半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

毎回毎回戦闘描写で悩んでしまう…
細かく書くべきか大まかでいいのか…

皆さんはどう思います?

お気に入りに登録してくれた下記の方

咲夜1989 雪風響 lazride 優心

誠にありがとうございます!


それでは本編をお楽しみ下さい!



『炎の決勝戦開幕!破竜VS爆豪!』

 

 

準決勝第二試合終了後

 

『決勝戦は30分後に開始するぜ!イレイザーヘッド!お前はどっちが勝つと思う?』

 

『正直言って…よくわからん。破竜も爆豪も戦闘能力が高いのは勿論、二回戦、準決勝で戦闘IQの高さを互いに見せつけているからな。予想するだけ無駄だ。』

 

『おっと…クラス担任も匙を投げる決勝戦予想だぜ!エヴィバディ、決勝戦まで少々お待ちくださいだイェー!』

 

相変わらずのハイテンション実況……集中できん…

 

『悪いが、先に控室に行ってるよ。』

 

そう言って控え室に行こうとすると耳郎がプラグで頬をツンツンして俺のことを呼び止めてきた。毎回頬叩くのやめて。ドキドキするから

 

『優勝まであと一つだね?』

 

『うん。耳郎との約束まであと一つだ』

 

すると耳郎は拳を突き出し

 

『頑張って。応援してるから』

 

『あぁ!任せとけ!』

 

俺もグータッチで返し、控室に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は控え室で待機しながら集中力を高める

 

『ようやくここまできた。本戦で戦った尾白、飯田、轟、全員強敵だった…だが負けるわけにはいかない。耳郎との約束の為にも…』

 

そんな事を考えていると勢いよく扉が開く。

そこには爆豪が足で扉を蹴り飛ばして入ってきた。

 

『あぁん"!?何でテメェがここに…俺の控え室は1のはず…ってここ2の方じゃねぇかクソが!』

 

ハァ…コイツは相変わらずだな…

 

『毎度思うが物は大切にしなよ…お前のじゃないんだから。それと間違えたなら一言ぐらい謝ったらどうだ?せっかく集中してたのに…』

 

『あァ"!?』

 

爆豪は苛ついた様子で俺に近づき、目の前の机を思い切り叩くと同時に爆発が起こる。あぁ…机が…

 

『部屋間違えたのは俺だけどよ…決勝の相手に向かって随分と余裕たっぷりだなァ…テメェはよ。』

 

『そう見えるか?俺はこれでもお前を最大限に警戒して戦いに備えてるつもりだ。ウザ絡みしてくるお前こそ余裕たっぷりに俺には見えるぞ?』

 

『ケッ!テメェのことは前から気に食わなかったが、改めて思った。俺はテメェの事が嫌いだ。決勝戦のステージでボコボコにぶっ殺してやるよ』

 

爆豪が俺に向かって物騒な宣戦布告を始めた。

 

『そうかよ…楽しみにしてるぜ?』

 

だから俺も煽り返す。

 

『間違っても手ェ抜くんじゃねぇぞ?』

 

『あぁ、そっちこそ。』

 

『『………………………………………』』

 

『『 ふん! 』』

 

爆豪はそのまま控え室1の方に向かっていった。

 

ん?

 

『ゴラァァァァ!!テメェ!ドア閉めろやぁ!』

 

廊下に破竜の渾身の叫び声が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくしてスタッフの人が俺の事を呼びにきた。

 

『破竜君、準備は大丈夫かい?』

 

『はい、あのクソ野郎倒してきます』

 

そう言って俺はステージに向かうと、最初の時とは比較にもならないほどの大歓声が聞こえてきた。

 

『ははっ、やっぱ慣れそうにないや…これは』

 

俺が観客の熱気に圧倒されていると反対側のステージから爆豪が現れた。あいつはこういうの大丈夫なタイプなんだ…

 

『ぶっ殺してやるよ、ドラゴン野郎』

 

『そのセリフ、そっくりそのまま返してやるよ』

 

俺と爆豪が物騒な言葉を交わしていると

 

『2人とも、これは決勝戦です。相手の生死を問わない戦いだけはしないように。わかりましたか?』

 

ミッドナイトから注意が入る。

 

『わかりました』

 

『チッ、わーったよ』

 

『長かった雄英体育祭一年生の部もこれで最後だぜ!決勝戦に勝ち進んだのはこの2人!

