半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

27 / 69


はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

前回以上に投稿がさらに遅くなってしまって本当に申し訳ありません…。言い訳すると、多機能フォームで作業してたら9000文字くらい打ってたのが全部消え、挙げ句の果てにそれを保存してしまうと言うやらかしをしてしまってショックで何も打てなくなってしまいました。

なんとか復活して、再度打ち直したらこんな時間が…。ほんとすみません。

本作を更新してない間もお気に入りや評価して頂き、ありがとうございます!まだの方は是非…。

お気に入り及び評価してくれた下記の方

Euler057721 アンリ・マユ セリヌンティウス ワッソ

誠にありがとうございます!


それでは本編をお楽しみ下さい!



『高速戦闘!一瞬の勝機を掴め!』

 

 

一試合目の砂藤&切島 VS セメントスを観戦する為、モニタールームで待機していると緑谷と麗日がやってきた。

 

『破竜くんも観戦するの?』

 

『あぁ、俺は最後だからな。そっちこそ打ち合わせはいいのか?』

 

『かっちゃんに断られちゃって…』

 

『アイツは相変わらずだな…。だが、相手はオールマイト先生だぞ?難しくても打ち合わせするべきだ。』

 

『うぐっ…頑張るよ…』

 

『麗日はどうなんだ?青山が相手だけど…』

 

『軽く打ち合わせしたから平気だよー』

 

なら、問題ないか。するとモニターに映っている切島と砂藤の顔が緊張感のあるものに変わる。

 

『そろそろ始まるね…』

 

『あぁ…』

 

『破竜くんはどう見る?』

 

緑谷が俺の予想を聞いてくる。

 

『あの2人にとってセメントス先生は天敵だ。何も考えずに突っ込んだら……ハッキリ言って5分以内にケリがつく。』

 

『『!?』』

 

2人は俺の予想に信じられないような表情をする。

 

『よく見といたほうがいい。俺達が相手をするのは誰なのかをな…』

 

試験が開始され、2人は市街地をガンガン進んで行くがセメントス先生の個性にあっという間に捕まってしまい、不合格になってしまう。

 

『『そんな……』』

 

『考え無しに突っ込んだか…。』

 

『やっぱりよく見てるわね、リュウ。』

 

『よ、ここ来てもいいか?』

 

モニタールームに来たのはリューキュウさんとレイ兄さんだった。 

 

『どうぞ、一緒に見ましょうよ。』

 

『うわぁ…リューキュウだ…。』

 

緑谷は相変わらずのオタクっぷりを発揮しており、リューキュウさんを見てテンションが上がっているようだ。病室で一回会ってるはずなんだがな…。

 

すると、レイ兄さんが隣に来て今の試験について俺の感想を聞いてくる。

 

『リュウ、今の試験どうよ?お前としては』

 

『正直に言えば、もっと考えて行くべきでしたね。砂藤の個性で切島をセメントス先生まで吹っ飛ばしたりして足止めしている間に2人で拘束したりとか…。あそこで2人して止まってしまったのは失敗です。』

 

やっぱり、先生方は俺らの弱点を克服させる為の組み合わせにしてるな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遡る事、数日前。

 

 

期末試験前に教師陣は実技試験のペアや生徒たちが対戦する先生を決めていた。

 

『続いて、各ペアの弱点を洗い出します。まずは芦戸・上鳴の二人。良くも悪くも単純な行動傾向にありますので、校長の頭脳でそこを抉り出して頂きたい。』

 

『オッケー!久々に胸が高鳴るのさ!』

 

世界最高峰の頭脳を持つ校長先生は2人をどうやって地獄のどん底に叩き落とそうか思考を巡らせる。

 

『次は轟。能力は一通り申し分ないが全体的に力押しのきらいがあり、炎の個性操作にまだ難があります。破竜にも指摘されていたようですが…。そして、八百万は万能ですが咄嗟の判断力や応用力に欠ける。よって俺が個性を消し、近接戦闘で弱みを突きます。』

 

『うん、問題ないよ。』

 

『次に緑谷と爆豪ですが………オールマイトさん頼みます。この二人に関しては能力や成績で組んでいません。偏に仲の悪さ。緑谷のことがお気に入りなんでしょう?上手く誘導しといて下さいね。』

 

『あぁ、なんとかしてみせるさ』

 

