半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

今回は少しオリジナルの話が含まれています。そのせいというわけではないですが、本来いきたかったところまで行けなかった……

なるべく次の話を早めに投稿できるように頑張りますっ!

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アクト13 卍カイリ卍 ノーゲーム 流星皇 綺羅星〆umi 真昼の夜 すはらかなや

誠にありがとうございます!


それでは本編をお楽しみ下さい!




波乱の期末テスト編
『備えろ!期末テスト!』


 

 

『やっばー…寝過ごした…』

 

俺は珍しく焦っていた。リューキュウ事務所での職場体験を終えた俺は泥のように眠ってしまい、いつもよりも遅めに起きてしまった。

 

『遅刻したら何されるか分かったもんじゃない』

 

俺は手早く制服に着替えて走って学校に向かう。

 

 

 

15分後

 

 

なんとか10分前についた俺は既に来ていたクラスメイト達に声を掛ける。

 

『みんな、おはよう。』

 

『おはよう。破竜くん』

 

『破竜君、おはよう!』

 

緑谷と飯田が挨拶を返してきた。2人とも元気だな。

 

『轟もおはよう』

 

『ん?あぁ、おはよう。破竜』

 

俺が保須の件で秘密を共有する3人と会話をしていると、教室の入り口から爆笑が聞こえてくる。

 

『アッハッハッハ!!マジか!?マジか爆豪!』

 

爆笑してるのは切島か?爆豪め、やっときたのか。職場体験先の件、文句言ってやると視線を向けるとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故か髪型が8:2分けになっている爆豪がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『爆豪……お前……………ベストジーニストのとこに行ってきたんだよな?』

 

『うっせぇんだよドラゴン野郎!憐れむな!』

 

さっきまで文句言おうと思ってたのにあまりな状況に文句を言う気が失せた。何あったの?

 

俺が軽い現実逃避している間にも切島を筆頭とした爆豪軍団は笑いが止まらない様子だった。

 

『笑うな……!癖ついちまって洗っても取れねえんだよ……!おいお前ら笑うなぶっ殺すぞ!!!』

 

『やってみろよ!8:2坊や!あははははは!!!』

 

その一言で怒りが爆発したのか爆破の個性で髪が元通りになった。一体どうなってんだアイツの髪は……

 

周りに視線を向けてみると耳郎、芦戸、梅雨ちゃん、麗日の4人が職場体験後の事を話し合っていた。

 

『へぇー!ヴィラン退治までやったんだ!羨ましいなぁ!』

 

『ウチは避難誘導とか後方支援で直接交戦しなかったけどね』

 

『それでも凄いよ!!』

 

『ワタシもトレーニングとパトロールばかりだったわ。一度だけ隣国の密航者を捕まえたくらい…』

 

『それすごくない!?』

 

隣国の密航者を捕まえたってすげえな。梅雨ちゃんの個性は水場のある場所なら厄介極まりないからな…。

 

『お茶子ちゃんはどうだったの?この1週間』

 

『とても有意義なものだったよ』

 

コォォォォォォォと構えをとりながら、麗日は職場体験を振り返ってそう答える。マジで別人だな。

 

『俺は割とチヤホヤされて楽しかったけどなぁ…ま、一番変化というか大変だったのは……お前ら4人だな!』

 

そういって俺達に視線が集まる。

 

『そうそうヒーロー殺し!命あって何よりだぜ。マジでさ。』

 

『エンデヴァーが救けてくれたんだってな!さすがNo.2だぜ!』

 

爆豪にしばかれながらも俺達の無事を安堵する瀬呂と切島。

 

『そうだな。救けられた』

  

『俺…ニュースとか見たけどさ、ヒーロー殺しヴィラン連合ともつながってたんだろ?俺たちの中で一番強いはずの破竜でさえボロボロにしたあんな恐ろしい奴がUSJ来てたらと思うとゾっとするよ………』

 

