半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

本作品のお気に入りもようやく250人を突破しました!ありがとうございますー!!

最近、ヒロアカの二次創作も増えてきたので負けないように内容考えて頑張りたいと思います!

お気に入りしてくれた下記の方


EVE12 NAYAN ソゥ 園田優仁 蓮虎9029 優大 みこ7390 イノイノ


本当にありがとうございます!


よろしければまだまだ感想や評価もいただければ幸いです!


それでは本編をお楽しみ下さい!



『反撃の狼煙を上げろ!逆襲のヒーロー!』

 

 

 

(ヴィラン)連合アジト

 

 

Mr.コンプレスの個性で捕まった俺と爆豪は拘束具を付けられて敵連合のアジトにいた。

 

『チッ、コレ外せよ。腕痛いんだけど?』

 

俺がそう言うと死柄木は首をガリガリと掻き、イライラを隠せない表情で返してきた。

 

『黙ってろ、破竜真人。本当はお前に用はねぇんだ。アイツが会いたいだなんだの言うせいで連れてくる羽目になったんだ。』

 

『そう怒らないでください。彼を怒らせるとマズイことになるのは死柄木弔もわかっているでしょう?』

 

『そうですね…。私は彼とあまり絡みがないからそう思うのかもしれませんが、あの独特な雰囲気は慣れそうにもない…。』

 

面識のある死柄木は悪態をつき、黒霧とMr.コンプレスは異様な雰囲気を纏う彼への恐怖を語る。

 

『ねぇ、仁君。弔君達が言ってる彼って誰?』

 

『俺は知ってるぜ!……いや、わかんねぇよ!』

 

『俺も気になるなァ。わざわざこいつを指定してまで会いたいとか言う奴。』

 

『お前らがそこまで言うほどのやつか?』

 

『信じられないわね…』

 

コイツら…全員が面識あるわけじゃないのか?余計に謎すぎる…。何者なんだ…。

 

『…アイツの事はもういい。』

 

『そうですね…いずれキチンと会う機会を作りますから。今はこの場に集中する事にしましょう。』

 

死柄木と黒霧はそう言って話を打ち切る。そして死柄木は俺に目もくれずに爆豪の元まで歩いていく。

 

『早速だが…ヒーロー志望の爆豪勝己くん。俺の仲間にならないか?』

 

『なッ…!!!』

 

勧誘だと!?なんのつもりだ…!?

 

『はっ…寝言は寝て死ね!!!』

 

唐突な勧誘に驚く俺をよそに爆豪はいつも通りの口調で死柄木の勧誘を一蹴する。

 

『まぁ、時間もある事だ。ゆっくり話をしよう。』

 

そう言って死柄木はポツポツと話し出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆豪が敵連合から勧誘を受けた数十分前。

緑谷達は新幹線に乗り目的地へ移動していた。

 

『いいですか?発信機の示した座標は神奈川県横浜市神野区。長野からの出発ですので約2時間…22時頃の到着です』

 

緑谷は出発してからずっと気になっていた事を切島と轟に確認する。

 

『あの…この出発とか詳細って皆に伝えてるの?』

 

『ああ…言ったら余計止められたけどな』

 

『あの後、麗日が駄目押しでキチいこと言ってくれたぜ』

 

『麗日さんが?』

 

『『破竜くんは違うと思うけど、爆豪くんはきっと皆に救けられんの屈辱なんと違うかな』…だってさ』

 

緑谷は爆豪が連れ去られる直前、手を伸ばした自分に対して発した言葉を思い出す。

 

『来んな…デク…』

 

『……………………』

 

『それに……』

 

『どうしたの…?』

 

切島が珍しく言い淀んでいたのを見て緑谷がたまらず声をかける。

 

『梅雨ちゃんがな…俺達の中で1番の実力者だった破竜でさえ、敵に捕まっちまった。そんな連中を相手に実力が足りねぇ俺達が向かった所で何かできるとも思えねぇって…』

 

『……………………………』

 

それを聞いて全員が黙ってしまう。

 

『一応聞いとく…俺達のやろうとしてる事は誰からも認められねぇエゴってヤツだ。引き返すならまだ間に合うぞ』

 

『俺は…迷うくらいならそもそも言わねえ!あいつらは(ヴィラン)のいいようにされていいタマじゃねえんだ…!』

 

『ウチも同じく。実力が足りないのなんて百も承知だよ。それでもウチは後悔しない方を選ぶ。』

 

