半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

今回は割と早く投稿できたのでは無いでしょうか…。ゴールデンウィークが一生続けばいいのにと思う私です。

明日から仕事なんて考えたくありません。

お気に入り及び評価してくれた下記の方


ころ先生 haruko マナピー ー劉輝ー Noiだよ じな

北山三


本当にありがとうございます!


よろしければ感想や評価もいただければ幸いです!


それでは本編をお楽しみ下さい!



『ヒーロー完全敗北!?ヴィラン連合の目的!』

 

 

『いい加減にしろよ……このクズ野郎共。アイツらが逃げるまでここは絶対に通さねえ!!』

 

俺はパワーとアイスのジーンの力を解放して2人の前に立ち塞がる!

 

『死柄木と黒霧が言ってた通りの奴だ。氷を使ったと思えば身体能力向上、挙げ句の果てには竜に変身するんだって?いい個性じゃん』

 

『黙れ。お前なんかと話す気はねぇ。さっさとこっから消えろ。』

 

『つれねぇ……なぁ!!』

 

そう言うとツギハギ男は蒼い炎を俺に向かって放ってくる!

 

『チッ!レイギル(氷結)!』

 

その炎を俺の氷結で相殺しようとするが…

 

 

ゴォォォォォォォォ!!!!!!!!!

 

 

『ダメだッ!炎の温度が高すぎる!』

 

俺は咄嗟に横にズレて直撃を躱わすが、その炎は俺の後ろにある木々を燃やし尽くし、更に燃え上がらせてしまう!

 

『ッ!』

 

ドクン…ドクン……ドクン………

 

その光景を見てあの日の事を思い出してしまう…島の山々を燃やし、竜変身の力を暴走させたあの時を…

 

『なんだ?隙だらけだな』

 

『し、しまっ…』

 

俺の目の前に手を翳したツギハギ男が蒼い炎を放つと感じ取った俺は氷結でガードしようとするが、その手は放出する瞬間に俺の脇腹の方に…

 

 

ゴォォォォォォォォォ!!!!

 

 

蒼い炎を放出した荼毘は破竜の脇腹を中心に焼き尽くすと後方にステップバックして距離を保つ。

 

『なにやってんだ!……よくやったぜ!』

 

『ホント難儀なもんだな。さて…、あとはコイツと爆豪とかいうガキを捕まえたら俺達の仕事は『何勝った気になってやがる!』!?』

 

 

バギャッ!

 

 

 

『ごっ…は……』

 

 

 

DOGOOOM!!!

 

 

 

ドラゴンウォリアーに竜変身した破竜が高速で突っ込んで荼毘を森の奥まで吹っ飛ばし、空中に静止する。

 

『う…うっそぉぉぉ……あの炎喰らって無傷…?』

 

『あのレベルなら前に喰らった事がある。竜変身した今の俺なら致命傷にさえ気をつければ問題ない。』

 

流石のトゥワイスも驚く事しかできず、目の前に迫る破竜相手にまともな戦闘体制を取る事もできなかった。

 

スタッ…

 

『さぁ、次はテメェの番だ』

 

『へっ!俺だって敵連合の一員。戦闘なら任せておけ!…俺は戦闘苦手なんだよぉ!』

 

そう言うとメジャーを使って俺に攻撃を仕掛けてくるが、俺はそれを難なく躱していく。動きに無駄が多いな…!

 

『なんだそりゃ?隙だらけだぞ!』

 

『うおっ!』

 

俺は足払いをかけてラバースーツの男を地面に叩きつけると、足でそいつの腹を踏みつけて動きを封じる。

 

『く、くそ…』

 

 

グイッ…

 

 

『お前らの目的は俺と爆豪だったな?なぜ俺と爆豪を狙う?先に言うが、早めに答えた方が身のためだ。』

 

『わかったわかった。話してやるよ!……バカ言え!お前みたいな奴に話してやるもんかっての!』

 

『あぁ"?』

 

俺は踏みつける足に力を込める。

 

『いてっ!…痛くねぇぞ!コラ!』

 

『さっさと言え。俺はお前らなんかに構ってる時間は…!?…ぐぁぁぁぁ!!!!』

 

