半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

今回は10000文字超えたせいか、投稿がまた遅くなってしまいました。本当にすみません。もっと頑張ります…

お気に入り及び評価してくれた下記の方


桜鬼 すだちくん ryo0801 MWDY Rimia R.C  蘿蔔 ヒゲダルマ ウェディ あけぼのじゅういち 〖さかな〗 蓮青 スペア・ザ・グングニル


本当にありがとうございます!


よろしければ感想や評価もいただければ幸いです!


それでは本編をお楽しみ下さい!



『エンカウント2!敵連合開闢行動隊!』

 

 

しばらくして、B組の生徒達も担任のブラドキングから説明を受けながら合宿所に歩いてきた。

 

『個性を伸ばす…!?』

 

『A組はもうやってるぞ。早くいくぞ。前期はA組が色々目立ってたが後期は我々の番だ。いいか?A組ではなく我々だ!』

 

『(先生…!!不甲斐ない教え子でごめん!)』

 

『突然、個性を伸ばすと言っても…20名20通りの個性があるし…何をどう伸ばすのか分かんないんスけど…』

 

『具体性が欲しいな!!』

 

取陰と鎌切の2人が今後の方向性についての不安と個性強化についての具体的な案を求める。

 

『みんなも知っての通り、筋繊維は酷使することにより壊れ…強く太くなる個性も同じだ。使い続ければ強くなり、でなければ衰える!すなわち…やるべきことは一つ!限界突破!!』

 

ブラドキングに案内された場所につくとA組の生徒が悲鳴や怒号を上げながらそれぞれの個性を強化する為の訓練(地獄)を味わっていた。具体例を挙げると…

 

 

 

 

青山優雅 個性:『ネビルレーザー』

 

『んん…んぅぅぅ…!!』

 

お腹が痛くなってもレーザーを射出し続けることで体を慣らす試みだ!射出時間の向上も狙ってるぞ!

 

 

 

蛙吹梅雨 個性:『蛙』

 

『ケ…ケロ』

 

崖の登り降りを繰り返し、筋トレをする事で跳躍力とベロ力を鍛えるぞ!

 

 

 

飯田天哉 個性:『エンジン』

 

『走るぞー!ひたすらに走るぞ!!』

 

ピクシーボブが作った山をひたすら走り込んでるぞ!また勾配の激しい山を走る事で破竜に指摘された変幻自在な動きも同時に鍛えているぞ!

 

 

 

切島鋭次郎 個性:『硬化』

尾白猿夫  個性:『尻尾』

 

『うぉぉぉ!気合だおりゃ!!!』

『ハァ…ハァ…ッ、らぁっ!!!』

 

切島は尾白の尻尾を、尾白は切島の硬化でお互いの個性強度を高める為にひたすら打ち合っているぞ!

 

 

 

上鳴電気 個性:『帯電』

 

『ギャァァァァァァ!!!!!痺れるぅぅ!!』

 

通電を続ける事で大きな電力にも体が耐えられるようにする試みだ!アホ面も治せるように努力中!

 

 

 

口田甲司 個性:『生き物ボイス』

 

『うわあーー!!あぁーー!!!』

 

声がより遠くまで届くようにひたすらに発声練習を繰り返す!内気な性格改善も兼ねてるぞ!

 

 

 

常闇踏影 個性:『黒影(ダークシャドウ)

 

『うぉぉぉ!!この…っ!おぉ!!!』

 

暗闇内でも"黒影"を従えられるように訓練中!時々聞こえる叫び声は黒影との喧嘩中だぞ!

 

 

 

障子目蔵 個性:『複製腕』

 

『集中だ…一瞬の隙を見逃すな!!』

 

複製する速度や腕のコントロール調整に精を出し、気配を消して隠れている葉隠を見つけ出す訓練だ!

 

 

 

葉隠透 個性:『透明化』

 

『静かに静かに………』

 

気配を極限まで消す事で自身の存在を感知しようとする障子から逃げる訓練だ!

 

 

 

峰田実 個性:『もぎもぎ』

 

『ひ…ひぃ…オイラの頭が…』

 

筋トレと同じ要領でちぎっても血が出なくなるように頭皮を限界まで強化しているぞ!

 

 

 

瀬呂範太 個性:『テープ』

 

『うわぁぁぁぁああああ!!!!』

 

テープを出し続ける事で射出距離の向上と射出時間の向上を目指す!腕がギリギリ痛んでも関係なしだ!

