半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

今回は前話で予告したあるキャラ達を多少ですが紹介することができます!実はこのキャラ達かなり悩みました。方向性っていう面で。

お気に入りに登録してくれた下記の方

イワチャ LUFENIA schlieffen

誠にありがとうございます!


それでは本編をお楽しみ下さい!



『本気の勝負!竜変身VS半冷半熱!』

 

 

飯田との試合が終わり、俺は観客席に戻る。

 

『みんなただいま』

 

『『おかえり』』

 

耳郎を筆頭にみんなが俺に声をかけてくる。

 

『アンタ凄いね…あの飯田を完封するなんて…』

 

『オイラもびっくりだぜ。あんな弱点が…』

 

『スピード系の弱点か…』

 

『俺にもあの戦い方できるか!?』

 

みんなは口々に俺の試合について語ってきたが、そんな簡単な話じゃない。

 

『みんなには悪いけど、あれはそんな簡単にできるもんじゃないぞ?』

 

『どういう事だ?』

 

上鳴が興味津々と言った感じで聞いてくる。

 

『あれは飯田のスピードと動きを見切れる動体視力とそれを可能にする反応速度がないとまず無理だ。形だけ真似した所で捉えきれずに即ゲームオーバーだ。』

 

『じゃあ、あれは破竜限定のやり方って事?』

 

『いや、さっきも言ったけど動体視力と反射速度が高ければ同じ事ができる。うちのクラスでいえば………爆豪ができるかどうかって感じだ。まぁ、飯田がこの弱点克服したら、本気で打つ手が無くなりそうだから困るんだけどね。』

 

これは事実だ。スピードやパワーってのは単純故に攻略が難しい。弱点を見つけても何かと組み合わせた瞬間に弱点が強力な武器に変わることもある。

 

『そうか…なら俺ももっと鍛えていかないとな!』

 

『『『飯田!?』』』

 

早いな。そんな軽くないダメージだと思うんだが…

 

『多少手心を加えてくれたんだろう?じゃなきゃこんなに早く復帰なんてできないさ!それで君が言った弱点はどうやって克服すればいい?』

 

『克服方法まで教えるつもりはないなぁ〜。お兄さんに聞いてみたらどうだ?戦闘スタイルが似てるなら同じような壁にぶつかった経験もあるだろうし、俺よりも的確なアドバイスできると思うよ?』

 

『ハッ!?そうだな!!すぐに電話してくる!!』

 

そう言って飯田は嵐のように消えていった。

 

『ホント騒がしい奴』『アンタのせいだけどね』

 

クラスメイト達と茶番を繰り返していると今度は常闇VS八百万の試合になったが、これは一方的な試合展開で常闇が八百万を瞬殺してしまった。

 

『ね、ねぇ…破竜?ヤオモモ調子悪かったのかな…?

だって…いくらなんでもこんな一方的に…』

 

耳郎が俺に質問を投げてくるが、

 

『残念だけど、調子が悪い云々じゃないよ。八百万の個性"創造"は確かに強力だ。でも戦闘訓練で俺が八百万に指摘した咄嗟の判断力の差が出たな』

 

全員黙って俺の話を聞いている。

 

『耳郎の場合は出来る事が限られていたからこそ、全力で食い下がってあれだけ拮抗できた。でも、八百万は自分ができる多くの中から最善を選ぶまでの間を常闇に突かれた形だ。出来る事が多いのはいい事だが、判断力をもっと早くしないとキツイな…戦闘で相手は悠長に待ってなんかくれないからな』

 

『ヤオモモ悔しいね…この負け方は』

 

『だとしても乗り越えないと。耳郎みたいにな』

 

『!? うん…ありがとう。破竜』

 

『どいたしまして』

 

2人のやりとりを見て、他のA組は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『(夫婦か!コイツら!!!)』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心の声が一致した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の切島と爆豪の試合が開始する少し前

 

『さてと……俺も控え室行こうかな。次はアイツだから。油断なんかしてないが全力で行かないと負けるかもしれねぇ…』

 

