半人半竜のヒーローアカデミア 作:十希
はじめに
皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!
実は私、ヒロアカはアニメから入った人なので今やってる七期より後って見たことないんですよね。アニメもなんなら一気見タイプなのでまだ見てないですし…。どんな話になるのかめちゃくちゃ楽しみです!
その話まであと何話かかることやら…。
お気に入りしてくれた下記の方
カンムル サンドラック中山 混沌神 N-N-N キタガミktgm マグネリボン A・take 銀河野郎のBOB sessa390
本当にありがとうございます!
また、いつも誤字報告してくださる方ありがとうございます!
感想や評価もぜひお待ちしてます!
それでは本編をお楽しみ下さい!
死柄木が叫んだのと同時に背後から脳無の大群が出現する。なんで…黒霧は気絶してるハズじゃ…
『脳無!?何も無いところから…あの黒い液体はなんだ!?』
『エッジショット!黒霧は!?』
『気絶している!コイツの仕業ではないぞ!』
次々と出てくる脳無に対応するプロヒーロー達。オールマイトがその場にいるヒーロー達に指示を出していく。
『シンリンカムイ絶対に離すんじゃないぞ!』
その瞬間、俺と爆豪の体を黒い液体が包み込む。
『っ…だこれ…体が飲みこま…』
『くっ…そぉ……オールマイ……』
『NO!!!!爆豪少年!破竜少年!!』
黒い液体から必死に俺達を守ろうとするオールマイトだったが黒い液体は俺と爆豪を飲み込んでしまう。
『NO!!!!!!!!!!』
『エンデヴァー!応援を…』
外にいるエンデヴァー達にも脳無が襲いかかる。
『塚内!避難区域を広げろ!!』
『アジトは2箇所のはずじゃ…ベストジーニスト!
ん?応答してくれ!ジーニスト!!』
もう一つのアジトである脳無格納庫にいるはずのベストジーニストに連絡をするが、なんの反応もない。
『俊典…コイツぁ…』
『ワープなど持っていなかったハズ…それにいくらなんでも対応が早すぎる…!まさか…この流れを……』
『先………生』
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爆豪と破竜が黒い液体に飲み込まれる数分前。脳無格納庫にいた緑谷達は突然の轟音と衝撃波に驚きながらも中を確認する。
『ど…どうなってるんだ!?』
『いっててて』
『Mt.レディにギャングオルカ…No.4のベストジーニストまで!』
『虎さんもいますわ!』
『この短時間に…すご…』
プロヒーロー達は素早く脳無格納庫にいた脳無達を拘束して、中にいたラグドールを救い出す。
『ヒーローは俺達などよりもずっと早く動いていたんだ…!』
『すんげえ…』
『さぁすぐに去ろう。俺達にもうすべきことはない!!』
『オールマイトの方…かっちゃんはそっちにいるのか…』
『じゃあ、破竜もあっちのほうにいるのかな…』
『オールマイトがいらっしゃるのなら尚更安心です!さァ早く…』
『!? 待って! なんか足音がする!』
動き出そうとした6人だったが、耳郎のイヤホンジャックが第三者の足音を捉える。
コツ…コツ…コツ…コツ…
『動くな!止まれ!』
ギャングオルカが制止するが、その足音は止まらずに歩いてくる。
『連合の者か…?』
『誰かライトを…』
奥を照らすと大柄の男と180センチほどの男が2人。会話をしながら歩いてきた。
『こんな体になってから随分とストックも減ってしまってね…君がやるかい?』
『ハッ、冗談よせ。欲しがり野郎が…。俺の目的は破竜真人だけ。お前を倒したオールマイトは別としてその他の有象無象になんざ興味ねぇよ。』
するとベストジーニストが衣服を操る個性を使って2人を拘束する。
『ちょっとジーニストさん!もし、民間人だったら…』
『状況を考えろ新人!その一瞬の迷いが現場を左右する!敵には何もさせるな!』
一瞬だった。
先程のMt.レディの一撃。それがまるで子供の遊びに見える程、衝撃的な一撃がその場にいた全員を襲う。
『せっかく弔が自分で考え、自分で導き始めたんだ。できれば邪魔はよして欲しかったな。』
