半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

色々と今までとの矛盾点が出ないかを考えたり、オリジナルキャラクターとの掛け合いを考えていたら、めちゃくちゃ遅くなってしまった…。本当にすみません。

お気に入り及び評価してくれた下記の方

ディザスター 那桜姫 砂巨人 零白夜 ぶらっきー 妖怪首置いテケ さくさくとまと 真姫ヨハネ彼方推し

誠にありがとうございます!


それでは本編をお楽しみ下さい!



『THE MOVIE 2人の英雄(ヒーロー)』
『THE MOVIE 2人の英雄 前編!』


 

 

緑谷と俺の2人が敵連合の死柄木・黒霧との接触した事は警察及び雄英高校、プロヒーロー内で瞬く間に共有された。それに伴い、例年行っていた林間合宿の合宿所の場所を変更し当日になるまで場所を明かさないことになった。

 

 

 

 

 

そして迎えた夏休みのある日。俺は家で筋トレをしながら黒霧が去り際に言った事を考えていた。

 

『アイツが言ってた彼って誰だ…。あの後、改めて両親の事を調べてみたが、出てきたのはほんの少し調べれば誰でもわかるようなこんなもんばかりだ…。』

 

俺は立ち上がって机の上に広げていた資料を見る。そこには俺の両親である2人がヒーロー活動していた時の簡単なプロフィールがあった。

 

『トランスヒーロー:フォーマーに具現化ヒーロー:メタライズか…。大した情報がねぇな。』

 

わかった事と言えば、両親の個性は父親がトランス、母親が具現化といった事。そして、あの2人の最期は大規模な災害から人々を守って死亡したという事だけ。その他の詳細は不自然なほど何も載っていなかった。

 

『ふぅー…、やっぱ誰か聞ける人に行くのが一番だな。』

 

俺がソファーに身を投げ出したと同時に

 

 

 

 

ピンポーンとインターホンが鳴る。

 

 

 

 

 

『お届け物でーす。』

 

『ん?はいはいー。』

 

俺は外に出て、宅配のお兄さんが運んできたものを受け取るが、そこにあったものは手紙と同封されていた一枚のチケットだけだった。

 

『なんだ?この手紙。』

 

手紙を開いてみると、そこには書かれていたのは海に浮かぶ巨大人工移動都市『I・アイランド』への招待状だった。

 

『これって、雄英体育祭を優勝した時に貰ったやつだよな?興味なかったから爆豪にあげちゃったけど…。』

 

……というか、なんで俺にまた来たんだ?そのまま手紙を読み進めていくと俺はガタッと立ち上がる。手紙の最後には

 

 

 

『 本来、この手紙はプロヒーローだった君のご両親宛に贈るべきものだったが、残念ながら彼らは死亡してしまった。もし、君が少しでも彼らのことを知りたいと思うなら是非来てほしい。ほんの少しだけだが、俺が知りうる限りのことを教えよう。待っている。

 

            レイン・バークレスト 』

 

俺は手紙を読んで少しの間、思案する。そして、すぐ荷物をまとめてI・アイランドへ向かう準備を整える!

 

『レイン・バークレスト。誰か知らねぇが、あの両親の事を知る事ができるせっかくのチャンスだ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、俺は飛行機の中にいた。

 

 

『I・アイランドでの用件はさっさと終わらせたいな。林間合宿もあるから早めに帰って疲れを抜きたいところだけど、そうもいかねぇか。』

 

俺は到着時刻まで暇だったのでI・アイランドについて記載されている雑誌を読んでいた。

 

I・アイランド。世界中のヒーロー関連企業が出資し、個性の研究やヒーローアイテムの発明などを行うために作られた学術研究都市。研究成果や発明品を狙うヴィランから科学者とその家族たちを守るために移動可能な人工島になっているのか…。

 

『そういえば、このI・アイランドにはデヴィット・シールドが来ているというニュースが出ていたな。』

 

