半人半竜のヒーローアカデミア 作:十希
はじめに
皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!
悲しい事に頭が上手く働かず、できるまで時間がかかりすぎました。なぜこんなに頭が痛いのか…
お気に入り及び評価してくれた下記の方
黒鉄 零 rse72648 雪@らっぴー 衛じ ヒロ改 怒楳の大罪
誠にありがとうございます!
それでは本編をお楽しみ下さい!
レインさんと別れた後、俺はホテルに戻って急いで正装に着替える。とは言ってもいつものヒーローコスチュームに似た黒い服装だが…。
『……そういえば、あの人もレセプションパーティーに来るんだった。なんか気まずいが…まぁいいや。』
俺が時計を確認すると針は18:25を指していた。
『あ…やっば!!! 飯田にキレられる!』
俺はホテルを飛び出し、パーティー会場まで全力疾走していると目の前に今日知り合ったばかりの人を発見する。
『あれ…? 鳴瀬!』
『………破竜か?』
俺は立ち止まって鳴瀬の隣を歩く。
『どこに行くんだ?』
『俺はレセプションパーティーに参加するからな。そういうお前こそどこに行くんだ?』
『実は俺もレセプションパーティーの会場に向かってるんだ。良かったら一緒に行かないか?』
すると鳴瀬は驚いた表情で俺を見る。
『…………せっかくの誘いで悪いが、俺は別件があるから遅れていく。だから悪いな。』
『そっか。じゃあ、会場でまた会おう』
そう言って駆け出そうとした俺の手を鳴瀬は引き止める。
『……ん?どうしたんだ?』
『今日知り合った
『はぁ?なんで?』
『……詳しい事は言えない。』
『悪いけど今更ドタキャンするのも悪いし、友達も待ってるからな。』
『……そうか。なら、また後でな。』
そう言った鳴瀬に違和感を持ちながらも俺は待ち合わせ時間をこれ以上オーバーするわけにもいかないと思い、再び全力疾走する。だからこそ気づかなかった。
『お前もレセプションパーティに誘われてたのか…。残念だ、せっかくできた友達を俺はまた失う事になるなんてな…』
鳴瀬が呟いた不穏な言葉を…。
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5分ほど全力疾走した俺は多少、息を切らしながらもなんとか待ち合わせ場所であるセントラルタワー1Fに到着した。そこには鬼の形相でこちらを睨む飯田の姿が…
『はぁ…はぁ…、ごめん遅くなった!』
『珍しいな?破竜が遅刻するなんて…。』
轟がフォローしてくれると、飯田の鬼の形相がどんどん収まっていく。
『そういわれればそうだ。君は普段、しっかり時間を守ってる印象があるからな。何かあったのか?』
『………いや?特になんも。』
鳴瀬の事が気になって遅くなったとか言えん。周りには参加予定者の飯田と轟以外の部外者が2人いた。
『あれ…なんでお前らいるの?』
視線の先にはバイトでこちらに来ていたはずの上鳴と峰田の姿が…服装も正装というよりはバイト服だ。
『実はな…、俺達メリッサさんに誘われちゃったんだよ!』
『オイラにもついに春が来たんだ…』
『そうなの?』
飯田に事実確認すると
『誘われたと言うよりもメリッサさんの好意で余ってたチケットを貰ったという方が正しい。』
『在庫処分か』
『『 ぐはッ!!!! 』』
轟の悪気ない一言で2人は撃沈する。
『なるほどな…とりあえずはよかったじゃんか。著名人も多いだろうから女性に好まれる礼儀作法学べる良いチャンスだぞ?』
『『お前は俺たちのことなんだと思ってるんだ!』』
いつも通りエントランスでわいわいと騒いでいると、ゲートが開いて緑谷が走ってくる。
『ごめん!遅くなっちゃって…あれ麗日さんや八百万さん達は?』
『まだ来てない。緑谷君だけではなく破竜君も遅刻してくるし、団体行動を何だと思っているんだ!』
『悪かったって、次は気をつけるよ。』
そう言っていると、再度エントランスのドアが開いてドレス姿の麗日達が入ってきた。
『ごめん、遅刻してもうた〜』
『『おお~っ!!』』
『申し訳ございません。耳郎さんが…』
『『オーイエスイエス!!』』
麗日と八百万のドレス姿を見た上鳴と峰田はテンションが上がっていた。あれ…耳郎は…?