『でもさあ…確かに怖えけどさ、尾白動画見た?アレ見ると一本気っつーか執念っつーか。かっこよくね?とか思っちゃわね?』

 

『上鳴くん!』『このバカ!』

 

空気の読めない発言に緑谷は怒り、俺は拳骨をバカの頭にお見舞いする。上鳴も自身の失言に気づいて咄嗟に謝るが気まずい雰囲気になってしまう。

 

しかし、飯田は怒るわけでもなく、悲観するわけでもなく、自身が感じた事を淡々と告げる。

 

『いや、いいさ…確かに信念の男ではあった。クールだと思う人がいるのもわかる。ただ、奴は信念の果てに”粛清”という手段を選んだ。どんな考えを持とうとそこだけは間違いなんだ。俺のような者をもうこれ以上出さぬ為に改めてヒーローへの道を俺は進む!』

 

『飯田…』

 

しっかり受け止めて前を向いてる。今はまだわかんないけど、いつか憧れの"インゲニウム"のようなヒーローになれる気がする。

 

『そろそろ始業だ。席につきたまえ!!!』

 

ビシィ!と手を振る独特な動きも健在だ。俺達はいつも通りうるさくなった飯田を見て笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

『ハイ私が来た。ってな感じでやっていくわけだけどもね。ハイ、ヒーロー基礎学ね!久しぶりだ少年少女!元気か!?』

 

『ヌルっと入ったな』

 

『久々なのにな』

 

『パターンが尽きたのかしら』

 

ヒーロー基礎学の授業が始まったのだがパターンがなくなったのかオールマイト先生がヌルっと入ってきた。『尽きてないぞ。無尽蔵だっつーの』と反論する姿はどうみてもNo.1ヒーローには見えない。

 

『職場体験直後ってことで今回は遊びの要素を含めた救助訓練レースだ!!』

 

救助訓練……レース??

 

『救助訓練ならUSJでやるべきではないのですか!?』

 

『黄金時代のコスだぁぁぁ…!!!』

 

気持ちはわかるが、緑谷は少し落ち着け。

 

『あそこは災害時の訓練になるからな私は何て言ったかな?そうレース……!!ここは運動場γ!複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯!5人組と6人組の計4組に分かれて1組づつ訓練を行う!私がどこかで救難信号を出したら街外から一斉スタート!誰が一番に私を助けに来てくれるかの競争だ!!もちろん建物の被害は最小限にな!』

 

そう言って爆豪にスススと指を指す。

 

『指さすなよ』

 

『自業自得だ』

 

『んだとぉ"!?』

 

『はいはい!喧嘩はしないで移動するよー』

 

オールマイト先生が仲裁して、1組目の緑谷、飯田、尾白、芦戸、瀬呂の5人だけがその場に残る。

 

『飯田まだ完治していないんだろ?見学すりゃいいのに…』

 

『クラスでも機動力良い奴が固まったな』

 

『うーん。強いて言うなら緑谷さんが若干不利かしら…』

 

『確かにぶっちゃけあいつの評価ってまだ定まんないんだよね』

 

『何か成す度、大怪我してますからね…』

 

まぁ…そういう印象が大きい。事実、この中で圧倒的に怪我率高いし。

 

『トップ予想な。俺、瀬呂が一位』

 

『俺も瀬呂だな』

 

『あー…うーん、でも尾白もあるぜ』

 

『オイラは芦戸!あいつは運動神経すげえぞ』

 

『破竜はどう思う?』

 

耳郎が俺の顔を覗き込んで尋ねてきた。

 

『そうだな…緑谷かな』

 

『『『 えっ!?!? 』』』

 

全員驚いた表情で俺をみる。

 

『デクの野郎は最下位に決まってらぁ!』

 

『そう思うならしっかりとみる事だ。いままでのアイツとは一味違うと思うぞ?』

 

俺はニヤリと宣言してスタートの合図を待つ。

 

