半人半竜のヒーローアカデミア 作:十希
はじめに
皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!
実は会社の総務の人が病気になってしまった関係でなぜか私が総務の仕事を代行することになってしまい、執筆の時間が前よりも取れなくなってしまいました…。
なんてことだ……!!!
ただ、仕事が終わってからもなんとかやりますので、待ってる方はぜひ楽しみにしていただければと思います!!
お気に入り及び評価してくれた下記の方
セイヴァー 化け猫のドレッド raNNing 妖怪⭐一角 ゴルモア 双頭 yousoyokaze ガゼロク 匿名1
まともに投稿できてない期間にも関わらず、誠にありがとうございます!
それでは本編をお楽しみ下さい!
『いくぞ鳴瀬ッ!!!』
『やはり俺に向かってくるか…
なら容赦はしない!死ね破竜!』
俺はパワージーンを5倍まで引き出して鳴瀬に接近する!俺の右拳と鳴瀬の右拳が衝突し、その場に衝撃波が生まれる!
パァァァァァァン!!!
その威力はほぼ互角でお互い中央からほぼ動かずに拳を押し合っていた。
『互角か…』
『……余裕そうな表情しやがって!』
鳴瀬は逆の拳を振り上げるが
『あぁ…今のお前なら全く問題ねぇぞ!』
俺はその腕を絡め取って背負い投げの体制に持ち込み鳴瀬を地面に叩きつける!
『ぐはっ!』
『対応が遅ぇ!』
バギャッ!
サッカーボールキックの要領で鳴瀬を蹴り飛ばし、鳴瀬は床をゴロゴロと転がるが、すぐに体制を整える。
『クソがッ!』
『どこみてんだ!』
『!?』
体制を整えた鳴瀬に飛び込む形で俺は拳を地面に叩きつける!間一髪で避けるが…俺の拳の一撃で地面にはヒビが入っていた。
『この…化け物め…!』
『コイツを顔面に叩き込んでやる!』
そう宣言して俺は攻勢を仕掛ける。鳴瀬も集中力を総動員してなんとか躱していくが…
『だりゃあ!!』
ドガッ!
『ぐぁっ!』
顔面へのヒットをきっかけに流れるような動きで腹に重い一撃を叩き込む!
『つあッ!』
ドゴォッ!
『ごっぼ…くっ、舐めるなぁ!』
鳴瀬は殴られた痛みで地に伏せそうになるのを何とか堪えて反撃の蹴りを放つ!
『ぐっ…!』
グググ…、グ…。ピタッ。
『なッ!? 受け止めやがった!?』
『スゥ…うぉりゃああああ!!!』
ジャイアントスイングの要領で鳴瀬を投げ飛ばす!
『ハァ…ハァ…チッ!身体能力を増加させる個性だけならまだしも、格闘戦自体が上手い。このままだと俺が押し切られる…』
鳴瀬はそう毒づくが俺はそうは思わなかった。
『まともに個性使ってねぇくせによく言うぜ。この程度なら飯田は勿論、他のみんなで協力すれば倒せる。あんなにボロボロにされるわけがねぇ。』
『フンッ、別に手を抜いていたわけではないさ。お前の実力を知りたかっただけだ。だが、その程度なら問題ない。この
『残音?』
『こっからが本番だ。先に言うぞ?
一撃で終わってくれるなよ?』
そう宣言した瞬間、形容し難い痛みが俺を襲う!
ビギィィィィィン!!!!