『ほら、耳郎さんも前に出てきて下さい』
『ウチ…こういうのあんまり似合ってない…。』
そう言って八百万の背中からおずおずと出てきた耳郎を見て俺は息を呑む。黒がベースながらもスカート部分がピンクで可愛らしく、赤色の靴が大人っぽさを演出しており、何よりも普段下ろしているサイドの髪を片方だけ後ろに纏めており、なんというか…こう…
『
『女の殺し屋みてえ』
スッとイヤホンジャックが2人に襲いかかる。
『黙れ』
『何だよぉ…俺褒めたじゃんか』
『褒めてない。 やっぱり似合ってないかな…』
『………破竜さんはどう思いますか?』
え…俺ッ!? 耳郎を見るとスカートの袖を掴みながら『ど、どうかな…?』と俺を上目遣いで見てきた。
『…あの…その……凄く綺麗で可愛い。情けないけど、見惚れちゃった。』
『へ、変な事言わないでよ…綺麗とか可愛いとかウチには似合わないし…。』
『俺、思った事しか言わないよ。本当に似合ってる。だから自信持って』
『そ、そっか…// ありがとう破竜。アンタもその服装、凄く似合ってるよ。』
俺と耳郎はお互いに赤くなりながらも褒め合うと八百万はニコニコした笑顔で上鳴と峰田に振り向き、
『お2人とも?あれが女性に対する正しい褒め方と対応です。破竜さんからは学ぶ事が多そうですね。』
『『うぐっ…』』
すると、エントランスのドアがまた開き、正装に着替えたメリッサさんがやってきた。
『オホー!!!』
『デクくん達、まだここにいたの?もうパーティー始まっちゃってるわよ!』
『真打登場だぜ』
『ヤベェよぉ峰田…俺どうにかなっちまうよ…どうしよう…』
『『 どうにでもなれ 』』
俺と耳郎が上鳴にツッコんでいると、視界の端で電話をかける飯田が見えた。恐らく俺達同様に誘ったであろう爆豪と切島へ電話しているんだろうな。
『……駄目だ。爆豪くん、切島くんのどちらの携帯にも応答がない』
『うーん…爆豪はともかくとして切島まで電話に出ないのは気になるな。もう少し待つか?』
『でも、それじゃレセプションパーティーが終わってしまいますわ。』
全員であーでもないこーでもないと話し合っていると突然、セントラルタワー内に警報が鳴り響く。
『I・アイランド管理システムよりお知らせします。警備システムによりI・エキスポエリアに爆発物が仕掛けられたという情報有。I・アイランドは現時刻をもって厳重警戒モードに移行します』
『は?』
『今から10分以降の外出者は警告なく身柄を拘束されます。また主要施設は警備システムによって強制的に封鎖されます。繰り返します』
そうアナウンスが流れ、さっきまで出入りしていたはずのエントランス部分にシャッターが降り、俺達は閉じ込められてしまった。
『チッ!電話は…』
携帯を見ると見事に圏外。
『情報関係は全て遮断されちまってる。携帯も圏外で使い物にならねぇ』
『マジかよ…』
『エレベーターも反応ないよ』
『爆発物が設置されただけで警備システムが厳戒モードになるなんて…』
俺が気になるのはそこだ。爆発物を軽く見るわけではないが、いくらなんでも警備システムが厳しすぎる。
『メリッサさん、少し聞きたい事があるんだがいいか?わからないならわからないで構わない。』
『えぇ。』
『このセキュリティーシステムはどんな風に管理しているんだ?どこかマスタールームのようなところで一括管理してるとか…』
『あなたの言う通りよ。ここのセキュリティーは最上階のある部屋で一括管理されてるけど…それがどうかしたの?』
『いや…なんでもない。』
もしだ…もし仮に…そこが乗っ取られていたら?このセントラルタワーは
『飯田くん、破竜くん、パーティー会場に行こう』
『何故だい?』
『…なんか理由があるんだな?』
『会場にはオールマイトが来てるんだ』
緑谷の言葉に皆が安心した様子を見せるが俺はその逆。全くもって安心できない。
『なんだぁ〜、それなら安心だ』
『メリッサさん。どうにかパーティー会場まで行けませんか』
『非常階段を使えば会場の近くに行けると思うけど…』
『案内をお願いします』
『全員待て』
『破竜?』