 

今年度の首席合格!

推薦入学者の轟を死闘の末倒し、

勝ち上がった破竜真人!

 

VS

 

今年度の次席合格!

圧倒的な実力でブロックを

勝ち上がった爆豪勝己!』

 

 

始まる……………決勝戦が……

 

 

 

『破竜…』

 

『かっちゃん…』

 

『破竜くん…』

 

『爆豪君…』

 

『破竜!』 

 

『爆豪ちゃん…』

 

『破竜さん…』

 

『爆豪!!』

 

 

 

 

 

『決勝戦……START!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハッ!行くぜドラゴン野郎!爆速ターボ!』

 

爆豪は爆破を使い、スピードを上げて俺に迫る!

 

正直、轟戦で"パワー"ジーンの力だけを引き出して戦うには今の俺じゃ持続時間が足りなすぎる。

 

だったら!

 

『チッ…ババル!!!!!!!!!』

 

ドゴォォォン!!!

 

"サンダー"のジーンを使い、雷が爆豪を襲うが……

 

『この俺に一度見せた技が通用するかァ!!』

 

当たる瞬間に爆破で軌道を変えた!?

 

『!? そんなんありかよ!!』

 

『死ねェ!!』

 

まさか、あんなギリギリで避けられると思ってなかったせいで完全に無防備になってしまい、顔面に爆破を喰らってしまう…

 

『グッッはぁ…くっそ…いってぇ…』

 

『どこ見てんだ!?ドラゴン野郎!』

 

爆豪がもう一発顔面に爆破をぶつけようと迫る!

クソがッ!追撃が早い!!!

 

だけど……

 

『焦ったな!!!!』

 

爆豪が右手で爆破を繰り出す寸前に上半身を逸らして躱わしながら、左手を軸に右脚を爆豪に向かってサマーソルトキックの要領で蹴り上げる!

 

『グハァッ……!!』

 

空中にいる爆豪に追い打ちをかけるように蹴り上げの勢いを利用して回転し、飛び上がって踵落としを爆豪に叩き込む!!

 

『ガッ……は……舐めんじゃねぇぞ!!』

 

ふらつきながらも俺の目の前で爆破を起こし、距離を取る。タフだな…モロに入ったはずなのに…

 

『クッソ……テメェ……このドラゴン野郎が……』

 

爆豪は口の端から血を流しながら俺を睨みつける。

 

『最初に仕掛けたのはテメェだろうが…俺を睨んでんじゃねぇよバカが』

 

そう言って俺も爆破の影響で切れた傷口から流れ出る血を拭い、爆豪を睨みつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A組side

 

 

A組は試合に出場してる2人と飯田を除き、全員が観客席で観戦していた。まずは様子見と言わんばかりの格闘戦を繰り広げた2人を見て

 

『破竜はやはり格闘戦が強い…爆豪も決して弱いわけではない。むしろ強いはずなのに破竜はその一歩先をいくな…』

 

『尾白君の言う通り、かっちゃんは決して格闘戦が弱いわけじゃない…爆破と自身の身体能力を生かした格闘はプロにだって迫るものがあるはずなのに…』

 

『なんでだろうな?爆豪だって動き自体は破竜と遜色なく動けてるはずなのに何でか一歩遅れて見える』

 

全員、破竜と爆豪の格闘戦を見て、各々の感想を話し合う。すると轟が

 

『あくまで個人的な意見だが、破竜の恐ろしい所は思考の速さと万能の対応力だと俺は思ってる。』

 

轟の意見に全員が耳を傾ける。

 

『出し抜いたと思って攻勢を仕掛けても2手、3手後には対応をすぐに考えてくる思考力。それを可能にする為に体をどう使えばいいのか即座に判断して実行する対応力。アイツを完全に打ち負かす為にはまずはそれらをどうにかしなきゃいけない。』

 

『そう考えるとアイツって本当に隙がないよな…』

 

『だけど…それは爆豪にも言える事だ。予選を通して見たがアイツも強い。この試合は1手でも読み違えた方が負ける。そんな戦いだ』

 

全員は固唾を飲んで2人の戦いを見守る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に強い……個性だけじゃねぇ。全部のレベルが高すぎて、どこを狙っても確実に対処される……

 

『本当にめんどくさいな……』

 

『ハッ!それがテメェの全力かよ!?期待はずれもいいところだぜ!!』

 

そう言って爆豪は再度突進してくる!