デヴィット・シールド。オールマイトのアメリカ時代の相棒で現在は世界屈指の科学者として有名だ。できる事なら一度会ってみたいもんだ。

 

次のページを捲る。

 

この海上移動都市は日本国外という扱いなので公共の場で堂々と個性を使用するのも違法ではない…か。普通なら犯罪が横行しそうなもんだが、その心配は杞憂に終わる。なぜなら、この人工島最大の特徴は今までに(ヴィラン)による犯罪が一件もない事だ。理由は単純、セキュリティーシステムの厳しさはあの特殊大監獄『タルタロス』に匹敵するからだ。

 

『タルタロスに匹敵するほどのセキュリティーシステムか。よほどのことがない限り犯罪は起きないが、用心するに越した事はないな。』

 

すると、俺の携帯に上鳴から連絡が入る。絶え間なく送られてくる相当な量のメッセージにうんざりしながらも全て読み込んでいく。

 

要約すると、

 

 

・俺達はこれから凄い所に行く

・帰ったら自慢するから会おうぜ

・可愛い女の子と会えるの楽しみだ

・峰田も一緒にいるぜ

 

 

……………なんだろう、峰田っていうワードだけで圧倒的な不安が襲ってくる。俺が人知れずドキドキしていると、後方から聞き慣れた声が…。

 

『破竜?』

 

『ん?』

 

俺は名前を呼ばれたので、振り返るとそこにはなぜか轟がいた。

 

『あれ?なんでお前がここに?』

 

『俺のセリフだ。俺は親父の代理でここに来ている。あんなんでも一応No.2だからな。』

 

『あんなんって…』

 

俺が言える立場じゃないが、轟の家も随分と複雑な家庭事情だからなぁ…。職場体験で多少は見直せる部分があるとは言ってもまだ受け入れられない部分はあるんだろう。

 

『そういうお前はなんでここにいる?』

 

『あー…似たような感じだ。』

 

『?…そうか。』

 

轟は一瞬怪訝な顔になったが、特に気にした様子はない。轟のこういう所は素直に助かるな。すると…

 

『まもなくI・アイランドへの着陸態勢に入ります』

 

ようやくか…。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

I・アイランドに降り立った俺と轟はそのあまりのスケールに圧倒されていた。

 

『ここが I・アイランドかぁ…、凄ぇな…。』

 

『あぁ…俺もそう思う。』

 

俺はさっさと俺に手紙を出したレイン・バークレストとやらの所に行かせてもらおうか。

 

『んじゃ、俺は用事あるからここで…。』

 

『破竜。』

 

『うん?』

 

『用事が終わった後でいいんだが…、お前さえ良ければ、後で2人で回らないか?』

 

『俺でいいのか?』

 

『俺はお前と回りたい。それに俺は友達とこういうのを回った経験がないからな。』

 

さりげなく悲しい話を聞いたような気がするがほっといておこう。触れないほうがいい。

 

『わかった。用事終わったらすぐに向かうから待っててくれ。』

 

一旦、轟と別れた俺は手紙に指定されていた場所に到着したが…。

 

『I・アイランドアカデミーじゃねぇかよ!』

 

校門で俺は人目も気にせずに叫ぶ。なんでこんなとこに…。

 

『どうした?誰かに用でもあるのか?少年』

 

警備員の方が話しかけてきた。

 

『…あ、はい。レイン・バークレストという方に。』

 

その名前を出した瞬間、その場にいた全員が驚愕の目で俺の事を見つめる。

 

『あのレイン先生に!?』

 

『嘘だろ…みた事ねぇぞ。』

 

『あの子、日本人だよね?』

 

『"You kid...don't lie.(ガキが…、嘘つくんじゃねえよ)"』

 

It's a lie anyway! I've never seen it!(どうせ嘘だぜ!見たことねえからな!)

