再会の時は近い…
死ぬかと思ったが無事に中央氷原に到着した俺たちはアーキバスから惑星封鎖機構襲撃の依頼を受けて資金を確保しつつ、レイヴンの手がかりを追っていた。
そこまでの期間にオールマインドからログハントプログラムの報酬を貰ったりアリーナへの招待があったりもした。パーツはともかくいつでもAC戦が出来るのはありがたい。普通に買うと高価なコア拡張機能まで貰えるのか…!
アリーナによるとレイヴンは現在13/Cのようだ。
加えてアーキバスからの話を聞くに、どうやらレイヴンはベイラムの観測データを奪い取ろうとしていた所で惑星封鎖機構と交戦、その後封鎖機構の燃料基地を襲撃したことで、傭兵たちの間に封鎖機構を叩くと金になるという風潮を生み出したらしい。凄まじい影響力だ…流石自由意志の表象と呼ばれるだけのことはあるな。
ただでさえコーラル湧出の情報をリークされているのに襲撃までされて金のなる木扱いとは…封鎖機構も怒り心頭だろう。
とはいえ、こうも立て続けに企業の依頼を受けるものなのか?企業の走狗になるのもハンドラーに手綱を握られるのも自由意志の表象らしくないような…
考えても仕方ない、今は自分の仕事をするだけだ。今回俺はルビコン解放戦線からの依頼で施設警備に来ている。617は坑道破壊工作依頼を受けてから体調が優れないらしく休息をとらせることにしたので久しぶりに1人の仕事だ。
まぁ今日の俺は解放戦線AC乗り…確か六文銭?の代理人、襲撃さえ無ければ突っ立っているだけの楽な仕事………?
〔独立傭兵イロハ、襲撃だ!敵はAC1機、対処してくれ!〕
立っているだけの仕事では無かったな。1機ということは独立傭兵だろう。アサルトブーストで襲撃者まで移動を開始する。
襲撃者の元へ到着。襲撃者は4脚MTに突き刺したパイルバンカーを引き抜いているようだ。引き抜かれた杭からはオイルが滴っている。
〔「レイヴン」通信は聞こえてる?〕
〔目標を確認したわ
あれがあなたを探っている傭兵…〕
…レイヴン!?確かに全身がRaDの探査用フレームで統一されているが…
レイヴンと呼ばれた傭兵はオペレーターらしき女性の声に応じてこちらへ振り向く。
頭部が変形し、バイザーによってカメラアイが覆い隠された。
〔我々の自由を阻む可能性を排除しましょう〕
黄昏を背に、レイヴンはこちらへ襲いかかる。
放たれた相対ミサイルを横へクイックブーストして回避。お互い右手に装備した火力型ライフルで攻撃を開始する。
この状況はどういう事だ?617が言うにハンドラー・ウォルターはオペレーターを雇わず自分で指揮をしているはず。新しく女性オペレーターを雇う余裕があるとは思えない。
自由を阻む可能性というのは俺に向けられた言葉だろう…レイヴンの情報を集めていたのは確かだ。わざわざ排除しに来るくらいだからやはりレイヴンは自由にこだわりがあるのだろう。ハンドラー・ウォルターの元で指示に従うとも思えない。
前から違和感はあったが…もしかして自由の表象のレイヴンとウォルターの猟犬のレイヴンは別人なのか?
〔「レイヴン」作戦目標のについて情報を伝えるわ。
独立傭兵イロハ、強化人間C7-168。
木星圏を拠点にアーキバス寄りで活動しているみたい、あなたを追ってルビコンまできたようね。
旧式とはいえ第七世代。油断せず対処して〕
型番まで調べがついているのか…そこまで分かったなら目的がハンドラー・ウォルターである事にも気づいて欲しかった…
『何か誤解があるようだ、レイヴン。俺が探っているのはハンドラー・ウォルターの猟犬のレイヴンだ。貴方達に危害を加えるつもりは無い』
〔強化人間C7-168、あなたが「レイヴン」を追う目的は知りませんが我々の自由を阻むのであれば容赦はしません〕
『その目的を今話しただろ…!オープン回線をブロックして一方的に話を進めるな…!』
6連ミサイルと双対ミサイルの2つの軌道で攻撃を仕掛けるがどちらも見切られているようだ。小刻みにクイックブーストを発動されて躱される。
機体からのアラートに反応して2連グレネードを回避。発射反動にリニアライフルのチャージを狙うが間に合わなかったか。無駄にオーバーヒートさせてしまった。
リニアライフルとアサルトライフルでそれなりに弾幕を張っているはずだが変速的な動きを捉え切れない。
双対ミサイルのせいで横か前への回避を強制され距離を離せず射程を活かしての攻撃も不可能。
レイヴンはアサルトブースト中にクイックブーストを絡めて接近してきた。実力に差があり過ぎて満足に動けない…!