『僕も…後戻りなんて出来ない』

 

切島、耳郎、緑谷は奪還作戦への強い意志を見せる。

 

更に新幹線に乗ること数十分、緑谷達はようやく神野区に到着した。

 

『着いた!神野区』

 

『この町の何処かに奴らが潜んでんのか』

 

『人多いな』

 

『さァどこだ八百万!』

 

『待てバカ!』

 

『お待ち下さい!』

 

走り出しかけた切島を耳郎と八百万が制止する。

 

『ここからは用心に用心を重ねませんと!私達、(ヴィラン)に顔を知られているんですのよ!』

 

『下手したらいきなり襲われる可能性だってある。用心しすぎて困る事ないからね。』

 

『うん隠密だ』

 

『了解!』

 

2人から指摘された切島とそれを聞いた緑谷は腕で顔を隠しながら動くが、逆に目立ってしまっている。

 

『しかし…これでは偵察もままならんな』

 

『そこで私、提案がありましてよ!?』

 

八百万はそう言いながらある場所を指を差す。

そこには鈍器・大手(ドンキ・オオテ)の看板が…

 

数分後、緑谷達は変装して店から出てきた。

 

『オッラァ!!コッラァ!!』

 

『違え!もっと顎をクイクイやんだよ』

 

『オッラァ!』

 

『そうそうそんな感じだ緑谷!』

 

『パイオツカイデ―チャンネーイルヨー!』

 

『なるほど変装か』

 

『これなら気づかれないと思うけど…なんでこんな真反対の格好する必要が…』

 

緑谷はチンピラ、切島は角をつけたコスプレ、飯田はちょび髭をつけたキャバクラのキャッチ、八百万と耳郎はキャバ嬢、轟は黒髪のウィッグを被ったホストに各自が変装していた。

 

『夜の繁華街!子供がうろつくと目立ちますものね!』

 

『八百万…創造で創ればタダだったんじゃねえか?』

 

轟はわざわざ買いに行くのではなく、八百万の創造で作った方が良かったのでは?と言う。

 

『そそそれはルール違反ですわ!私の"個性"で好き勝手に創り出してしまうと流通が…そう!国民の一人として…うん回さねばなりませんもの!経済を!』

 

『そうか、すまなかったな』

 

『ヤオモモ…』

 

『ドンキ入りたかったんだな。このピュアセレブ』

 

轟と八百万の会話を聞いて切島と耳郎が呆れた表情見つめていると後方から声が聞こえる――。

 

『お?雄英じゃん!!』

 

『!?』

 

『バレたっ!?』

 

『オッオラァー!!』

 

緑谷が威嚇しながら振り向くと…街中にある大型ビジョンに根津校長、相澤、ブラドキングの3人が頭を下げる場面が映っていた。

 

『この度、我々の不備からヒーロー科1年生28名に被害が及んでしまったこと、ヒーロー育成の場でありながら敵意への防衛を怠り、社会に不安を与えたこと謹んでお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした』

 

『メディア嫌いの相澤先生が…』

 

すると記者の1人が手を挙げて質問する。

 

『NHAです。雄英高校は今年に入って4回、生徒が(ヴィラン)と接触していますが今回、生徒に被害が出るまで各ご家族にはどのような説明をされていたのか又、具体的にどのような対策を行ってきたのかお聞かせ下さい』

 

『(体育祭開催の件から雄英の基本姿勢把握しているハズなのに言わせるのか…)悪者扱いかよ…』

 

『周辺地域の警備強化校内の防犯システム再検討。"強い姿勢"で生徒の安全を保障すると説明しておりました』

 

「は?何言ってんだこいつら。』

 

『全然守れてねーじゃん』

 

『それはッ…!?』

 

そう言いかけた緑谷を飯田が掴む。

 

『行こう…緑谷君』

 

『うん…』

 

周りからの批判の声…それは全て事実。だとしても内情を知る緑谷達は今すぐ違うと叫び出したい気持ちを抑えて、その場を後にしようとするが、記者のある質問が彼らをその場に留めてしまった。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

『不思議なもんだよなぁ…なぜ奴らが責められてる?奴らは少ーし対応がズレてただけだ!守るのが仕事だから?誰にだってミスの一つや二つある!』

 

死柄木は雄英の謝罪会見を見て爆豪にそう迫る。

 

『『お前らは完璧でいろ』って!?現代ヒーローってのは堅っ苦しいなァ。爆豪くんよ!』

 