『ッ!ぐぁぁぁぁ!!!!!』
『『『 破竜!!! 』』』
俺はあまりの痛みに膝をつく。なんだ今の…平衡感覚が狂わされるような異常な感覚……。
『お前の個性はよく知らないが、
『そ…そんな……ウチが足引っ張っちゃって…』
鳴瀬の個性を聞いて耳郎は驚愕する。
『………なるほどな。さっきのはお前が発した振動を直接俺に叩き込んだわけか。』
『物分かりがいいな。これなら、いくらお前が頑丈でも関係ない』
『……やってみなきゃわかんねぇぞ!』
俺は再度を地を蹴って鳴瀬にむかうが、先程と同じように音圧であっさり吹き飛ばされてしまう。
『ぐっ…は…。ゴホッゴホッ…!』
俺は無様に血を吐いてしまう。
『『『 破竜!! 』』』
『さっきからお前の内臓に直接ダメージを浸透させているから俺の攻撃は効くだろう?お前とこれ以上戦い合うのは本望じゃない。潔く死ね!
プロウスィヴサウンド!!!!!』
スッパァァァァァン!!!!!!!
その瞬間、周りに空気が破裂したような渇いた音が響き渡り、破竜は音もなく崩れ去ってしまう。
『は、破竜…?』
『破竜くん…?』
『破竜さん?』
『おい…起きろよ破竜…?』
みんなが話しかけるが、破竜からの反応はない。
『死んだか…?案外脆いもんだな』
ブチッ!!
『アンタ!!ぶっ殺してやる!!!』
憤怒の表情で耳郎は鳴瀬に襲いかかるが破竜同様、音圧をぶつけられてあっさりと吹き飛ばされてしまう。
『くっそ…ちくしょう!』
『耳郎さん!』
『耳郎くん!先行するな!』
飯田と八百万はなけなしの体力を使って、八百万は今にも鳴瀬を殺しに行こうとする耳郎を抑えつけ、飯田は2人の前に仁王立ちする形で鳴瀬と対峙する。
『ハァ…そのしつこさだけは認めてやる。安心しろ。すぐに後を追わせてやるから…『勝手に殺すんじゃねぇ……』何ッ!?』
声の主は先程までぴくりとも動かなかった破竜の姿だった。
『破竜!生きてたんだ!』
『一瞬気絶したけどな。それよりも鳴瀬どういうつもりだ?』
『なに…?』
『俺を殺すだの死ねだの言う割には攻撃する瞬間に殺意が弱まってる。さっきの必殺技だって本気で殺すつもりで放っていたら、死にはしないまでも俺はまだ気絶させられていたはずだ。』
全員が信じられない表情で俺達を見比べる。
『どうなんだ…鳴瀬』
『うるさい……』ボソッ
『え?』
『うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!』
まるで呪詛のように吐き出される鳴瀬の言葉に俺も含めた全員が言葉を失う。
『俺はこれしか知らないんだッ!認めてくれる方法を!何も知らないお前にッ…お前なんかに何がわかる!!!!』
『……何でそこまで……』
『……………………俺は』
鳴瀬は自分の生い立ちを語り出す。
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10年前
鳴瀬響也(6歳)
『ねぇ…どうして僕は目が見えなくなっちゃったの?怖いよ…』
『あなたの個性は特別なのよ?だから、気にしなくて良いわ』
『怖いとは思うけど、音でなんとなく周辺の感覚とかはわかるかい?』
『うんっ!なんとなくだけど周りの地形とか人の動きとかはわかるよ!』
『そうか〜!! 響也は凄いなぁ!!』
あの時の俺は突然目が見えなくなった恐怖で怖かった。だけど、個性のおかげで音を誰よりも敏感に感じることができたし、反響音でなんとなく周りは見えていたから問題なかった。
『みんな、今日から新しいお友達が来たわよ〜』
『な、なるせきょうやです…宜しく…』
『『『 よろしく〜!!! 』』』