負けるつもりなんかねぇけど、それでも不安になる。半冷半熱の個性。相反する二つの個性の同時使用は厄介極まりない。そうすると耳郎が声をかけてきた。

 

『アンタらしくないよ?全員下して優勝するんでしょ?ここで勝たなきゃ許さないから。』

 

勝たなきゃ許さないか…とんでもねぇ檄だな。

 

『フッ…なら期待に応えてくるよ。

     ちゃんと見てろよ?俺が勝つとこ。』

 

そう言って頭をポンと撫でると

 

『ちゃんと見てるから。頑張ってよね』

 

『あぁ!』

 

そう言って控え室に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緊張するな。爆豪と切島の試合は爆豪優位みたいだな。手数の多さとあの戦闘センスの高さは侮れん。

 

にしても………

 

時計の音がうるさい。

心臓の音もうるさい。

早く試合が来い。

それなら緊張もすぐに消える。

 

そういえばエンデヴァーが言ってたな。

 

『まぁいい。アレに無様に負けるの見ていてやる。』

 

無様に負けるつもりはねぇ。どうせ観客席で見てるんだろうな…ムカつくことに。だけど緑谷との戦いで轟には少しは俺の言ったことの意味が伝わってくれたはずだ。ここで勝てればアイツをまた少し楽にしてやれる。そう考えていると

 

『破竜くん?準備はいいかい?』

 

スタッフが俺を呼びにきた。

 

『えぇ、勿論。』

 

そう言って俺はステージに向かって歩き出す。ステージに出ると轟はまだきていないみたいだ。

 

『轟は?』『今から来ると思うわ』

 

すると反対側から轟が歩いてくる。

 

『悪い、待たせたか?』『おう、少しだけな』

 

『そうか…すまねぇ』

 

『いや、軽い冗談だ。真面目に受け取るな』

 

コイツ…もしかして結構天然ちゃんなのか?

 

『破竜、少しいいか?』

 

『うん?』

 

『あの時、お前が俺に言った事を全部はまだ理解できてねぇ。いや、正直に言えば俺にはどうしたらいいかまだわかんねぇ…でも、この場でお前と戦えるのを楽しみにしていた。だから…勝つぞ破竜。』

 

…なんだよ。ちゃんと前に進んでる。俺の気の回しすぎだったかな。

 

『へっ、良いじゃんかそれで。あの時のお前よりも今のお前の方が断然好きだぞ俺は。』

 

『そうか……ミッドナイト先生頼みがあります。』

 

『ん?なんですか?轟君』

 

『観客を全員後ろに下げてください。俺の個性の余波で余計な怪我人を出したくないので』

 

『えぇ、わかったわ……』

 

セメントス先生の個性で観客席側も守る。

 

『すぅ……全力で来いよ、轟!!』

 

轟も頷き、お互いに構える。

 

 

 

 

 

 

『それでは準決勝第一試合…START!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

開始と同時に俺は"パワー"ジーンの力を5倍まで引き上げて轟に迫る!

 

『だりゃあ!!!』

 

拳が触れる瞬間、目の前に氷壁が現れるが

 

『こんなもんで止められるか!!』

 

俺は氷壁を砕いて轟を視界に収めると轟が右半身を振り翳して氷結を出そうとしていた!

 

『穿天氷壁!!!!』

 

『あっぶねぇ!!!』

 

俺は咄嗟に出力を10倍まで上げて反対側のステージ端まで移動する!チッ、やっぱ氷結が厄介だ。

 

でもな

 

『視界が遮られてるぜ!』

 

穿天氷壁の弱点…それは一瞬でケリをつけられる反面、外せば相手を自分の視界から外すことになる。速度で上回る俺には悪手だ!

そのまま轟に接近するが……

 

シュゥゥゥゥゥゥ……

 

『ん…?煙…?いや、まさか…!!!』

 

『燃やす!!!!!!!!!』

 

穿天氷壁の氷壁を溶かして炎が俺に迫る!

