対巨大生物対処局特殊戦術課 作:火薬好き
対巨大生物対処局局長室
「長道次官。情報室・監査室。その上統括課まで揃えて・・・敵の動きにでも変化が起きたのか?」
「特戦課を係分けするというのは本当ですか?」
「・・・今は作戦中だ。わざわざ問い詰める部門が揃っているというのは内部争いでもする気か?」
「いえ。どう考えても過剰戦力であるとしか。予備役だけでなく、六期生まで引っ張り出しての戦力増強。地方にすら危険がある今、戦力の極所集中は愚策かと」
「だが引っ張り出したのは予備役と六期全員を含めても一割。十分地方にも展開できる戦力を残してある。これにも不満があると?」
「・・・いえ」
「それよりも、係分けをするというのなら、監査室。各係にも監視カメラを設置するのか?」
「そ、それは・・・」
「たださえ異例の研修を早期修了として六期を受け入れる。その上実働部隊である特戦課の係分けはメディアにも少なからず報じられる。そうなればそこに監視カメラなんぞがあったら、ネズミがいたら・・・どうなるかわかるだろう?」
「・・・十分考慮します」
「なら、凪島特将補から、特戦課への監視カメラの撤廃及び今後設置しないようにとの要請があった」
「・・・将補ですと?」
「あぁ。いい加減階級を上げてやれと大臣直々に言われてな。防衛省の監査に全て異論無しで通った決議だ。何か文句でもあるのか?これはあくまで私に対する要請で今君たちに頼んでいる段階だ。もし、これが本人からの上官命令となると・・・拒否はできないだろうな。既に幕僚監部に彼の席も設けられている。有事の際はそこに名札だけ置くことになるだろうな」
「・・・すぐに撤去します」
「よろしい。ほかになにか?」
「いえ、ありません」
「これは独り言だ。今後方法を変えて監視するのは構わんが、彼を追い落とすのは別に構わん。その時はそれだけの証拠があるのだからな。私も異論はない。だが、彼を失った後、戦況を好転・・・維持できると?」
「・・・っ!!」
そういった狭間の目線は鋭かった。いつも厳格ではあるが、温和で人と接する狭間らしからぬ視線、感情であった。その息に飲まれた次官含めお付きは局長室を出て行った。
「全く・・・嫌われるような性格でもなく、人と接するときは誰よりも年上の人物や上官を敬っていた。それが今まで二佐で留めてくれと懇願してくるような奴だぞ・・・と言っても知っているのは極少数。本音を見せるのは自分の弱みを見せるのも同じ。だが、すまないが上の事情もあるが、こちらの事情もある。そろそろ、表舞台に立つ・・・終わり方次第では強引に表舞台に立たされることになるだろう・・・」