親の事情で転校した海外の小学校でも初めは問題なかったけど…個性を使っていた時に事件は起こる。
『なるせくんってどうして目が見えないの?』
『個性のせいで見えなくなっちゃったんだ…でも、その代わりに音とかでほとんど普通の人と変わりなく見えてるよ!』
『え…?』
『いや…なんでもないよ…』
俺はそのまま職員室に向かった。何故かわからないけど、とてつもなく怖くなって…
『あ、あの……』
そこで俺は知ってしまった。人の悪意に。
『鳴瀬君は別枠にしたほうがいいんじゃない?』
『でも親御さんが許さないだろう?』
『他の生徒から気持ち悪いって聞こえてきて私どうすれば良いか…』
『1人のために、色々変えるわけにはいかないだろう?』
『なんであんな個性持ちが生まれちゃったのかしら…』
『厄介な子供ですね…』
『目が見えないって事は気を使う回数も多くなるわ。』
『反響音である程度わかるみたいですよ。だとしても、気持ち悪いことには変わりありませんが…』
『やはり、個性への理解が強い学校へ転校させるべきでは…。ここでは彼が可哀想です。』
『や、やだ…早くお父さんとお母さんの所に…帰りたい…!』
職員室を出た俺は家まで真っ直ぐ帰っていた。ただ、その途中に聞こえてくる
『た…ただいま…お父さん…?お母さん…?』
そんなありもしない希望に縋っていた俺に絶望が降りかかる。
『あの子は普通の学校ではダメよ。』
『そうだな…もっと個性を理解してくれる学校じゃないと』
『音を溜め込む個性。その副作用で目が見えなくなって周りの人からも気を遣われる日が増えたわ…』
『学校から連絡が来たよ…。響也を個性に理解がある日本の学校に移してはどうかって…』
『ハァ…なんで
『あんな子…?』
ねぇ…、どうしてそんな酷い言い方をするの?
僕だってこんな個性に生まれたくなかった…
みんなみたいに普通が良かった…
どうして僕だけが…
ねぇ…
お父さん、お母さん…
僕はいらない子なの?
『ハハハハハ!!スゲェ爆発音が聞こえたから来てみればなんだこりゃ?おい、お前がやったのか?ガキ』
『……………………………』
『おい、お前。俺の所に来い。』
『!?』
『周りは誰も認めてくれなかったんだろう?お前の力と強さを。俺なら認めてやれる。お前次第だ…、誰からも認められない世界を選ぶか、強さだけが全てを支配する世界か…。どっちがいい?』
『僕は…ううん、俺は…』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
自身の過去を語り終えた鳴瀬は先程同様に個性で身体能力を強化しつつ、俺に襲いかかってくる!だが、その顔は悲しみに覆われていたように感じた。
『お前みたいに個性も周りも恵まれたような奴に俺の気持ちはわからない!気味悪がられて!頼れる人も誰もいなくなった俺に唯一手を差し伸べてくれたのはウォルフラムだった!』
感情の乗った重い攻撃を受けつつ俺も思いの丈を伝える!
『唯一手を差し伸べてくれた人だったからってお前も
『そうだ!!あの人の期待に応える為に俺は生きている!殺すべき相手が友達だろうと俺はッ!』
『言ってる事とやってる事がちげぇんだよ!!だったら容赦なく俺を殺せ!それができねぇって事はお前にもまだ心の中に残るもんがあるんだろうがァ!』
俺は一瞬の隙をついて鳴瀬を蹴り飛ばす!鳴瀬は壁に叩きつけられながらもよろよろと起き上がって俺を見つめ、心の内を独白する。
『……なぁ破竜。俺だってお前みたいに普通に生きたかった。音を取り込む個性のせいで誰よりも音を…感情すら敏感に感じるようになった俺は何もかも失っちまった。周りも…目の光も…。』
目の光…まさか…!