相澤先生はオールマイトへの強い憧れを持つ2人を導くように強く念押しする。

 

『最後に破竜ですが………正直に言って組ませられるペアがいません。能力や相性、個性理解度や親密度を考えれば耳郎ですが、すでに口田とペアを組んでマイクとの試験が決まっています。』

 

『彼はリューキュウ事務所の職場体験を通して弱点の矯正、個性の強化と前よりも確実に強くなったと相澤先生とオールマイト先生の報告書が出ています。』

 

相澤先生とミッドナイト先生が破竜の現状を報告するが、結果として誰とペアにするか、誰が相手をするか決まらなかった。そんな中、根津校長が手を上げる。

 

『僕に考えがあるんだけどね……彼は単独での試験。そして相手はリューキュウ事務所の方にお願いしないかい?』

 

その提案に他の先生から抗議や懐疑的な声が上がる。

 

『破竜を特別扱いしているようになりませんか?』

 

『正直に言えば爆豪あたりが文句言いそうです。』

 

『誰かがもう一戦やるのではダメなんですか?』

 

『みんなの懸念はよくわかるよ。でもね、リューキュウ事務所には地上戦と空中戦のスペシャリストがいるだろう?』

 

『『リューキュウ…、そしてレイ…。』』

 

『そう。破竜君は竜変身を使う事で万能ともいえる戦闘スタイルで戦えるけど、まだスペシャリストレベルまで練度が高いとは言えない。今回の試験、彼には自分よりも練度の高いスペシャリスト2人を相手にどうやって立ち回って攻略するかを見たい。それでどうかな?』

 

『『『 わかりました! 』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

2人は自分達が呼ばれた経緯を思い出し、モニターを注視する破竜を見つめる。

 

『大丈夫っすよね?リューキュウさん。』

 

『えぇ、彼にはここを乗り越えてもらわなければ困るわ。でも、手加減するつもりはないわよ。そんなの彼は望まないし、彼の為にもならないからね』

 

そう話して、2人は次の試合に集中する。

 

1試合目があっさり不合格で終わる中、2試合目の蛙吹、常闇ペア。3試合目の飯田、尾白ペアはなんとか勝機を見つけ出して合格をもぎ取る。

 

『やったな…4人とも…。』

 

『凄いや!蛙吹さんも常闇君も飯田君も尾白君も!』

 

『へぇ…やるじゃん…。』

 

『なかなか見応えのある試合ね』

 

モニタールームで観戦していた4人は各々の感想を呟く。麗日は次の試合の轟と八百万が終わったら出番の為、既に待機場所に向かったみたいだ。第四試合の試合開始を待っているとモニタールームのドアが開く。

 

『破竜、ここにいたんだ?』

 

『…………………………』

 

『耳郎に口田?打ち合わせはいいのか?』

 

そこには第七試合の耳郎と口田が観戦に来ていた。

 

『うん、やれることはやったつもり。』

 

『そっか…、負けんなよ?』

 

『破竜こそ、プロ相手だろうけど頑張って』

 

2人でお互いの健闘を祈って、既に開始していた第4試合を観戦する。

 

『さてさて、リュウ。今度はどうよ?あの轟っての強いんだろ?お前相手に体育祭いい勝負してたからな』

 

レイ兄さんが今度も俺の予想を聞いてくる。

 

『轟の能力自体に問題はないと思います。強いて言えば、まだ炎の個性操作のスピードが氷に追いついていないくらいです。』

 

あの体育祭の日から、鍛えてるのはなんとなくわかってた。それでもヒーロー殺しには通用しなかったが…あれはアイツがおかしいだけだ。

 

『ふーん…その言い方だともう1人の女の子の方に問題があるような感じがするな?』

 

『破竜…どういうこと?』

 

『…………八百万は体育祭の後からどこか自信のなさがずっとチラついていた。全部を轟に任せたような今の立ち回りも気になる…』

 

すると、相澤先生の捕縛布が轟を捕らえる!八百万はなんとか避けたみたいだが…轟を放置して走り出す。

 

『ゲートに向かってる!?』

 

『どっちかがゲートを抜ければクリアだけど…』

 

『八百万の奴…、何か言いたそうな顔だったな。』

 

すると、リューキュウさんが俺らの意見を聞いて

 