『これでストックが少なくなったねぇ…。この一帯を吹き飛ばしておいてよく言うぜ。』
まるで世間話でもするように2人はその場でのんびりと話しだす。彼らのすぐ後ろの壁にいる緑谷達は青ざめた表情で息を潜めていた。
『(なんなんだ…振り向く事も…)』
『(息をする事も…)』
『(怖い…まるで………)』
その場にいた全員は一瞬で死を連想させるほどの威圧感を持つ2人に恐怖し、動けないでいた。
『君はいつか、巨悪と対峙しなければならない…。かもしれん。』
オールマイトの言葉を思い出す緑谷。
『(これが…その巨悪。オール・フォー・ワン!)』
『さて…やるか…!!』
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その頃、
『ぼえっ…!』
『!?』
『マズイ!連れてかれるぞ!』
『おんのれえ…私も連れてけ!!』
オールマイトがそう毒づくが、敵連合の全員は黒い液体に飲み込まれてその場からいなくなってしまった。
『すみません皆様ァ!!!!』
『お前の手落ちじゃない!俺たちも干渉できなかった。黒霧の『空間を切り開くワープ』ではなく、『特定の人間のみを対象にするワープ』と見た!』
それと同時にオールマイトは群がる脳無の大群を
『エンデヴァー、大丈夫か?』
『どこをみたらそう見える!?流石のトップも老眼が始まったか!?いくならさっさと行くがいい!!!』
『あぁ…頼むね。』
『待って!』
『待ってくれ!』
そう言って飛び出そうとしたオールマイトを引き止める声がする。
『リューキュウ…、それにレイ…』
そこには破竜が職場体験、期末テストで世話になった2人がいた。
『リュウは…どこに行った?』
『すまない…私がすぐに助けに行く!』
すると、2人はとんでもない提案をしてきた。
『なら…、俺とリューキュウさんもいく。』
『な!? ここはどうする気だ!?』
『ここはエンデヴァーのおっさん1人で十分だ。リュウを連れ去られて何もできないなんて悔しくてよ…』
『私も同じ。それにいくら何でもアナタ1人で全てを守り切るのは難しい…私達も頼ってください。』
『しかし………』
2人の懇願にオールマイトも言い淀んでしまう。するとエンデヴァーがオールマイトに
『えぇい!唸ってる場合か!!さっさと追いかけろ!ここは俺がなんとかしてやる!!』
『……すまないね!なら、私は先に行く!2人はグラントリノと一緒に追いかけてきてくれ!!!』
『『 了解!! 』』
そう言ってオールマイトは飛び出す。胸の中にある不安を抱きながら…
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パチパチパチパチ
廃倉庫
『さすがはNo.4のベストジーニストだ!私は全員吹き飛ばしたつもりだったんだけどね!!瞬時に皆の衣服を操って端に寄せた…判断力、技術、並の神経じゃない!』
『コ…コイツ…』
そう言ってベストジーニストは手を敵に伸ばして再度拘束しようとするが、敵は細い糸を束ねたものでベストジーニストの体を貫いてしまった。
『ゴボッ…!!』
『相当な練習量と実務経験故の強さだ。君のは…いらないな。弔とは性の合わない"個性"だ』
No.4を一蹴した敵。その存在感に緑谷達は恐怖してしまう。すると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『ゲッボ…くっせぇ…っんだこりゃぁ!?』
『ガッハ…、どこだ…ここは?』
『『『『 爆豪に破竜!?!? 』』』』
『悪いね…爆豪くんに破竜くん。』
『あァ!?』
『なんだテメェら…』
『ようやく…会えたなァ…』
暫くして、俺達を追ってきたように
『また失敗したね弔。でも決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。こうして仲間も取り返した。この子達もね、君が大切なコマだと判断したからだ。いくらでもやり直せ。そのために僕がいるんだよ。
全ては君の為にある。』
ゾクッ……!!!