 

 

 

爆豪勝己 個性:『爆破』

 

『はぁ…オラァァ!!クソがァァ!!!!!』

 

手を熱する事で汗腺を広げ、広がった状態で爆破を繰り返す事で爆発の規模を大きくする試みだ!

 

 

 

麗日お茶子 個性:『無重力』

 

『んんん"ん〜…うぅ…うぇ…』

 

個性を使用した無重力状態で三半規管を鍛えつつ、酔いの感覚を減らす事で個性使用に伴う限界重量を増やす試みだ!

 

 

 

八百万百 個性:『創造』

砂藤力道 個性:『シュガードープ』

 

『何かをしながら創造を………』

『うぉぉぉぉぉ!!砂糖!!!』

 

個性使用に必要なエネルギーを摂取しながら個性を使用する事で体を慣らしていく試みだ!砂藤は持続力の向上!八百万は何かをしながらでもクオリティの高いものを作る繊細さを鍛えているぞ!

 

 

 

轟焦凍 個性:『半冷半燃』

 

『ハァ…ハァ…ハァ…くっ…』

 

氷結を使用しながら、瞬時に燃焼に切り替え、また氷結と言った具合に繰り返し行う事で左右のアンバランス差を無くし、より細かい氷結及び燃焼の温度調節ができるようにする試みだ!

 

 

芦戸三奈 個性:『酸』

耳郎響香 個性:『イヤホンジャック』

 

『だぁぁぁぁ!!!!!』

『はぁぁぁぁ!!!!!』

 

酸を放出し続けることで自身の皮膚の強度と時間向上を!ジャック部分を岩に打ち付ける事で音質を向上させ、より高い威力の攻撃及び索敵ができるようにしているぞ!

 

 

 

緑谷出久 個性:『超パワー?』

 

『ハァ…ハァ…、おぉぉぉ!!!!』

 

身体能力向上の個性をより活かす為、虎考案の『我ーズブートキャンプ』で筋繊維を酷使し、更なる肉体向上を目指す!

 

 

 

『なんだ…この地獄絵図…!!』

 

『もはやかわいがりですな』

 

『許容上限のある発動型は上限の底上げ。異形型展・その他複合型は個性に由来する器官・部位の更なる鍛錬。通常であれば肉体の成長に合わせて行うが…』

 

『まァ時間がないんでな。B組も早くしろ』

 

『でも、私達も入ると41人だよ。そんな人数の個性…たった6名で管理できるの?』

 

『だから彼女らだ』

 

『そうなのあちきら四位一体!煌めく眼でロックオン!!猫の手手助けやって来る!!どこからともなくやって来る…キュートにキャットにスティンガー!!

 

ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!』』

 

プッシーキャッツの4人がそれぞれの決め台詞とポーズを取ると説明を始めた。

 

『あちきの個性『サーチ』!この目で見た人の情報100人まで居場所も弱点も丸わかり!』

 

『私の『土流』で各々の鍛錬に見合う場を形成!』

 

『そして私の『テレパス』で一度に複数の人間へアドバイス』

 

『そこを我が殴る蹴るの暴行よ…!』

 

『(最後だけ色々駄目だろ…)』

 

プッシーキャッツの一人、虎の方向性が完全に体罰に近いのはさておき。B組はある生徒がその場にいないことに気づく。

 

『あれ……破竜は?』

 

『確かにいないな…』

 

『あぁ、アイツならあそこだ。』

 

相澤先生が指差した先は飯田が走り回る山々の中、一際高い山の頂上部分。そこから更に土流で空高く作られた、人が1人分しか座れなさそうな所で瞑想している破竜の姿があった。

 

『あんな所で何を…?』

 

『アイツの個性は竜変身。まだまだ引き出せる力があるって事でその為にジーン達と誰の邪魔も入らない所で会話したいんだと。』

 

『正直に言うと、彼の個性はそれが全てを左右していると言っても過言じゃ無いからね。発現できてからなら色々とアドバイスもできるんだけどね…』

 

 

破竜真人 個性:『竜変身』

 

『………………………………………』

 

竜変身に使うジーン達と精神世界で会話し、理解を深める事で新たな力の使い方、そしていまだ発現させられない眠っている力を引き出す為に試行錯誤中だ!こればっかりは本人にしかどうしようもできないぜ!