俺のすぐ真後ろから蒼炎が襲ってくる!辛うじて体全体への直撃は避けたが…

 

『あ…が…今の炎…轟以上だ…!!』

 

左腕の部分に強い火傷を負ってしまう…破竜はアイスジーンの力で熱を持った部分を冷やす。多少の傷跡こそ残ったものの、簡易的な治療を終え再度荼毘とトゥワイスに向かい直す。

 

『テメェ…俺はさっきお前をぶっ飛ばした時、手加減なんかしなかった…こんな早くに復帰できるわけが…!お前なんで…傷跡がない…?』

 

荼毘の体をよく見ると破竜の一撃で破けたはずの服が破けておらず、全体的に無傷のままだった。

 

『クハッ、まさかあの蒼炎を躱すなんてな?確かに強いし、戦闘慣れもしてるがそれだけだ。』

 

『俺の個性を知っているだろ!?………いや、お前は知らねぇじゃん!』

 

『なにいってやがるコイツら……?』

 

『トゥワイスの個性『2倍』で複製を作ってたんだよ。お前が攻撃したのは俺の複製ってわけ』

 

『複製だと…? いや、だとしてもこの戦いの最中にそんな隙は…まさか最初の炎の瞬間に…!』

 

『ご名答。お前の脇腹に蒼炎をぶつけた時、お前の視線から俺達は完全に外れた。その瞬間さ』

 

コイツら…戦い慣れてる…。敵に俺の個性がバレているのに対して、コイツらの個性をようやく掴んだ俺とじゃスタートラインが違いすぎる。クッソが…

 

『さて、そろそろ大人しく捕まってくれると助かるんだが?』

 

『抵抗してこいや!……いや、抵抗すんなよ!?』

 

『うっせぇなバカが…こっから反撃だ!』

 

俺は()()()をかまして、相手に戦闘を続行するという認識を植え付ける。幸い、コイツらは俺よりもスピードはない。不意をつけば逃げられる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう考えていた俺が甘かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『んー、実力は高いけど演技力が良くないね。もっと周りにも気を使うべきだよ。そうしないと僕のマジックの獲物になっちゃうんだから。』

 

『……なっ!』

 

俺の背後にさっきまでそこにいなかったはずの気配が…後ろを振り向くとシルクハットと白の仮面を被ったマジシャン風の男が立っていた。

 

『(油断したつもりなんかねぇ…!周りには最大限の警戒をしてたはずなのに!?くそったれがぁ…!』)

 

俺の意識はそこで途切れてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『珍しいですね。貴方達がそこまで手こずるなんて。そんなに強かったんですか?この子』

 

そう言って破竜を封じ込めた球状の塊をコロコロとしてニヤニヤするマジシャン風の男。

 

『うるせぇぞ…コンプレス。コイツは本気で戦えてなかっただけだ。ハッキリ言うが、今回は環境と状況が俺達に味方したから勝てたに過ぎない。』

 

『おや、あなたがそこまで手放しに賞賛するなんて。理由をお伺いしても?』

 

そう言うと荼毘は話し出す。

 

『第一にコイツは俺達の個性を知らない。俺の蒼炎はともかくとして、トゥワイスの"複製"にお前の"圧縮"。これを全く知らない状態でいきなり全部に対応しろって言うのは無理な話だ。』

 

『そうか?……確かにそうだぜ!』

 

『言われてみればそうですね。』

 

『ついでに言うと、コイツがこの場で本気の力なんて出したら俺との戦闘で火事による二次被害を招く。俺達は奪う側だからな。多少の無茶も問題ねぇが、コイツはクラスメイトや周りの人間や環境全てに気を使った戦闘しかできなかったから威力も戦闘スタイルも格闘戦に縛るしかなかった。実際、格闘戦だけなら俺達は手も足も出なかったからな。トゥワイスの複製で作った俺も一撃であのザマだ。』

 

そう言って視線を向けると破竜が飛び込んだ所にいた複製は跡形もなく、叩きつけた拳は山の根元部分にヒビを入れていた。

 

『………喰らいたくはないですね。』

 

『下手したら一撃で気絶させられていた。まぁ、強いてもう一つ理由をあげるとすれば、俺の炎で森が焼かれているのを見て一瞬だけだが、動きが完全に止まった。なんでかは知らねぇがな。とりあえずコンプレスはさっさと爆豪とか言うガキを回収しに行け。俺らは集合場所で待つ。』