『START!!!!!』

 

するとトップ予想No.1の瀬呂がテープを巻きつけて上空に飛び出す。

 

『ホラ見ろ!!こんなごちゃついたとこは上行くのが定石!』

 

『となると滞空性能の高い瀬呂が有利か』

 

すると、そんな瀬呂を一瞬で追い越す緑の影。

 

『緑谷!?』

 

『何だその動きィ!!?』

 

『ッソだろ!!?』

 

『すごいピョンピョン…何かまるで…』

 

『爆豪の動きか…………』

 

にしても、再現度が高い。やはり一番動きで参考になるのは爆豪か。あんな性格なのに動きに無駄がねぇからな。再現できる緑谷も凄いが、それはお手本のような爆豪の動きあってこそだ。やっぱこの幼馴染達レベル高ぇと感じていると

 

『ギリッ……!!!』

 

唇を噛み締めている爆豪の姿が目に映る。何でコイツはこんなに焦ってる?現段階ならどう見たってお前の方が強いのに…

 

緑谷が一位で先行するが、途中で足を滑らせて落下してしまった。その隙に瀬呂を先頭に他のメンバーがゴールしていく。勿体ねぇなぁ……

 

『予想通り瀬呂が一位だったけど……』

 

『すげえな緑谷!大怪我をしなくても個性が使用できるようになっててよ!』

 

『クソがっ!!』

 

そう言って爆豪はみんなの輪から外れる。

 

『爆豪………』

 

そんな俺の姿をオールマイトが見ていたことに俺は気づかなかった。

 

続く二組目に選出されたメンバーは爆豪、轟、梅雨ちゃん、八百万、そして俺だ。

 

『こりゃまた…誰が優勝するかわかんねー組み合わせだな』

 

『スピードなら破竜が一番だと思うけど…』

 

『今回はあの複雑な地形を突破してオールマイト先生を見つけないといけない。スピードだけ優れてても…』

 

『ふぅ……訓練の成果出してやる』

 

『負けねぇぞ?破竜』

 

『負けませんわ!』

 

『アタシも負けるつもりはないわ!』

 

『…………………………勝つ』

 

 

全員の準備が整ったのを感じ取って

 

『それではスタート!!!』

 

合図がなった瞬間、俺はドラゴンになって空を飛ぶ!

 

『『『 えっ!? 』』』

 

だが、その行き先はオールマイトではなく…全体を見渡せる空に移動する。

 

『グルルルルルルルル……』

(全体の地形の把握…障害物…オールマイト先生のおおよその位置…よしっ!)

 

それらを空中から見た俺はドラゴンの変身を解除し、建物の上で"パワー"ジーンの力を10倍まで引き出す。

 

『いくぞ!!』

 

その瞬間、オールマイト先生のもとまで俺は障害物を完全に避けながら最短ルートで高速移動する!

 

『『『 はやっ!!! 』』』

 

『さっきの緑谷よりも早いぞ!?』

 

『ていうか、何で障害物にぶつからないの!?』

 

『アイツ………確実に強くなってる!』

 

『これ一番じゃねぇか!?』

 

クラスメイト達はたった1週間しか離れていないはずの破竜の成長に驚きを隠せない様子だった。

 

『いけるっ!リューキュウさんやレイ兄さんとの訓練のおかげで複雑な地形でも一瞬見れば最短までのルートを見つけることができるようになった!パワージーンの持続時間も確実に上がってる!』

 

俺は移動しながら俺の弱点、強みを伸ばしてくれた2人に感謝する。

 

『これは……今までの破竜少年にはなかった動きだ。というよりも空間把握能力が以前と比べて段違いだ!リューキュウ事務所での経験、ヒーロー殺しとの戦闘が彼をさらに強くしたのか…』

 

オールマイトは最速で接近してくる破竜をそう評す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゴォォォォルゥゥゥゥ!!!!』

 

 

俺はそのまま一番でゴールした。

 