『守るという行為に対価が発生した時点でヒーローはヒーローでなくなった。これがステインのご教示!』

 

『人の命を金や自己顕示に変換する異様!それをルールでギチギチに守る社会!敗北者を励ますどころか責め立てる国民!俺たちの戦いは『問い』。ヒーローとは正義とは何か。この社会が本当に正しいのか一人一人に考えてもらう!俺たちは勝つつもりだ!君も勝つのは好きだろ?』

 

詭弁…と言いたい所だが、残念な事にそれが事実な側面もある。俺は隣にいる爆豪に話しかける。

 

『爆豪!こんな奴らの言う事に耳を…』

 

爆豪の目を見て俺は言いかけた言葉を止める。すると

 

 

バギャ!!

 

 

『がっ…は……』

 

俺の顔面に死柄木の拳が襲いかかる。

 

『テメェは黙ってろよ。今は爆豪くんに話しかけてる。荼毘、拘束を外せ』

 

『は?暴れるぞこいつ』

 

『いいんだよ。対等に扱わなきゃスカウトじゃないからな。それに…この状況で暴れて勝てるかどうかわからないような男じゃないだろ雄英生。』

 

荼毘はため息をついて、トゥワイスに拘束を外すように言う。文句を言いながらもトゥワイスが外しているとMr.コンプレスが爆豪に話しかける。

 

『強引な手段だったのは謝るよ…けどな。我々は悪事と呼ばれる行為に勤しむただの暴徒じゃねぇのをわかってくれ。君を攫ったのは偶々じゃねぇ。ここにいる者事情は違えど人にルールに…ヒーローに縛られ…苦しんだ。君ならそれを…』カチャッ

 

 

BOOOOM!!!

 

 

拘束が外れた瞬間、爆豪は死柄木の胸元に爆破をお見舞いすると、俺の所まで下がって

 

『ドラゴン野郎!!』

 

爆破で俺の拘束を破壊する。

 

『ぺっ…!いっつつつ…サンキュー爆豪。ふぅ、残念だったなお前ら…。一つ勘違いしてんぞ?こいつはそんな複雑なこと考えちゃいねぇ。』

 

『あァ?』

 

『黙って聞いてりゃダラッダラとよォ……!馬鹿は要約できねぇから話が長ぇ!』

 

『死柄木…!!』

 

さっき目を見た時に気づいた。コイツが考えていることは至極単純。俺や緑谷と同じだ…。

 

『要は嫌がらせしてぇから仲間になってくださいだろ!無駄だよ!俺は…

 

 

 

 

 

俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた。

 

 

 

 

 

 

誰が何言ってこようが()()()もう曲がらねぇ』 

 

全員が爆豪の動きに驚いていると、テレビから会見の声が…それは爆豪を攫われた結果、(ヴィラン)に懐柔されたらどうするのか?というくだらない質問だった。

 

『行動については私の不徳の致すところです。ただ…体育祭でのソレらは"彼の理想の強さ"に起因しています。誰よりも"トップヒーロー"を追い求め…もがいている。あれを見て"隙"と捉えたなら敵は浅はかであると私は考えております。』

 

『我々も手を拱いてるワケではありません。現在、警察と共に調査を進めております。我が校の生徒は必ず取り戻します。』

 

そう返した相澤先生と校長先生の言葉を聞き、俺と爆豪はニヤリと笑みを浮かべる。だが、次の記者の言葉で俺を除いた全員が凍りついた。

 

『なら、破竜君はどうなんですか?』

 

『何がですか?』

 

『私は仕事柄色々なところにツテがありまして…。調べた所によると、彼は5年前。個性を暴走させて自分の住んでいた島を燃やし尽くした…という記述が見つかりましてね。言葉悪く言えば彼は犯罪者だ。爆豪君はあなた方の言うような生徒だとしても、犯罪者という前例がある破竜君はどうなんでしょうねぇ?』

 

『……………………………』

 

会見場所は静寂に包まれる。それだけではなく、雄英のクラスメイトや彼らの奪還に動いているメンバーにも衝撃を与えた。

 

『嘘やろ……』

 

自室で会見を見ていた麗日は信じられない気持ちで胸がいっぱいだった。強くて、優しくて、誰かの為に自分を簡単に投げ出そうとするあの破竜くんが?

