父を訪ねて617光年   作:おーるどあっくす

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見せて貰いましょう…借り物の金でどこまで買えるのか

 新たなACも完成した俺たちは、ハンドラー・ウォルター捜索という目的を再開した。

 

「まずはどこを探すの?」

 

『それなんだが…まずはRaDから情報を収集するのが良いんじゃないかと思う』

 

 RaDはルビコン3で活動している技術者軍団のドーザー組織だ。パーツの製造、改造、修理を武器商人でもある。そんなルビコンの組織製パーツで、ルビコン星圏外のハウンズ達はACを組んでいた。ハンドラー・ウォルターとRaDとの間に何かしらの関係性がある可能性は高い。

 

 

 

 という訳で垂直カタパルトを使い、俺たちはRaDが拠点としているグリッド086まで乗り込んだ。あくまで今回は情報を得るのが目的でRaDと敵対したい訳ではないので、企業からの依頼ではなく個人としてここまでやってきたのだが…

 

「なんか、警備薄くない?」

 

 617の言うように、グリッド086の入り口にはMTの残骸が転がっているだけだ。まるで、何かの襲撃に遭ったかのような…

 

『そうだな…ジャンカー・コヨーテスの連中、あるいは依頼を受けた独立傭兵か?』

 

 下調べによればジャンカー・コヨーテスはRaDのライバル的な組織だった筈だ。隔壁が既にこじ開けられている。警戒すべきはRaDの警備だけではないかもしれない。

 

 

 

〔おいおい…コヨーテスの奴ら

 傭兵まで、それも2人雇ったのかい〕

 

 この放送は…恐らくRaDの頭領、シンダー・カーラだろう。声色から判断するにRaDは結構苦戦しているようだな。相手のチャンネルと合わせて通信を試みる。

 

『RaDの頭領、提案がある。俺たちを雇う気はないか?』

 

〔ほう?あんた達はコヨーテスの雇われじゃないのかい?〕

 

『ああ、個人的な事情でRaDと話がしたくてきたんだが…襲撃に対して手が足りないようだからな』

 

〔手を貸してくれるってんなら助かるが…何が欲しいんだい?〕

 

『弾薬費と修理費、後はいくつか質問に答えて貰いたい』

 

〔それだけで良いのかい?…まあこれ以上話しているヒマも無さそうだね〕

 

『契約成立で構わないか?』

 

〔ああ、目障りなコヨーテ共をぶっ潰してきな!〕

 

 

『さて、臨時ではあるが仕事の時間だ、617。弾薬費は気にしなくて良いからぶっ放してこい!』

 

「了解!」

 

 

 

 

 俺たちは指定された座標を目指して移動を開始。到着すると、ジャンカー・コヨーテスは大量のMTで………?なんだあのMT…ほんとにMTか?

 

 丸まった状態で転がって展開と同時に弾丸をばら撒く?脚にパイルバンカー?電動ノコギリ?地雷投射機?スタンプラグ?なんでもアリかよ…正気か?

 

「カーラのヤツ、ビジターを雇いやがった!」

 

 …とりあえず、コヨーテスはおもしろMTを引き連れて襲撃をしているようだ。

 

 

『見慣れない兵器群だ。

 警戒は怠るなよ617』

 

「ガトリングで倒せるならどれも同じ」

 

 俺が困惑しているうちに617はガトリングをばら撒いていたらしい。俺もマルチロックしたミサイルで汎用兵器をそれぞれ吹き飛ばし、ライフルでMTに攻撃していく。

 

 

〔コヨーテ共が使ってるMTはうちの製品だ…侮るんじゃないよ!〕

 

 開発したのお前達かよ!?

 酒でも飲みながら作って…いや、ドーザーならキメてるのはコーラルか。

 

 実際まともに当たればタダでは済まない武装ばかりだ。

 射程を活かして遠距離から潰していくべきだろう。

 

 ありあわせ感満載の鉄板で囲まれた細身の4脚MTを617と挟撃して背後から攻撃。

 これでここにいるのは全部片付いたようだな。

 

 

〔やるねえ…ビジター達。その調子で先にいるのも頼むよ〕

 

 こんなのがまだまだいるのか…

 引き受けた以上仕方ないので引き続き移動を…

 

 

「かかったな 取り立て屋!」

 

 なんだコイツ!?!?!?

 突如物陰から飛び出してきたACに奇襲を受ける。

 

「君たちに返済する道理はない、死んでもらおう!」

 

『待った、何か勘違いをしているんじゃないか!?』

 

 取り立て屋も返済も俺たちには関係ない単語だ。

 

〔そいつはコヨーテ共に雇われた独立傭兵だ。痛い目に合わせてやりな!〕

 

 

 なるほど、実害は無いからと見逃していたが金で抱き込まれて敵対した、といった所か…

 

 

『借りた金を返さないバカには制裁が必要だな、いくぞ617』

 

「了解、撃退する」

 

 

 敵ACの機体構成を確認、右腕にレーザーハンドガン、左腕にバーストライフル、右肩に拡散バズーカ、左肩にシールドを装備してアーキバスとベイラムのフレームを使用…各勢力の優秀なパーツを揃えたバランス型といった所か。

 

「安心したまえ 君たちの融資を無駄にはしない。

 ほら、この新しい機体を見てくれ、こうして私の信用は拡大していくのだ」

 

 何を言ってるんだコイツ…理解が追いつかない…

 

 バックラーを使って攻撃を凌ぎながらガトリングでヘイトを買う617の反対側からライフルとミサイルでACSに負荷を与えていく。

 立派なシールドを装備しているようだが後方から攻撃されては意味が無いし、反動を抑えきれず逸れたガトリングが必要以上に命中している。

 

 

「くっ…どうして分からない…!

 借りた金をなぜ返す必要がある…!」

 

『借り物だからだよ…』

 

 

 敵ACのACSが負荷限界。ダウンしたACにチャージにより加速したリニアライフルの弾丸を直撃させる。

 

「私のビタープロミスが!?私の信用が!」

 

 リニアライフルの衝撃で吹き飛んだ先に待ち構えていた617がコアを切り裂いた。

 

「ある金は活かすべきだ…何故理解しない…」

 

 敵AC…本人曰くビタープロミスのジェネレータが爆発する。

 

 

『脱出したのか…』

 

「取り逃した…」

 

〔片付いたみたいだね、あとは掃除を頼むよ〕

 

 

 シンダー・カーラの指示に従い、手分けして残党を排除。

 これで臨時の仕事は終わり、ようやく本来の目的に戻れるな。

 

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