 

『くそっ、負けちまったか……』

 

『悔しいわ……』

 

『少しの期間にこれだけの成長するなんて…』

 

『ドラゴン野郎まで…………くそっくそっ!』

 

ふぅ……まだ完全に体に身についているとは言えない。まだまだ修行しねぇとな。

 

それから三組目、四組目のレースを行った後、オールマイトは今日の授業の総括に入る。

 

『皆、入学時よりも個性の使い方が上手くなって幅が出ていたぞ!この調子で期末テストに向け、準備を進めていてくれ!』

 

そう言ってヒーロー基礎学の授業が終わる。期末テスト…か。俺が考え事をしているとオールマイト先生が俺に話しかけてきた。

 

『破竜少年、個性の使い方が本当に上手くなった。職場体験のおかげかい?』

 

『はい。リューキュウさんにレイ兄さんのおかげです』

 

『兄さん?』

 

『あぁ、職場体験の最終日にみんなに揶揄われてそう呼ぶことになったんです…』

 

そういうとオールマイト先生はにこやかに笑い、

 

『本当に楽しそうに生活するようになったね!ずっと気になっていたのさ!』

 

『……友達や先生達、リューキュウ事務所の皆さんのおかげです。でも一番は…あなたのおかげです。あの時、俺を見捨てずに助けてくれたおかげなんです。』

 

俺は頭を下げてお礼を言う。

 

『本当にありがとうございます』

 

『……君が頑張ったからさ!それに君の学生生活はこれからさ!もっともっと楽しみなさい!』

 

『はい!』

 

俺は先に更衣室に向かった友達を追いかける。

 

『破竜少年、君にはそろそろ伝えた方がいいかもしれない。両親の死の真相を。君もまた巨悪に立ち向かわなければいけない運命を背負っているのだから…』

 

オールマイトが呟いた言葉は風と共に消えた。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

『悪りぃ、待たせた。って何してんのお前ら?』

 

全員着替え途中なのにも関わらず手を止めて峰田と緑谷、飯田のやりとりを聞いていた。

 

『あ、破竜くん、良いところに!』

 

『いや、話が見えないんだけど?』

 

『実は……』

 

そこで俺は峰田が壁に開いていた穴を使って女子更衣室の覗きを決行しようとしていたことを知った。上鳴、瀬呂、砂藤の3人も覗きに賛成派のようだった。

 

『お前ら………』

 

『いや!お前も気になるだろ!?』

 

『前の説教じゃ足りなかったみたいだな………』

 

俺はそう言って竜変身の準備に入る。

 

『前科持ち2人と新規加入のバカ2人はこっちに来い。ドラゴンで遥か上空から叩き落としてやるから』

 

『『『 死ぬわ!!!! 』』』

 

女子の気持ち考えろよ。クラスメイトに更衣室覗かれるって普通にショックだ。

 

『それでもオイラは覗く!オイラのリトルミネタはもう立派なバンザイ行為なんだよォォ!』

 

『直接明言するな。気持ち悪い。』

 

コイツもう手遅れなんじゃないか?

 

『八百万のヤオヨロッパイ!芦戸の腰つき!葉隠の浮かぶ下着!麗日のうららかボディに蛙吹の意外おっぱぁアアア』

 

そう言って穴を覗くと中から見慣れたプラグが峰田の目を突き刺す。耳郎か……

 

『ぎゃぁぁぁぁぁー!!!爆音が!!』

 

『耳郎さんのイヤホンジャック…正確さと不意打ちの凶悪コンボが強み!!』

 

『それで済んだだけありがたいと思えよ』

 

つーか、耳郎の事だけ何も触れてなかったな。みんな可愛いし素敵な子が多いけど俺は耳郎が一番可愛いと思ってるんだけどな…

 

『ぎ…逆に破竜は誰がいいんだよぉ!?お前くらいイケメンでモテるなら誰だっていけるだろうが!!!』

 