 

 

 

破竜は目を瞑って静かに黙ったまま、意識を自分の深層に潜らせてジーン達に呼びかける。

 

『おい…早く出てこい。お前らに用事がある。』

 

『……珍しいじゃないか。主がわざわざ私達の元まで来るなんてな。』

 

俺以外の声が聞こえた瞬間、俺は目を開けるとそこは暗闇の中。俺の周りだけ光の柱で囲われている様な不思議な空間に佇んでいた。

 

『久しぶりだな…ジーン達。』

 

『そんないうほどかしら?』

 

話しかけてきたのはアイスのジーン。氷の力を司るからか冷静沈着という言葉がこの中で誰よりも似合う。良くも悪くも冷めた一面を持つ奴だ。

 

『相変わらず生意気なガキだ。トラウマがあるからって俺を使うのを毎度毎度躊躇いやがって。俺の力なら全てを燃やし尽くせるぞ?』

 

『うるせぇ、黙ってろフレイム。どの力を使おうが俺の勝手だ。』

 

この好戦的な奴はフレイム。炎らしく荒々しい性格をしてる。悪い奴じゃ無いんだが、どうも自分が一番という認識があるせいでよく他のジーンと喧嘩してる。

 

『そんなに荒々しくしないでよ〜。のんびりさ、ゆらゆらと生きようよ』

 

『いや、お前はもう少し気を張ったほうがいい。』

 

『ウィンドにサンダーか。お前らも相変わらずみたいで安心したよ。』

 

のんびり口調で子供じみた話し方をしているのはウィンド。それを咎めているのはサンダー。サンダーは俺と性格が近い事もあって親和性が高いように感じる。

 

『お前らは一旦戻れ。話が進まないから俺が話す。さて…主よ、何の用でここにきた?』

 

この丁寧ながら厳格さを感じる声はパワーか。さすが話が早くて助かるよ。

 

『単刀直入に言うぞ。俺がまだ使用できないジーンがいくつかあるだろう?それを解放したい。そうしないと………みんなを守れないんだ。』

 

『………………』

 

そう言うとパワーは黙ってしまう。パワーだけでは無い。心なしか他のジーン達も全員しんみりしている。

 

『どうなんだ?』

 

『…………一つ確認したい。主が今、使えないと自覚できているジーンは何だ?』

 

使えないジーンか…

 

『2つだ。ジーン名はダークとライト。これくらいしかわからない。』

 

そう言うとパワーは

 

『そもそも主は全部でジーンがいくつあるかわかっていないようだな。いい機会だから教えておくが、主に扱えるジーンは全部で19個だ。』

 

『19個!?』

 

俺が今使えるジーンは14個…。現状使えないダークとライトを入れて後5つも俺の知らない力があるっていうのか…その力があればみんなを……耳郎を守る事が出来る。いずれ俺とぶつかることになる(ヴィラン)から…。

 

俺の決意を感じ取ったのかパワーが忠告してくる。

 

『主よ。前にも言ったが、それは主の想像を遥かに超える力だ。それこそ世界を破壊できるほどのな。力を求めれば力に飲まれる。何が為にその力を求めるのかゆめゆめ忘れないことだ。』

 

『それこそ無駄な忠告だ。俺はみんなを守る為に力を求めてる。それ以上でもそれ以下でもない。』

 

『そうか…。力を求める主には悪いが、主が使えないジーンを解放する為の条件を我らは知らん。自身の成長と合わせていずれ使えるようになるはず……決して焦るな。身の丈に合わん力などいずれ身も心も滅ぼす。ではな。』

 

そう言ってジーン達はまた俺から遠ざかっていく…。

 

『また…テメェらは!!言いたいことだけ言って消えやがって!!ちょっと待てって!俺に…も……き…き…い………事…………が』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ッ!!!

 

戻ってきたか…。肝心な事はわからなかったが、ジーン達と話はできたし、ジーンの事について新たに知る事ができた。俺が未だに発現すらさせられない5つのジーンの力。これを俺のものにする。そうすれば………

 

すると、脳内にテレパスが入る。

 

『破竜君、もう時間よ。早く戻ってきて』

 

『えっ?時間……』

 

俺が改めて空を見るともう夕方だった。どんだけジーン達と話してたんだよ…。とりあえず頂上から飛び降りて全員の元に向かう。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

『さァ昨日言ったね世話焼くのは今日だけって!!』

 

『己で食う飯ぐらい己で作れ!!カレー!!』

 

『イエッサ…』

 