『失明してんのか…お前』
『嘘だろ……』
『そんな状態で破竜を相手に…』
『信じられねぇ…』
鳴瀬の生い立ちや境遇、発現した個性による失明、周りの環境全てに人生を振り回されて
『俺だってもう引き返せないところまで来ている。その為に俺はお前達を殺す。』
その言葉を皮切りに鳴瀬の雰囲気が変わる。その殺意はステインまではいかないが、俺と飯田以外を萎縮させるには十分すぎるものだった。
『破竜くん…間違っているのは分かった上で俺の気持ちを正直に言う。あんなに不憫な彼を救ってあげたいと思うのは俺の傲慢なんだろうか…』
『………安心しろ。俺も同じ気持ちだ。』
そう言って俺は鳴瀬の前に立ち塞がる。
『さっきのような事はしない。必ずお前を殺す』
『鳴瀬、俺はこの力でお前を倒す。いや…救って見せる!』
『お前…なんのつもりだ?』
怪訝な顔で問いかける鳴瀬に俺は自身のヒーロー像を語る。
『俺は…俺の手が届く場所にいる人くらい…助けたい。俺の手はまだお前に届く。だから助ける。それが俺のヒーローとしての形なんだ』
これから使うこの形態は相手を倒す為のものじゃない。相手を救う為の力だ!
ジーン達よ、俺に力を貸せ。
ワンダー・シャープ・リバース
『竜変身!』
黒い渦の中から現れたのは小型の黄色いドラゴン。
『
『お前…一体何者なんだ…人間なのか…?』
鳴瀬は驚愕の表情で俺を見つめる。
『
『チッ、プロウスィヴサウンド!!!!!』』
スッパァァァァァン!!!!!!!
先程と同じように空気が弾け飛んだ乾いた音が響き渡るが、俺にはなんの影響もない。
『そんな… プロウスィヴサウンド!!』
スッパァァァァァン!!!!!!!
悔しいだろうが、何度やっても同じだ。
鳴瀬、お前じゃこの形態を貫く事はできねぇ。
『チッ!クソがァ!』
ブチ切れた鳴瀬は必殺技を使った一撃必殺ではなく、音を纏った拳で愚直に殴る方向にシフトしたようだ。
だが、それらはこの形態の前では無意味でしかないので俺は
ガキンッ!
『がぁっ…俺の腕が……』
『
俺の新形態の一つ『クイックシルバー』は攻撃性能が低い代わりに、防御性能に能力を全特化したような形態だ。物理攻撃は勿論、炎や氷などの属性攻撃も、音を操っての状態異常攻撃も今の俺には無意味でしかない。
鳴瀬も身体能力を向上させた攻撃をひたすらに打ち込むが個性である蓄音能力に限界が訪れ、遂に膝をつく。
『クソッ…もう音の残量がない…。』
『やった!今だぞ破竜!ぶっ倒せぇ!』
峰田が叫ぶが、破竜はピクリとも動こうとしない。
『おい!なにやってんだ!早く!』
『峰田くん…破竜くんは彼を救おうとしてる。』
『
『彼は救えると信じている。だから…』
『破竜…』
クラスメイト達は固唾を飲んで見守る。
『お前…なんのつもりだ!早くトドメをさせよ!』
俺は
『嫌だ。はじめはお前を倒すつもりだった。でも、今のお前を倒す気にはなれない。甘ちゃんだって言われても良い。鳴瀬…罪を償え。そうすれば…陽の当たる場所に行くことが出来る。俺もお前と同じだったから気持ちはよくわかる。あの時の俺を救ってくれた人のように今度は俺がお前を救う。だから一緒に行こう?』
俺は鳴瀬に手を差し伸べる。
『俺は……俺は……』
『おい…サウンド。』
『ウォルフラム…』