『『『 そーだそーだ!!! 』』』

 

峰田を筆頭にした変態覗き集団が俺に絡み出してきた。みんなも気になるのか手を止めてこっちを見てくる。ホントめんどくさい…

 

『ハァ…俺は………………ん?』

 

チラッと時計を見ると、次の授業まで残り5分。

 

『全員急げ!!!!授業始まるぞ!!』

 

『『『 やべえ!!!! 』』』

 

全員超スピードで着替え終えて、教室まで急いで戻る。馬鹿らしいが、これも学生っぽいのかな……

 

教室に戻ると峰田は梅雨ちゃんの制裁を…バカ3人は八百万のグサグサ刺さる説教を暫く受けていた。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

残りの授業も全て終わった後、耳郎に声をかける。

 

『よしっと…耳郎、一緒に帰ろう?』

 

『あ…、うん……』

 

そうして2人で校門を出て並んで帰るが、明らかに元気がない。ヒーロー基礎学までは普通だったよな?

 

『耳郎、なんかあった?』

 

『え?』

 

『いや…ヒーロー基礎学の授業終わってから元気なくなってた気がして…』

 

『いや…その………』

 

耳郎は言いづらいのか黙り込んでしまう。

 

『俺で良ければ話聞くよ?』

 

『なら……少しいい?』

 

そう言うと俺は耳郎を送りがてら、耳郎の家近くにある公園のベンチに2人で座っていた。

 

『ごめんね…』

 

『あ、いや…気にしなくていいよ。』

 

幸い周りには人はおらず、俺達2人だけだった。

 

『それで…?何かあったんだよな?』

 

『………ウチって女の子しての魅力ないのかな…』

 

耳郎は言いづらいのを絞り出して声に出す。

 

魅力がないって何で…?

ヒーロー基礎学が終わった後に元気がなくなってた。その間にあったことといえば……あ…もしかして!

 

『更衣室の話聞こえてたのか…?』

 

『…………………』コクリ。

 

『あんなの峰田1人が勝手に言ってるだけだ。気にしなくてもいいよ。』

 

『…でも他の女子の魅力は叫んでいるのにウチにだけ何も無かったからさ…ウチってそんなに女の子としての魅力ないのかなって思って…』

 

あんの大馬鹿野郎……明日マジで制裁してやる。

 

『でもさ、男子が言ってる事って合ってるんだよね…。ウチって目つき悪いし…口も悪いし…、趣味は音楽でロック。スタイルだって全然女の子らしくないけど…あんなにはっきり言わなくたっていいじゃん……』

 

耳郎の声のトーンがどんどん下がっていく。

 

『………そんな事ない。』

 

『……えっ?』

 

そんな事ない。俺は今の耳郎が好きなのにそんな風に自分のこと否定するの悲しいだろ。俺はありったけの気持ちを込めて耳郎に伝える。

 

『……耳郎は目つき悪くないし、口が悪くても相手のことちゃんと思いやれてる優しい所あるのを俺は沢山知ってる。趣味は音楽っていいじゃんか。人の心を優しくさせたり、明るくさせたり、盛り上げたりできる。耳郎にしかできない事だ。』

 

そう言いながら俺の顔はどんどん熱くなる。絶対赤くなってるんだろうな……

 

『それに……峰田の言うようにウチのクラスにはいろんなタイプの女の子が居て、それぞれに良いところがあるけど…その中で俺は耳郎が一番可愛いと思ってるし、そんな耳郎が俺は1番好きだよ。』

 

『…………………………』

 

耳郎は黙ってこちらを見つめていた。俺はその視線が恥ずかしくなって耳郎から視線を逸らしながら

 

『だから…あんまり気にしなくて良いよ。』

 

そう伝える。すると

 

『っ…、あ、ありがとう、破竜。』

 

耳郎は優しい笑顔をこちらに向けてくれた。良かった…元気になってくれたみたいで…

 