夕方に訓練がひと段落した皆は疲労困憊な体を引き摺りながらピクシーボブとラグドールの前に集合する。ひでぇなこりゃ。俺はほとんど瞑想してたから多少の頭痛だけで済んでる。

 

『アハハハハ全員全身ブッチブチ!!だからって雑なネコマンマは作っちゃダメね!』

 

『確かに…災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環…さすが雄英…無駄がない!!世界1旨いカレーを作ろう皆!!』

 

『おぉー……』

 

『飯田…便利……』

 

飯田の号令でカレーを作り始めた俺達を見て相澤先生がそう呟く。正直なんでそんなに元気なのか小一時間くらい問いただしたい気分だ。

 

 

 

 

 

『轟ー!こっちも火ィちょーだい』

 

『分かった』

 

『爆豪、爆発で火ィつけれね?』

 

『つけれるわクソが!!』

 

轟が火をつけるのを見て爆豪も対抗意識を抱いて爆破の勢いで火をつけようとするが…

 

 

BOOOM!

 

 

『…………ケッ!』

 

勢い余って窯ごと爆破してしまう。

 

『バカなのかお前は。俺が火つけるよ。』

 

俺は炎の力を引き出して発火させる。

 

『皆さん!人の手を煩わせてばかりでは火の起こし方も学べませんよ』

 

『いや、いいよ』

 

『俺もいいよ。やれる時はみんなで協力しよう。』

 

『2人ともありがとう〜!』

 

『燃えろ〜燃やし尽くせ〜!』

 

『燃やし尽くしたらダメだろ』

 

疲れの溜まる体に鞭を打つこと1時間。なんとかカレーを完成させる事ができた。

 

『店とかで出たら微妙かもしれねーけど、この状況も相まってうめー!!』

 

『野暮なこと言うな。皆で食うから美味いでいい』

 

『破竜いいこと言うじゃん』

 

『ヤオモモがっつくねー!』

 

『ええ。私の"個性"は脂質を様々な原子に変換して創造するので沢山蓄えるほど沢山出せるのです』

 

『うんこみてえ』

 

『………………………』シュン

 

『謝れえ!!』

 

『すんません!!』

 

『今の発言デリカシー0だな。八百万、気にしなくていいぞ。誰もそんなこと思っちゃいない。』

 

『そうだよヤオモモ。気にしないでよ!』

 

『破竜さん…耳郎さん…ありがとうございます。』

 

バカなこと言った瀬呂を耳郎が制裁している視界の端で緑谷がどこかにいくのが見えた。大方、あの洸汰君にカレーを持って行ったんだろう。緑谷はどうやらあの子が気になるみたいだな。

 

 

明日話を聞いてみよう。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

3日目昼 続・個性を伸ばす訓練!

 

 

 

俺はジーンの特性をより深く理解する為に再度山の頂上部分で各ジーンの力を引き出していた。

 

『ふぅ、焦るな…か。要は今できる事をもっと突き詰めろって事なんだろう。そろそろ各属性ジーンの力を最大火力まで引き上げても問題ないか?』

 

元々、2段階目までで出力を意図的に止めていた。なぜなら、範囲のコントロール技術が2段階目までとは比較にならないほど難しかったからだ。だが、今の俺なら最大火力でぶっ放しながら範囲も指定して使えるはずだ。俺は周辺を見渡す。

 

『うん、誰もいない。失敗した時に誰かを巻き込む可能性もなさそうだ。よしッ…』

 

俺は雷の力を最大限まで引き出す!

 

『すぅ…バルハ『破竜君いいかしら?』ラ…ってうわっ…!っと…やっべぇ!』

 

いきなりきたテレパスに驚いて俺は山頂から落下してしまう。咄嗟に風の力で浮遊し、テレパスしてきたマンダレイの元まで向かう。

 

『ちょっと…びっくりしたんですけど?』

 

ジト目でマンダレイを睨む。

 

『ごめんごめん。せっかくここまできたから直接ピクシーボブから説明聞いてよ』

 

『へっ?なにを……』

 

そう言って視線を向けるとピクシーボブがみんなに夜の予定について説明している最中だった。

 

『ねこねこねこ…皆!今日の晩はねぇ…クラス対抗肝試しを決行するよ!しっかり訓練した後はしっかり楽しいことがある!ザ!アメとムチ!』

 

はい?肝試し?