 

何人かは英語で俺を侮辱していたが、俺はそもそも英語でも話せるんだから何言ってるか丸わかりだ。

 

『レイン先生ですね。今確認します。』

 

しばらく待っていると警備員が申し訳なさそうな顔で伝えてきた。

 

『すみません…。レイン先生は今外出しているようで…、改めてきてもらう事は可能かい?』

 

『わかりました。なら、破竜真人が来ましたと伝言をお願いします。何かあればこの携帯まで連絡するように伝えてください。』

 

俺は手短に用件を伝えて、その場を立ち去る。その後、来た道を戻っているとなんかおしゃれなカフェを見つけた。

 

『へぇ〜、いい感じのお店だ。後で轟と2人で来てみようかな…。』

 

店員の雰囲気もいいし、さすがは I・アイラ…

 

『『いらっしゃいませ〜』』

 

『えっ!上鳴に峰田!?』

 

俺の声で接客中だった2人はこちらを振り向く。

 

『あれっ!?なんでここにいんの!』

 

『オイラの野望が……』

 

そこには移動中にとんでもない量のメールで俺に自慢話を振ってきた張本人がいた。

 

『お前らこそ何してんだ?こんなとこで』

 

『俺達は期間限定のアルバイトしてんだよ。ダメ元で送ってみたらなんだかんだで受かっちまってな!』

 

『給料貰えるし、来場した可愛い女の子達とお近づきになれるかもしれないだろ〜!』

 

峰田の動機が不純すぎる。

 

『俺から話しかけといてこんな事言うのは良くないが、それなら、もう少し真面目に仕事しなよ。ほら、あっちでお客さん待ってるぞ?』

 

『あ、やべっ、峰田行こうぜ!』

 

『おうよ!女の子にモテる為にオイラはひたすらに邁進する!』

 

そういうと2人は接客の場に戻っていった。峰田のヒーローになってモテたいっていう信念は突き詰めれば強い動機だけど、女の子に迷惑かけるのには全くもって同意できん。

 

『アイツらがなんかやらかさないように目を光らせとく必要あるか…、いや、流石に大丈夫か。』

 

あの2人のことは放ってさっさと轟と合流しようかなと振り向くとドンッ!と誰にぶつかってしまう。

 

『痛っ!』

 

『ッ、すみません。大丈夫ですか?』

 

『いえ、大丈夫です。』

 

そこにいたのは俺よりも身長は低いが、目を惹く程の綺麗な銀髪を靡かせた女の人が倒れていた。

 

『すみませんでした。前見てなかったです。』

 

『いや、()()()()()()()()し、急いでいたから。』

 

『俺?』

 

やべっ、口に出しちゃった。

 

『ん?あぁ、俺こんななりですけど男の人ですから。あまり気にしないでください。』

 

『そっか、悪いこと聞いた。すみませんでした。』

 

『君、同い年くらいだろう?変に気を遣った言葉遣いじゃなくていいぞ?』

 

『……なら普通に。とは言ってもさっきのは軽々しく口に出していい事じゃない。本当に悪い。』

 

『……これ以上言っても平行線になりそうだ。謝罪受け取っておくよ。君、名前は?』

 

『俺は破竜真人。日本人だ、そっちは?』

 

『鳴瀬響也だ。名前は日本人だが、生まれも育ちもアメリカだからアメリカ育ちみたいなもんだ。』

 

鳴瀬響也か…。失礼だとは思うが、初見なら完全に女の子に見えちまった。

 

『悪いが、時間がない。じゃあな』

 

『あぁ、またね。』

 

そういうと、鳴瀬はスタスタと歩いて行き、人混みの中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

更に来た道を戻っていると

 

 

 

 

 

DOGOOOOOOM!!!