ん…?おかしい!?さっきよりも速い!!!

 

『俺はなァ、スロースターターなんだよ…!』

 

爆豪から放たれる爆破を避けるが、間髪入れずに拳と脚の連撃が飛んでくる!しかも捌こうとしても……爆破が邪魔して迂闊に受けられない!すると…

 

ガシッ!!

 

『!?』

 

『ハァァァァァ…捕まえたぜ…!?』

 

マズイ…!体操服を!!!

 

『遅いぜ!死ねやオラァァァァァァ!!!!』

 

 

 

 

 

BOOOOOOOOOM!!!!!

 

 

爆煙がステージを包み込む。

 

 

 

『ガッ…は……グ………ゴホッ………』

 

超至近距離から爆豪の最大火力を受けて服は完全にボロボロ。しかも内臓に直接ダメージを叩き込まれたせいか思いっきり血を吐く…

 

『ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…ふぅ…』

 

何つー火力だ……俺がダメージで動けないでいると爆豪が俺に近づいてくる。

 

『オイオイオイ?どうしたよ?俺はまだまだこんなもんじゃねぇぞ?本気を出せてくれよ!なァ!?ドラゴン野郎!!!』

 

その顔はどこか不満気で…そして…なぜかわからないが、ほんの少しだけ悲しそうに見えた。

 

『全力の俺を叩き潰しての完全勝利が目的か?』

 

『なんか文句あんのかよ…?』

 

『なんでそうまでして完全勝利にこだわる?』

 

『………今の全力じゃねぇテメェを倒したって何の自慢にもならねぇ。俺が更に上に行く為にはテメェの全てを叩き潰してこそ意味がある!!』

 

このまま倒せば良いものを…

何事にも全力でぶつかって更に上にか…

 

『お前、やっぱバカだろ?』『"あぁ"ん!?』

 

いきなり罵倒された爆豪はいつも通りキレかけるが次の言葉を聞いて思いとどまる。

 

『でも嫌いじゃないよ、そういうの』

 

『何言ってやがる…?テメェ』

 

『全身全霊でお前に応えなきゃ失礼だと思ったんだ。

 

 だから今の俺の最高の力でお前を倒す。

 

 

 

 

 

 

 

パワー、グロース、フレイム  竜変身!』

 

 

 

そう言って俺はドラゴンウォリアーに竜変身する。

 

 

『ハッ!やっと来たかよ…その形態によ!それだぜ!俺はその状態のお前を倒し、いずれはオールマイトを超えるNo.1ヒーローになるんだよ!』

 

『残念だが、それはお前の役目じゃない…それを誰よりも先に成し遂げるのは…………俺だ!!!!』

 

そう言って俺は超スピードで爆豪の顎にアッパーを浴びせ上空に吹っ飛ばす!

 

『ッ!!!はえぇ……!!!反応できなかった…』

 

『どこ見てんだ『!?』爆豪!!』

 

俺の接近に気づかなかった爆豪をダブルスレッジハンマーでステージまで叩き落とす!!

 

ドゴォォォォォォォォン!!!

 

スタッ………

 

『どうしたよ?爆豪、そんなもんか?』

 

BOOOOOOM!!!

 

爆豪は瓦礫を吹き飛ばし、復帰してくる。

 

『ふん…ペッ!………ケッ!今のは油断しただけだ!こっからだろうがよ!!楽しくなるのは!!』

 

口に溜まっていた血を吐き出し、また獰猛な笑みを浮かべた爆豪を見てお互いに構え直す。次の瞬間、俺と爆豪はお互いに個性の力全開で地上と空中を縦横無尽に移動しお互いに攻勢掛け合う!!!

 

『いいぜ!!!こうじゃなきゃ面白くねェんだよ!!テメェは強ェ。でもなァ…最後に勝つのは俺だ!!』

 

そう言って爆豪は俺の手を掴んで身体中に爆破を何度も何度も浴びせてくるが…

 

『………ッ!いつまでも寝言ほざいてんじゃねぇ!