 

『破竜が…』

 

同じく会見を見ていた尾白も…。

 

『犯罪者…って…』

 

初めて一緒に帰ったA組1のムードメーカーも…

 

『そんな事一言も…』

 

熱くて、真っ直ぐな奴だと思っていた切島も…

 

『嘘だろ…』

 

過去に囚われていた自分の全力を受け止めてくれた友達の過去を知った轟も…

 

『隠してた…のか…?』

 

折れそうになった自分を掬い上げてくれた誇るべき友人が隠していた過去を知った飯田も…

 

『破竜くん…』

 

強さを求めるその姿に憧れを抱いていた緑谷も…

 

『破竜さん…』

 

友人として、ヒーローを目指すライバルとして、切磋琢磨していた八百万も…

 

『破竜…』

 

あの日から、自分を助けてくれた憧れで淡い気持ちを抱いていた耳郎すら…

 

 

 

唐突に世間に曝け出された破竜の過去に驚きを隠す事が出来なかった。

 

 

 

そして、俺達と対峙する敵連合のメンバー達も驚愕の表情で俺を見つめる。

 

『へぇ…テメェ犯罪者だったのか?』

 

『それでヒーロー目指してたとはな』

 

『でもこれでバレちゃいましたね?』

 

『アナタ、居場所なくなったわね』

 

『ステインの認めた男がまさか犯罪者とはな。』

 

『フフフ、やはり君は不憫な男だ…』

 

荼毘、トゥワイス、トガヒミコ、マグネ、スピナー、黒霧の順に俺を憐れむような目で見つめてきた。爆豪は何も言わなかったが、俺を黙って見つめている。すると、テレビから相澤先生を…雄英を……糾弾する声が聞こえてきた。

 

『どうなんですか?イレイザーヘッド。』

 

『……………………』

 

相澤先生は依然として黙ったまま。だが、その後に頭を下げて質問した記者に言葉を返す。

 

『確かに…破竜は過去に罪を犯した。それは紛れもない事実です。だが、()()じゃない。深く話し出せば生まれや住んでいた環境が絡んでくるから本人の許可なしに言う事はできませんが…。アイツは爆豪と同じで誰よりも"強く"…そして"自分の手が届く所にいる人を救えるヒーロー"を目指している。そんな破竜が敵に懐柔されるなんて爆豪以上にありえない事です。』

 

そう強い瞳で回答する相澤先生。それに対して『答えになっていない』、『雄英側の楽観的な捉え方』だと会見場所が先程以上にざわつくが、俺にとってはその言葉だけで十分だ。

 

『破竜真人。お前が一番、この社会に絶望してるんじゃないのか?ヒーローを目指してるのに世の中はあんな風にお前を犯罪者として見ているぞ?堕ちた方が楽なんじゃないか?』

 

ニヤニヤしながら俺に歩み寄る死柄木。

 

『ふぅ………舐めんじゃ…ねぇ!!!』

 

俺は目の前にきた死柄木を殴り、カウンターまで吹き飛ばす!

 

『死柄木弔!?』

 

『ドラゴン野郎……』

 

『そんなの今更だ!いつかバレるのが今バレただけに過ぎない!俺がやった事は俺が一生背負う罪だ!!』

 

俺はリューキュウさんの言葉を思い出す。

 

『それに俺が今、見るべき事は過去じゃない…これからの未来の事だ。ありがたい事にこんな俺を信じてくれる人達だっている。』

 

俺は耳郎やA組のクラスメイト達、オールマイトや相澤先生、レイにリューキュウ事務所のみんな、レインさん、メリッサさん、俺と関わってきた全ての人達の事を思い出す。

 

『今はそれだけで十分だ』

 

そう言って俺は爆豪の隣で戦闘体制に入る。

 

『『俺達はまだ戦闘解除解けてねぇぞ!』』

 

『バカか?コイツ…。』

 

『自分から茨の道選びやがった…』

 

『刺しましょう。』

 

『嘘でも懐柔されたフリしとけばいいものを。やっちまったな。2人とも。』

 

『したくねーもんは嘘でもしたくねぇんだよ俺ァ…こんな辛気くせーとこ長居する気もねえ。』

 

『同感だ。』

 

すると死柄木がゆらりと動き出す。

 

『いけません死柄木弔!落ち着いて…!』

 

 

ギロリ!!