俺のイヤホンからウォルフラムの声が聞こえる。
『早くそのガキを殺して俺の元に来い。大丈夫さ、
『鳴瀬!』
俺とウォルフラムの声が重なる。
『俺はッ…俺はッ!!!!』
そう言って鳴瀬はイヤホンを地面に叩きつける!すると、イヤホンからウォルフラム?の声が聞こえる。
『チッ…バカが。まぁいい。俺の目的もそろそろ達成できそうだからな。俺らの代わりにそのまま捕まって一生を棒に振れ。』
その言葉を皮切りに通信は途絶えてしまう。すると
『破竜くん!警備システムが元に戻ったぞ!』
『緑谷さんとメリッサさんがやってくれましたわ!』
『うぇーい…!!』
『やったぜ!!!』
みんなは喜びを露わにするが俺と耳郎だけは違った。
『破竜…さっき目的は達成出来そうって…』
『あぁ…何かは知らないが、このままだと逃げられる…全員エレベーターを使って最上階に行くぞ!緑谷とメリッサさんに合流する!』
俺が指示を出すと飯田を筆頭に全員が迅速に動き出す。そんな中、鳴瀬だけはその場に突っ立ったままだった。
『鳴瀬…お前も…』
鳴瀬に差し出したその手はパシッ!と弾かれる。
『鳴瀬?』
『悪いな……バカやってるのは分かっている。だが、俺はあんな言い方をされてもウォルフラムに恩があるのさ。だから、この瞬間だけはお前に敵対する。これは俺なりのケジメだ!』
『………』
その目は引くつもりはない目だった。
『何をやってるんだ破竜くん!鳴瀬くんも早く!』
『破竜!早くアンタも…』
俺は八百万に呼びかける。
『八百万』
『はい?』
『悪いが、敵の拘束具を創造できるか?』
『あ…はいっ!今すぐ作ります!』
ものの数秒で敵の拘束具が創造された。俺はそれを受け取ると全員に指示を出す!
『鳴瀬と俺を残して全員先に行け!後で合流する!』
それを聞き、
『何をバカなこと言ってるんだ!』
『破竜さん!?あなただけでは…!』
『早く来いよ!そんな
『破竜……』
『耳郎…頼む……』
俺は耳郎を見つめると耳郎はため息を吐いてエレベーターに全員押し込んで最上階のスイッチを押す。
『『 耳郎さん(くん)!!! 』』
『待ってるからね?遅れたら許さないから』
『了解だ』
それを最後に俺達を除いた全員が最上階に向かう。俺は鳴瀬に振り向いて問いかける。
『アイツらを行かせて良かったのか?』
『あんなのは建前だ。俺はお前と決着をつけたい。』
『そうかよ…時間がねぇからな。一撃で決めるぞ。』
俺はそう言うとドラゴンウォリアーに竜変身して右腕を引いて構える。
『あぁ…。わがままを聞いてもらってすまない。最後に一つだけ聞いていいか?』
『……なんだ?』
『お前は何でそんなに強い?怖くないのか?』
『……怖いさ。けど、みんなが支えてくれる。一人ぼっちだった俺にも知らない間にたくさんの仲間ができた。俺と今のお前の違いなんてそんなもんだ』
『そうか…』
鳴瀬は納得した優しい表情からまた敵の表情に戻し、俺と距離をとって構える。
お互いに本気の一撃を繰り出す為に…
俺は集中力を最大まで高め右腕に意識を集中させる。
鳴瀬は残音を極限まで引き出して、右腕に纏わせる。
ガラッ…
瓦礫が崩れた音と同時に俺達は動き出す!
『プロウスィヴサウンドォォ!!』
『終わりだ……会心撃』
DOGOOOOOM!!!!!