『彼女なりに悩んでいるんでしょう。あなた達の体育祭の成績を見たけど、彼女と同じ推薦入学の轟君が3位という好成績を出してる反面、彼女自身はパッとしない成績だった。それに轟君は良くも悪くも決断が早い。なまじ色々とできるが故に判断が遅い彼女は、先程の件もあって無意識に彼の方が格上だと思って全てを委ねてしまっているのよ。』

 

『ヤオモモ………』

 

耳郎は親友である八百万の心のうちに気付かなかったことを後悔しているが…

 

『大丈夫だ。』

 

『え?』

 

『轟はヤオモモを立ち直らせるさ。アイツしかできない方法でな。』

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

職場体験のお昼時

 

 

『そう言えば、轟って誰に票入れたんだ?』

 

『ん?なんの話だ?』

 

『ほら、委員長決めの時の…。』

 

『あぁ…』

 

『俺は飯田だったんだけど、轟も誰かに投票したんだろ?誰だったんだ?』

 

『俺は……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

『八百万、何かあるんだよな!?』

 

『!!』

 

『悪い!聞くべきだったこれでいいか?って、何かあるんだよな!?』

 

『でも、轟さんの策が通用しなかったのに私の考えなんて…』

 

『いいから早くしろ!そういうのはお前の方が適任だって言ってるんだ!学級委員決めた時、お前2票だっただろ!? 1票は俺が入れた!そういうのに長けたやつだと思ったからだ!』

 

モニターから轟の声が聞こえる。

 

『轟君…』『轟……』『熱いやつじゃん』

 

その言葉でヤオモモの表情に覇気が戻り、轟を解放して何か策を話していた様子だった。その顔にはさっきまでの自信のない八百万はもうどこにもいなかった。

 

『ほら、やっぱりお前じゃなきゃできなかったよ』

 

その後、八百万の完璧なオペレーションで轟と八百万は相澤先生を拘束して無事に合格した。

 

『やったぁ!』

 

『やっぱり2人とも凄いや…』

 

『ったく…心配させんなよ。』

 

俺達は轟達が無事に試験を突破したのを安堵していると、耳郎と口田も動き出す。

 

『破竜、ウチらもいくね?』

 

『あぁ、頑張ってこいよ。』

 

耳郎とハイタッチを交わして、そのすぐ後ろを歩く口田にも声をかける。

 

『口田』

 

『?』

 

『………耳郎の事、頼んだぞ?』

 

『!』

 

グッ!

 

口田は力強く拳を握って試験に向かう。

 

第五試合の麗日&青山は13号先生の個性に苦戦するが、GMAを駆使した麗日が上手く拘束して試験突破。第六試合の上鳴&芦戸は詰め将棋のように逃げ道を塞いでいく校長先生になす術なく不合格となった。

 

 

そして第七試合。

 

耳郎&口田VSプレゼント・マイクの試合は一方的なものになっていた。

 

 

 

 

『yeah!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

『くっ!うるっさ…!!』

 

『………!!!!!!』

 

2人は耳を塞いで音量を軽減しようとするが、焼け石に水で全く意味をなさない。

 

『口田…!アンタの個性で鳥葬にでもできないの?』

 

『…………………………………』

 

モニターで見てる俺らにはなんとなくしかわからないが、恐らく声量で掻き消されて個性が使用できないと言ってるみたいだ。

 

『格上どころじゃない…かんっぜんにウチらの上位互換!近づけもしない!』

 

耳郎はその音量に対抗すべく、コスチュームで相殺しにかかる。

 

『ッ、耳郎よせ!そんな事したら!』

 

 

 

 

 

相殺!

 

 

 

 

 

『ッ!いった……』

 

『やっすい音だなぁ…』

 

相殺できずに耳郎は耳にダメージを負ってしまう。

 

『破竜くん…大丈夫?』

 

『もちろん心配だけど、こんなとこで終わるような奴じゃないよ耳郎は。それに口田もいるしな。』

 

すると口田が地面に向かってぶつぶつと何かを喋り出す。地面にいる生き物ってまさか……

 

『ギャァァァァァァァァァァ!!!!!!』

 

モニタールームからプレゼントマイクの絶叫が聞こえる。よく見ると足から上にかけて大量の虫が駆け上がっていた。

 

『あれ…プロでもキツイですね…』

 