 

 

 

 

 

どこかで聞き覚えのある爆発音が聞こえた。音の発生源に目を向けるとそこには

 

 

≪ヴィラン・アタック!!!≫

 

 

と書かれた看板があった。

 

 

『個性使ったアトラクションか…?さっきやけに聞きなれた爆発音が聞こえたんだが、まさかな…。』

 

俺は何か嫌な予感を感じながらもそのゲートを潜って中に入ると

 

『キャアアアアアア!凄い凄い凄い!14秒!現在トップです!』

 

タイムアタックを全力でやっていた轟がいた。

 

『なにしてんの…?』

 

『あぁ…、破竜。用事は終わったのか?』

 

『いや、終わったというよりも会えなかった。っていうか、俺の質問に答えて。なにしてんの?』

 

『テメェ、この半分野郎!!』

 

『爆豪…』

 

『うわ…やっぱりいた…。』

 

俺は自分の予想が悪い方向に当たった事を嘆く。いくらなんでもここで会わなくたっていいだろう…。

 

『いきなり出てきて俺凄えアピールかァ!?あぁ"!?』

 

『あの……次のお客様が…』

 

『うるせぇ!!今度も俺だ!!』『ひぃっ!』

 

俺は轟に絡みながら器用にスタッフにキレている爆豪の元に歩いて行き、拳骨での制裁をお見舞いする。

 

 

 

ゴンッ!!

 

 

 

『いってぇ!』

 

『やめろバカ。全世界に恥晒す気かお前。』

 

ようやく爆豪は俺の姿が視界に入ったようだ。

 

『なっ…!何でテメェまでここにいるんだ!?』

 

『……まぁ、色々あって。』

 

俺が爆豪の暴走をなんとか止めると、観客席から声が聞こえてきた。

 

『破竜君!?』『破竜くん!』『破竜まできてんのか!』『破竜くんや!』『破竜さん!?』『破竜!』

 

そこには緑谷、飯田、切島、麗日、八百万、耳郎、そして見慣れない金髪の外人がいた。

 

『お前ら…なんでここに?』

 

『僕は事情があって…』

 

『俺は家族の代理だ!』

 

『ウチらはヤオモモのやつでね!』

 

『俺は爆豪の付き添いで!』

 

緑谷はなんか隠してんな…。まぁ、大方オールマイト関係だろう。んで、飯田の家はヒーロー一家だから俺と轟と同じ理由か。八百万はお嬢様だからスポンサー関係の企業に関係しているんだろう。耳郎と麗日は八百万の、切島は爆豪の付き添いか…爆豪の付き添いが適任すぎる。

 

『破竜くんもやらない? 今、デク君が16秒で3位、爆豪君が15秒で2位、轟君が14秒で1位なんだよ!』

 

へぇ…、面白そうじゃん。

 

『乗った!やらせてもらうぞ!』

 

俺は木刀を構えてスタートラインに立つ。

 

『破竜!負けんなよー!』

 

『ん?』ニコッ

 

俺の事を応援してくれる耳郎に向かって笑顔を返す。

 

『さあ!3人目の飛び入り参加者はどんな記録を出すのか!ヴィランアタック……』

 

俺はパワーの力を10倍まで引き出しながら、仮想(ヴィラン)の位置を確認する。速攻で終わらせてやる!

 

『READY GO!!!!!』

 

俺は壁を蹴り上がりながら、一番近くにいる仮想(ヴィラン)に木刀を叩きつけ、反対側にいる仮想(ヴィラン)にはジーンの複数操作で雷を落とし、更に上空にいる敵には風を操って切り刻む!

 

『よしっ!』

 

そのままの勢いで一番上にいる最後の仮想(ヴィラン)に飛び上がった勢いのままの踵落としを叩き込むとアトラクション終了の合図が鳴る!

 

『す、凄い…。11秒!この短時間で何回も1位が入れ替わる!!しかも全員レベルが高いぞ!!!』

 

見ていた観客達も歓声を上げてくれた。

 

『悔しいなぁ…、5秒も差ができちゃった。』

 

『俺とは3秒差か…。俺もまだまだって事か。』

 

『ドラゴン野郎に4秒も…!!!』

 

『そんなに俺の事睨まないでくれるか?』

 

緑谷は悔しがりながらもどうすればその差を埋められるか考え始め、轟は上には上がいる事を改めて感じ、爆豪は自分よりも上にいる俺と轟を睨み付けてきた。

 

『だぁぁぁ!納得できねぇ!もう一回やらせろ!』

 

