半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

今回でようやく本編に戻ってこれました。これからは林間合宿編になります!また面白いと思ってもらえるように頑張ります!

お気に入り及び評価してくれた下記の方


覇者の遺言 BO-ZU maki1764 Friskmeat 我が名はアテム


本当にありがとうございます!


よろしければ感想や評価もいただければ幸いです!


それでは本編をお楽しみ下さい!



林間合宿編
『ボロボロ上等!地獄の林間合宿!』


 

 

前回までのあらすじ

 

 

 

 

I・アイランドでの数日を過ごした破竜は両親の学生時代の友人。レイン・バークレストから両親の死因が敵による殺害である事。そしていつかその敵は破竜の目の前に必ず現れる事を伝えられる。

 

そして自身が知りたかった情報の一つでもある両親の死の真相について、林間合宿後にオールマイトから直接説明がある事を伝えられ、破竜は I・アイランドでの出会いを思い返しながら日本に帰国する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在

 

 

 

 

林間合宿当日!!!

 

 

え?A組補習いるの?つまり赤点取った人がいるってこと!?え!?おかしくない!?おかしくない!?A組はB組よりずっと優秀なハズなのにぃ!?あれれれれぇ!?

 

赤点者が5人もいるA組をここぞとばかりにバカする物間に俺は苛立ちと呆れが混じった溜め息を吐く。

 

『はぁ…コイツは本当に………………』

 

するとトッ!という音が物間の首筋を捉える。

 

『ほんとごめんね。』

 

物間を制裁したのはB組委員長の拳藤だった。

 

『いや…お互いに大変だな。』

 

『気にしないで!』

 

するとB組女子の面々が話し出す。

 

『物間怖…』

 

『体育祭じゃなんやかんやあったけど…まァよろしくねA組。』

 

『ん』

 

良かった。物間以外はまともな人が多くて…。

 

『念の為、自己紹介しとく。知っている奴もいると思うが、破竜真人だ。合宿期間宜しくな』

 

俺がそういうと目の前にボブ髪の女の子が出てくる。

 

『ん』

 

『ん?』

 

どゆこと?と頭の中を疑問符が駆け回っていると拳藤が助け舟を出してくれる。

 

『宜しくって事だよ。』

 

『あぁ…そっか。名前は?』

 

『ん』

 

『いや…わかんねぇんだけど…』

 

すると、またまた助け舟が…。

 

『小大唯だよ。』

 

『……宜しくな小大。』

 

『良かったね。唯』

 

『ん』

 

『ん』しか言ってないのになぜわかる。すると俺の後ろからハァ…ハァ…と危ない吐息が聞こえてくる。

 

『よりどりみどりかよ…!!』

 

『お前ダメだぞ…そろそろ。』

 

涎を垂らした峰田が女子達を品定めするような目で見つめ、切島が苦言を呈する。ここまでくるともはや病気なのかと疑うレベルだ。

 

『A組のバスはこっちだ!席順に並びたまえ!』

 

飯田委員長が手をカクカクさせて誘導を始める。

 

『俺の隣は……』

 

『ウチだよ。宜しくね』

 

俺の顔の下から耳郎が覗き込む。正直に言ってめちゃくちゃ可愛いのでそんなあざとい感じのやつやめてくれないかな。

 

『う…うん、宜しく。』

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

バスが出発すると相澤先生が話し出す。

 

『1時間後に一回止まる。その後はしばらく…』

 

 

ガヤガヤガヤガヤ

 

 

『音楽流そうぜ!夏っぽいの!チューブだチューブ!』

 

『席は立つべからず!べからずなんだみんな!』

 

『ポッキーちょうだい』

 

『バッカ夏といえばキャロルの夏の終わりだぜ!』

 

『終わるのかよ』

 

『しりとりのり!』

 

『り…りそな銀行!う!』

 

『ウン十万円!』

 

『ねぇ、ポッキーをちょうだいよ』

 

全員が思い思いに話すせいで相澤先生の声が何にも聞こえない。多分あの人のことだから大事な伝達事項だと思い、俺は声をかける。

 

『相澤先生?静かにさせます?』

 

『いや…いい。』

 

『そうですか…耳郎悪い。俺少し寝るよ。ついたら起こしてもらってもいい?』

 

『わかった。』

 

『うん、おやすみー』

 

『おやすみ』

 