お互いの右腕が衝突し、最初とは比にならないほどの衝撃波が辺りを包み込むが、その場に立っていたのはたった1人だけだった。
『すぅ…ふぅ………俺の勝ちだ。鳴瀬』
『…………………………………………』
聞こえてはいないだろうが、気絶したままの鳴瀬に俺は告げる。
『いつか…全ての罪を償ったお前とヒーローを目指せる…そんな日が来る事を願ってる。』
八百万から貰った拘束具を鳴瀬につけてその場を後にし、俺も最上階に向かう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
屋上side
屋上ではメリッサの父親であるデヴィット・シールドの作品を取り込んだウォルフラムとオールマイト、破竜を除いたA組奪還組が死闘を繰り広げていた。
『だって…困ってる人を助けるのがヒーローだから!』
緑谷少年はボロボロの状態で私にそう告げる。教え子にここまで心配させてしまうとは私もまだまだのようだ。
『はっはっはっ!!確かに今の私はほんの少し困ってる。力を貸してくれ。緑谷少年!』
『はいっ!』
そう答えた緑谷少年は
『いくぞっ!』
『はいっ!』
『ゴミの分際で…往生際が悪いんだよぉ!』
敵は金属を操る個性をフル活用して私と緑谷少年を分断しにかかるが…
『そりゃあテメェだ!』
『させねぇ!!!!!』
爆豪少年との爆発と轟少年の氷結が阻止した先に道ができる!全力で駆け抜ける私のそばを緑谷少年が着いてくる!
『タワーごと潰れちまえ!!』
ウォルフラムは生成した巨大な金属の塊を緑谷とオールマイトに向かって放つ!
『『うぉぉぉぉぉ!!!!!』』
2人がデトロイトスマッシュで貫こうとするが…
『貫けないッ!?』
SHIT!!私も緑谷少年も体力の限界か…!
ダメだ…このままだとオールマイトも僕も
この金属の塊に押し切られる…!!
『ハッハッハッ!!死ねヒーロー!!!』
『もう終わりだァァ!!!!!!』
その場にいた全員が諦めかけたその時
『何諦めかけてんだバカ野郎が!!!!』
『誰だ!?』
『破竜少年!?』『破竜君!?』
そこにはドラゴンウォリアーに竜変身した破竜が階下から飛翔してこちらに向かって飛び込んでくるのが見えた!
『2人は全力で力を溜めろ!!!俺がこれを壊すからその隙に決めるんだ!!!』
『無茶だよ!破竜君!君1人じゃ…!!』
『ッ…!舐めんじゃねぇぞクソガキ!!』
ウォルフラムは金属の標準を俺に向けてきた。
『オーラ…スマッシュ!!!!!!』
俺の体に流れる龍の力を集約した右拳と金属の塊がぶつかり合う!
『うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』
『テメェ1人で俺を倒せるわけねぇだろうが!』
『バカぬかせ!お前を倒すのは俺の役目じゃねぇ!
俺の役目はそこまでの道を作ってやることだ!!』
思い出せッ…!思い出せッ…!!
爆豪の
あの時はもっと…力を出し切るように!!!
全力を更に超えた限界突破の向こう側に!!!
グルォォォォォォォォォォォ!!!
これだ…きた………
『ッ貫けぇぇぇ!!!!!!!!!!』
気合の咆哮と共に放たれた龍の一撃はウォルフラムが操る最大規模の金属の塊を右手一本で突き破る!
『バカなッ!俺の必殺技がたった1人のガキに!』
『ッ!決めろ!!!』
『!?』
ウォルフラムはその時初めて自身の敗北を悟った。自身の目の前に来ている
『『ダブルデトロイトスマッシュ!!!』』
『『いけ!』』
『『『オールマイト!』』』
『『『緑谷(くん)!』』』
『『ぶちかませ!!』』
『『さらに向こうへ…
緑谷とオールマイトのダブルデトロイトスマッシュが無防備なウォルフラムの中心を撃ち抜いて巨大な体を構成していた金属諸共全てを打ち砕いた。
『やったのか…』
『やったんだ…
その場にいた全員がヒーローの勝利に歓喜の声を上げる!