勝つのは俺だって何回も言ってんだろうが!』

 

爆豪の手を掴みハンマー投げの要領で地面に向かって投げ飛ばすも爆破を使って器用に着地する。

 

俺もそれを見届けて地上に降り立つ。

 

 

『ハァ…!ハァ…!ハァ…!ハァ…!』

 

『ゼェ…!ゼェ…!ゼェ…!ゼェ…!』

 

 

2人ともお互いのダメージで立つのも精一杯の状況になっていた。

 

 

『そろそろ決めてやるよ。爆豪』

 

『俺も決めようと思ってた所だ。ドラゴン野郎』

 

 

俺は右手を後ろに引き、体を覆う竜の力を拳と体に集中して、爆豪を見据える!

 

爆豪は手を少しずつ爆発させていき、特大火力を纏った体が高速回転していく!

 

 

 

 

『『これで終いだ!破竜(爆豪)!!!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

『オーラスマッシュゥゥゥゥ!!!!!!』

 

『榴弾砲着弾ォォォォォォォ!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

2人の渾身の必殺技が激突する!!!!!

 

 

 

 

 

 

ギャリギャリギャリギャリギャリ!!!!!!!

 

 

 

 

 

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』

 

『死ねェェェェェェェェェェェェェ!!!!』

 

 

 

少しずつではあるが…破竜が爆豪を押し込んでいく!

 

 

『ガッ…こんなとこで……俺は……破竜…テメェにだけは……負けるわけにはいかねェんだよ!!』

 

 

爆豪の爆破の威力が更に上がっていく!!!!

 

 

『!? 火力がまた上がって……!!!』

 

 

くっ…くそ…オーラスマッシュでも押しきれねぇ!!

 

 

諦めるな!!限界まで振り絞れ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『!?!?』

 

『ッ!つらぬけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャリギャリギャリギャリギャリギャリ…バチン!

 

 

 

 

 

 

 

『チッ…………クソが……』

 

 

 

 

 

 

 

 

DOGOOOOOOOOOOOOM!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

俺の全身全霊のオーラスマッシュは爆豪の榴弾砲着弾を完全に貫き、爆豪をステージ外まで弾き出す!!!

 

ステージ上には俺だけが残っており、爆豪はステージ外で気絶していたが、その手は最後まで俺に向けられていた。

 

俺達が衝突した場所はまるで大規模爆発が起きたような跡が残り、俺自身も爆豪の爆破で傷だらけだ…

 

でも…

 

『ハァ…ハァ………俺の勝ちだ…爆豪』

 

『爆豪くん戦闘続行不可能!破竜君の勝利!!』

 

 

 

『『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』』

 

 

 

その瞬間、観客達、クラスメイト、プロヒーロー問わず全員が盛りに盛り上がる。すげえ熱気だ……

 

 

『はぁ…強かった…本当に負けるかと思った…』

 

 

そう言って俺は床に座り込む。

 

 

『にしても…さっきのは何だ…?まるで俺自身が龍になって貫いたようなそんな不思議な感覚……』

 

 

すると、ミッドナイトの声が聞こえる。

 

 

『以上を持って全ての競技を終了とします!今年度雄英体育祭1年生の部。優勝はA組、破竜真人!!!』

 

 

とりあえずそのことは後で考えよう。今は…応援してくれたクラスメイトやライバルに手でも振ろうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それでは表彰式に移ります!!』

 

気にしちゃいけない…気にしちゃいけない…でも…

 

『ん"ー!ん"ん"んん!!!』

 

表彰台の俺の隣には拘束された爆豪の姿

 

『くっ…あはははははは!なんだそりゃ!!』

 

『ん"んん"ー!ん"ん"んんんんん""!』

(うるせぇ!ドラゴン野郎!)