 

『ああ…忘れてた!』

 

『怖いのマジやだぁ…』

 

『闇の饗宴…』

 

『イベントらしい事もやってくれるんだ』

 

『対抗ってところが気に入った』

 

『というわけで今は全力で励むのだぁ!!!!』

 

『イエッサァ!!!』

 

肝試しかぁ…まぁ、見知ったメンバーがメインだからそこまで怖くは無いか?

 

『てか、これだけの為に呼んだ感じですか?』

 

『ん?えぇ、そうよ?』

 

『テレパスでよかったです…』

 

なぜか余計に疲れを溜め込んだ俺はドラゴンに竜変身して再度山頂まで戻って言った。

 

 

 

 

それから数時間後

 

 

 

 

本日の訓練も無事に終了した俺達は飯田の陣頭指揮のもと、世界一美味い肉じゃがを作っていたが…

 

『破竜って意外とこういうの苦手?』

 

『言わないでよ…俺にだって苦手なものくらい…』

 

飯田からの指示で俺はジャガイモなどの皮剥きをやっていたが上手くできずに隣で作業していた耳郎から突っ込まれてしまう。それを見た上鳴から

 

『でもよ、こういうのが苦手ってわかって安心するぜ。破竜って大体何でもできるからさ。あそこにいる才能マンみたいに』

 

そう言って視線を向けると、爆豪が素晴らしい手つきで肉じゃがの食材を切り分けている姿が見えた。

 

『すっげぇ…俺あんなに出来ないから羨ましいや。』

 

『あぁ"!?こんくらい誰でも出来るわ!』

 

『そうなの?』

 

『破竜、間に受けないほうがいい。あれはアイツが才能マンなだけだから。』

 

やっぱ爆豪がおかしいだけか。すると、同じく肉じゃがの食材を切り分ける係だった緑谷と轟が何かを話しているのが見えた。耳郎と上鳴に一言断って話を聞きにいく。

 

『何話してんだ?2人とも。』

 

『破竜?』『あ、破竜くん、少し聞いていい?』

 

『どうした?』

 

『実はね…』

 

緑谷は昨日の夜に洸汰君のヒーロー嫌いの真相、そしてその為に何かできないかと轟に相談を持ちかけていたようだった。

 

『破竜くんならどうするの?』

 

『……場合による…かな。』

 

『破竜くんも!?』

 

『…もってことは轟も同じ事言ったのか?』

 

『あぁ。俺はあくまでそう思うってだけでお前も同じような回答するとは思わなかったけどな』

 

『破竜くんは何でそう思ったの?』

 

『……確かにヒーローとして名誉ある死だっていうのは俺も()()はできる。だが、()()できるかどうかは本人次第だ。子供の頃なんて親が全ての世界だ。事情はどうあれ自分を見捨てていなくなる原因をヒーローという人種だからっていう曖昧な理由で納得しろって方が無理な話だ。』

 

『それは…そうだけど…』

 

『それに俺達はまだ会って間もない…いうなれば他人だ。そんな他人に言われたくらいで心変わりするってんなら所詮、その程度って話だ。』

 

事実、俺はあの両親の事を今でも許したつもりはないし、なんなら今後だって許すつもりはない。でも、俺は結果としてあの両親と同じヒーローを目指している。それはオールマイトというヒーローが俺を救ってくれたから。

 

『だから、お前があの子に何かしてやりたいって言うんならお前だけがあの子に見せられる姿を見せるしか無い。()()()()()()()()()()()()()()()()()()。俺はそう思う。』

 

それを聞いていた緑谷は何か納得したような表情を見せる。なんか見つけたみたいだな。

 

『ありがとう2人とも。何か見つかった気がするよ』

 

『気にすんな』『どういたしまして。』

 

『君達!手が止まってるぞ!最高の肉じゃがを作るんだ!さぁ!早く準備に戻りたまえ!』

 

『飯田料理長がお呼びだ。早く戻ろうぜ?』

 

『うん。』『あぁ。』

 

食事を終えた俺達は料理で使用した洗い物等の片付けを終わらせ、遂に肝試しの時間になった。

 

『腹も膨れた皿も洗った!お次は…』

 

『肝を試す時間だー!!』

 

『『『やったぜー!!!!』』』

 

芦戸や上鳴、切島達はテンションが高い…。ま、キツイ合宿中の息抜きみたいなもんだし。

 

『その前に大変心苦しいが補習連中はこれから俺と授業だ』

 

『嘘だろ!!?』

 