『またか!お前は!!!』

 

『なんであんなに怒ってるんだ?』

 

『みんな!雄英の恥部を世間に晒す前に爆豪君を取り押さえるんだ!』

 

『う、うん!』『おう!!』

 

男子全員でスタッフを恐喝して再挑戦しようとする爆豪をなんとか抑えつける。

 

『うふふ…あ、ごめんなさい!雄英って楽しそうな所だなって思って…』

 

『少なくても退屈はしてないです…。』

 

『ごらぁ"!離せテメェら!次は俺だ!!』

 

『女性陣!このバカ抑えるの手伝ってくれ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

暴れる爆豪を何とか会場から引き摺り出すと『ちくしょうが!やってられっか!!!』と言って爆豪はそのまま立ち去ってしまう。

 

『みんなほんとわりぃ!待てよ爆豪〜!』

 

切島はホテルに戻る爆豪を追いかけていく。

 

『ほんと大変だね。』

 

『あぁ…切島がいい奴すぎる。今度何か奢ってあげよう。ところでそちらの人は?』

 

俺と轟は5人と行動を共にしていた金髪の外人に目を向ける。

 

『あ、そっか!自己紹介してなかったね!私はメリッサ。メリッサ・シールドよ!』

 

シールドって…

 

『もしかして、デヴィッド・シールドの…』

 

『デヴィッド・シールドは私のパパよ!』

 

なるほど、期せずして大物との接点持っちゃったわけね。

 

『そうか。こっちも自己紹介しとく。俺はみんなと同じ雄英高校1年A組 破竜真人だ。んで、こっちが…』

 

『同じく1年A組 轟焦凍だ。』

 

『宜しくね!2人ともなんて呼べばいいかな?』

 

『破竜でいいよ。』『俺も轟でいい』

 

初対面だしな、このくらいがいいだろう。すると、緑谷が俺たちの今後の予定を確認してくる。

 

『僕達はこれからI・エキスポに行こうと思ってるんだけど、2人はどうする?』

 

『俺はパスだ。用事があるからな』

 

『俺もだ。一応、親父の代理できてるわけだからあっちには連絡しとかないといけない。』

 

『そうか…。2人とも夜のレセプションパーティには参加するだろう?後で集合時間と場所を連絡しておくからな!時間厳守、遅れないように!』

 

『了解だ。』『わかった。』

 

そういって緑谷や耳郎達6人は移動し、俺達はまた2人だけになってしまう。すると俺の携帯に連絡が入ってきた。

 

 

prrrrrrr

 

 

『もしもし?』

 

『あぁ、先程の警備員だけどね。レイン先生がさっき戻ってきたんだ。レセプションパーティに参加するまでの間ならいるらしいからまた来てくれと言っていた。伝えたからな』

 

そう言って電話を切る。

 

『会いたい人が戻ってきたのか?』

 

『みたいだな…、悪いがここで。』

 

『あぁ、後で会場でな』

 

 

 

 

俺は再度 I・アイランドアカデミーに来ていた。

 

 

 

 

『すみません。破竜真人と言います。レイン・バークレストという方に会いに来ました。』

 

『あぁ、聞いている。レイン先生なら4Fにある研究室Rにいるよ。エレベータを降りて左に進んでいけば着くから。』

 

『ありがとうございます。』

 

俺は指定された廊下を目的の人物がいる部屋まで歩いて行く。俺の両親のことを僅かながらに知っている人物か…。

 

『研究室R……ここか。破竜真人です。入りますよ』

 

俺は一言断ってから扉を開けると、そこには30代後半くらい、椅子に座っていてもわかる高身長の金髪男性が俺を見据えていた。

 

『俺が送った手紙を持っているか?』

 

俺はカバンからそれを取り出す。

 

『これでいいのか?』

 

そう言うとその男はニコリと笑って椅子から立ち上がる。

 