歩き出そうとする全員を俺は一旦引き止める。
『オールマイト先生がいると思って油断するな。不安を助長させる事をあえて言うが、俺の考えを正直に言うぞ?今この段階で警報が解除されていない事を考えれば、恐らく会場にいるプロヒーロー達は誰も身動きが取れない状況にあると想像できる。』
『『『『 !? 』』』』
『考えすぎならそれでも良い。だが、近くに敵がいるかもしれない。慎重に進んでいこう。』
全員コクリと頷き、パーティー会場まで移動する。
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パーティー会場近くに到着すると俺と緑谷と耳郎の3人が先行して様子を見に行く事になった。そこには拘束されたプロヒーローと一般の人達がいた。
『うそ…』
『そんな…』
『悪い予感ほどあたるもんだな…』
俺が嘆いている間に緑谷と耳郎が動き出す。オールマイトだけに合図を出し、耳郎のイヤホンジャックで状況を聞き取る。
『! 大変だよ…破竜、緑谷!このタワーがヴィランに占拠されたって…。』
『チッ…』
『一旦、みんなに伝えよう!』
緑谷と耳郎はみんなのいる場所まで戻るが、俺はパーティー会場を見渡す。
『レインさんがいない…? それに鳴瀬も…。』
2人ともパーティーには参加したはず…。
『破竜くん!早く!』
『っ!悪い、すぐ行く!』
緑谷から促され、俺もみんなのところに戻る。
『オールマイトからメッセージは受け取った。俺は雄英高教師であるオールマイトの言葉に従い、ここから脱出することを提案する』
『飯田さんの意見に賛同しますわ。私達はまだ学生…ヒーロー免許もないのに敵と戦うわけには…』
『…なら脱出して外にいるヒーローに…』
『それは無理だ。ここのセキュリティーシステムはあの≪タルタロス≫相当のものを兼ね備えている。逃げようとしても全員捕まってゲームオーバーだ。』
『じゃあ、助けが来るまで大人しく待つしか…』
そう言って俯いてしまった上鳴に声を掛ける。
『『上鳴』』
『それでいいのか?』『それでいいの?』
示し合わせたわけじゃないのに、俺と耳郎の声が重なる。俺らは一瞬驚くが、お互いを見て笑い合う。
『2人とも話を聞いていたのか!? オールマイト先生は逃げろと仰ったんだぞ!?』
『ここから逃げるのは困難だ。いつ来るかわからない助けを待つよりも動いたほうが賢明だ。』
『ウチも破竜に賛成。ここで黙ってたって状況は好転しないから。』
俺と耳郎の意見を聞いても飯田と峰田は食い下がってくる。
『しかしッ!』
『オールマイトまで
『だが、俺らはヒーロー目指してる』
『ですから私達はまだヒーロー活動を…』
『だからって何もしないでいいのか』
轟が決意を持った目で告げる。
『そっ、それは…』
『助けたい…助けに行きたい』
緑谷が呟く。
『
『違うよ峰田くん!僕は考えてるんだ。
『気持ちは分かるけどそんな都合のいいこと…』
『それでも探したいんだ。今の僕達にできる最善の方法を探して皆を助けに行きたい』
『方法ならある。』
そう言った俺を全員が見る。
『どうやって?』
『さっきメリッサさんが言ってただろ?警備システムは最上階で管理してるって。なら、そこでシステムの再変更をすれば良い』
『でも…私達にそれができるんですか?』
八百万の疑問は最もだが、メリッサさんがそれについての解決策を話し出す。
『
『監視を逃れるってどうやって?』
『現時点で私達に実害はないわ。
少しずつ希望が見えてきた。
『戦いを回避してシステムを元に戻す。』
『それなら私達でも…』
『いけんじゃね?』
『だよね!』
『しかし最上階には
『警備システムさえ戻せれば、それで俺達の勝ちだ。わざわざ戦闘する必要性はない。』
『そうすれば人質やオールマイト達が解放される。そうなれば状況は一気に逆転する!』
『デク君行こう!私達にできることがあるのに何もしないでいるのは嫌だ!そんなのヒーローになるならない以前の問題だと思う!』
『うん!困っている人達を助けよう!人として当たり前のことをしよう!』
緑谷と麗日が警備システムの奪還を決意する!