 

コイツ…!氷結の出力をいつもよりも下げて炎で溶かしやすくしてやがった…

 

しかも、俺が避けるのまで計算済みかよ!

 

間一髪で気づいた俺が炎を躱すと、轟は炎と氷を両腕に発現させながら

 

『お前相手に出し惜しみも油断もしない。

     俺の…俺だけの"力"でお前を倒すぞ!』

 

『ハァ…緑谷…お前本当厄介なことしてくれたな』

 

俺はそう呟きながら再度構えを取る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンデヴァーside

 

 

 

『いいぞォ!焦凍!!奴を完膚なきまでに叩き潰し、今年の一年生で最も優れているのはお前だと証明しろ!!』

 

俺の計画は着々と進んでいる。いずれオールマイト、お前を超えて焦凍はNo.1になる。俺はその時のことを今から考え、気持ちが昂るのを感じた。

 

『にしても…破竜真人。炎を使った焦凍相手にここまで粘るとはな。伊達に首席ではないと言うことか。』

 

だが…俺は何か腑に落ちないものを感じていた。この男…昔何処かで…何処かで見たような気がする…

 

いや…関係ないことを考えるな。

今は焦凍が上に行く為の戦いを見る事が優先だ。

 

そう思い、俺は試合に改めて目を向け直す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

炎と氷が交互に飛んでくる!クソッタレめ!

避けても間髪入れずに襲ってくる!

 

『お前を近づけさせるつもりはない!』

 

『面白ぇ!!絶対に一撃加えてやる!』

 

そういって俺は避けながら考える。落ち着け…良く見ろ。どこかに隙があるはずだ……見つけ出せ!!

 

『くそ…いい加減に…』

 

そういって轟はまた氷結を繰り出す。次は炎か!そう思い、俺は氷を避けて炎を待っているとあることに気づく。

 

氷の時と違って炎を放出するまでの時間が長い…?

なんでだ………………………そうか!!!!

 

俺は氷と炎の攻撃を躱しながら、

炎放出までのタイムを測る。1、2、3か…

 

轟は俺に避けられ、逃げられている事態に苛立ちを隠せないのかもう一度氷結を繰り出す!

 

『穿天氷壁!!!!』

 

ッッ!今だっ!

 

氷壁を再度躱した俺は轟が炎で俺を狙いやすい位置につき、脚に力を込める!

 

『今度こそ!!燃え……』

 

出力を20倍まで引き出せ!!!!!

 

『ッ!ここだぁ!!!!!』

 

瞬間的に速度が高まった俺のスピードに轟は対応できずに顔面を撃ち抜かれる!幸いにも吹っ飛んだ先は氷壁のところだったので場外負けこそなかったが…

 

『ぐっ…が…………破竜ゥゥ!!!!』

 

轟は怒りの形相で俺の事を睨む。

 

『流石に今日使い始めたばっかの炎を氷と同じような精度とスピードで使いこなすことはできねぇみたいだな!?まだ動きがぎこちねぇぞ!!』

 

そこからは俺が拳と脚で氷を砕くと轟は氷をメインにしながらも炎を放出して俺を攻撃する!

 

だけどスピードなら俺の方が上回ってる!俺は氷も炎も完璧に回避して、攻撃後の轟に蹴りを見舞うが…轟は氷結で地面を滑りながら回避しつつ距離をとる。

 

『くっそ!!ホントずるいな!それ!』

 

『お前こそ……しつこいぞ!!!』

 

この時点でステージは炎と氷が飛び交う地獄のような様相を描いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A組side

 

 

『凄い……それしか言えない……』

 

『攻防の入れ替わりが早すぎます!』

 

『破竜君はよく喰らわないで接近できるな…』

 

『それをいうなら轟もだぜ!?あのスピードで接近してくる破竜相手に氷と炎使ってたった一度しかダメージ喰らってねぇんだからよ!』

 

『どっちが今の所、優勢なのカナ?』

 

『それは…本人たちにしかわからないけど、明らかにキツイのは破竜ちゃんよ。あのパワーの力がどれだけ持つかわからないけど、あの動きをずっとできるわけないわ。どこかで失速するはずよ…』