 

『わかりました。それでは後で』

 

そう言うとコンプレスは飛び上がって爆豪を探しに向かう。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

破竜が耳郎、青山、葉隠を逃した後、3人が施設までの道を歩いていると耳郎が

 

『破竜が戻ってこない……』

 

『た、確かに…もう10分近く経つのに…』

 

『ッ…青山!葉隠のことお願い!』

 

『ちょっ、ちょっと耳郎さん!?』

 

耳郎は制止する青山を振り切って来た道を戻る!

 

『(大丈夫だよね…?破竜!)』

 

耳郎は心の中に渦巻く不安を押し殺しながら走り続ける。しばらくして破竜と別れた道に出るとそこには緑谷達、そして麗日と蛙吹がいた。

 

『耳郎!?』

 

『響香ちゃん!』

 

『耳郎ちゃん無事だったのね。良かったわ』

 

『みんな!緑谷…あんたその腕は…』

 

程度の差があれど、そこにいた全員はボロボロになっており、先ほどまで各自が激しい戦闘を繰り広げていた事は容易に想像できた。

 

『立ち止まっている場合か早く行こう!』

 

『とりあえず無事でよかった。そうだ…一緒に来て!僕ら今、かっちゃんの護衛をしつつ施設に向かってるんだ。早く破竜君とも合流しないと…』

 

ちょっと待ってよ。破竜と合流って…

 

『アンタら…破竜を見てないの?』

 

『え…それってどういう…?』

 

『アイツはウチらを逃がすためにさっきまでここで戦闘してたはずだよ…?』

 

『『『 !? 』』』

 

ウチの心の中を不安が支配する…。それに緑谷達、気づいてないの…?

 

『それに爆豪を護衛って…』

 

『その爆豪ちゃんはどこにいるの?』

 

『何言ってるんだ…かっちゃんなら常闇君と一緒に後ろにいるはず…』

 

そう言って後ろを振り向くが…そこには誰もいない。

 

『ね、ねぇ…2人…は?』

 

『彼らなら俺のマジックで貰っちゃったよ』

 

『!?』

 

木の上から聞こえた声に反応し、全員が振り向くと敵幹部の1人、Mr.コンプレスがニヤニヤした口調で全員を見下ろしていた。そして驚愕の事実を告げる。

 

『爆豪君に常闇君、そして君達の中で最強の戦闘能力を持つ破竜君。3人とも僕が貰っちゃった。』

 

『うそ…』

 

『爆豪に常闇だけじゃねぇ…まさか、あの破竜も捕まえたってのか!?』

 

『よく抵抗した方だけど彼も3対1じゃあね。しかも縛りがなかったら負けてた可能性があるって言うんだから末恐ろしいよ。』

 

コンプレスの言葉に麗日と轟が驚く。A組でも屈指の戦闘力を持つ3人をあっさり捕まえた(ヴィラン)連合の恐ろしさに…。

 

その時、緑谷と耳郎が同時に叫ぶ!

 

 

『『 返せッ!!! 』』

 

 

『返せ?妙な話だぜ。爆豪君、破竜君は誰のモノでもねえ…彼らは彼ら自身のモノだぞ!エゴイストめ!』

 

『返せよ!!』

 

緑谷が叫ぶのと同時に轟が個性を使用してコンプレスに向かって氷結での攻撃をするが、それをのらりくらりと躱す。

 

『我々はただ凝り固まってしまった価値観に対しそれだけじゃないよと道を示したいだけだ。今の子らは価値観に道を選ばされている』

 

『(後ろ二人を音も無くさらったってのかどういう個性だ…!?)わざわざ話しかけてくるたァ…舐めてんな』

 

コンプレスは大袈裟に両手を広げ、まるでマジシャンがステージをするような仕草でこう告げる。

 

『元々、エンターテイナーでね?悪い癖さ…常闇君はアドリブで貰っちゃったよ。ムーンフィッシュ…『歯刃(しじん)』の男な。アレでも死刑判決控訴棄却されるような生粋の殺人鬼だ。それを一方的に蹂躙する暴力性…彼も良いと判断した。破竜君は()からのご指名でね。元々攫うつもりは無かったんだけど、彼を怒らせると怖いからね。一緒に来てもらう事になったんだ。』

 

『この野郎!!貰うなよ!!』

 

『返してもらうから!!!』

 

『緑谷に耳郎、落ち着け!』

 

『麗日、こいつ頼む!』

 

『えっ…あ、うん!』

 

轟は追撃の氷結を繰り出すがコンプレスは見事な動きで捉えさせない!