『そろそろ送るよ』

 

『家近いから良いよ?』

 

『ダメだ。何あるかわかんねぇんだから。それにさっきも言ったけど女の子なんだから気をつけろよ。』

 

そう言って俺は先導しようとすると

 

『あら……?破竜くんじゃない?』

 

『え…?』

 

『お母さん!?』

 

何で耳郎のお母さんがここに…いや、お母さんがいるって事は…

 

『耳郎のお父さんもいますよね?』

 

『何でわかった貴様!!』

 

やっぱり…………

 

『2人とも何してるの?』

 

『帰り際にあなた達を見つけてね。破竜くん、良ければこれから夕飯なんだけど一緒に食べて行かない?』

 

『『 はぁ!? 』』

 

いや、家族団欒の時間なのに、いいの?

 

『な、なぁ…?いくらなんでもそれは…』

 

『何か文句あります?』

 

『ありません……』

 

『宜しい。破竜君はご家族とか大丈夫?』

 

『っ!お母さん、破竜は…!?』

 

そう言いかけた耳郎を手で制す。

 

『気にしなくて良い。……いえ、家族の方は問題ないです。ご迷惑でなければですが…』

 

『それじゃあ、いきましょう?』

 

そう言って耳郎宅にお邪魔する事になった。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

俺と耳郎のお父さんは耳郎と耳郎のお母さんの夕飯の支度を待っているが…

 

『『……………………………………』』

 

か…会話がねぇ…気まずい…。何か話題を…と考えていると耳郎のお父さんが話しかけてくる。

 

『君に一つ聞きたいんだが……いいか?』

 

『え…?あ、はい。答えられる範囲であれば』

 

何聞かれるんだろう…………

 

『あの子は…響香は学校で楽しそうかい?』

 

『え?』

 

『響香はね、私達の影響で趣味が音楽、しかもジャンルがロック系でね。クラスの女の子と話が合わなかったり、孤立してなかったりしてないか不安なんだ。』

 

『………………………………………』

 

『過保護かもしれないが…やはり不安でね。』

 

良いお父さんだ。お母さんを見ても耳郎があんなに優しくて素敵な女の子なのが理解できる。峰田……残念だけどお前やっぱり女の子見る目ないよ。

 

『すまない。男子と女子の部分もあるからわか…』

 

『安心してください。孤立なんかしてませんよ。女子のみんなとも仲良くて、男子達とは軽口を叩いて仲良く過ごしてます。時々は悔しい思いをしたり、悩んだりする事もありますけど、それでも耳郎は乗り越えようといつも頑張ってます。それに……』

 

『それに……?』

 

『もしアイツが危険な目に遭う時がくれば…俺も一緒に戦います。守り、守られるだけじゃなく、一緒に強くなって戦うって誓ったので。』

 

俺は耳郎のお父さんの目を見てそう答える。

 

『………………僕は君のことを少し誤解していたみたいだ。響香を誑かしているのではないかと…』

 

まぁ…そう思われてもしょうがないか…

 

『でも…今の話を聞いて君の人柄が何となく見えた気がした。こちらの勝手なお願いではあるが、これからも響香の事、見ていてくれるかい?』

 

『はい!』

 

俺たちが2人だけで話していると耳郎と耳郎のお母さんが料理を運んできたが、何故か耳郎の顔が真っ赤だ。お母さんの方は俺を見てニヤニヤしてるし…。

 

『あの…何か?』

 

『いーえ!何話してたのかなーって』

 

俺はお父さんと顔を見合わせて答える。

 

『『 内緒だ(です) 』』

 

そう言って耳郎の家族と俺の4人でご飯を食べる。

 

『破竜君、お口に合うかしら?』

 

『はい、とても美味しいです。でも、何で俺が生姜焼き好きなこと知ってるんですか?』

 

なぜ今日来たはずの俺に好物を出せるのか…

 

『響香から聞いてね。君の好きなものだって』

 