 

 

『ッ!』

 

『チッ!』

 

『手を出すな…コイツらは大切なコマだ。』

 

コイツら…か。俺も爆豪と同じく重要人物に含まれちまったみたいだな。

 

『出来れば少し耳を傾けて欲しかったな。お前らとは分かり合えると思ってた…』

 

『ねぇわ』

 

『いつまでも寝言ほざいてんじゃねぇ』

 

『仕方ない。ヒーロー達も調査を進めると言っていた。悠長に説得してる時間もない。先生、力を貸せ。』

 

『………いい判断だよ。死柄木弔』

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

謝罪会見で知った友人の過去。緑谷達は驚きを隠せないまま、発信機が指し示す廃倉庫の近くで立ち止まる。

 

『ここが発信機の示す場所ですけど…』

 

『流石に驚いてそれどころでは…ない。』

 

八百万と飯田が立ち止まっていると耳郎が発信機のもとまでスタスタと歩いていく。

 

『耳郎くん…?』

 

『早く行こ』

 

『耳郎さんは気にならないんですか?破竜さんが犯罪者だと言われるに至った過去について…』

 

すると耳郎は立ち止まってポツリと呟く。

 

『気になるよ…。気になるに決まってる…。でも、聞くなら破竜から直接聞きたい。その為にはまず2人を助けないと…会話も何もできないんだから』

 

『耳郎さん…』

 

緑谷も同様だった。確かに破竜の事は気になるが、今ここに来ている目的を忘れるわけにはいかない。

 

『……そうだね。2人を早く助け出そう!』

 

『よっしゃ!行くぜ!『待ってください!』なんだよ…八百万!』

 

『発信機の示す場所は確かにこちらです。私が確認した限り、敵は丸一日ここから動いていません。敵がいるからといって爆豪さんと破竜さんがいるとは限りません。私達が今、どれだけか細い情報でここに立っているか冷静に考えてみて下さい』

 

血気盛んな切島を咎めるように釘を刺す。

 

『俺も同意見だ。それに少しでも危険だと判断したらすぐ止めるぞ。友であるからこそ警察への通達も辞さないからな』

 

『…八百万さん、飯田くん、ありがとう。出来る範囲で出来ることを考えよう』

 

緑谷がそう言うとブツブツと考え事を始める。結果、裏に回って中を確認してみようと言う話になった。

 

ある程度、移動をした所で耳郎のイヤホンジャックで廃倉庫の音を聞いた。

 

『中に3…いや、4人?…2人は喋ってて…もう1人は寝てる?それとあと1人はずっとブツブツ何か呟いてるけど…ごめん、小さすぎてわかんない。』

 

『そっか、耳郎さんありがとう!ここの窓から中を覗けそう…。』

 

『なら、緑谷くんと切島くんを俺と轟くんで担ぐから中を確認してくれ!耳郎さんは引き続き索敵、八百万さんは周囲の警戒を頼む!』

 

『『『 了解!!! 』』』

 

轟と飯田を足場に2人は中を確認する。中は真っ暗だったが、切島がこの時の為に買った暗視鏡のおかげで問題なく進んでいるようだ。

 

『様子を教えたまえ切島くん。どうなってる!』

 

『んあー汚ねーだけで…特には……うおっ!!』

 

『切島くん!?』

 

『っべェ!!』

 

何かに驚いた切島は体制を崩しかけるがなんとか持ち堪える。だが、その顔は青ざめていた。

 

『おい!どうした!何が見えた切島!!』

 

『左奥…緑谷左奥!!見ろ!!』

 

『何が見えてんの…!アンタらに!』

 

『ッ!?嘘だろ…!?あんな無造作に…あれ全部…脳無…!!?』

 

急かす耳郎に緑谷は最悪の回答を返す。そこにはUSJと保須でA組、プロヒーロー達を苦しめた脳無が大量に保管されていた…。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

『テメェがボスじゃねぇのかよ…!白けんな!』

 

『それがお前らの本当のボスか!』

 

確かにUSJの時にコイツらをけしかけた黒幕がいると想像していたが…

 

『黒霧、コンプレス。コイツらを眠らせておけ。ここまで人の話聞かねーとは…逆に感心するぜ。』

 

そう言って2人は俺達に迫ってくる。確かに2人は強敵だが、俺と爆豪の2人なら…

 

『突破するぞ爆豪!』

 

『俺に命令すんな!』

 

俺はパワージーンの力を引き出すの同時に爆豪は手をパチパチさせていつでも爆破できる体制に入る。すると、コンコンとBARの入り口をノックする音が…

 

『どーもォー、ピザーラ神野店です———』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SMASSH!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『何だぁ!!』

 

壁を破壊して入ってきたのはオールマイトだった。まさか…この短時間で俺達の場所を突き止めたのか!?