『俺なら喰らいたくないねぇ…』

 

『これに関しては私も同感よ…』

 

『やっぱ、アイツえげつねぇわ。』

 

プレゼントマイクを気絶させた口田は動けない耳郎を抱えて無事に試験を突破した。それ自体はいいが…

 

『耳郎のこと抱き抱えてるし……』プクッ

 

俺はなんか面白くないものを見せつけられた気がして、ほんの少しだけ不機嫌になってしまう。

 

『『『嫉妬してる!てか、可愛い!』』』

 

モニタールームにいた全員は普段の破竜から想像できない珍しい姿を見て、悶絶していた。

 

第八試合の障子&葉隠VSスナイプ先生はかくれんぼ合戦を制した生徒2人に軍配が上がり、第九試合の峰田&瀬呂VSミッドナイト先生は峰田の見事な機転と演技力で先に気絶させられた瀬呂を担いでゴールした。

 

『さて…、緑谷達の次は俺か…。』

 

『リュウ、私達も向かいましょう?』

 

『準備いいか?』

 

俺は愛刀である木刀を背中にセットする。

 

『もちろんです!』

 

すると、試験を終えた全員がモニタールームに集合していた。

 

『みんな……なにしてんだ?』

 

『アンタの試合が気になるんだって。ここで応援してるから負けんな!』

 

耳郎は俺に手を差し出してくる。なるほどね…

 

『あぁ、しっかり勝ってくる』

 

先程と同じようにハイタッチを交わして俺はリューキュウさん、レイ兄さん共に試験会場に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達が到着したのは荒廃した市街地だった。

 

 

 

 

『ここが俺の試験会場ですか?』

 

『そうよ、ここは荒廃してるからある程度無茶してもいいと許可をもらっているからね。』

 

『そういうこった。本気で来いよ?』

 

そう言って2人は待機場所に移動する。俺は試験開始までの間、集中力を高める。

 

 

すると、スピーカーから試験開始の合図が流れる。

 

 

 

『よし、行くか!!!』

 

 

 

俺はパワージーンの力を10倍に引き出しつつ、周囲を警戒する。空も確認するが、リューキュウさんの姿は見えない。地上もレイさんの姿はない。

 

『ならッ!』

 

俺は建物の壁を蹴って建物の屋上から索敵を始める。すると、俺のすぐ後方で旋風が巻き起こる!

 

『これは…リューキュウさんか!』

 

『見つけたのは私が先のようね…!』

 

リューキュウさんが竜の爪で屋上にいる俺を叩き落とそうとするが、俺はそれをバックステップで避ける!俺を捉えられなかった竜の爪はビルの一角を容易く削り取る…!

 

『そんな大振り喰らうか!!!』

 

俺は反撃とばかりに増強したパワーで木刀を思いっきり振りかぶった後、飛び上がって右の蹴りを繰り出す!

 

『グッ…!やってくれるわね!!!』

 

無防備な腹部分と翼部分に強烈な一撃を加えるが、大したダメージにはなってねぇか…

 

『だったら……!』

 

俺はジーンの力を解除してビルの屋上から飛び降りる。逃すまいと追いかけてくるリューキュウさんが俺の正面に来た瞬間、雷の力を引き出して迎撃する!

 

『受けてみろ!ババル!!』

 

『!? キャァァッ!』

 

咄嗟に翼でガードしたが、完全に威力を殺しきれなかったのか、そのまま地面に墜落していく。てか、俺もやべえ!今度は風の力を駆使して地面ギリギリで着地する。

 

『おいおい…油断大敵だぜ!?』

 

『……見えてますって!』

 

着地後の隙をレイ兄さんの短剣が襲うが、屋上から飛び降りた時にこちらに向かっているのが見えたので焦る事なく短剣を木刀で受け止める!

 

『前に比べてよく見えてるじゃねえか』

 

『余裕そうな態度がなんか腹立つ!』

 

俺はレイ兄さんの短剣をいなしながら、一撃だけ木刀で攻撃を受け止めつつ重心を崩す!

 

『うおっ……!?』

 

『よしっ!』

 

体勢が崩れた一瞬の隙をついてステインが戦闘中に使っていた技の一つ、鍔の部分をレイ兄さんの腹に押し付けながら走り出して壁に叩きつける!