 

俺は柄にもなく大爆笑してしまう。なんて締まらない2位なんだ…表彰台には俺だけでなく轟と常闇もいるが、俺とは違ってドン引きしていた。

 

『もはや悪鬼羅刹』

 

『常々思ってたが、コイツほんとやばいな』

 

その場にいたA組は全員がいたたまれない表情で爆豪を見ており、他のクラスや先生、プロヒーロー達に至っては呆れた様子で爆豪を見ていた。

 

『メダル授与よ!!今年メダルを授与するのはもちろんこの人!!』

 

『私がメダルを持って〜!!「我らがヒーロー、オールマイトォ!!」来た…』

 

『あちゃ…被っちゃったね…』

 

決めゼリフを台無しにされたオールマイトは恨めしそうな目でミッドナイトを見ていた。仮にもトップなのでその顔は良くないのでは?と内心でツッコミを入れているとミッドナイトは両手を合わせて謝罪していた。

 

気を取り直したオールマイトがメダル授与を始めた。

 

『常闇少年おめでとう!強いな君は!』

 

『勿体無いお言葉」

 

『ただ!相性差を覆すには個性に頼りっきりじゃダメだ。もっと地力を鍛えればとれる選択肢が増すだろう』

 

『…………御意』

 

思う所があるのか常闇はメダルを見ながらそう答える。

 

『轟少年おめでとう。予選とは違って左の炎を使っていたようだね!何か思うところでもあったのかい?』

 

『緑谷との戦いでキッカケをもらって……分からなくなってしまいました。でも破竜との戦いでアイツとの試合を楽しんでいた自分がいて、全力でぶつかってなお、届かない壁を感じました。だからこそ俺はこの力を俺のものにしなきゃいけない。ただ…俺だけが吹っ切れて、それで終わりじゃ駄目だと思った。清算しなきゃならないモノがまだある』

 

『………顔が以前と全然違う。深くは聞かない。今の君ならきっと清算できる』

 

『はい…ありがとうございます』

 

抱きしめられながら轟はそう返事をした。

 

『さて、お次は爆豪少年!っとこりゃあんまりだな…今、口を拘束しているものを取ってあげるからな』

 

そういって爆豪の口を塞いでいたものを取ると爆豪はイライラを隠せないまま、叫び出す。

 

『オールマイトォ!…俺が欲しいのは完膚なきまでの1位だ!あのドラゴン野郎に負けた上での2位なんて俺にとっちゃ何の価値もねぇゴミなんだよ!!』

 

『完全にヴィラン顔だ…全国放送されてるのに…』

 

爆豪は凄い顔をしながらそう答える。

 

『うん!相対評価に晒され続けるこの世界で不変の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くない。これは受け取っとけよ!君の傷として…忘れぬようにね!』

 

『だから要らねェってんだろうがァ!!!』

 

オールマイトは意地でも受け取ってたまるかと抵抗している爆豪の口にメダルのヒモをかけ、俺に話しかけてくる。

 

『さぁ!破竜少年!優勝おめでとう!選手宣誓での伏線回収見事だったな!!』

 

『はい、ありがとうございます』

 

俺はオールマイトからメダルを受け取る。

 

『君の竜変身の力はとても強い力だが、それだけに頼る事なく弛まぬ自己研鑽を続けてきた君だからこその、この結果だ!だけどあくまでこれはスタートライン!慢心せず、更に上を目指す事を期待するよ!』

 

『もちろんです!』

 

そう言うとオールマイトは俺を抱きしめて俺にしか聞こえない声で耳元で呟く。

 

『………本当に強くなった。おめでとう。』

 

『ッ…はい……あ…りがとう…ござい…ます…』

 

俺は震える声と泣きそうになる顔を必死で堪える。

 

『さて!今回は彼らだった!しかし、この場の誰にもここに立つ可能性があった!ご覧いただいた通りだ。競い!高め合い!さらに先へと登っていくその姿!次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!てな感じで最後に一言!!』

 

オールマイトがそう言うと、みんな準備する。

 

『皆さんご唱和ください!! せーの』

 

『『『プルス…『おつかれさまでした!』えっ……!?』』』

 

あれ…この場面ってお疲れ様じゃ……

 

『そこはプルスウルトラでしょオールマイト!!』

 

『てか、破竜も同じような感じの事言ってたぞ!』

 

『『ああいや……疲れたろうなと思って……』』

 

オールマイトと俺は何故か会場中から大ブーイングを受ける羽目になった。何はともあれ…俺達の雄英体育祭は幕を降ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺は耳郎と2人で帰り道を歩いていた。

 

『はぁぁぁぁ……疲れたぁ……』

 

『えっと…ホントにお疲れ』

 