 

『でもよ!それは轟にも言えるんじゃないのか!?』

 

『轟君の弱点やった霜が降りかかるのは半身の炎の力で相殺されてる。実際ないのと同じだよ』

 

『破竜………見てるから頑張ってよね』

 

A組は今後の試合展開を予想するも、双方の力が想像以上過ぎて誰も答えを出す事ができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くそが…流石にパワーの維持がキツくなってきた…オールマイトの言う通り、体を鍛えないと今のままじゃ使える時間が短い…

 

『流石にキツくなってきたみたいだな?破竜』

 

『はぁ…?なに…はぁ…いってやがる?』

 

『息が乱れてるぞ?そんなに長時間持たないんだろ?その状態で戦闘するのはよ。』

 

流石に見破られるか…

 

『悪りぃが、今のお前相手に手加減する余裕はねぇ』

 

そう言うと轟の周囲の空気が冷えていく……

なんだ?何をする気だ?コイツ…

 

すると轟は片足を下げて、両腕を突き出し…

 

 

 

 

 

『恨むなよ!破竜!!

 

 喰らえ!!膨冷熱波!!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

その瞬間、炎が冷えた空気を膨張させて

とてつもない熱風が俺を襲う!

 

 

 

ダメだ!!!避けられねぇ!!!!!

 

 

 

 

ゴグォォォォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

 

『破竜!?破竜!!!!!!』

 

 

 

 

耳郎が破竜の名前を叫ぶが、破竜は燃える熱波の中に取り残されていた。

 

『オイ!イレイザーヘッド!これはやりすぎだぜ!?

いくら破竜でも死ぬぞ!?』

 

『…………………………止めるか?』

 

『チッ!!!半分野郎………………』

 

『こんなのいくら破竜君でも………』

 

『ねぇ…見て?熱波がまだ…………』

 

『流石に止めた方がいいんじゃ……』

 

クラスメイトも観客も先生も誰もが轟の勝利だと思っていると少しずつ勢いが収まった熱波の中から人影が見えてくる。

 

 

 

『ハァ…ハァ…ハァ……チッ…クソが…』

 

そこには左半身が焼けた破竜の姿が…

 

 

 

 

『あの技をよくここまでのダメージに抑えたな?だが、それで戦えるか?俺はまだあの技を何発でも打てる。さっきの力を維持できないお前に勝ち目はねぇ』

 

『ハァ…確かにな…お前…の言う通り…ハァ…この状態は本来出力があるものを…ハァ…無理やり…押さえつけて人間状態で出せる…ハァ…ようにしてるからな…でも勘違いしてねぇか?』

 

『何をだ?』

 

『俺はまだ竜変身してねぇんだぜ…?』

 

『しても同じだ。脳無と戦ったあの時の形態になっても、この熱波を消し飛ばす程の力はお前には……』

 

それを聞き、俺はニヤリと笑う。

 

『まさか……お前…』

 

『お前だけじゃねぇぞ?進化してるの…は。俺も強くなっている…お前が俺を殺せる程の一撃を繰り出す…なら俺もそれをするまでだ…

 

 

パワー、グロース、アイス、竜変身!!』

 

俺はドラゴンウォリアーに竜変身する。

 

『悪りぃが…ダメージがデカいからな。

   一撃で決める。死んでも文句言うなよ?』

 

『俺のセリフだ。もう一度、膨冷熱波を喰らったら流石にお前の命の保証はねぇ。それでもいいのか?』

 

『誰に言ってんだよバカが…俺が勝つんだよ!』

 

そう言って俺はほんの少し翼を羽ばたかせて右手を引いて空中に静止する。俺は全身に…そして右拳に意識を集中させる、

 

『いつでも来いよ…!!!』

 

『お前を倒して俺はもっと上に行く!』

 

 

 

轟の周囲の空気が少しずつ冷えていく。

 

 

………………………………来るッ!

 

 

『今度こそ終わりだ!!!