 

『悪いね!俺ァ、逃げ足と欺くことだけが取り柄でよ!ヒーロー候補生なんかと戦ってたまるか…

開闢行動隊!目標回収達成だ!短い間だったがこれにて幕引き!!予定通り、この通信後5分以内に回収地点へ向かえ!』

 

『幕引き…だと』

 

『駄目だ…!!』

 

『させねえ!!絶対逃がすな!!』

 

緑谷達は急いで追いかけるがコンプレスの素早い逃走に一向に追いつく事ができない。

 

『ちくしょう!速え…あの仮面…』

 

『飯田くんさえいれば…!』

 

『絶対助けるんだっ!いつもアイツがウチを助けてくれたみたいに…!今度はウチが!!』

 

耳郎は保健室で破竜と交わした誓い、そして耳郎の自宅で破竜が自身の父親に語っていた事を思い出す。

 

『(アイツにばっか重荷を背負わせない!アイツが危なくなったらウチが必ず助けるんだッ!!)』

 

『諦めちゃ…駄目だ…!!っ…!追いついて…取り返さなきゃ!』

 

『しかしこのままでは離される一方だぞ』

 

「麗日さん!僕らを浮かして!早く!そして浮いた僕らを蛙吹さんの舌で思いっ切り投げて!僕を投げられる程の力なら凄いスピードで飛んで行ける!障子くんは腕で軌道を修正しつつ僕らを牽引して!』

 

『成程、人間弾か』

 

『待ってよデク君!その怪我でまだ動くつもりなの…!?』

 

『お前は残ってろ。痛みでそれどころじゃあ…』

 

『痛みなんて今は知らない…動けるよ…早くっ!』

 

『緑谷!ウチも連れてけ!!!』

 

『うん!早く3人をッ!』

 

『デク君…せめてこれ…!』

 

麗日は簡易的に緑谷の腕を固定すると、蛙吹が緑谷、轟、障子、耳郎を舌でグルグル巻きにして麗日が個性を使用して浮かせる。

 

『必ず三人を救けてね…!!!』

 

蛙吹が四人をコンプレスに向かってぶん投げる!

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

『あれ?まだこんだけですか…』

 

『あぁ…それよりイカレ野郎、血は取れたのか?何人分だ?』

 

『一人で~す!』

 

『一人ィ!?最低3人はって言われてなかった!?』

 

集合場所で開闢行動隊のメンバーである荼毘、トゥワイス、トガヒミコは集まってそんな会話をしていた。

 

『つーかよトガちゃんテンション高くねえか!?何か落ち込む事でもあったのか!?』

 

『お友達ができたのと気になる男の子がいたのです』

 

『それ俺!?ごめん無理!?俺も好きだよ!』

 

『うるせぇな…黙って待ってろ。もうそろそろ…!?』

 

荼毘がそう言いかけるとコンプレスを押さえつけながら緑谷、轟、障子、耳郎が空から降ってくる!

 

『みんなを返せ!!』

 

『知ってるぜこのガキ共!!誰だ!?』

 

Mr(ミスター).避けろ』

 

荼毘は片手を翳して蒼炎を放てる体制に入る!

 

『了解!』

 

『バッカ冷たっ!!』

 

荼毘が放った蒼炎が緑谷と障子の腕を焼き尽くす!

 

『ぎゃあ!!!』

 

『う"あ!!!』

 

『2人とも!?』

 

『死柄木の殺せリストにあった顔だ!そこの地味ボロ君とお前!なかったけどな!』

 

『くそ…邪魔すんなぁ!』

 

トゥワイスと轟が交戦するすぐ側で耳郎は荼毘相手にイヤホンジャックを使った中距離戦を仕掛けるが、反撃の蒼炎で不利な状況が続く!

