダー基地を破壊した張本人なのだから。

 イロハは私がハンドラー・ウォルターの猟犬、ハウンズであることも突き止めているのにそのことも封鎖機構には伝えていないらしい。

 

 独立傭兵は金次第では味方も依頼主も平気で裏切る。私だってハンドラーの与えてくれた意味を除けば再手術を受ける金を貯める為に傭兵をしてきた。

 私と彼の立場が逆なら私は彼を封鎖機構に引き渡すしハンドラーもそうするように指示するだろう。

 

 

 私は彼が分からない。

 

 イロハは独立傭兵だ。

 彼自身がそう自己紹介している。

 

 イロハは強化人間だ。

 本人は第7世代と言っている。

 神経接続でACを動かしているから間違いない。

 

 イロハはきっと良い人だ。

 ハンドラーの事を悪く言ったけれどそれは知らなかっただけ。

 私を心配しての発言だったはず。

 

 

 どうして彼は、私を匿ったのだろう。

 

 どうして彼は、私を送ってくれるのだろう。

 

 どうして彼は、ハンドラーに会いたがっているのだろう。

 

 

 機能以外を失った第4世代強化人間がここまで個人に対して興味を持つのは異常だ。もしかしたら、これは失ったものを取り戻す契機になるかもしれない。

 

 ACを操縦する彼を、私は見上げていた。




※617はヘルメットを着用した上で2人乗りしています

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