 

喰らえ!!膨冷熱波ァァァァァ!!!!!』

 

 

先程よりも強い熱波が俺に向かってくる!!

 

 

『いくぞぉぉぉ!!轟ィィィィ!!!』

 

 

俺は翼を羽ばたかせながら膨冷熱波に飛び込む!

 

 

『『『飛び込んだァァァァァ!?!?』』』

 

 

俺は体に流れる竜のエネルギーを体と右拳に集めて必殺の一撃を繰り出す!!

 

 

『貫けぇ!!!オーラスマッシュゥゥゥゥ!!』

 

 

竜の力を宿した拳は俺を焼き尽くさんと襲ってきた熱波をいとも容易く貫き、轟の腹に右拳を届かせる!

 

 

 

『ぐっはぁ……!!!!!!!』

 

 

 

拳がめり込んだ轟は血を吐き、俺はその勢いのまま轟をステージ外の壁に叩きつける!

 

 

 

DOKOOOOM!!!!!

 

 

 

『ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…』

 

 

 

俺は竜変身を解いて、その場に立ち尽くす。壁に叩きつけた轟が倒れかけてきたので咄嗟に腕で支える。

 

するとミッドナイトが駆け寄り…

 

『破竜君!轟君!2人とも生きてる!?』

 

『大丈夫です。何とか生きてます………』

 

俺は震える足を何とか我慢するが…もう無理…

 

ドサッ………

 

『!……2人を今すぐにリカバリーガールの元へ!』

 

遠くにたくさんの人の声が聞こえるが、ごめん……答える気力がない…少しだけ寝させてくれ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A組side

 

 

『破竜!!!』

 

耳郎はすぐに観客席を飛び出し、破竜が搬送されたリカバリーガールの元まで走って行った。

 

『なんて戦いだ………………』

 

『轟さんも凄かったですが…やはり最後の…』

 

『目の前で見たはずなのに信じられないわ』

 

『破竜の奴、信じられねぇよ…あの熱波の中に飛び込んで拳一つでそれを突破するなんて…』

 

『な、なぁ!?オイラ達、あれと3年間競い合っていくのか!?自信無くしちまうよ!!!』

 

『『………………………………………』』

 

峰田の言葉は全員の気持ちを代弁したものだった。同じクラスメイトでも競い合う相手。それが今の時点で自分達よりも何歩も先に行かれてるだけでも心が折れそうなのに、彼らもいまだ成長段階だという事。さらに差を広げられる可能性だって十分にあった。

 

そんな中、口火を切ったのは上鳴だった。

 

『強くなるしかねぇだろ……!アイツらだって楽して強くなったわけじゃねぇ。追いかけて努力するしかねぇよ!それで負けたってヒーローには色んな形がある。アイツらを助けられる場面だってそのうち出てくるだろ!?そうだよな!?な!』

 

それを聞いたA組メンバーは上鳴に指摘された事自体は悔しかったが、事実だった事もあり、自分達もさらに強くならなきゃと…そう思わされてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチッ

 

『んぅ…あ……?ここは…?』

 

『ここは救護室さね』

 

『あなたはリカバリーガール……』

 

そうか……試合は終わったけど2人してそのまま倒れちゃったのか…それよりも

 

『あの!轟は…!?』

 

『アンタの隣見てみなさいや』

 

そこには腹に包帯を巻いた轟の姿。傷は……

 

『アンタの一撃の傷ならもう治してるよ。アンタの傷もね。恐らくもうすぐ起きる筈だからね。』

 

『すみません…ご迷惑をおかけしました』

 

『これがあたしの仕事だからね…と言っても限度はあるさね。以降注意しなさいや』

 

そう言ってリカバリーガールは他の先生達に報告してくると言ってドアに手をかけると…

 

『破竜くん少しいいかい?『はい?』貴方は貴方が思ってるよりもたくさんの人に慕われている。もう少しそのことを考えなさい』

 

そのままドアを開けると観戦していたA組のメンバー達が救護室に雪崩れ込んできた。

 