その言葉に芦戸が驚愕していると補習組は捕縛布を巻きつけられて相澤先生に連行されていく。

 

『すまんな。日中の訓練が思ったより疎かになってたのでこっちを削る』

 

『うわぁ!勘弁してくれ!!』

 

『『試させてくれ~!!』』

 

『『『……………………』』』

 

補習組の悲痛な叫びも相澤先生には届かず、全員が視界から外れていった矢先にピクシーボブが説明を始める。

 

『はい!というわけで脅かす側先行はB組。A組は二人一組で3分置きに出発。ルートの真ん中に名前を書いたお札があるからそれを持って帰ること!』

 

『闇の饗宴…』

 

シーン……

 

『不安を煽るようなこと言うな』

 

明るいメンツがいないせいで空気が沈んでる。

 

『脅かす側は直接接触禁止で個性を使った脅かしネタ披露してくるよ』

 

『創意工夫でより多くの人数を失禁させたクラスが勝者だ!』

 

『やめて下さい。汚い…』

 

『悲鳴をより多く上げさせたほうが勝利とかの条件に変更してくださいよ…』

 

『なるほど…競争させる事でアイデアを推敲させ、その結果個性に更なる幅が生まれるという訳か…さすが雄英!!』

 

『何でもかんでも間に受ける癖やめたほうがいいぞ?いずれ変な壺とか買わされそうで心配になる。』

 

『ウチもそう思うよ…』

 

物事を前向きに捉えすぎる飯田に苦言を呈した後、肝試しを回るペア決めが始まる。俺は緑谷とペアになった。他の所は爆豪が尾白に、峰田が青山にペア変更を希望していたが、嫌いだからとか女の子と一緒に回りたいからっていうそんな自分勝手な理由で通る訳がないだろう。

 

俺はペアになった緑谷と自分達の順番まで並んで待っていると森の中から悲鳴が聞こえてきた…この声は耳郎と葉隠か?

 

『は、破竜くんはこういうの大丈夫?』

 

『ん?あぁ、特に問題ないよ。あくまで驚かすのはB組だろ?見知った顔が現れるって考えれば大して怖く無いさ。なんなら、(ヴィラン)の方が100倍怖いよ』

 

『普通、誰だってそうだよ………』

 

俺のズレた回答に緑谷がツッコミを入れていると俺は周辺の異常を感じ取る。なんだ…この匂い。

 

『何…この焦げ臭いの…』

 

『黒煙…!?』

 

その瞬間、俺は違和感を明確に感じ取り、悪意の先にいたピクシーボブに声をかける!

 

『ッ!危ない!』

 

『なッ!?』

 

ピクシーボブの身体が引っ張られるように宙に浮くと長物を持っている男の傍に引き寄せられ、その男の攻撃をモロに喰らってしまい、意識を失ってしまう。

 

『飼い猫ちゃんは邪魔ね』

 

『何で…万全を期したハズじゃあ…何で…何で敵がいるんだよォ!!!』

 

峰田が叫び声と共に虎とマンダレイが俺達を守るように前に立つ。俺もA組を守るべく立ちはだかる。

 

『ご機嫌よろしゅう雄英高校!我ら敵連合開闢行動隊!!』

 

(ヴィラン)連合…!?何でここに…!!』

 

『この子の頭潰しちゃおうかしらどうかしら?ねえどう思う?』

 

そう言ってピクシーボブの頭をグリグリとするオネェ風の敵。それを見て虎が青筋を立てる。

 

『させぬわ!!このっ…』

 

『待て待て早まるなマグ姉!生殺与奪(せいさつよだつ)は全てステインの仰る主張に沿うか否か!!』

 

『ステイン…!あてられた連中か…!』

 

『アァそう!俺はそうお前、君だよメガネ君!保須市にてステインの終焉を招いた人物。申し遅れた俺はスピナー。彼の夢を紡ぐ者だ』

 

コイツらがステインの夢を紡ぐ者?バカにすんのも大概にしろ。アイツとは似ても似つかねぇ…!名前だけ借りた偽モンがッ!