なんだ…コイツらの異常な雰囲気は…。すると、マスクをした敵がポツリと呟く。
『やはり…来てるな』
『なに?』
すると、空を飛んできたオールマイトが顔をマスクで覆った敵に先制攻撃を仕掛けていた。
『全てを返してもらうぞ!オール・フォー・ワン!!!』
『また僕を殺すか?オールマイト…それにしても随分と遅かったじゃあないか。』
オールマイトの拳を受け止めつつ、オール・フォー・ワンと呼ばれた男は続ける。
『BARから5キロ余り…。脳無を送り込んで優に30秒経過してからの到着。…衰えたね、オールマイト。』
『貴様こそなんだ。その工業地帯のようなマスクは。だいぶ無理してるんじゃあないか!!』
周りをとんでもない風圧が包み込む。ただの拳の衝突だぞ…?それがここまでの威力を放つなんて…。
『5年前と同じような過ちは犯さん。爆豪少年と破竜少年を助け出し!貴様を今度こそ刑務所にぶち込む!貴様の操る敵の連合諸共な!!』
『それはやることが多くて大変だ。お互いに』
オール・フォー・ワンの腕が肥大化した瞬間、
ドッガァァァァァン!!!!!!
飛び込んできたオールマイトを街中に吹っ飛ばしてしまう。
『『 オールマイト!!! 』』
『心配しなくてもあの程度じゃ死なないよ。だから逃げろ弔。その子達を連れてね。』
そう言うと気絶している黒霧に弄って、個性を強制的に発動させる。敵連合は俺と爆豪の2人を連れ去って逃げる気だ…
『くそったれが…爆豪!やるぞ!!』
『うっせぇわ!ドラゴン野郎!!』
『何テメェらで勝手に話を進めてる?』
『……え?』
俺の真後ろから聞こえた声。その瞬間、俺は首を掴まれて地面に思いっきり叩きつけられた。
DOGOOOOOOM!!!
『ごっ…は…』
『ドラゴン野郎!?』
『テメェはこっちだ!!!』
『クソが…!!!』
俺に駆け寄ろうとした爆豪を敵連合達が捕まえようと躍起になっていた。動きが全く見えなかった…。しかも…影になってて顔がよく見えねぇ…。
『悪いが、俺の目的は破竜真人だけ。その爆破野郎はテメェらにくれてやるから勝手に連れてけ。だが、俺の邪魔だけはするな。
邪魔したら……殺すぞ?』
そう言った敵を見て、戻ってきたオールマイトは表情を変える。
『き、貴様…!!』
『オール・フォー・ワンを倒したあの時以来だな。お前にだけは会いたくなかったんだが…』
『破竜少年から離れろ!!!』
『お断りだ。それよりも余所見していいのか?』
『っ、しまった!!』
『私が行かせるわけないだろう?』
オール・フォー・ワンが助けに来たオールマイトを再度瓦礫に吹き飛ばした。
『チッ…こんのぉ……離せェ!』
俺はパワージーンの力を引き出して、地面に押さえつけられながらも右足を後ろに振り抜き、そいつの顔面を蹴り上げて後ろに退避する。
『おっと……やるじゃん。』
『テメェは…?』
月があたりを包んでいた闇を照らすとそいつの全容が見えてきた。
『ククク…初めましてだな破竜真人君。俺が殺したお前の両親にそっくりだ…。俺の名はロード。会いたかったよォ…ずっと前からなァ!!』
そこにいたのは紫色の髪、俺よりも少し大きい体躯、そして首と口元、そして目に切り裂かれたような跡がある特徴的な男だった。だが、そんな事よりも俺には気になる事があった。
『お前が俺の親を殺したとかいう
『あァ?なんだ、誰からも俺の事を教えてもらってないのか?ははっ、悲しいなぁ…、俺はお前と会うのは何年も前からずっと楽しみにしていたんだぜ?
"竜変身"の個性を持つお前と会うのを!』
そう言ったロードの威圧感が先程よりも上がる。
マズいッ…こいつホントにやばい!!!