 

『熱っ!!ッ…破竜を返せ!!!』

 

『……アイツと比べるのも烏滸(おこ)がましいぐらい弱いなお前。弱い犬ほどキャンキャン吠えるのか?』

 

『黙れぇ!!!!』

 

蒼炎を受けた緑谷が体勢を整えているとトガヒミコが走ってきて緑谷を押し倒した。

 

『トガです出久くん!さっきも思ったんですけど、もっと血出てたほうがもっとカッコイイよ…出久くん!!』

 

ナイフを緑谷に刺そうと振り下ろす瞬間、障子の複製腕の一撃でトガヒミコを緑谷から吹き飛ばす!あと一歩と言うタイミングで邪魔をした障子をトガヒミコは無表情で睨みつける。

 

『そうですか…邪魔するんですか。貴方、少しも好みじゃないけど刺してあげます』

 

そう言って再度ナイフを構え直す。

 

『イカレてるな…!』

 

「楽勝だぜ!かかって来いよ!いい加減にしろって!」

 

「何なんだコイツは…』

 

それぞれが(ヴィラン)と交戦していると球状になっていたコンプレスが元に戻る。

 

『いってて…飛んで追ってくるとは!発想がトんでる』

 

『チッ、しつけぇな…この女。そこで寝てろよ。』

 

耳郎のイヤホンジャックを躱して荼毘は耳郎の横っ腹に強烈な蹴りを見舞うと耳郎はそれをモロに喰らってしまい、地面を転がってしまう。

 

『あ…が…うっ……』

 

『はぁ…で、爆豪は?』

 

『もちろん………ん!?』

 

耳郎をあっさりといなした荼毘と話をしていたコンプレスはコートの右ポケットに手を入れるが、そこにあったはずのものがない事に気づく。

 

『3人とも逃げるぞ!!()()()()でハッキリした…!個性は分からんが、さっきお前が散々見せびらかした右ポケットに入っていたこれが常闇・爆豪・破竜だなエンターテイナー!』

 

『障子くん!』

 

『ハァ…ハァ…やった…』

 

『でかした!!』

 

捕らわれた3人の奪還に成功した4人は交戦をやめて、施設まで走り出す!それを見た荼毘は蒼炎を発現させる。

 

『アホが…』

 

『いや待て』

 

『脳無!?』

 

『こっちだ!!』

 

脳無を避けて、別のルートから逃走を図る4人の前に見た事のある黒い靄が現れる!

 

『アンタは…USJとショッピングモールの時にあった…確か黒霧!!』

 

『おや、貴方は破竜君の…。残念ですが貴方とお話ししている時間はないんですよ。合図から5分経ちました。行きますよ荼毘』

 

そう言うと黒霧はワープゲートを出して撤退する準備に入る。荼毘が目標の奪還に動き出そうとすると、コンプレスがその動きを制する。

 

『待て、まだ目標が…』

 

『ああ…アレはどうやら走り出す程嬉しかったみたいなんでプレゼントしよう。癖だよマジックの基本でね。モノを見せびらかす時ってのは見せたくないモノ(トリック)がある時だぜ?』

 

コンプレスが仮面を取り、口の中を見せる。そこには三つの球状の塊があった。

 

『『『 ま、まさか…!? 』』』

 

次の瞬間、障子が持っていたものが氷に変化する!

 

『氷!?』

 

『俺の氷か!?』

 

『そう。氷結攻撃の際にダミーを用意し右ポケットに入れておいた。右手に持ってたモンが右ポケットに入ってるのを発見したらそりゃー、嬉しくて走り出しちゃうさ。』

 

『(圧縮して閉じ込める的な個性か!?)』

 

『待てえ!!』

 

緑谷、轟、障子、耳郎はボロボロの体にも関わらず、コンプレスに向かって走り出す!

 

『そんじゃーお後がよろしいようでッ!?』

 

コンプレスが靄に飲み込まれる寸前、突如発射されたネビルレーザーがコンプレスの仮面を破壊した。そこには耳郎を追いかけてきた青山がいた。

 

『チッ…さっき逃したガキか!』

 

『ひいっ…!』

 

荼毘は青山がいる方向に蒼炎を放つが間一髪、青山は横っ飛びで荼毘の蒼炎を回避する!