『破竜大丈夫!?』

 

『轟君も大丈夫!?』

 

『無茶しすぎだお前らは!』

 

『死んだら意味ないんだよ!?』

 

『そうだそうだ!!』

 

『破竜さん、貴方は前々から自身を軽く見る傾向が強いと思っていました。これを機にしっかり反省して貰います。』

 

『これは俺からもハッキリ言わせてもらうぞ!』

 

みんなから軽くお小言を貰った後、委員長、副委員長2人からの真面目な説教が始まった。てか…俺だけじゃなくて寝てる轟も受けるべきじゃ……

 

しばらくして……

 

『ここは…?』

 

『『『轟君!!!!』』』

 

『良かった…体調は平気?』

 

『あぁ…問題ない』

 

やっと起きたか…さてと、ようやく解放される。

 

『轟君(さん)も座りなさい!』

 

まだ続くのかよ………

 

『破竜…なんだこれ?』『俺が聞きたいよ…』

 

するとまた説教が再開される。

 

次の試合とか大丈夫なの?と心配していると隣の轟は何故かほんの少しだけ笑みが浮かんでいた。

 

『ん?どうしたんだ?』

 

『いや…こうやって心配して貰えるのってなんか嬉しいって感じてるだけだ。』

 

俺はポカンと間抜けな顔を晒してしまうが…

 

『確かにな……』

 

『お前こそ何で笑ってんだ?』

 

『そっちと同じだよ』

 

と返し、お互いに笑い合う。

 

 

『『人の説教中に何を笑ってるんだ(ですか)!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達の説教は戻ってきたリカバリーガールのおかげでようやく止まった。念の為、次の試合の事を確認すると今はステージの氷が溶ける事、セメントス先生の体力回復を待ってたらしく、15分後に爆豪と常闇の試合が開始されるようだった。

 

『さぁ、全員一旦出なさいや。準決勝の二試合目を観戦してきなさい。強くなる為にね』

 

『『『はい!!!』』』

 

そういって他のA組メンバーはいなくなった。

 

『破竜君は問題無さそうだけど轟君はまだここで休んでなさい。破竜君も試合まではくれぐれも無理しないように』

 

『『 はい 』』

 

俺は観客席に戻ろう。決勝の相手を確認したいしな。

 

『そんじゃあな、轟。また後で』

 

『待て』

 

『ん?どうした?』

 

『…お前との戦い、お互いに怪我をして決して褒められたものじゃないかもしれない。それでも…俺は楽しかった。俺の全力をぶつけても届かない奴がいた。今回は負けたが……次こそ勝ってみせるぞ。破竜。』

 

『…へっ、次も俺が勝つけどな。受けて立つよ』

 

そう言って俺は救護室を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観客席に向かって歩いていると曲がり角の方からある人物が見えた。正確にはある人物の炎だけど……

 

『何の用ですか?エンデヴァー』

 

そこにいたのは轟の父親でもあり、現役No.2ヒーローのエンデヴァーだった。試合前、俺と一悶着があった人と二人きりとはな。なんかめんどいことになりそうだ…さっさと逃げよ

 

『待て、お前に少し話がある』

 

『何ですか?俺は特に話したいことはないんですけど?まさか‥貴方のお気に入りが負けたからって報復でもするつもりですか?』

 

『そんな事はしない。負けは負け。焦凍よりもお前の方が優れていたという事実だけだ。』

 

あれ…意外だな。なんかしてくると思ったが…

 

『お前に聞きたい事が2つある。』

 

『答えられる範囲であれば』

 

そういうと、早速と言わんばかりに……

 

『お前の出身地はどこだ?』

 

『はぁ!?』

 

何だいきなりその質問は!街頭インタビューか!と内心でツッコむがエンデヴァーの顔を見てふざけているわけではないと思い、真面目に答える。

 

『俺は本島から離れた小さな島の出身ですよ』

 

そういうと納得したような…それでいて驚いたような色んな感情が混ざった顔をしていた。

 

『なら、2つ目だ。

 