そう言って俺も睡眠に入る。だから聞き逃してしまった。

 

 

わいわいできるのも…今のうちだけだ…ーー

 

 

という相澤先生の言葉を。

 

 

 

 

一時間後

 

 

 

 

『休憩だ』

 

そう言った相澤先生の言葉を合図に全員がバスを降りる。

 

『つか何ここ?パーキングじゃなくね?』

 

『あれB組は?』

 

『お…おしっこ…』

 

『破竜、起きて?』

 

『ん…おはよう。着いたの?』

 

『なんか休憩みたい』

 

『………ここで?』

 

俺が疑問を持ったのにはちゃんとした理由がある。休憩所っていうのは普通トイレとかパーキングとかがあるもんだ。だが、ここはだだっ広い山の中。そして崖側には申し訳程度の柵があるのみだ。

 

『なんの目的もなくでは意味が薄いからな。』

 

『よーーーうイレイザー!!』

 

『ご無沙汰してます』

 

そこにはミッドナイト先生同様になにか怪しい雰囲気を感じる二人組がいた。

 

 

『煌めく瞳でロックオン!

 

 キュートにキャットにスティンガー!

 

 ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!』

 

 

ビシッ!という効果音が聞こえそうな位、完璧なポーズを見せた2人に俺らは言葉を失う。

 

『今回お世話になるプロヒーロー。『プッシーキャッツ』の皆さんだ。』

 

初めて見るヒーローだ。まぁ、こういう時は俺の隣にいる緑谷が細かく紹介してくれるだろう。

 

『連名事務所を構える4名一チームのヒーロー集団!山岳救助等を得意とするベテランチームだよ!キャリアは今年でもう12年になる…』

 

あ、バカ…

 

『心は18!!』

 

『へぶっ!!』

 

あーあ、いわんこっちゃない。年齢に触れたら女性の場合は大体アウトだ。緑谷が18ね、18よと洗脳されている間を通り抜けて自己紹介する。

 

『初めまして、プッシーキャッツの皆さん。雄英高校1年A組、破竜真人です。短い期間ではありますが、宜しくお願いします。』

 

『あら、礼儀正しい子がいるわね!宜しくね破竜君。ここら一帯は私らの所有地なんだけどね。あんたらの宿泊施設はあの山の麓ね。』

 

『遠ッ!!』

 

指差した先を見るが明らかに人間が歩いていい場所ではない。なんなら迷子になる可能性大だ。

 

『麓が宿泊施設なのに、わざわざここでって事は…。ハァ…そういう事ですか…』

 

『フフフ、さすが破竜君。気づいたみたいね。』

 

『どういう事?』

 

隣にいた耳郎が聞いてくる。

 

『すぐにわかるよ。それと受け身の体制をとっておいたほうがいい。怪我したくなかったらね。』

 

俺らがそう話している間に麗日、切島、芦戸、瀬呂は嫌な予感を感じ取ってバスに戻ろうとするが…

 

『悪いね諸君…合宿はもう始まってる』

 

すると、地面を形成していた土砂が崩れ、A組全員が崖下の森まで無防備に突き落とされてしまう。

 

『あらら…って、破竜君と耳郎ちゃん?の2人だけは綺麗に受け身を取ってるおかげで無傷みたいだね!』

 

『こういうのやる時は先に言ってください…』

 

『同感……』

 

俺と耳郎の2人が愚痴をこぼしていると頭上からプッシーキャッツの声が聞こえてくる。

 

『私有地につき、"個性"の使用は自由だよ!今から三時間。自分の足で施設までおいでませ!この……

 

 

 

"魔獣の森"を抜けて!

 

 

 

 

『魔獣の森!?』

 

『なんだそのドラクエめいた名前は…』

 

『感心してる場合か。さっさと突破するぞ』

 

そう言って歩みを進めた俺達の前に魔獣が出現する!

 

『マジュウだァァァァァ!!!!』

 

『僕に任せて!』

 

口田が個性を使って鎮めようとするが……

 

『効いてない!?』

 

『……動物じゃないってことか?』

 

俺は目を凝らして魔獣?を観察してみると、体を形成している一部分から土が漏れ出していた。

 

『コイツ生き物じゃない…土塊(つちくれ)だ!ぶっ壊しても問題ねぇ!殺るぞみんな!』

 

『そんないきなりいわれても…って速ッ!』

 

みんなが返事をする前に俺はパワーの力を引き出して土塊に重い一撃を喰らわせる!