『ったく…マジで厄介だった…。
はぁ…もう…限界か…も…。』
竜変身が解けて地面に倒れかかる俺を支える手が。
『耳郎…?』
『アンタ……いっつもボロボロだね?』
『あはは…これでも頑張ったんだから許してよ』
『うん…頑張ったね。』
そう言って耳郎は俺の頭を撫でてきた。恥ずかしいけど、今は少しだけこのままがいいなぁ…。
『……少しだけこのまま掴まっててもいい?流石にダメージとか酷くて…』
『大丈夫。ウチが支えててあげるから』
『うん……ありが……と…』
その言葉を最後に俺は気絶してしまう。
『子供みたいに寝ちゃってさ…他の人に見せたくないじゃん。こんな顔。』
耳郎は優しい笑顔で俺を抱き抱えながらそう呟く。
たった数時間のヒーロー活動はこれで幕を閉じた。
80Fでの戦闘、鳴瀬との激闘、ウォルフラムの死闘を乗り越えて気絶した俺は翌日まで泥のように眠る羽目になった。
あとがきです。
今回は主人公側の新ジーンや新形態、敵側の個性と必殺技など盛りだくさんの内容で書きましたが、その分遅くなってしまった…。
実は当初、鳴瀬君はこんな悲しいキャラにするつもりはなく、寧ろ嬉々として相手をいたぶるサイコパス野郎にするつもりだったんですけど、勝手にキャラが話し出していつの間にかこうなってました。
次話では後日談という事で映画編は最後になります。お楽しみに!
新たなジーン
1.ワンダー
巨大化の力を司るジーン。力、防御、耐久力を大きく向上させるが、速度を犠牲にするジーン。本編での登場ではクイックシルバーになる為に必要なジーンでパワー同様に扱いの難しい力。
2.シャープ
ジーンの強化を司る力。それぞれのジーンが持つ特長を伸ばす事ができるが、良い所だけではなく悪い所も同様に強化してしまう為、使い所が肝心なジーン。
3.リバース
反転の力を司るジーン。他のジーンで変化した特長や能力をそっくりそのまま反転させる力。単体ではほぼ意味のないジーンだが、様々なジーンと組み合わせる事でその真価を発揮する。
変身形態
1.クイックシルバー
ワンダー・シャープ・リバースの組み合わせで竜変身可能な特殊形態。形態としては小型の黄色いドラゴン。物理攻撃、属性攻撃、状態異常攻撃を無効化する防御全振りの反面、攻撃性能は非常に低い。防御に関しては無敵に思えるが、その防御性能を貫く程の物は防ぎきれず、耐久力もないので貫かれたら終わりのリスク有りの変身。本人曰く、名前はジーン達が勝手に決めたものが頭に流れ込んでくる為、なぜ黄色いのにシルバーの名前が付けられているのかは全く知らない。
技
1.プロウスィヴサウンド(使用者:鳴瀬響也)
鳴瀬響也が使用する必殺の一撃。蓄音で自身の中に溜め込んだ音を空気圧とぶつけ合う事で強い音圧を生み出してぶつける衝撃波。形ある物ではない為、破竜の体を直接貫通してダメージを与えたが、防御特化のクイックシルバーには効かなかった。
オリジナルキャラ追記
鳴瀬響也(ヴィラン名:サウンド)
4歳で個性が発現した時は問題なかったが、6歳の時に蓄音の副作用で視力を失ってしまう。目は見えないが、反響音で聴き取る事で地形を。相手の発する音で相手の感情をある程度読み取れる。それがきっかけで親、学校、友人達から見捨てられるが、唯一自分を認めてくれたウォルフラムを信用して着いていくことに決めた。最終的にはウォルフラムの本音を聞き取り、袂を分つことになったが、あの時の自分を認めてくれた事については恩義を感じている様子。破竜とは初めて会った時に咄嗟に感情を読み取り、裏表のない人間だと好感を抱いていた。
次回予告
『みんなーバーベキューしようよ!』
『鳴瀬はどうなるんですか?』
『全く…酷い目にあったよ』
『さようなら I・アイランド……』
次回!
半人半竜のヒーローアカデミア
『THE MOVIE 2人の英雄 後日談』
『気をつける事だよ……破竜真人君』
更に向こうへ!Plus ultra!!!