『へぇ〜…いい感覚してるじゃん。初見で俺のヤバさに気づくなんてな。』
俺が自身の足元を見てみると震えていた…。どんな敵に対峙した時でも震えなかった足が今は震え、少しでもロードからの距離をとろうとしていた…。
『にしても…今のお前とは戦う気が起きねぇなぁ…。そうだ!オール・フォー・ワン!』
『ん?どうしたんだい?ロード』
オールマイトをいなしながらもロードの呼びかけに答える。
『アイツを使ってもいいか?』
『君の判断に任せるよ。君の作品だからね』
『カハッ…!最高じゃん!!』
俺から視線外して会話する2人にイラついた俺はパワージーンの力を20倍まで解放し、叫びながら拳を握って飛び込む!!
『ざッけんな…喰らえぇぇぇ!!!!』
パァァァァァン!!!!!
乾いた音があたりに響き渡る。
『ハァ…やっぱ、今のお前とじゃ無理だわ。』
『う、嘘だろ…ッ!!』
俺の一撃をあっさりと受け止めたロードは右の回し蹴りを繰り出して俺の脇腹に強烈な一撃を加える。
バギャ!!!!
『がっは…!!!!!』
DOGOOOOOM!!!!
そのまま吹き飛ばされた俺は無様に崩れた瓦礫まで吹っ飛んでいく。
『破竜少年!!!』
『ドラゴン野郎があんなあっさり…!?』
爆豪は破竜をあっさりあしらったロードに強さに驚愕する。それと同時に自身をなんとしても捕まえようとしている敵連合の攻撃をなんとか躱していくが、突破の糸口が見つからずに内心は焦っていた。
『さて…と、確かこの中に…あぁ、いたいた。』
そう言うとロードは崩れた廃倉庫の中に入って何かを起動させる。すると、パリィンッ!とガラスが割れる音が聞こえる。
ガラ…ガラララ…
BOOOOOOM!!!!
『いっつ……なんて一撃だ…。』
瓦礫を吹き飛ばして戦場に復帰すると、ロードが見慣れたあるものを引き連れて廃倉庫から出てきた。
『テメェ…それは……』
『そうか、お前はこれの同タイプと戦ったことがあるんだったな。まぁ、強さは比較にもならないからせいぜい死んでくれるなよ。』
そこには俺と何度も対峙した事のある脳無がいた。だが、妙だ…今までの脳無と比べて脳は剥き出しじゃないし…なにより人間に近いような…。
『考え事してる暇なんかないぞ?……行け。』
『ギャアアアアアアアアアアア!!!!』
『はえぇ!!!』
パワー・グロース・プロテクト…
『竜変身!!!』
咄嗟にドラゴンウォリアーに変身した俺は右腕を振り上げて飛び込んできた脳無に右拳をぶつける!
パァァァァァン!!!!!
その威力は先程のロードクラスではないにしても俺をあっさりと後ろに吹き飛ばすほどの力だった。腕を地面に突き立ててなんとか壁への衝突を阻止する。
『ハァ…ハァ…くそっ…』
『ギャアアアアア!!!』
すると、脳無はいきなり背中から鳥のような翼を生やし、なにもない空間から刃を生み出して俺に投擲してくる。間一髪で嵐のような攻撃を躱すが、関連性のない個性から俺はある可能性を感じ取る。
『コイツも複数個性持ちか!?』
『………まぁ、そんなとこだ。』
ロードは廃倉庫の上に座って俺と脳無の戦いをニヤニヤと見守っていた。そのすぐ近くに隠れていた緑谷達は何とかこの状況を打開できないか考えていた。
『こんなピンチなのに…僕達は何もできない…ッ!』
『クソ…せめてどっちかだけでも助けられねぇか…』
『破竜は無理だぞ!?あの脳無強すぎる!!』