 

『すぅ…だりゃあああああ!!!!!!』

 

 

 

DOGOOOOM!!!

 

 

 

気合と共に放たれた拳は土塊をバラバラに打ち砕く!そんな俺に続けとばかりに緑谷、飯田、爆豪、轟の4人も個性を使用して土塊をバラバラにしていく。

 

『さすが……』

 

『お前もな。だが、はっきり言って近接戦じゃお前に一生敵う気がしない』

 

そう愚痴る轟。

 

『なら…中遠距離戦は任せたぜ?』

 

『任せろ』

 

そう言って魔獣の森を攻略すべく動いた俺達を上から見つめる相澤先生とピクシーボブ。

 

『緊急時における"個性"行使の認定許可証。ヒーロー活動認定資格。通称:"仮免"。敵が活性化し始めた今、一年生にも…

 

 

自衛の(すべ)が必要だ。

 

 

では、引き続き頼みます。ピクシーボブ。』

 

相澤が一足先に宿泊施設に向かう背中を見てピクシーボブは魔獣の森を突き進むA組に視線を向ける。

 

『確かにみんないいもの持ってるね。でも、体力が低下して集中力も落ちてくる中、途中にいるアイツらをどうやって突破するのかな?』

 

ニヤリと笑ってピクシーボブもA組を追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

6時間ほど森の中の土塊を突破しながら突き進んで行くと俺達は全員足を止めてしまう。その理由は単純。

 

 

 

『『『 あんなのどうしろってんだ! 』』』

 

 

 

視線の先には先程よりも巨大な体躯を誇る沢山の土塊が俺達を待ち構えていた。

 

『ふぅ…みんな…いけるか?』

 

全員に声をかけるが…

 

『ハァ…ハァ…』

 

『チッ…クソが…』

 

『ふぅ…ふぅ…』

 

『くっ…、すまない……』

 

緑谷、爆豪、轟、飯田の4人は個性を使いすぎて完全にガス欠になっていた。しょうがないか…。常に最前線で戦い続けてたからな。

 

『他のみんなも…ダウンか…』

 

他のメンバー達も全員息切れを起こしており、何人かは今にも倒れそうだ。俺はそれを見て決心する。

 

『全員、ここで待機しててくれ。ここを乗り切れば宿泊施設まで行けるはず。俺がアイツらを倒す。』

 

『ねぇ…、ハァ…ちょっとまってよ……いくら破竜君でも1人であの数は…』

 

緑谷が1人で行こうとする俺を止めようとするが、俺はその手を下ろさせる。

 

『いいんだよ。正直誰もいない方が助かる。この竜変身はまだ細かい制御が効かないせいで周りに被害だしかねないからな。んじゃ、行ってくる。』

 

俺はA組の前に陣取っている土塊6体の前に歩いていく。

 

『悪いが…ここを通らせてもらう。私有地で個性使用も自由ならある程度ぶっ壊しても問題ねぇよな!』

 

そう言って俺は新たな竜変身の力を引き出す。

 

 

 

 

 

ワンダー・グロース・プロテクト

 

 

 

 

 

『竜変身!!!』

 

 

 

 

俺が力を引き出すのと同時に今までの比じゃないほどのデカい黒い渦が俺の周りを包み込む。しばらくして黒い渦が晴れた先に現れたのは到底竜とは思えない異形のものだった。

 

『『『 なんだありゃ!? 』』』

 

『これも…竜だっていうの…?』

 

全員が驚くのも無理はなかった。それは今までのドラゴンを遥かに凌ぐ巨大な姿。亀のような体躯に左右に二本ずつ伸びた鋭い角、全身が緑色の一見すると竜には全く見えない姿だったからだ。

 

 

グ…グォォォォォォォォォォ!!!!(一瞬で決める…みんなそこを退いてくれ!)

 

 

A組に向かって叫んだ破竜を見て耳郎が全員に指示を飛ばす。

 

『!? みんな!すぐにここから離れよう!破竜が一瞬で決めるからそこを退け!って…』

 

『『『『 なんでわかるの!? 』』』』

 

全員体力が底をつきかけている中ではあるが、巻き込まれたくないので来た道を戻っていると上空に飛び上がった竜が見える。

 

 

ガァァァァァァァァ!!!!!!!!(バラバラに砕けちまえぇぇぇ!!)