 

………破竜一真『!?』

………破竜奏人『ッッ!!!』

 

 

お前…あの2人の子供なのか…?』

 

 

な、なんで……その名前を……知っている…………?そうか…あの人達でも一応ヒーローで界隈では有名だったからNo.2に上り詰める人なら知ってて当然か…

 

『だったら…なんなんですか…?』

 

『……………………………………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10年前……

 

 

 

 

 

 

『エンデヴァー!!僕の話を聞いて下さい!!!!』

 

『部外者が口を出すなと言ったはずだ一真!!!』

 

『いーや!それは口に出させてもらうよ、エンデヴァー!アンタの気持ちもわかるけど、そればっかに囚われてたら……』

 

『うるさいぞ!!奏人!!』

 

『なんだとぉぉ〜…このバカが!』

 

『言い過ぎだよ!奏人!!!』

 

『そもそも貴様らが俺に言えた立場か!』

 

『…………わかっています。それでも……!!』

 

『しつこい!!!!この話はこれで終わりだ!!』

 

『『エンデヴァー!!!!!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年前

 

 

 

 

 

 

『エンデヴァー、今宜しいですか?』

 

『なんだ?俺は今忙しい。後にしろ…』

 

『いえ、大事な話です。いいですか?

 

 

 

トランスヒーロー フォーマー

 具現化ヒーロー メタライズ

 

 

 

本名 破竜一真及び破竜奏人両名が死亡したと…』

 

 

ガタッ!!

 

 

『貴様ァ!?冗談だとしても許さんぞ!』

 

『冗談でもこんなこと言いません!!』

 

『そんな……なぜ………』

 

『詳細な理由は不明ですが、目撃者によると避難が遅れた住民を助けた後に2人とも消え、数時間後に…彼らが使用していた武器と服、そして欠損した体の一部だけが残されていたと…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おい…何だってんだよ!あの両親が何なんだよ…

俺には関係のない話だ!死んだ奴のことなんか!』

 

そう言って彼は俺から離れて戻っていく

 

『待て!まだ話は…!!!!!』

 

『エンデヴァー!!!』

 

この声は……

 

『オールマイト………何の用だ?』

 

『すまない…話が聞こえてしまってね…悪いんだが、彼にはまだ両親の事を話すのはやめてくれないか?』

 

『何故だ!?彼の両親は……』

 

『……-彼は両親のせいで辛く悲しい思いをしてきた。そんな彼の傷を抉るような真似だけはやめてくれ…』

 

『くそっ!』

 

納得はできん…できんが………

 

『オールマイト…一つ忠告しておくぞ?』

 

『なんだい?』

 

『貴様らがどれだけ隠そうが彼はいずれ知る必要が出てくる。それが彼の為でもある。それを忘れるな!』

 

『あぁ…わかっているよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チッ!アイツのせいで時間かかっちまった。

 

『みんなお待たせ。試合はどう?』

 

『破竜!おかえり。見ての通りだよ』

 

そう言われて視線をステージに向けるとそこには爆豪が常闇と黒影を追い詰めていた場面だった。

 

『マジか爆豪の奴…黒影のガードが何の役にも立ってねぇ。しかもさっきからやけに目がチカチカする攻撃が多いな…』

 

『それがウチらにもわかんない。大したダメージにもなってないのに何でだろうって…』

 

ダメージになってない?つまり、攻撃を与えるのが目的じゃないのか?

 

『ん?耳郎、常闇と黒影、試合開始から何か変わった事あったか?』

 

『え?えっと…あ!常闇は特に変わらないんだけど、黒影が途中から動きが鈍くなったような……』

 

なるほどな…爆豪の狙いは

 

『黒影か……………』

 

『『『  え?  』』』

 

『恐らく、あのチカチカする攻撃は常闇に向けての攻撃じゃない。黒影の動きを制限もしくは弱体化させるための攻撃だ』

 

『うそ!?』

 