 

『何でもいいがなあ貴様ら…!その倒れている女…ピクシーボブは最近婚期を気にし始めててなぁ…女の幸せを掴もうって…いい歳して頑張ってたんだよ…そんな女の顔キズモノにして男がヘラヘラ語ってんじゃあないよ』

 

『ヒーローが人並みの幸せを夢見るか!!』

 

そうスピナーが言うとナイフで造られた大剣を構えながら突っ込んできた。

 

『虎!指示は出した!他の生徒の安否はラグドールに任せよう!私らは二人でここを押さえる!!皆行って!良い!?決して戦闘はしない事!委員長引率!』

 

『承知致しました!行こう!!』

 

『ふざけんなぁ!!!!』

 

そう言った飯田の横を超スピードで潜り抜け、俺はスピナー?とやらの無防備な顔面に重い一撃を喰らわせて森の中に吹っ飛ばす!

 

『ぐぉっ!!!!!!!』

 

 

 

 

DOGOOOOM!!!

 

 

 

 

『破竜君!?君は個性使用を……』

 

「緑谷!お前は洸汰君の場所はわかるか!?」

 

『! うん!知ってる!』

 

『なら行け!今はお前しかあいつを助けられねぇ!』

 

俺の指示で緑谷は洸汰君の元まで全力疾走で向かっていく。

 

『破竜くん!?何のつもりだ!?』

 

『もうここは完全に包囲されてる!だったら、コイツらを無力化してすぐにあいつらを助けに行かないと死人が出るぞ!』

 

『テメェ!よくもやりやがったな!』

 

スピナーが俺に狙いを定めて襲いかかってくるが、俺はそれを紙一重で躱して距離を保つ。

 

『………タフじゃん。』

 

『…テメェの顔は見た事があるぞ。ステインと少しの時間だが、タイマンでやり合ってた野郎だな。』

 

『だったら何だ…逃げるのか?』

 

『お前が生きてるって事はステインが認めた男って事だ。俺はお前に手を下すつもりはない。』

 

『……そうかよ。なら、遠慮なく俺はアイツらを助けに行かせてもらう!』

 

そう飛び出した俺をオカマの敵が引き止めてくる。

 

『スピナーが行かせてもアタシが行かせるわけないでしょ!』

 

『邪魔だッ!』

 

敵の攻撃を避けて俺は森の中に入るとテレパスが俺の頭の中に響いてきた。

 

『破竜君!この際、さっきの個性使用と単独行動は見逃すわ!お願い、ラグドールの状態を確認して!さっきから連絡してるのに一向にこっちに来ないの!』

 

ラグドールさんが?確かにサーチの個性があれば戦闘はかなり楽になるはずだ。確かラグドールさんは中間地点にいるはずッ!俺は全力で走って中間地点に着くと呼びかける。

 

『ラグドールさん!どこですか!?』

 

全く反応が帰ってこない…なんで…。すると、ラグドールさんがいたと思われる所に大量の血痕が残されていた。

 

『まさか…(ヴィラン)に捕まった!? これじゃあ…肝試しに先行したみんなの安否なんてあって無いようなもんだ…!』

 

すると脳内に再度テレパスが入る!

 

『A組B組総員!プロヒーロー、イレイザーヘッドの名に於いて戦闘を許可する!繰り返す!A組B組総員!戦闘を許可する!』

 

なんで戦闘許可が…まさか相澤先生…俺達の為に泥を被る気か!?

 

『くそっ…!いつもいつもコイツらのせいで誰かが…絶対に許さねぇぞ…!』

 

俺はパワージーンとウィンドジーンの力を引き出して空中に飛び出し、空から森を観察すると最初に黒煙が上がった場所の近く、顔半分がツギハギの男と全身をラバースーツで覆った不審な男。そしてその近くで息を潜める青山が見えた…

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

『おい…トゥワイス。目的の奴はまだ見つからねぇのか?あんまり長居はしたくねぇぜ?』

 

『うるせぇやい!全員やれることやってんだからそのうち見つかるさ!……見つかんのかよホントに!』

 

青山は隠れている茂みから敵連合の会話を聞きながら息を潜める。その近くにはガスマスクをして倒れている葉隠。葉隠を介抱しつつ、ガスを何とかやり過ごした耳郎がいた。

 

『(ガスに何とか気づいて濃度の薄い所に逃げたはいいものの…その先にこんなヤバい奴らがいるなんて…)』

 

『(どうにかして逃げなきゃいけないのに…2人をフォローしながらなんて無理に決まってるよ…)』

 

青山と耳郎の2人はこの状況を何とかしなきゃと思いつつも打つ手がなく、現状維持に努めるしかなかった。

 

『はぁ…なら、そこで隠れてる奴らを餌にして誘き寄せるのもアリか?』

 

『『 !? 』』

 

ウチらの事気づかれてッ…!!