『間違いないよ。本当にイッシンとカナメにそっくりだ…。初めまして、破竜真人君。俺が手紙の主さ。レイン・バークレスト。このアカデミーでサポートアイテムの研究者として働いている。俺の事は気軽にレインと呼んでくれ。』

 

レインさんは感動しているのか目頭を押さえる。だが、俺にとっちゃそんなことはどうでもいい。

 

『いきなりで悪いが俺に()()()()の事を教えてくれ。それとレインさんは()()()()とどんな関係性なんだ?』

 

『…………座りなさい。コーヒーでも飲みながら話そうじゃないか。』

 

『別に立ったままで構いませんが?』

 

『………………………』

 

『はぁ…、わかった。』

 

ソファーに座って俺は向かいに座るレインさんを見つめる。体つきは普通。手のタコと少し猫背気味な所を見る限り、研究者か?

 

『そうやって俺を観察する所はイッシンに。』

 

『はぁ?』

 

『口が悪い所はカナメに似ているのかな?』

 

『…………いきなりなんのつもりだ?』

 

俺はほんの少し殺気をぶつける。

 

『知りたいんだろう?あの2人の事を。まぁ、まずは俺との関係性だ。俺は20年くらい前だったかな…、雄英高校のサポート科に少しだけいたことがある。』

 

『サポート科に…?』

 

『そう、No.1ヒーローであるオールマイト。No.2ヒーローのエンデヴァー。その他の有力なヒーロー達を輩出した学校が気になって気になってしょうがなくてね。半年ほど在籍していた時に仲良くなったのが…』

 

『俺の両親って事か?』

 

『そう言う事。その後も多少の付き合いはあったけどね』

 

つまり、この人のメインは学生時代が主にって事か。すると、俺の背中にある愛刀を見てニヤリと笑う。

 

『その木刀…君が受け継いでいたんだね?』

 

『受け継いだわけじゃやい。勝手に使ってるだけだ』

 

『そうなのかい?一応伝えておくけど、君が使ってる木刀。それは僕が日本で作った唯一の作品でね。日本由来の材質のいい木を機械の力で合成して作った世界に一本しかない貴重な物だ。刀のように切れたりはしないが、逆に相手の刃を通さない優れ物だ』

 

『おかしい話だな。ここにくるまでアナタのことを周りの人が話しているのを聞いたけど随分と慕われていて、偉い人間であるように感じた。そんな人の唯一の作品がこの I・エキスポに展示されてないのは不自然だと思うんですが?』

 

『この木刀はイッシンが困っていたから作成したものにすぎない。君は知らないだろうけど、彼は個性の力が強くてね。トランスして戦っても威力が強くて人を殺しかける事もあった。だから、通常通りでも戦闘できるようにこれを作成してあげたってわけさ。』

 

あの野郎も俺と同じだったとでというのか…?個性を制御できずに周りを傷つける。

 

『ハッ…蛙の子は蛙ってか。』

 

『どうしたんだい?』

 

『別に…』

 

『ついでだ。母親のカナメについても話しておこう。彼女は率直に言うと口は悪いし、目つきも悪い。スタイルも含めて女性らしさは皆無と言っていいだろうね。』

 

酷い言い草だ。仮に本人が聞いてたらブチギレるんじゃないか?

 

『ただ、一度決めた事は何がなんでもやり遂げようとする意志の強さを持っていた。そういう意味ではオールマイトにも匹敵するものを持っていただろうね。』

 

『……………………………………』

 

『だからこそ、彼らが死んだニュースを知った時は驚いたものさ。いずれヒーローランキングTOP10は確実視されていた無名のヒーロー。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

俺はある矛盾点に気づく。

 

『ちょっと待てよ…。それってどう言う事だ…?』

 

『なに?』

 

『俺の両親は()()()()()()()()()()()()()()()()んじゃ…』

 

『!!』

 

レインさんはあからさまにやってしまったと言う顔をするが、それは答えを言っているようなものだった。

 

『おい!どう言う事だ!?教えろ!』

 

『……………詳しい事は言えない。』

 