 

 

 

DOGOOOOOOOM!!!!!!

 

 

 

その圧倒的な体躯を活かした圧死技『メテオダイブ』で土塊達を一瞬でバラバラにした破竜は竜変身を解除する。

 

『ハァ…ハァ…ハァ…すぅ……ふー』

 

…やりすぎた。力の制御がまだ甘い。今回は耳郎が先に避難させてくれたからなんとかなったが…

 

『やっぱりこの力はまだ…使えねぇわ。』

 

メテオダイブの影響で目の前の地面は完全に陥没し、さっきまで俺がいた場所は木も何もない更地になっていた。俺が1人反省していると耳郎がこちらに向かって歩いてきた。

 

『またアンタに助けられちゃったね。』

 

『…ううん。耳郎こそ誘導ありがと』

 

『いつも助けてくれてるからこれくらいは出来ないとね。宿泊施設まであと少しなんでしょ。頑張ろ?』

 

『……あぁ!』

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆  

 

 

 

それから更に2時間後

 

 

 

 

『やーっときたにゃん!』

 

俺達A組は全員が疲労困憊といった具合でボロボロになりながらも宿泊施設にたどり着く。

 

『とりあえずお昼は抜くまでもなかったねぇ…』

 

『なにが…3時間ですか…』

 

『腹減った…死ぬぅ……』

 

『あぁ、アレは私たちならって事。』

 

『実力差自慢の為か。ヤラシイな』

 

『ねこねこねこ…まぁ、正直もっとかかると思ってたよ。私の土魔獣があんな簡単に攻略されるとは…いいよ君ら…特にそこの5人』

 

視線の先には破竜、緑谷、爆豪、轟、飯田の5人。

 

『躊躇のなさは()()()によるものかしら?三年後が楽しみー!!今のうちにツバつけとこ!』

 

俺達に絡み出すピクシーボブさんの魔の手から俺はサラリと抜け出してマンダレイさんに話しかける。

 

『なんなんですか?あの人』

 

『彼女焦ってるの。適齢期的なアレで…。そういう君は疲れこそ見えるけど他の人よりは余裕そうだね?』

 

『まぁ、それなりに鍛えてますし。』

 

『ふーん…なら後ろでへたってるクラスメイト達回収してあげたら?歩けなさそうなのが何人かいるよ?』

 

指をクイっとやった先に目を向けると今にも倒れそうな青山と麗日、腹が減って死にそうな切島がいた。

 

『3人とも平気か?』

 

『なんでお前はそんなに元気なんだよ…』

 

『同じ高校生ダヨネ?』

 

『信じられへん…ウプッ…。』

 

吐きそうになってるな…

 

『無理するな。麗日はゴミ袋持ってこようか?』

 

『お"ねぐぁい"…』

 

『ほら、青山もこっちこい。トイレまで肩貸してやるから。切島はどうする?歩ける?』

 

『気にすんな…俺は腹が減ってるだけだ…』

 

『ごめんネ…』

 

限界ギリギリの2人を介抱していると相澤先生から俺に対しての指導が入る。

 

『破竜、優しいのは結構だが、この場においては甘やかすな。部屋に荷物を運んだら食堂にて夕食。その後は入浴して就寝だ。本格的なスタートは明日からだからな。ここで躓いて貰っちゃ困る。さァ早くしろ。』

 

『悪ぃ…もう少し頑張れるか?』

 

『うん…』『頑張るヨ…』

 

まだ本格的に始まってないにも関わらずこれか…林間合宿。俺の想像以上にキツくなりそうだなこりゃ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荷物を置いた俺達はプッシーキャッツが用意してくれた食事に全力で飛付いていた。

 

『いただきます!!』

 

『へぇ女子部屋は普通の広さなんだなじゃあ』

 

『男子の大部屋見たい!ねえねえ見に行ってもいい後で!』

 

『おー来い来い』

 

『魚も肉も野菜も…ぜいたくだぜえ!』

 

「美味しい!!米美味しい!!」

 

「五臓六腑に染み渡る!!ランチラッシュに匹敵する粒立ち!!いつまででも嚙んでいたい!』

 

『うん…つーか腹減りすぎて妙なテンションなってるね』

 