 

『グッハ……チッ、やる…!?』

 

『喰らえ!メガ!』

 

動きが止まった所に今度は炎の力を引き出して追撃の爆発を起こす!その間に俺は後方に下がって2人との距離を取る。

 

『ふぅ………………』

 

俺が息を整えていると爆発の中からリューキュウさんとレイ兄さんが飛び出してくる。

 

『やるわね……少し翼が痺れたわ』

 

『痛ってぇ…対峙するとマジ厄介だな…』

 

『俺だって強くなってますよ……2人とも』

 

というよりも、あんだけ無防備に喰らってるくせに大したダメージになってないのズルすぎだ。

 

すると、レイ兄さんの表情が変わる。

 

『やるじゃん…リューキュウさんいいっすよね?』

 

『えぇ……』

 

何をする気だ…。するとレイ兄さんが短剣を納刀してこちらを見据えてニヤリと笑う。

 

『俺の個性"ワータイガー"の力を見せてやるよ』

 

レイ兄さんは中腰になって集中力を高めていく。それと同時に目の前の威圧感がどんどん上がっていく。

 

 

『ぐっ…ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』

 

 

その瞬間、レイ兄さんの体が一回りデカくなった虎の姿に完全変化する。二足歩行以外、人間の面影がねぇじゃんか!そんな異様な姿に驚いてる俺を見たリューキュウさんが俺に宣告する。

 

『リュウ。油断したら……死ぬわよ?』

 

その瞬間、レイ兄さんが超圧縮重りをしているとは思えないスピードで俺に迫る!

 

『くっ!20倍だ!!!!!!!!!』

 

俺は倍率を上げてなんとか攻撃を避けるが、レイ兄さんの苛烈な攻撃は絶え間なく襲いかかってくる!

 

『グォラァァァァ!!!!』

 

飛び上がって放った拳が地面にクレーターを穿つ!

ゾクッ…あんなの喰らったら一瞬でペシャンコになっちまう…。

 

『くそっ、一旦空中に逃げるしか…』

 

俺が壁を蹴って空中に飛びあがろうとすると

 

『甘い!もう少し冷静に動きなさい!』

 

『し…しまった!!!』

 

『ウイングスラッシュ!!!!』

 

高密度の暴風が俺の体を刻み込み、その余波で俺は遠くの瓦礫まで吹き飛ばされてしまった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

モニタールーム

 

 

 

 

『あの破竜が完全に押されてる…!?』

 

『あぁ…最初は優勢だったが…個性をフル活用しだしたあたりから完全に防戦一方だ』

 

『ワータイガーだっけ?なんてパワーとスピードだ…あれで超圧縮重り使ってるって信じられねぇ…』

 

『それをいうならリューキュウもだ。地上から空中に移動した破竜くんの動きを読んで見逃さず、必殺の一撃を叩き込むなんて…』

 

『プロヒーローってマジで強いんだな……』

 

A組は想像を超えるリューキュウ、レイの強さに驚愕する。

 

『確かにあの2人はプロヒーローの中でも随一の強さを持っているけど、そんな相手に彼もよくやってるさね』

 

リカバリーガールがA組の感想を認めつつも、一部否定する。

 

『2人とも得意不得意がはっきりしてる。それをお互いに補い合う事であれだけの強さを発揮してるのさ。』

 

『というと…?』

 

飯田の質問にリカバリーガールは例えばと前置きして話し出す。

 

『レイは地上戦では無類の強さを発揮するさね。単純なパワーとスピードが圧倒的に優れているからね。その反面、空中戦は得意じゃない。空を飛ばれて遠距離攻撃されても攻撃手段がないからね』

 

『確かに……』

 

『リューキュウは空を飛んでの空中戦が得意さ。視野も広いから遠距離攻撃は勿論、味方のサポートも上手くできるし、本人のパワーもテクニックも優れているさね。その反面、地上での格闘戦やスピードを生かした相手には不向きさ。小回りが効かないからね。』

 

リカバリーガールは2人の長所、短所を簡潔にA組に説明する。

 

『じゃあ、破竜ちゃんが勝つ為には……』

 

『そうさね。あの2人を苦手な環境に引き摺り出した上で必ず一対一に持ち込む事。』

 

勝ち筋はわかったが、それを聞いて葉隠が不安な表情を覗かせる。

 

『でも、それって…難しいんじゃ…』

 

『だろうね、事実、あの2人もそれは気づいている。この勝負の鍵は破竜君がどうやって、そこに持ち込むかの一点。そこにかかっている。』

 

『破竜君は勝てますか…?』

 

『それは彼次第さね。』

 

『いや、アイツは勝つよ!ウチに勝ってくるって言ったんだから…。だから負けんな…。』

 

全員はモニターの向こうで戦う破竜の姿を見つめる。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラ…ガラララ……

 

 

 

DOGOOOOM!!