『ふざけるな!なんのためにこんなところまで来たと思っている!俺の知りたいのはそれだ!』

 

『知ってどうする?』

 

そう言ったレインの目は嘘をつく事は決して許さないと語る強い目だった。

 

(ヴィラン)連合の中に俺が両親のことを知らないことを不憫だと言った奴がいた。そして俺の両親についてなぜか知っている(ヴィラン)がいる。あの2人の過去を知る事でそいつに繋がるヒントがあると踏んだだけだ。』

 

()()()()()()()()()()とは思わなかったのか?()()()()()()()()()()()()()の行動だというのか?』

 

『だったらなんだ?』

 

『ここまで来てもらって大変申し訳ないが、今の君には教えたくないな。』

 

『んだと…?』

 

『君はあの2人のことを誤解している。確かに不器用なところがあったとは思うけど、それでも…』

 

『……もういい。』

 

俺は立ち上がる。

 

『待て!まだ話は終わって』

 

『説教なんか聞きたくねぇな。今更死んだあの2人のことを知ろうとしたのは今を生きる人達に()()()()()()()()()()()()()()だ。あの2人が()()()()()()()()かなんて知りたいわけじゃない。貴重な時間を頂いて、ありがとうございました。』

 

そう言って俺は退出する。

 

『違うんだ破竜君…。あの2人は君の事を想って…『レイン・バークレストだな?』』

 

『!?』

 

誰だ!いつの間に!?

 

『悪いが、一緒に来てもらうぞ?』

 

 

 

ドゴォン!

 

 

 

ドサッ……

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

アカデミーから出た俺は携帯を確認する。そこには飯田から18:30に集合!の連絡が来ていた。

 

『パーティーまで時間がねぇな。急ごう。』

 

俺はホテルまで走りながら、黒霧の発言、レインさんと話した事を思い出していた。

 

・両親の死因は災害ではなく、殺害

・彼という存在

・資料の情報操作

 

これらを点を一つの線で繋げるとある一つの仮説が思い浮かんできた。

 

『黒霧が言った彼という存在が俺の両親を殺した張本人である可能性が高い事。そしてヒーロー組織はなぜかその情報を操作した事だな。これが知れただけでもいい成果だ。』

 

明日には帰ろう。もうここにいる用事はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていた俺に悪意は容赦なく襲いかかる。

痛みと悲しみを引き連れてきて…。

 

 

 

 

 

 

 





あとがきです。


ここまで書いて映画の前半に満たないってどんだけ話が進まないのって思う方いるかも知れません…。

ただ、ここで出した設定とかは本編でも大事になる内容なので優しい心で見てくれると嬉しいです…。

2人ほどオリジナルキャラクターが出たので軽くご紹介しておきます!

オリジナル登場人物




1.鳴瀬響也(なるせ きょうや)

破竜と I・アイランド内でぶつかった同い年の少年。銀髪の長身が特徴的だが、初見では完全に女の子にしか見えない。日本人の名前だが生まれも育ちもアメリカなのでほぼアメリカ人。何か影がある雰囲気がある様子だが…。

個性:???




2.レイン・バークレスト

破竜に I・アイランドへの招待状を送ってきた欧米人の男性。I・アイランドアカデミーの研究者で雄英高校のサポート科に在籍していた過去を持つ。破竜の両親とはその時から知り合いで破竜親子が2代に渡って使用する木刀は彼の世界で唯一の作品。破竜に対しては何か思うところがあるようで…。







皆様、いつもお気に入りや評価、感想等、本当にありがとうございます!面白ければ本作のお気に入りや評価、感想、お待ちしております!






次回予告




『ウチ…こういうのあんまり似合ってない…。』

『このタワーがヴィランに占拠された』

『破竜!お前も先に行け!何か嫌な予感がする!』





『お前も130Fに向かえ。逃すんじゃないぞ?』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア





『THE MOVIE 2人の英雄 中編!』





『そこを退け…退かないなら容赦しねぇ!』








更に向こうへ!Plus ultra!!!
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