『お前らもう少し落ち着いて食べなよ。別に飯は逃げねえから。』

 

別に美味そうにがっついて食べるのをダメだとは言わないが、最低限は礼儀正しく食べて欲しい。なんかわからないけど食欲が失せてくる。

 

『ねぇ、破竜』

 

隣でご飯を食べていた耳郎が話しかけてきた。

 

『ん?どうしたの?』

 

『破竜さえ良ければなんだけど、また家来ない?お母さんもお父さんも会いたがっててさ。』

 

耳郎のお父さんとお母さんにはあの食事会の日から気に入られたのか時々こういう誘いがある。正直、家族団欒の時間を壊したくないから程々にしたいけど…。

 

『……林間合宿終わってからなら…どう?』

 

『それでいいよ。2人とも喜ぶと思うし…』

 

『………耳郎は嬉しくないの?』

 

『えっ…?』

 

『あ…、ごめん…!なんでもない…』

 

ヤバ…何言ってんだ俺。疲れてんのかな…

 

『そりゃ…ウチだってアンタがきてくれたら嬉しいよ…// だから楽しみにしてる』

 

『そ、そっか…。ありがと…//』

 

俺がそう言うと近くにいた上鳴が口をパクパクさせたまま俺と耳郎を交互に見てきた。

 

『どうした?』『どうしたの?』

 

『お前らって…いやなんでもねぇわ』

 

『なんだよ…気になるじゃんか。』

 

『教えてやんねー!!』

 

そう言ってまた食事をガツガツと食べ出した。正直な話、気にはなるが時間も限られてるからな。俺と耳郎はお互いに目の前の食事に意識を戻す事にした。

 

 

 

 

 

食事を終え、腹を満たした俺達全員で風呂に向かおうとすると『破竜は少し来い。』と相澤先生に呼ばれた為、その他全員が風呂に浸かって疲れを取っていた。

 

すると峰田が女湯とのしきりを見ながら呟く。

 

『まァまァ…飯とかはね…ぶっちゃけどうでもいいんスよ。求められてんのってそこじゃないんスよ。その辺、分かってるんスよオイラぁ…求められてんのはこの壁の向こうなんスよ…』

 

『一人で何言ってんの峰田くん…』

 

『ホラ…いるんスよ…今日日男女の入浴時間ズラさないなんて事故…そうもうこれは事故なんスよ…』

 

そう言っている峰田を見て全員が確信した。コイツは覗きを実行しようとしていると…

 

『峰田くんやめたまえ!君のしている事は己も女性陣も貶める恥ずべき行為だ!』

 

『やめた方がいいよ…。この前も破竜君に制裁されてたでしょ…。今度バレたら……』

 

クラスの良心である飯田、緑谷が峰田を制止しようとするが本人は聞く耳を持たない。ちなみにその他のメンバーは巻き込まれたくないのか覗き賛成派の上鳴、瀬呂以外は湯船の奥側に避難している。

 

『やかましいんスよ…今なら普段、オイラ達を制裁する破竜も相澤先生に呼ばれていない…!ここで覗かなければ次のチャンスはない!』

 

無駄にかっこよく決めた峰田はもぎもぎを二つ手に取って仕切りの目の前に立って宣誓する。

 

『壁とは超える為にある!!Plus Ultra(プルスウルトラ)!!!』

 

『速っ!!校訓を汚すんじゃないよ!!』

 

あと少しで女湯に届く。オイラが目指した楽園…一糸纏わぬ女体の神秘を目の前にした峰田が塀に手を掛けようとした所で洸汰が現れる。

 

『ヒーロー以前に人のあれこれから学び直せ』

 

『くそガキィイイィイ!!?』

 

峰田は絶叫しながら飯田を巻き込んで浴槽に落ちていった。女子に話しかけれて鼻血を出した洸汰も同様に落下するが、緑谷が見事にキャッチしてお風呂から出て行った。

 

 

去り際に『えっと…みんな気をつけて』と残して。

 

 

バッッッシャッ!