 

 

 

『ゴホッゴホッ……………』

 

俺は瓦礫を吹き飛ばして、近くのビルの中に隠れる。

 

『チッ…地上に空中…どっちにも隙がねぇ!』

 

俺はあの2人の連携に頭を抱えていた。地上戦ならレイ兄さんのパワーとスピードに…空中戦ならリューキュウさんのパワーと技にやられてしまう…。

 

『この試験を突破するにはどうにかして一対一に持ち込むしかない。どうすればいい…、よく考えろ…。』

 

レイ兄さんは地上戦、リューキュウさんは空中戦が得意…。そして俺があの2人に勝ってる部分はなんだ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()でどんなヴィランも迅速に確実に対応する。これが私達の連携よ。』

 

 

 

 

『貴方の個性、竜変身は様々な場面で臨機応変に対応できる()()()が強みよ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

俺はその時、頭にピーンとくるものを感じた。

 

『そうか、これなら……正直かなり難しいけど、こういう場面を想定して鍛えてきたはずだ。ぶっつけ本番にはなるがやってやる!』

 

俺はあの2人が待つ場所まで移動する!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人は市街地内で破竜の気配を探しながら佇む。

 

『レイ…平気?』

 

『ん?問題ねぇ。……にしてもリュウは何してんだ?そろそろ試験終了しちまうぜ?』

 

『確かに………!? レイ来たわよ?』

 

『やっとか…待ってたぜ』

 

そう言って2人とも先程と同じようにリューキュウはドラゴン、レイはワータイガーに変身する。

 

『待たせましたね』

 

『待ってたわよ、あと10分。私達のどちらかを捕まえてみなさいリュウ!』

 

『グォォォォォォォォ!!』

 

そういうや否やレイ兄さんが俺に飛びかかってくる!俺はパワージーンの力を引き出しつつ、ビルの壁と壁を走りながらレイ兄さんの攻撃を避けていく。

 

『グォ?』

 

逃げる俺をレイ兄さんもビルの壁を使って俺を追いかけてきてる。まだだ…。リューキュウさんがこの動きに痺れを切らしてきた時がチャンスだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして残り時間5分。その時は遂に訪れる。

 

『随分としつこいわね、リュウ。逃げてるだけじゃ何も変わらないわ。悪いけど、私も行かせてもらう!』

 

リューキュウが翼を羽ばたかせて、ビルの壁を蹴って逃げる破竜を上空から攻撃する為にビル以上の高度に飛翔する。

 

 

 

 

 

 

 

 

きたっ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

俺は壁を蹴ってリューキュウさんに向かうように飛び上がる。当然、レイ兄さんも俺を追いかけてくるが、

 

『今だっ!ババル!!!』

 

俺は稲妻をレイ兄さんにお見舞いする!

 

『グォラァァァ!?』

 

『レイ!?』

 

レイ兄さんはそのまま落下していくが、大したダメージはねぇ!少しだけ痺れるが、それも数秒程度。でもそれでいい!

 

『こっからが本番だ!!!!』

 

俺は風の力を解放して、リューキュウさんに迫る!

 

『そんな事してもレイが追って…!?』

 

『いーや…、レイ兄さん単体じゃ、この上空までは来れない!』

 

そこでリューキュウは気づいてしまう。破竜の作戦に完全に嵌められてしまったことを。レイのパワーやスピードがいくら優れていようと空を飛べない以上、上空に戦場を移した2人にとってはなんの障害もない。

 

『………いい作戦だけどまだ甘いわ!』

 

地上では痺れがなくなったレイが破竜と同じようにビルの壁を使って飛び上がろうとするが、空からの稲妻が飛び上がった瞬間に襲いかかる!