 

『黒霧!ゲート!!』

 

先制必縛 ウルシ鎖牢!!

 

プロヒーローの1人が木を自由自在に操って敵連合を余す事なく拘束してしまう。

 

『木ィ!?んなもん…『逸んなよ。大人しくしておいたほうが身のためだぜ?』』カクッ…

 

木を炎で燃やし尽くそうとした荼毘を目にも止まらぬ早業で無効化したのは、確か保須で会った…

 

『グラントリノ……』

 

『もう逃げられんぞ敵連合…何故って!?

 

 

我々が来た!!

 

 

 

解放された俺が外を見てみると、意外に視野の広いエンデヴァーのおっさんが指揮を。敵連合が逃げた時用に空をリューキュウさんが…地上をレイ兄さんが追えるように配置していた。

 

まさか2人まで俺らの救出に来ているなんて…

 

『怖かったろうに…よく耐えた!ごめんな…もう大丈夫だ!爆豪少年!破竜少年!』

 

『こ、怖くねぇよ!よゆーだくそッ!』

 

爆豪は子供らしく強がった表情を見せるが、その顔にはほんの少しだけ安堵の表情が浮かんでいた。

 

『…………また、助けられちゃいましたね』

 

『あぁ…何度でも助けるさ。私がいる限りね!』

 

そう言ってにこやかな笑顔を見せるこの人はいつも変わらない。あの日、俺に手を差し伸べてくれた時から。だからこそ…俺はこの人を…

 

すると死柄木は黒霧を経由して脳無を呼び寄せようとするが…黒霧は申し訳なさそうな声で告げる。

 

『すみません死柄木弔…所定の位置にあるはずの脳無が…ない!!』

 

『!?』

 

『やはり君はまだまだ青二才だ死柄木!』

 

『あ?』

 

『敵連合よ君らは舐めすぎた。少年達の魂を。警察のたゆまぬ捜査を。そして…我々の怒りを!!!』

 

それと同時に緑谷達が向かっていた脳無格納庫をベストジーニストをはじめとする別働隊が完全に破壊する!

 

『おいたが過ぎたな。ここで終わりだ!死柄木弔!』

 

そう言ったオールマイトから異常なほどの威圧感が溢れ出る。俺達に向けられていないのにこんなにッ…!!

 

『オールマイト…!これが…ステインの…求めたヒーロー…!!』

 

『終わりだと…ふざけるな…始まったばかりだ。正義だの…平和だの…あやふやなもんで蓋をされたこの掃き溜めをぶっ壊す…その為にオールマイト()を取り除く…仲間も集まり始めた…ここからなんだよ…黒ぎっ!』

 

死柄木が黒霧の名前を呼んだと同時に何かが黒霧の体を貫く。なんだこのほっそいの…

 

『忍法千枚通し…!この男は最も厄介だからな。眠っててもらうぞ』

 

『だから言ったろ…何もしないほうが身のためだって。なァ、引石健磁、迫圧紘、伊口秀一、渡我被身子、分倍河原仁』

 

グラントリノは警察の調査を元に判明した敵連合の本名を呼んでいく。そして、死柄木にはボスの居場所を吐くよう問い詰める。

 

『こんな…あっけなく…ふざけるな…うせろ…消えろ…』

 

()()は今どこだ!!!!

 

お前がッ!!!嫌いだぁぁ!!!!!!

 

そう言った死柄木の背後から脳無が現れる。

 

 

 

 

 

 

 

流れはそう簡単に渡さない…

 

 

 

 





あとがきです。

ついにバレた破竜君の過去…!とは言ってもまだ表面部分なので本人からしたらそんなのどうでもいいレベルなんですけどね。

ここから原作とはすこーし違った動きになってきます。その分、考えることも多くなるので次こそは早めに投稿できるように……

本作のお気に入り、感想、評価等、いつもありがとうございます!次話もお楽しみに!




次回予告




『なんだこりゃぁ!!?』

『全ては君の為にある。』

『全てを返してもらうぞ!!!』





『なんだ……コイツら………!!』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア





『悪夢到来。最恐と最凶…現る!』





『ククク…初めましてか?破竜真人君』








更に向こうへ!Plus ultra!!!
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