『なら…爆豪さんの方を…』
『でも…爆豪の方はどうやって助けるの!?』
色々な意見を出している最中、緑谷は閃いた。だが、この意見は耳郎の決意を無碍にするものだ…。それを分かった上で緑谷は全員に提案する。
『飯田くん…皆』
『ダメだぞ…緑谷君!』
『違うんだよ!戦闘行為にならず助け出せる方法が一つだけある…。でも…片方しか助けられない…。』
『……教えて緑谷』
『うん…。』
そう言うと緑谷は話し出す。現状、オールマイトが全力を出せないのは爆豪と破竜がいるからだと。そして、2人を助け出したいが、オール・フォー・ワンと敵連合、そしてロードと脳無がそれを許してくれない事。だが、この中で敵連合側だけなら、なんとか出し抜ける可能性がある事。そして、その策の成功の鍵は切島だと言う事。
『この策なら上手くいけばかっちゃんは助け出せる。でも、破竜君側を助け出すのは無理だ。』
悲痛な表情で緑谷はそう告げる。
『僕も破竜君を見捨てる事なんてしたくない…。でも、このままだと何も状況は好転しない!だからッ!』
『アンタ…自分が何言ってるか分かってんの…!』
そう言った耳郎の顔は怒りに満ちていた。
『確かに爆豪を助けることは目的の一つだよ!でも、ここで破竜を見捨てて逃げれば、敵連合は破竜に標的を変える!そうすれば、なんとか均衡を保ってるアイツはあっさり敵の手にまた落ちちゃう!』
『あのロードとかいう
『敵連合は爆豪を
2人の意見は割れてその場で言い争いをしてしまう。
『緑谷くんも耳郎くんも落ち着け!ここで俺らが言い争いをしても何も変わらない!』
飯田が2人を仲裁し、一旦は収まるが、依然としてどうやって助け出すかは決まらないままだった。だが、その争いを決着に導いたのは轟の一言だった。
『………爆豪を助けよう。』
『轟!?』
『轟くん!?』
轟は爆豪を助ける方向に判断を決めた。飯田と切島も不本意ながら、現状助けられる可能性が高い方にシフトする。
『ウチは…嫌だ。』
『耳郎くん!』
『助けるって決めたんだ。なんて言われてもアイツを助けるまでウチはここから絶対に動かない。』
『耳郎さん…』
『………なら、俺も残る。』
そう言ったのは爆豪を救出すると言い出した轟だった。
『俺なら視界を遮ったり、目線を誘導させることが出来るかもしれねぇ。これならギリ戦闘行為に入らねぇだろ。』
『君は…またッ!!』
『それなら私も残りますわ』
『八百万くんまで!』
『2人の事は信頼しておりますが…、それでも破竜さんの事となると見境が無くなる2人です。私が本当に限界だと思ったら問答無用で連れ帰ります。それならどうですか飯田さん。』
『ヤオモモ…』
『八百万…』
耳郎と轟の決意に八百万は自分で責任が取れる範囲まで面倒を見ると言い出してしまう。
『…言っても聞かないだろう。わかった。ただし!限界だと思ったらすぐに帰ってきてくれ!頼む!』
『わかりました。』
『約束する。』
『うん…。』
最後に念押しした飯田は緑谷の策を実行する為の準備に入る。敵連合が爆豪を捕まえる為に絶え間なく襲い掛かっている時にできる一瞬の隙。
『『『 今だっ!!!! 』』』
それは敵連合と爆豪が2歩以上離れた時。
緑谷の超パワーと飯田のレシプロで推進力を、切島の硬化で壁をぶち破って、轟の氷結で道を形成、戦場を空高く横断したその瞬間…切島が爆豪に手を伸ばす!