あの後はインタビューが酷かった。個性のことを聞かれるのはまだいい。気になるだろうからな。

 

だが、身長や体重、誕生日、好きな食べ物、趣味といったものから始まり、最終的にはどんな女性がタイプですか?なんて関係のないことばっか聞くなよ…

 

基本的に全部めんどくさがって、はぁ…とか特に…なんて返した時のインタビュアーのつまんねぇなぁコイツみたいな顔はイライラを通り越してもはや呆れるレベルだった。

 

『なんであんなこと気になるんだろうな…俺としては全体の試合の感想とか言いたかったのに……』

 

『それに興味ある一般人はそういないよ』

 

耳郎にバッサリとぶった斬られる。そんなに?

 

『そういえば、さっき上鳴と峰田から聞いた?』

 

『あー、そういえばお疲れ様会しよう的な?』

 

話は30分ほど前に遡る。

 

『なぁなぁ!今度の土日の空いてる日、A組みんなでお疲れ様会しようぜ!!』

 

『オイラ達が店決めるからさ!!!』

 

『『『 うわぁ……絶対なんかある……』』』

 

俺はほとんど話を聞いていなかったが、集まれる人達で集まってご飯なり遊びなりしたいらしい。相澤先生曰く土日は体育祭の件もあり、完全に休みなので自由に過ごせとの事だった。

 

『破竜も耳郎も考えといてくれよ!!』

 

そして現在に戻る。

 

『誰来るの?人で決めるのもどうかと思うけど』

 

『今の所決まってるのは、上鳴と峰田は当然として葉隠と尾白、切島と芦戸、梅雨ちゃんとヤオモモ、麗日と緑谷、瀬呂と青山かな。』

 

『結構多いな。何するんだろうね』

 

『さぁ…?アンタはどうするの?行く?』

 

『せっかく誘ってもらったから行こうかな…』

 

『……アンタが行くならウチも行く』

 

『そっか…耳郎が来てくれるなら嬉しいよ。それに俺あんまりこういう経験ないから少し楽しみだな』

 

『そうなの?なんか意外』

 

『中学時代はほぼ勉強と修行しかしてないし、小学校の頃は………』

 

俺は一瞬だけあの時のことがフラッシュバックする。

 

『…………破竜?どうしたの?』

 

『いや、ごめん…なんでもない』

 

破竜は昔の事を聞くと何故かわからないけど黙るかはぐらかすことが多い。何かあったとは思う…でも本人が言いたくないなら無理して聞くことでもないか…

 

『あ、そうだ。ね、破竜?』

 

『うん?どうした耳郎』

 

すると耳郎は俺の前を少しだけ歩いて夕焼けをバックにニコリと振り返って

 

『優勝おめでとう!カッコよかった!』

 

好きだって自覚したからかな…些細な一言でさえ、物凄く嬉しくなって俺も笑顔になってしまう。

 

『…………ッ、うん…ありがとう』

 

俺もそう返し、2人で並んで帰り道を歩く。その距離は前よりもほんの少しだけ近くなっていた事を2人はまだ気づいていない。

 

 

 






あとがきです

今回は決勝戦をメインに書かせていただきました!雄英体育祭自体は終了しましたが次話でA組の一部メンバーでのお出かけ会、耳郎さんと破竜くんの事を少し書いて職場体験編へと移ります!

今回の決勝戦も悩みに悩んで書き上げました。破竜君が感じたオーラスマッシュの違和感、そして体育祭で初めて語られた破竜君の両親、オリジナルヴィランの件など書きたいことはまだまだあります!詳しくは本編更新をお待ちください!

重ねてにはなりますが皆様、アンケートのご協力を頂き、誠にありがとうございます。次話でアンケートを締め切らせていただきます!まだ投票していない方、もしくはこうしても面白いんじゃない?と言う方がいたら是非、感想欄でコメントください!











次回予告




『それじゃあ改めて。破竜、いこっ?』

『じゃあ始めようぜ!!!』

『イケメンすぎて嫌いを通り越してきた』






『俺、こういうの得意じゃねぇんだが…』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア



『上鳴&峰田主催!?お疲れ様会!』






『アンタ…凄いね?ホントに』








更に向こうへ!Plus ultra!!!
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