生きてます。そしてジャンプと言えば彼女ですよね。
『テレビで出回ってるな』
『ああ、九州でもちらほら報道されてるのを家電量販店で見てる』
『何で九州まで行って家電量販店にいるんだよ』
『そもそも俺たちは金がないだろ』
『戸籍すらないな』
『でも金は必要だよな』
『いや、エネルギー補給は風とそこら辺の草で賄えてるが』
『装備の問題だよなぁ』
『ヘルメットもバイク用のだし、本家性能とはいかなくても見てくれだけでもそれっぽいものを作りたい』
『そうなると電動のものになるし』
『普通に道具も技術も必要になる』
『また何処かでゴミ漁りするか?』
『キチ…………』
『既に散り散りになって情報を集めてるからひとまとめに作るのは難しいだろう』
『ヒーローがどこでもいるように、ヴィランもどこにもいるのが気に喰わん』
『白昼堂々と悪事を働くところも気に喰わん』
『見かけたら野放しにできる訳が無い』
『
『誰かが傷つき、悲しむ』
『ヒーローが居る?傷つくの間違いじゃ無いか?』
『彼等も基本的に善意で動くが、
『その死者も少なく無いのが現状か』
『逆に
『だが更生するやつもいないわけでは無いらしいな』
『…………刑務所がパンクしそうになるのも分かる』
『キチキチ…………』
『とはいえだ、一度散開した俺たちに出来ることは通りすがりにぶちのめす事だ』
『手加減は抜きだがな』
『あと普通にバイクが欲しい』
『単純にバイトも出来ないからな』
『国籍も住所もないし』
『…………どこからどう見ても
『言うな。考えは皆同じ俺であるんだから全員思ってる』
『それでも俺達は止まらない』
『止まれないの間違いだな』
『これしか俺達の生きる道がない』
『戦い、傷つき、そして守る』
『矛盾した詭弁だな』
『だが、誰かがしなければいけない』
『あっ』
『俺達は成すべきことを…………』
『待て、なんだ今のあっ、て』
『緊急事態か?』
『不味い、兎のヒーローに追われてる』
『まあ、殺ったら追われるよな』
『割と肌色が多い衣装だな』
『『『『『『『『『『『
『チキ…………?』
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それは、一つの危機だった。
『個性』は刃物のようなもの。食材を切るように平和利用に使えるし、生物に使うと簡単に命を断つこともできる。
そんな刃物を人々は
要するに持て余すだけ持て余し、使いたくても使えない状況が延々と続く。
自分の力を発揮できる場がない、鬱憤が溜まり爆発する。
「や、やる、やってやる!俺の『個性』が一番なんだ!」
突然、普通車がとげとげしい装甲を纏いエンジンを落雷の如く轟音を出して道を征く。
そこらに並んだ車を押しのけ、破壊していく。
周囲の悲鳴を気にせず暴走するソレはまさしく
その覇道に人々が傷つき、泣き叫ぶ。
だが誰もが黙っているわけではない。
空に『二つ』の影が武装車両に迫りゆく。
あれは誰だ、鳥ではない、人だ!
兎の長い耳をたなびかせ、褐色の女性が武装車両のエンジン部分を踏みぬいた。
丸いバイクヘルメットをかぶったコートの男がぐしゃりと運転席を踏みぬいた。
「って、おい!お前やりやがったな!」
どうやら仲間ではなかったようだ。
車は止まったが、運転席を踏み抜かれた人間だったものは、衝撃により命だったものに早変わりしてしまった。
赤く染まった運転席から足を離している男に褐色の女性、ラビットヒーロー『ミルコ』が指差して叫ぶ。
勝気な兎も流石に目の前の殺人を黙ってみてはいられない。
相手はヘルメットをかぶっているせいで表情は分からないが、ろくでもない奴という事はほぼ確定したとミルコの中では考えられた。
そんな悲鳴を聞きながら赤い液体が付いた足で跳躍、現場から逃走を図った。
「あ、あいつもしかしてテレビでやってた奴じゃ…………」
「たしか近畿にいたんじゃなかった?」
「もしかしたら南下したのか?」
ミルコの優れた聴覚で拾った声から、ここ最近テレビで騒がせている超過激派ヴィジランテであることに気づいた。
時たまに
幸いな事に一般市民には被害が出ておらず、殺人を犯していることを除けば人助けをメインに活動しているのは知っていた。
「逃すかよぉ!」
相手の大跳躍にミルコも負けじと跳躍で追いかける。
相手は既にビルの上まで到達しており、そこまま屋上を走りながら飛び回る。
ミルコは流石に一回の跳躍ではビルの屋上まで到達できなかったが、壁キックを駆使して飛び乗ることには成功した。
目視でおよそ100m、まだ追いかけられる距離だ。
ついでに赤い足跡も残っているので追跡も容易い。
殺人を咎めるのは当然のこと、追いかけるのも必然。
だが、ミルコはそれに加えて一つの思いがあった。
「あの蹴り、あたしと同じ、いやそれ以上…………」
車を蹴り潰し停車させるほどの威力を誇る自慢の蹴り、蹴りのプロだからこそよく分かる。
明らかに先鋭された蹴りを自分以外に見たことはない。
「戦ってみてぇなぁ!」
草食動物の個性のくせにやたらと好戦的なミルコ、彼女は戦いに飢えていた。
他のヒーローは少ししがらみが多く、かといって気持ちよく吹き飛ばせる
だからこそ、獰猛な笑みを浮かべて獲物を追う。
「待ちやがれ!地の果てまで追ってやるかな!」
ビルから飛び降りたらしく視界から消えたヘルメットの男を追いかけ、ミルコも地上に降りた。
しかし、その姿は無い。
「逃げたか!だが、あたしは追うぞ!」
ラビットヒーローは事務所を構えない。マネージャーは居ても連絡一つ入れて後は放置、聞く耳を持たないとも言う。
謎のヴィジランテ(ヴィラン寄り)を追い、ミルコは今日も飛ぶ。
「た、助けてくれー!」
「あぁ!?今行くから待ってろ!」
もちろんヒーロー活動は忘れずに。
正義の心を備えた戦闘狂は扱いづらい。
今日もあまりいう事を聞かないヒーローは最恐ヴィジランテと呼ばれる男を追う。
なお、追われてる相手は物凄くめんどくさがっていた。
バッタオーグ「「「「「なんだあいつ、相手しずらい」」」」」」
後に日本各地で彼らの報告が出るようになりミルコが混乱するのは少し先の話。
なお、戦闘になってもミルコには一切攻撃しない模様。だってヒーローだもの。