 

 

『ちくしょう!今度はしくじらねぇ!オイラは女湯を『へぇ…女湯がなんだって?峰田』えっ…?』

 

そこには峰田の首根っこを掴み、賛成派の面々ににこやかな笑顔を見せる破竜の姿が…。

 

『『えっとな…破竜…これは…』』

 

『わかってるよ。覗こうとしてたんだろ?』

 

破竜の顔は笑顔だが、なぜか圧倒的な恐怖を感じている賛成派の面々は恐怖に慄く。

 

『前にあんだけ脅したのに、説教が効いてたのが砂藤だけとはな…。特に峰田は耳郎の件含めたら3回目だ。まさか、相澤先生から制止役を頼まれてる間に実行に移すとは恐れ入ったよ…。』

 

逃がしてなるものかと右手で峰田を拘束していた破竜は笑みを無くし、鬼のような形相で反省の色が見えないバカ3人に死刑宣告を告げる。

 

 

覚悟はいいな…この大馬鹿野郎どもが!!!

 

 

『『『許してくれぇぇ!!!!』』』

 

 

許すわけねぇだろうが!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男子風呂から聞こえた絶叫と水柱を確認した女子達がお風呂を上がるとそこには頬の片方に紅葉を作り、漫画のようなたんこぶを作って相澤先生の捕縛布で拘束されているバカ3人の姿が。

 

あまりの状況に八百万からは『や、やりすぎではありませんか…?』と指摘されたが

 

『覗きがバレて困るのはコイツらだが、心に傷が残るのは女子達だ。合宿中は二度とこんなことさせないから安心してくれ。』

 

破竜の剣幕には流石の八百万も『よ、宜しくお願い致しますわ…』と返すしかなかった。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

翌日 合宿2日目!!!

 

 

AM 5:30

 

 

『おはよう。諸君。』

 

『おはようございます』

 

『破竜だけか?いるのは』

 

『『おふぁようござぁいまぁ〜す…』』

 

みんな酷いな。ほとんどが目も開いてない。

 

『きついとは思うけど、とりあえず起きろ。相澤先生の目が怖いことなってんぞ?』

 

『………早く起きろ』ギロッ!

 

『『『 ッ…はいっ! 』』』

 

『よし。本日から本格的に強化合宿を始める。合宿の目的は全員の強化及びそれによる"仮免"の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かう為の準備だ。心して臨むように。というわけで爆豪、こいつを投げてみろ』

 

そう言って相澤は爆豪に投げたのは体力テストの際に使用した計測用のボールだった。

 

『これって…体力テストの時の?』

 

『前回の入学直後の記録は705.2m…どれだけ伸びているかな』

 

爆豪は俺を見てニヤリと笑い、ぶんぶんと腕を回す。俺の記録は確か1800mくらいだったはず。

 

『おお!成長具合か!』

 

『この三ヶ月色々濃かったからな!破竜の記録越せる可能性十分にあるぜ!』

 

『いったれバクゴー!』

 

『んじゃよっこら…くたばれ!!!』

 

『『『 くたばれって… 』』』

 

心の声が一致した気がした。個性を爆発させて投擲した爆豪の記録よりも正直掛け声の方が気になってしまう。

 

『記録…709.6m』

 

『!?』

 

その記録は入学時よりも伸びてはいるが、本人も周りも期待していたほどの爆発的な伸びは見られなかった。

 

『あれ…?思ったより…』

 

『約三ヶ月間、様々な経験を経て確かに君らは成長している。だがそれはあくまでも精神面や技術面あとは多少の体力的な成長がメインで個性そのものは今見た通りでそこまで成長していない。だから今日から君らの個性を伸ばす。』

 

そう言って相澤先生は(ヴィラン)も真っ青な笑みを浮かべ、俺達に地獄の開始を告げる。

 

『死ぬほどキツイがくれぐれも死なないように』

 

 

 

夏休み…地獄の林間合宿。

 

 

 

 

 

 

開始!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 








あとがきです。


毎度毎度遅くて本当にすみません。ネタが上手く思いつかない時って皆さんどうしてるんだろう…。

今回から林間合宿編!破竜君にはこれから大幅なレベルアップを期待したいところですが…どこまで成長できるかな?

本作のお気に入り、感想、評価等、いつもありがとうございます!次話もお楽しみに!




次回予告




『アイツならあそこですよ』

『他人に言われたくらいで心変わりするってんなら所詮その程度って話だ。』

『クラス対抗ってところが気に入った…』





『ステインの意思を継ぐものだ』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア





『エンカウント2!敵連合開闢行動隊!』





『いい加減にしろよ…このクズ野郎』








更に向こうへ!Plus ultra!!!
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