『緑谷、俺も行く』
『轟くん!』
『これ以上、無理だと判断したら引き返す。その条件が飲めるなら…俺も行こう』
『飯田くん!』
『そういうことであれば私も』
『よっしゃ!なら俺も!』
『八百万さん!』
『上鳴くん!』
『あーもう分かったよ!行けばいいんだろ行けば!!』
峰田が泣きながらではあるが覚悟を決める。
そんな峰田の肩に俺は手を置く。
『凄えかっけぇじゃん。行こうぜ?』
『破竜……』
『ありがとう峰田くん!!』
『いっちょやってやろうぜ!峰田!』
『がんばろう峰田くん!』
『最後は破竜くんと耳郎さんだけだよ?』
緑谷は俺と耳郎にも決意表明して欲しいみたいだ。柄じゃねぇんだがなぁ…。
『ったく…。耳郎、いけるよな?』
『ばーか、誰に向かって言ってんの。いけるに決まってるじゃん!』
『フッ…、勿論だが俺も行く。それがヒーローってもんだろ?』
そんな中、緑谷がメリッサさんに話しかける。
『メリッサさんはここで待っていてください』
『私も行くわ』
『えっ…でもメリッサさんには個性が…』
『この中に警備システムの設定変更ができる人いる?』
残念だけど、誰もいねぇなぁ…。
『私はアカデミーの学生、役に立てると思う』
『でも…』
『緑谷、一緒に行こう。単独行動させる方が危ない。それにもしものときは俺たちが守れば良い。』
『最上階に行くまでは足手纏いにしかならないけど…私にも皆を守らせて!お願い!』
『分かりました。行きましょう。皆を救けに!』
『ええ!』
俺達は最上階のセキュリティーシステムを奪還する為に行動を開始する!
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決意を新たにした俺達は最上階にある部屋までひたすら階段を駆け上がっていた。
『ふぅ…メリッサさん、最上階は何階にあるんだ?』
『ハァ…ハァ…200階よ!』
『『『 マジか!? 』』』
今は40Fにいるから、あとこれを5回繰り返さないといけないのか。キツイが俺達の現状を考えればこれが最適だ!
『敵に会うよりはマシだ!行くぞ!』
俺は全員に檄を飛ばして再度階段を駆け上がる。初めは竜変身して体力的にキツイメンバーを背負う方向で考えたが、どんな行動で敵側に動きがバレるかわからない以上、迂闊に個性を使うわけにもいかない。
俺達は弱音を吐きながらも何とか階段を上り続け、ようやく80階にたどり着くが上階へのシャッターが閉じてしまっていた。
『どうする壊すか?』
『そんなことをしたら警備システムが反応して
『なら…ハァ…こっちから行けばいいんじゃねえの?』
息を切らした峰田が80Fのドアの手を掛ける。
『峰田くん!』
『開けちゃダメ!』
緑谷とメリッサさんが制止するが、一足遅く峰田は扉を開いてしまう。
『な、なんだよ!?』
『まずい…全員走れ!』
いくら敵が操作に慣れてないとは言っても各階の隔壁を下ろすことくらいはできるはずだ…。すると、目の前のシャッターが一枚一枚閉まっていく!
『シャッターが…』
『後ろもですわ』
『轟くん!』『轟頼む!』
『ああ!』
飯田と俺の声に反応した轟は一番近くのシャッターを氷結させ、その隙に飯田がエンジンの個性で扉をぶち破る!
『この中を突っ切ろう!』
飯田が蹴破ったドアの中には植物が生い茂る不思議な空間が広がっていた。
『ここは?』
『植物プラントよ。個性の影響を受けた植物を研究しているわ…』
『待って!あれ見て!』
視線の先にあるエレベーターがここに向かって上がってきている。チッ、敵の対応が早すぎる!
『エレベーターが上がってきてる』
『敵が追ってきたんじゃ…』
『隠れてやり過ごそう』
俺達は素早く近くの茂みに隠れて様子を伺う。
『あのエレベーターを使って最上階までいけねえかな』
『無理よ。エレベーターは認証を受けてる人しか操作できないし、シェルター並みに頑丈に作られているから破壊もできない』
『使わせろよ文明の利器!』
エレベーターが80Fに止まり、中から2人の男が出てきた。アイツらは会場にいた敵か!