 

『な、なんで雷が…!貴方は今、風の力で上空の私を追いかけているのに…ま、まさか貴方!?』

 

『お察しの通り、ジーンの複数操作だ!例え、飛びあがろうと雷でレイ兄さんを牽制して近づけさせないようにすれば俺とリューキュウさんの完全な一対一!』

 

俺の狙いはこれだ!確かに2人とも俺以上に地上戦も空中戦も強いが、どっちもこなせるわけじゃない。今回はレイ兄さんを地上に釘付けにして、空中で俺よりもスピードが劣るリューキュウさんを完全な一対一に持ち込む!今の俺の竜変身にはジーンの複数操作ができるスタイルはない。だけど…

 

『これが今できる…俺の戦い方だッ!』

 

俺はパワーとウィンドのジーンを同時に引き出しながら、上空でのスピード戦闘をリューキュウさんに仕掛ける!

 

『あまり舐めないでほしいわ!』

 

俺が近づこうとすれば、リューキュウさんの尻尾、爪が襲ってくる!

 

『チッ…そう簡単に行かねぇ…。』

 

『私にばかり気を逸らしてていいの?』

 

『ッ!ババル!!』

 

 

 

DOGOOOOM!!!

 

 

 

『グァァ!!』

 

レイ兄さんもしつけぇ…速攻で決めないとどんどんジリ貧になる一方だ。それに…

 

ビキッ!

 

『ッ!』

 

腕と脚が痛み出してきた…。時間も少ない…。

 

『ふぅ…………これで決める。』

 

『残り30秒。来なさい…リュウ。』

 

俺は風の力を推進力にまっすぐに全速力でリューキュウさんに突き進む!

 

『ここに来て力技?がっかりさせないで!』

 

そう言って、リューキュウさんが俺に必殺の一撃を喰らわせる為に俺の進路上に標準を絞り込む。

 

『喰らいなさい!ウィングスラッシュ!!!』

 

『そんなわけ………あるかぁ!!』

 

ギリギリだ……。しくじったら負ける!

 

 

ゴォォォォォォォォォォ!!!!

 

 

ここしかねぇ!!!

 

 

『メガッ!!!』

 

俺は右腕で爆発を起こしてウィングスラッシュの軌道から外れ、爆発によってできた煙幕で相手の視界を完全に塞ぐ!

 

『避けた!? それに視界が……』

 

『ッ!もらったぁ!!!』

 

俺は避けられた事に驚いたリューキュウさんの一瞬の隙をついて、煙幕の中から飛び出してハンドカフスを巻きつける。

 

 

 

 

 

 

『試験終了!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

俺がハンドカフスを巻き付けたと同時に試験終了の合図が鳴り響く。はぁ…マジでギリギリだった。力を使い切った俺はそのまま地上に落ちていくが、リューキュウさんが俺を空中で回収する。

 

『まさか負けるとは…強くなったわね、リュウ。』

 

『試合には勝ちましたけど、勝負には負けましたよ。介抱されてちゃカッコつかねぇし……』

 

『ふふっ…次はハンデがない状態でやりたいわね。レイもそう思ってるわよ。』

 

地上ではレイ兄さんが悔しそうな顔で…、でもなんか嬉しそうな顔で俺とリューキュウさんを迎えた。

 

『やるなぁ…今度はハンデ無しでやろうぜ?』

 

『ははっ…2人とも勘弁してください…。』

 

 

 

 

 

 

2人に抱き抱えられるというカッコつかない状況ではあるが、破竜真人。期末試験突破!!!

 

 

 






あとがきです。

期末テストを何故か1話で終わらせてしまった大馬鹿です。まぁ…、引き伸ばしてもしょうがないような気が…。

それと本作がルーキーの日間ランキングの87位になってました!ありがとうございます!これの評価値とかってどうなってるんだろ…あまり詳しくないからよくわからない‥。

皆様、いつもお気に入りや評価、感想等、本当にありがとうございます!本作が面白いと思ったらお気に入りや評価、感想等頂ければ非常に嬉しいです!






次回予告




『ゴーリテキキョギィイー』

『林間合宿か…。荷物とか買いに行かないと』

『USJぶりだね…破竜真人君』






『何でテメェがここにいる…?』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア





『エンカウント!ヴィラン連合結成!』





『そう言えば、君のご両親のこと聞いたかい?』








更に向こうへ!Plus ultra!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。