 

『!? 避けろトゥワイス!』

 

『おわぁっ!!!』

 

 

DOGOOOM!!!!

 

 

2人がいた場所に上空から飛び込んできた竜の一撃が地面を殴って衝撃波を巻き起こす!

 

『は、破竜!?』

 

『破竜くん……』

 

『3人とも無事か!?』

 

『あん?コイツが破竜?』

 

『マジか!ついてねぇな!…マジでついてるぜ!』

 

ついてる?どう言う事だ…。するとマンダレイから再度脳内にテレパスが入ってくる!

 

『敵の狙いの一つ判明!狙いは生徒のかっちゃん、そして破竜君よ!かっちゃんはなるべく戦闘を避けて!破竜君はラグドールの確認が終わり次第、すぐに戻って!分かった!?かっちゃん、破竜君!』

 

『(最悪のタイミングだ…)』

 

『こんなとこで目的の奴と会えるとはな。悪いが、俺らと一緒に来てもらうぞ?』

 

『丁重にお断りさせてもらう』

 

『なら、力ずくでいくまでだ。』

 

そう言って構えるツギハギ男に相対する俺を見て青山と耳郎は

 

『破竜君!君は逃げないと…!』

 

『破竜!早く逃げよう!』

 

『青山、耳郎!葉隠を連れてなんとか逃げろ!いくら俺でもお前ら3人を守りながらコイツらから逃げるのは無理だ!少しだけ足止めするからその間に!』

 

『余所見とは余裕じゃねぇか』

 

その瞬間、俺の目の前に蒼い炎が襲ってくる!

 

『ッ、レイギル(氷結)!』

 

咄嗟にアイスジーンの力を引き出すが、炎の火力が高すぎて一瞬で溶かされてしまう!

 

『早く行け!お前らがいると俺も逃げられない!』

 

『……ウン!任せテ!』

 

『は、破竜…ウチも残る!』

 

『ダメだ!コイツら…特に蒼い炎を使うコイツはやばい…早く逃げてくれ!』

 

『で…、でも…』

 

『耳郎…早く逃げて。俺なら平気だ。青山と葉隠のこと頼む…。また後で会おうな』

 

『ごめん…ごめん…破竜!』

 

そう言って葉隠を背負って耳郎と青山はこの場を離脱する。

 

『行かせてやるよ…行かせるわけねえだろ!』

 

追いかけようとするラバースーツの男に氷結を発現させて進路を塞ぐ!

 

『おい!テメェ何しやがる……!?』

 

『おいおい…コイツほんとに学生か…?』

 

2人は目の前で相対する破竜から溢れ出る異常とも言える殺気にほんの少し後退してしまう。

 

『いい加減にしろよ……このクズ野郎共。アイツらが逃げるまでここは絶対に通さねえ!!』

 

 

 

 

破竜VS荼毘&トゥワイス

 

 

 

戦闘開始!!!

 







あとがきです。


毎度毎度遅くて本当にすみません。

今回はジーンの説明がありましたが、独自解釈が多く、自分で勝手に設定付け足してます。下記に現在、破竜君が使えるジーンを記載しておきます!


使用可能ジーン

1.フレイム(炎の力)

2.アイス(氷の力)

3.サンダー(雷の力)

4.ウィンド(風の力)

5.パワー(増強の力)

6.ワンダー(巨大化の力)

7.シャープ(特徴強化の力)

8.グロース(能力強化の力)

9.リバース(反転の力)

10.ミューテーション(無作為の力)
※本作未使用

11.プロテクト(防御の力)

12.???(単独では効果なし)
※本作未使用

13.マジカル(特殊能力の力)
※本作未使用

14.エラー(弱体化の力)
※本作未使用



次回はA組最強格の破竜君VS荼毘&トゥワイス!現状では破竜君がだいぶ不利です。理由は…次回で説明できればと思います!

本作のお気に入り、感想、評価等、いつもありがとうございます!次話もお楽しみに!




次回予告




『この炎…轟以上だ!!』

『確かに強いし、戦闘慣れしてるが…』

『周りにも気を使うべきだよ?』





『ね、ねぇ…2人は…?』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア





『ヒーロー完全敗北!?ヴィラン連合の目的!』





『『 2人を返せっ!!!!! 』』








更に向こうへ!Plus ultra!!!
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