『こっちに来る…』
『……ッ』
『耳郎…?』
よく見ると耳郎は震えていた。やっばり怖いよな…。俺は耳郎の手を握りしめて落ち着かせる。
『は、破竜…』
『しっ、落ち着け。大丈夫だ。』
『あ…うん…、ふぅー、ありがと。』
良かった。落ち着いたみたいだと
安心したのも束の間。
『見つけたぞ、ガキども!』
敵の声がプラント内に響くが、そこにいたのは集合場所に現れなかった爆豪と切島だった。なんでこんなところに!?
『あぁ"!? なんだテメェらは?』
『ここで何してる?』
『んなもんこっちが聞きてぇわ!』
『まぁまぁ、落ち着けって。あの…俺ら道に迷っちゃって、レセプション会場ってどこにいけば〜』
『なんで道に迷って80Fまで来るんだよぉ…』
『爆豪…お前がいるはずなのに、なんで迷う…』
『見え透いた嘘ついてんじゃねぇぞ!』
やべぇ!俺はウィンドのジーンの力を引き出して高速で切島と敵の間に入り込もうとするが、それよりも前に轟の氷結が2人を救う!
『この個性は…』
『轟!?』
なんとか無事か。ん…? 氷が砕けて…!!
『チッ、ここは俺達に任せろ。お前らは上に行く道を探せ!こいつらを片付けたらすぐに追いかける!』
轟は俺を除く全員を氷結で上に行かせて先行させる。なるほど、俺達は足止め役ってわけか!すると、敵の1人が俺に向かって襲ってくる!
『舐めてんじゃねぇぞクソガキ!』
『どっちが!このクソヴィランが!』
ガタイがデカい敵の攻撃を避けて、俺はそいつの顔面に前蹴りを喰らわせて後退させる。
『ぐぁ!テメェ…!!』
『………………………』
俺は構えを解かずに相手を見据える。パワージーンを使ってないとはいえ、俺の蹴り喰らってほぼ無傷か。随分とタフな野郎だけど、俺達4人で戦えば勝てる!
『俺と轟でそのトカゲ野郎を殺る!爆豪に切島!そいつ任せてもいいか!?』
『おうよ!任せろ!』
『俺に命令すんな!』
そう言うと2人はあのデカブツと戦闘を開始する!
『轟…行くぞ!』『あぁ!』
『舐めんじゃねぇよ!』
轟は氷結を繰り出して相手に先制攻撃を仕掛けるが、相手の腕に触れた瞬間、氷結が砕け散る!
『キッシャァァァァァ!!』
トカゲ野郎が手を向けた先の空間で衝撃が発生する!コイツ…
『このトカゲ野郎、空間を抉ってやがる!』
『破竜、どうする?』
『そのまま距離を保て!隙なら俺が作ってやるさ』
そう言うと俺はパワージーンの力を10倍まで引き出して、肩と足をプラプラさせながらフットワークを開始する。
『ふっ、ふっ、ふっ…』
『なんだそりゃ?』
力を抜け…、集中力を高めろ…。
『……っし!来い!』
『舐めんな!!クソガキガァ!』
トカゲ野郎は怒り狂って俺に向かって空間を抉る個性を使用してくる。
『そらそらそらそらそら!!!!』
『俺相手にそんなん当たるか!』
俺は斜線上からスピードと左右のフットワークを生かして躱していくが、次第に壁に追い込まれていく。
『はぁっ!死ねェ!!』
『破竜!』
『……バカが!』
ブンッ
俺は一瞬だけ20倍に引き上げた速度でその場に残像を残す!
『……!?』
『いまだ轟!』
『ッ、フゥゥゥゥ!!!』
轟の爆炎が相手に襲いかかり、黒焦げにしてしまう。死んでねぇよな?コイツ。
轟はすかさず氷結で相手を拘束する。
ふぅ…、なんとかなったか。爆豪達に視線を向けると爆豪の必殺技『
『おい、お前らの目的はなんだ?』
『…………………………』
『答えろ!』
『よせ、轟。このトカゲ野郎は話す気がない。さっさとみんなを追おう。』
俺達が背を向けるとトカゲ野郎はケケケと笑いだす。
『何がおかしい?』
『随分と甘ちゃんなんだと思ってな?俺達は負けちまったが、アイツがいるうちは問題ねぇさ。上の奴らが死んでない事を願うね。』
アイツ…?