『黒影にいつもの動きがないってなるとそれしかない。恐らく攻撃を仕掛ける中で気づいたんだろうな…戦闘センスだけじゃなく戦闘IQも見た目によらず高いからアイツ』

 

俺がそういうと、一際強い光がステージを照らし、

 

『俺の勝ちだぜ?常闇』

 

爆豪が常闇に降参を促し、準決勝第二試合は爆豪の勝利で幕を閉じた。

 

『決勝の相手は…爆豪か……』

 

『ん?ハッ!やっぱテメェが来たかよ。』

 

爆豪は観客席にいる俺に向かって顔を動かす。

 

『クソナードも半分野郎もテメェも全員倒して俺がNo.1だって事を証明してやる!覚悟しろよ、ドラゴン野郎!』

 

『ここまで来たんだ。優勝を譲る気はない』

 

俺と爆豪はお互いに睨み合う。

 

 

 

雄英体育祭 一年の部 決勝戦

 

 

破竜真人VS爆豪勝己

 

 

 

 

 

 

 

数多の強者達を下し、最強が決まる。

 

 

 

 

 

 

 

 






あとがきです

今回は準決勝そして破竜君の両親について多少触れた話となりました!1話で軽くしか出てないのにも関わらず、キャラの事を覚えてくれていた方もいて嬉しく感じちゃいました。

そしてちゃっかり出てきた新しい技。実はここは当初、別の技の予定だったんです。ですが、今後の展開や当初の技のあまりの強さからここで使うべきではないと判断しました!当初の予定の技はまた別に!

今回も新しい技やオリジナルキャラが出てきたので詳しくは下記にて!







1.オーラスマッシュ

パワーを使ったドラゴンウォリアーの状態のみ使える必殺技。竜変身した際に体全体を覆う竜の力を一時的に拳と体の一部分だけに集中する事で威力が飛躍的に高まる。以前紹介した会心撃と構えはほぼ一緒だが、放つ際に体ごと相手に突進するという部分が違う点。その威力及び貫通力は会心撃以上で轟の必殺技である膨冷熱波をあっさり貫くほど。





オリジナル登場人物


破竜一真(はりゅういっしん)
トランスヒーロー:フォーマー

破竜真人の父親。破竜が戦闘で使う木刀は彼の所有物。物腰が柔らかいが、時々厳しい一面を持つ。間違えている事はどんなに立場が上の人間でもはっきりいう人物。妻である奏人とは雄英高校時代の同級生。作中では過去のエンデヴァーと何か言い争いがあった模様。

個性:トランス

現存するあらゆる生物に変身し、その生物の能力を使用できる個性。能力だけでなく捕食本能も同様。架空の生物になる事はできずあくまで現存するものが対象。その能力で様々な場面で色んな人達を助けてきた。


破竜奏人(はりゅうかなめ)
具現化ヒーロー:メタライズ

破竜真人の母親。毛先が青みがかった黒髪でこれは息子に受け継がれている。一真同様、間違った事はどんな人でもハッキリ言うが、口が悪く、キレると『バカ』が出てくる。これも残念ながら息子に受け継がれてしまった。本人は竜が現存していると思っており、この世で一番強い生き物だと思っている。

個性:具現化

自身の頭の中で想像する物を現実に召喚することが可能。武器や架空の生物すら可能だが、人間だけはどうしてもできない。具現化された生物は本人の意思のみで動かすことができる。一真同様、この個性で様々な人達を助けてきた。

それと皆様、アンケートのご協力を頂き、誠にありがとうございます。今の所、他(リューキュウ等)が多いですね。次いで耳郎ちゃんとデステゴロですが、やはりヒロイン効果なのでしょうか?さすが耳郎ちゃん…まだまだ投票もお待ちしております!











次回予告




『テメェのことは前から気に食わなかった』

『お前、やっぱバカだろ?』

『それがテメェの全力かよ!?』






『後悔すんなよ!!!爆豪!!!』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア



『炎の決勝戦開幕!破竜VS爆豪!』






『これで終いだ!破竜(爆豪)!!!』








更に向こうへ!Plus ultra!!!
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