 

不意の一撃にコンプレスは口の中に入っていた球状の塊を吐き出してしまう!轟と障子に合わせて耳郎も飛び出そうとするが何処からか飛んできたナイフが足に刺さってしまい、地面を転がってしまう。

 

『いった…!』

 

『させませんよ…』

 

耳郎はトガヒミコのナイフに動きを阻害されてしまうが、障子は三つの内の一つの球状の塊を何とかキャッチする!轟も必死に手を伸ばすが荼毘に先にキャッチされてしまう!

 

『くそっ…返せッ!俺の友達を!!!』

 

『ははっ…哀しいなあ…轟焦凍』

 

轟の必死の叫びも虚しく、その手は虚空を掴んでそのまま地面を転がってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

耳郎は空中にある塊を見ながら I・アイランドで破竜が言っていた事を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺は…俺の手が届く場所にいる人くらい…助けたい。俺の手はまだお前に届く。だから助ける。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『(ウチの手はまだアイツに届くッ…!諦めるな!!絶対に…絶対に助けるんだ!!!)』

 

耳郎は血が流れ続ける痛む足のことなど忘れ、最後の力を振り絞って手を伸ばすがその手が届く前にトゥワイスが先に確保してしまう。

 

『ははー!やったぜ俺!…何やってんだ俺!』

 

『確認だ。破竜真人以外を解除しろ』

 

『俺のショウが台無しだ!』

 

コンプレスはそう言いながら指を鳴らすと障子が持っていたものが常闇に、荼毘が持っていた塊が爆豪に変わる。荼毘は爆豪の首を掴んで靄の中に消えようとしていた。

 

『爆豪!!!破竜!!!!』

 

轟と障子が叫ぶと緑谷は何度も爆豪の名前を叫びながら必死に走る!

 

『かっちゃん!かっちゃああああああん!!』

 

『…来んな…デク…』

 

その言葉を最後に黒い靄に爆豪が飲み込まれると靄が消え、あたりにはボロボロの生徒数人。そして蒼い炎が燃え盛る森しか残されていなかった。

 

『ーーあ…うぅ…あ"ぁぁぁ!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラドキングが通報した警察と消防が到着した後は(ヴィラン)の拘束、そして燃え盛る森の消化活動が行われた。

 

 

(ヴィラン)側は3名を現行犯逮捕。それ以外の敵は彼らを残し、跡形もなくその場から姿を消した。

 

 

生徒41名の内、敵のガスによって意識不明が14名、重軽傷者12名、無傷だったのはたったの……13名。

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行方不明2名。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らが楽しみにしていた林間合宿は…

 

誰も予期しない……最悪の形で幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『嫌だ…嫌だ……………破竜……』

 

『また後で会おうな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『う…あ"ぁぁぁぁぁ!!!!!!』

 

 

森の中で耳郎の叫び声だけが虚しく響き渡った。

 

 

 

 

 







あとがきです。


破竜君が敗北し、まさかの敵連合に捕まってしまいました…!流石の彼も3対1。しかも内2人は初見殺しすぎる個性持ちですからね。とは言っても荼毘も話していた通り、実力的には破竜君にも十分勝ち目はありましたが、他の人達を巻き込まないような配慮(誰がどこにいるか完全にわからない為)や燃え上がる森を見て過去のトラウマを思い出してしまい一瞬の硬直、それらが重なってしまったのが完全な敗因です。

ここで林間合宿編は終わり、次回から悪夢の神野編に突入します。そして遂にあのキャラが本格的に動き出します。

そういえば、本作がルーキーランキングの33位に何故かランクインしてました…。正直に言えば、かなり驚きました。次回はもっと上に行けるように…本作をより面白いと思えるように頑張ります!

本作のお気に入り、感想、評価等、いつもありがとうございます!次話もお楽しみに!




次回予告




『私が反撃に来たってね!』

『まだ手は届くんだよ!』

『響香は破竜君から何を学んだの?』





『僕の気持ちはどうでもいいというのか…!』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア





『今度こそ!緑谷と耳郎の決意!』





『その奪還作戦……ウチも行く。』








更に向こうへ!Plus ultra!!!
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