『何者だ?そいつは。』
『答えてやると思うのか?』
『そうか…なら寝てろ!』
DOGOOOOM!!!
俺は無防備なそいつの顔面に拳をめり込ませて完全に気絶させる。
『オーバーキルじゃないか?』
『答えねぇコイツが悪い。』
『そうか…、そうだな。』
そう結論付けた俺達は切島と爆豪の所へ向かう。
『爆豪、切島、大丈夫か?』
『おう!吹っ飛ばされたけど問題ないぜ!』
『ケッ!この程度でどうにかなるわけねぇだろ』
2人とも問題なさそうだな。
『よし、緑谷達を追うぞ』
『俺に命令すんな!』
『ところで破竜に轟、一体何が起こって…』
『待てッ!』
そう言いかけた切島を制止すると、目の前にセキュリティーロボの大群が現れる。
『俺達を向かわせない気か…』
『破竜!お前は先に行け!何か嫌な予感がする!』
『な…いくらなんでもお前ら3人だけじゃ…』
そう言いかけた俺の胸ぐらを爆豪が掴む!
『うっせぇぞドラゴン野郎!この俺がいるんだよ!こんなクソロボット共速攻でケリつけてやるわ!』
『俺達に任せろって!』
『破竜、俺達を信じろ』
『……わかった。早く追いついてこいよ?』
『あぁ。破竜、敵も馬鹿じゃねぇ。さっきの戦いでお前の実力は相手にバレたはずだ。お前を野放しにさせずに必ず刺客を送り込んでくるはずだ。先行している、みんなの事を頼んだ。』
『任せろ!』
3人をその場に置いて、俺はドラゴンに竜変身して一足先に梯子を使って上を突き進んでいるメンバー達を追いかける!
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パーティー会場
『ボス!アイツらはただのガキじゃありません!雄英高校ヒーロー科、ヒーロー予備軍です!』
『なるほど、だからあれだけ統率された動きができるのかクソガキ共め。80Fに送ったアイツらを撃破して、130Fのセキュリティーロボ達も突破したみたいだな。先行している奴らの動きを見る限り、聴覚の鋭い個性持ちが1人。そして、そいつらを追っているガキ。あの中では実力が飛び抜けてるな。』
聴覚の鋭い個性は耳郎少女…、飛び抜けた実力者は…破竜少年の事か…!
『おい、お前はサーバールームがある138Fに向かえ。逃すんじゃないぞ?お前の個性なら聴覚の鋭い奴も実力者のガキも問題ねぇはずだ。任せたぞ?』
ボスがフードを被った人物に話しかける。
『わかっている……。』
そういうとフードを被った人物はスタスタと歩いてエレベーターまで向かう。
『オールマイト…残念だが、奴らもここで終わりだ。…サウンドが向かったからな。』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『くそ…あいつらかなり先行してるな!』
俺はアイツらが通ったであろう道を走り、130Fまで来ていた。
『これは…上鳴の放電の跡か?これだとアイツ、アホになってるんじゃ…。』
セキュリティーロボ達は俺を認識できないのか素通りで通らせてくれる。更に上に行ける階段を見つけたので俺は速攻で駆け上がって行く。
『今で138Fか…、そろそろ追いついてもおかしくないはずなんだが…。
すると、奥の方に開けた道が見えてきたが…次に聞こえたのは先行したアイツらの悲鳴だった。
耳郎side
『ぐわぁぁぁ!!!!!』
『なんだよ!コイツ!』
『うぇ〜い……』
『すみません…みなさん…』
『なんなの?コイツの個性…』
『ぺっ……、そこのエンジン男はまぁまぁやるが…、お前ら弱いな?それでもヒーロー候補生か?さてと、先に向かったアイツらを始末してくるか』
ウチらはエレベーターからいきなり現れた敵に瞬く間に制圧されてしまっていた。コイツを緑谷や麗日、メリッサさんの元に行かせるわけには行かない!
『行かせない…!』
『やめておけ、お前じゃ俺には勝てない』
耳郎はイヤホンジャックを伸ばしてプラグを突き刺そうとするが、敵はそれを紙一重で躱していく。
『くそっ…!当たりさえすれば……』
『なら、当ててみることだ。意味はないがな』
『くっ…舐めんなぁ!』
無防備なコイツにイヤホンジャックを突き刺し、爆音を流すが…
『…………………これで終わりか?』
『なんで…………何も効いて…』
ドゴォン!