『恥ずかしいからやめて!』

 

『耳郎……ありがとな?』

 

『うー…、ふんっ!』

 

『何でそっち向くの!?』

 

『『 あらあら… 』』

 

生暖かい目を向けないでください。めちゃくちゃ恥ずかしいんですが…

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ご飯を食べ終わった後、俺は次の日も学校ということで談笑もほどほどに家に帰ることにした。

 

『すみません、夕飯ご馳走になっちゃって。』

 

『いえいえ、またいらっしゃい。』

 

『また来なさい。』

 

耳郎の両親に挨拶をして、耳郎にも声をかける。

 

『それじゃ、また明日な?』

 

『うん。今日ありがとね。』

 

『あぁ。』

 

そう言って俺は1人帰路に着く。耳郎の両親と色々と話したけど普通の両親ってあんな感じなのかな…

 

『俺にはそういう経験がねぇからな…凄く眩しく映っちまった。』

 

俺の両親。2人ともヒーローで雄英出身。詳しい死因は知らないけど、5年ほど前に死んでしまったことくらいしか俺は知らない。

 

『両親か……………………………』

 

別に知りたくなったわけじゃない。今更許す気になったわけじゃない。それでも、No.1ヒーローのオールマイトやNo.2ヒーローのエンデヴァーが認知していたほどのヒーロー。どんなヒーローだったんだろうか…。釈然としない気持ちを抱きながら歩く俺を上空から見つめる一つの影。

 

『あれが……破竜真人か……ククッ、テレビで見るよりも随分と両親にそっくりだ。あのクソ野郎共がうるせぇからまだ直接会えないが……ククク…』

 

『ここにいたんですか。???』

 

『"あぁ"黒霧か……何の用だ?』

 

『AFOがあなたを探しています。一緒に来てくれますか?』

 

『チッ、しょうがねぇ。』

 

二つの悪意はその場から消えてしまう。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

翌日。

 

 

登校してきた耳郎は目を疑うような光景を見ていた。すでに登校している破竜に詳細を聞く。

 

『ね…ねぇ、破竜?これ何があったの?』

 

『ん?知らない〜。あの変態馬鹿野郎が勝手にやりだしたんだよ。』

 

視線の先には"私は変態で女性の気持ちもわからないバカです。"というプラカードを首からぶら下げ、両手を縛られ、教室の天井から吊るされていた峰田の姿。

 

『ま、気にせずいつも通り行こう。峰田は相澤先生来るまではそのままでいてね?』

 

『は…はい……』

 

『峰田くん、なにしたんだろう…』

 

『わ、わからないが…有無言わさない空気だった』

 

『破竜ちゃんだけは絶対に怒らせたくないわ。』

 

 

 

『『『 同感… 』』』

 

 

 

一同は破竜だけは本気で怒らせたらまずいと心を一つにするのだった。

 

 







あとがきです。

タイトルは備えろと書いているのに何も期末テストに備えた話ができなかった…。次話で一気に進めます!破竜君は順調に耳郎さんとの距離を縮めていますね。外堀も埋めるとはお前意外とやり手か?

オリジナルヴィランについては早く名前を出してあげたい…。いつも???では可哀想ですからね。でも、まだ我慢してくれ。君の出番ではないんだ。

皆様、いつもお気に入りや評価、感想等、本当にありがとうございます!本作が面白いと思ったらお気に入りや評価、感想等頂ければ非常に嬉しいです!






次回予告




『夏休み、林間合宿やるぞ』

『体育祭に続いて注目浴びる要素ばかり増えてくよね、A組って。』

『お前、見てるだけで気持ちがダダ下がりしてくる。悪いんだが視界から外れてくれると助かる。』






『今回から内容を変更したのさ!』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア



『先生VS生徒!?波乱の期末テスト!』






『あれ……俺の相手って誰ですか?』








更に向こうへ!Plus ultra!!!

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