接近してパイルバンカーを振って来るレイヴンに対してアサルトアーマーでカウンター…相手もアサルトアーマー!?誘われたのか!
アサルトアーマーを掻き消されACS負荷限界に達した俺にチャージされたパイルバンカーが突き刺さる…なんとか機体を逸らしてコアへの直撃は回避したが左腕を失った。
〔アーキバスの走狗のままでは羽ばたけないでしょう〕
知ったような口を…評論家気取りか…?
と噛みつきたくなるが俺が圧倒的に劣勢なのは事実。リペアキットは0、両腕の武器を失いミサイルは完全に見切られている。
左腕を失った事で重心が傾き動きが鈍い…まともに攻撃も回避も出来ないまま2連グレネードを受け、ACS負荷限界を迎えた俺の目の前にパイルを構えたレイヴンが迫る。なんとかシステムの復旧を試みるが機体は応えない。
ここで終わりなのか…まだ617をハンドラーに会わせてやれてないのに…
「させない…!」
突如レイヴンの機体へ弾丸が殺到、堪らずレイヴンが飛び退いた。
レイヴンから俺を庇うようにアポーションLS…617が立ちはだかる。
617とレイヴンが交戦を開始。彼女のガトリングによる弾幕はレイヴンを捉え続け、レイヴンを近づかせない。躱し切れない攻撃は冷静にイニシャルガードで対処し、無理矢理近づいたレイヴンにはブレードで迎撃。何も出来なかった俺に比べて彼女はレイヴンと互角に戦っている。
『617!?体調は大丈夫なのか?』
「人の心配してる場合じゃない!」
617の言う通りだ。なんとか機体を立て直す。
〔潮時ね…「レイヴン」彼に我々の脅威となり得る力は無いわ。
撤退しましょう〕
追撃出来る力は残されていない。黄昏に霞んでいくACを呆然と見届ける。
何が第七世代だ。第四世代の少女に助けられ、敵には取るに足らないと見逃される。無力さに苛立つと同時に、617の力が羨ましいと思ってしまう自分がいた。
レイヴンと交戦してからイロハの様子がおかしい。時間があるとアリーナのシミュレーションにずっとこもっている。敗北がよほど堪えたのだろうか?
彼はあれからACのアセンブルをシミュレータで組み直している。武器を全て取り替えて右腕のアサルトライフルをトレーニングで貰ったマシンガン、左腕のリニアライフルをレーザーブレード、右肩をオールマインドが渡してきた妙な特殊ミサイル、左肩をレーザーキャノンに変更し、ジェネレータも環流型に変わっているらしい。
中距離からの牽制に長けていた以前よりも近距離戦に偏っている構成みたいだけど…アーキバス系列のパーツを増やして良かったのかな?
そもそもパンタレイの左右装備を2人でシェアしてるからアポーションと名付けていたのにライフルとミサイルを変えているのが気に食わない。あれじゃアポーションRSと言うよりパンタレイの改良型だ。
「ッ…!」
『また耳鳴りか?やっぱりアーキバスに頼んで調整してもらった方が…』
坑道でコーラルの奔流に巻き込まれて以来耳鳴りが治まらない私をイロハが心配しているのは分かる。彼は確かに様子がおかしいけれど、別に私を蔑ろにしている訳ではないのだ。
「大丈夫だから」
『そうか…明日は仕事があるが、休んでも良いからな。無理はするなよ』
無理をしそうなのはイロハの方だ。またレイヴンの時みたいに窮地に陥る可能性を考えると1人には出来ない。
ハンドラーなら…彼の悩みを解決できるのだろうか。
◯イロハ
俺は、君が妬ましい
◯オールマインド
お気に入りの傭兵がやばい…C4-617 対処を!
◯アポーションRS改
{IMG129218}
失った腕部などを取り替えたアポーション
中距離支援型というコンセプトを投げ捨て、近接寄りの性能になっている
右腕 MG-014 LUDLOW(マシンガン)
左腕 Vvc-770LB(レーザーブレード)
右肩 45-091 JVLN BETA(特殊ミサイル)
左肩 VP-60LCS(レーザーキャノン)
頭部 HD-012 MELANDER C3
コア VP-40S
腕部 VP-46D
脚部 VP-422
ブースター ALULA/21E
FCS FC-008 TALBOT
ジェネレータ VE-20C
コア拡張機能 アサルトアーマー
使用感
足を止める武器はあまり好きではなかったが、離れた敵へのスタッガー追撃から雑魚掃除まで出来るレザキャが想像よりも便利だった