『がっは……』
『耳郎くん…!』
『耳郎さん…!』
飯田とヤオモモがウチの名前を呼ぶけど、ごめん…、痛すぎて返事できない…。
『ハァ…あまり手間をかけさせないでくれ。』
そう言って緑谷達が行った方向にそいつは歩き出すが…
ガシッ!!
『い…いかせない…から』
『そうか…なら、死ね…』
そいつが腕を振り下ろそうとした瞬間、
『何してんだテメェ…!!!!』
破竜side
俺はパワージーンの力で相手を蹴り飛ばして耳郎を救い出す!
『グッ!お前は…!』
『は…はりゅ…う?』
『耳郎…すまねえ。遅くなっちまった。』
俺は耳郎を抱き抱えながら一時離脱すると、耳郎は苦虫を噛み潰した表情で俺に謝ってきた。
『破竜…アイツ強くて…ウチじゃ全然歯が立たない…助けてもらってばっかで…ごめん』
『大丈夫。それに動けないみんなを守ってくれたんだろ?ありがとな…少し休んでて。
アイツとは俺がやる。』
そう言って耳郎を八百万の近くに寝させ、俺の上着を被せる。俺は周りを見渡すと飯田は全身傷だらけ、八百万と峰田に上鳴は個性の使い過ぎで体力低下、耳郎に至ってはドレスは破け、口や耳から血が流れているといった悲惨すぎる状況だった。
ギリッ…!!!!
俺はフードを被った敵と相対する。
『テメェ…許さねぇぞ…』
『………………なら来い』
『言われずともなぁ!!!』
『!?』
俺は地を蹴って相手に肉薄する!相手はフードを被っているから顔は見えねぇが、なぜか接近戦を嫌がっているようだった。
『は、破竜君!ここで無茶したら警備システムに異常が出るかもしれない!気をつけてくれ!』
『わかった!』
俺はそれを聞き、ジーンの力ではなく単純な格闘戦をする方向性に切り替える!
『………速い!』
『あまり舐めんじゃねぇ!』
俺は足払いをかけて体制を崩した相手の背中に膝をぶつけ、右足を振り抜いた蹴りを喰らわせて壁に思いっきり叩きつける!
『がっは…!』
『なっ…お前ッ………』
蹴りの勢いでフードが取れた敵は俺が今日、このI・アイランドで知り合った友人だった。
『なんでここにいるんだ…鳴瀬!』
『『『『 知り合いなのか!? 』』』』
『……………………………』
『黙ってんじゃねぇ…答えろ』
そう言っても鳴瀬は何も答えない。すぐさま立ち上がって俺を見据える。その瞳には俺どころか
『うるさい…うるさいッ!俺はウォルフラムの命令でお前らを殺す為にここにきた…!
…………最後のチャンスだ。
破竜、俺はお前を殺したくない。
お前はいい奴だから。
だから…そこを退け!退かないなら…容赦しない!』
そう言うと鳴瀬は再度構えて俺の目の前に対峙する。
『…………悪いな。俺も引く訳にはいかねぇんだ。鳴瀬、俺はここでお前を倒す。恨むなよ…!』
セントラルタワーの138Fで悲しき戦闘が開始される
あとがきです。
勘の良い皆様なら分かっていたかと思いますが、敵幹部の1人『サウンド』の正体は鳴瀬響也君です。バレすぎててサプライズ感もなんもないですね。
個性は次の話で説明します!
次こそは早く投稿できるように頑張りたいです…。
皆様、いつもお気に入りや評価、感想等、本当にありがとうございます!面白ければ本作のお気に入りや評価、感想、お待ちしております!
次回予告
『お前…なんのつもりだ?』
『この力でお前を倒す。いや…救って見せる!』
『お前に何がわかる…お前なんかに!』
『俺の手が届く場所にいる人位、助けてみせるさ。それが俺なりのヒーローの形なんだ』
次回!
半人半竜のヒーローアカデミア
『THE MOVIE 2人の英雄 後編』
『俺だって普通に生きてみたかった。』
更に向こうへ!Plus ultra!!!