『来い!!!』
切島が叫ぶのと同時に爆豪は俺を一瞬だけチラリと見た。脳無との戦闘で余裕がなかった俺だが目線で爆豪に伝える。
『(俺の事はほっとけ!後でいく!)』
爆豪はそれを読み取ったのかすぐさま爆破で上空まで飛び上がり、切島が差し伸べた手を掴んでポツリとつぶやいた。
『ッ、バカかよ!!』
爆豪、切島、飯田、緑谷はそのまま戦場を横断してこの場から離脱しようとする。
『どこにでも…現れやがる!!』
『マジかよッ…!!』
『誰か遠距離攻撃を持っている奴は!?』
『2人とも気絶している!』
『アンタら、くっついて!!!』
マグネの個性は磁力。範囲は限られるが男性にN極、女性にS極を付与することができる。
スピナーとコンプレスにN極を付与する事で2人は反発しあってもう片方を大砲のように打ち出すことが可能になる。
『反発破極 夜逃げ砲!!!!』
4人を追いかけるコンプレスだが、その途中にでかい壁にぶつかってしまい、追撃を中断されてしまう。
『Mt.レディ!!』
『救出優先…行ってバカガキども…!!』
『まだ間に合う!もう一発…!!』
『させねぇよ!!』
そう言いながら飛び込んできたのは、グラントリノだった。ジェットを利用した高速の蹴りでスピナー、コンプレス、マグネを一瞬で昏倒させる。
『遅いですよ…!!』
『お前が早すぎるんだ!!』
『やった…!!』
『爆豪さんは無事に逃げられましたわ。』
『だが問題は破竜だ…、どうすればいい…。』
喜んだのも束の間。耳郎、八百万、轟の3人の視線の先には依然として脳無と戦っている破竜の姿があった。
『爆豪は無事に逃げられた…後は俺だけど…』
『チッ、何逃してやがる死柄木の馬鹿野郎が…まぁいい、俺はこのショーを楽しませてもらおうか。』
『ギャアアアアアアアア!!!!』
脳無は先程と同様に刃を作り出して投擲してくる。
『同じ技が俺に通じると思うなよ!!!』
俺は投擲された刄の嵐を全て躱しつつ、集中力を高める。そして最後に懐に飛び込んで右腕を引く。
『喰らえッ……会心撃!!!!!』
DOOGOOOOOM!!!!!
『ギャァッ!!!!!!』
脳無はロードが座っていた廃倉庫脇の瓦礫に吹き飛ばされて行った。
『へぇ…今の一撃はスゲェな。しかもその前の動き。なるほど…お前は一度見た技の性質や特徴を理解する力に長けているみたいだ。技の構造を理解する事で最適解な回避方法を実行に移す。動きを学ぶ…まさにラーニングってわけね。』
『……………………』
俺は黙ってロードと吹き飛ばした脳無の動きを警戒する。あれくらいでやられるわけねぇし、なによりもロードの野郎…こんなにのらりくらりしてるくせに俺の事を逃がすつもりがない。逃げようもんならすぐに動ける体制作ってんな…
すると、ガラガラと瓦礫が崩れて脳無がゆらゆらとこちらに歩いてくる。
『ノーダメージ…ダメージ吸収と超回復か?』
そんな相手にこんなイタチごっこをずっと続けるわけにはいかない…。どうにかしてコイツらを引き剥がさないと…
『さぁ、第二ラウンドの開始だ。気張れよ』
そう言って脳無は疲れを知らない顔で俺に再度飛びかかってくると
『リュウ!!!』
『レ、レイ兄さん!?』
高速で飛んできたレイ兄さんが虎化した脚で脳無を蹴り飛ばして瓦礫まで再度吹っ飛ばす。
『あァ?なんだテメ『ウィングスラッシュ!!』』
ゴォォォォォォォォォォ!!!!
高密度の暴風がロードに向かって襲いかかるが
『はァ!!』
スパァァァン!!!
とんでもない勢いで出した拳が暴風を相殺してしまう。
『リュウ!生きてる!?』
『リューキュウさんまで…!』
俺の目の前には俺にとって大切な2人がロードと脳無に向かって立ち塞がっていた。
『なんだテメェら?』
『プロヒーローでもねぇ学生相手に脳無差し向けて高みの見物か?ハァ、ゆかいだねぇ…ホント!!!!!!!』
『私達はリューキュウ事務所のプロヒーローよ』
リューキュウさんもレイ兄さんも冷静な表情を保とうとしているが、その顔は怒りが満ち溢れており、2人の敵を睨みつける。
『へぇ…、だから?』
『お前をここでとっ捕まえてやる…!』
『覚悟しなさい。』
『お前らにねぇ…。まぁ、先に脳無倒してからにしろよ。できたら相手してやる。この俺が直々になァ。』
あくまで余裕を崩さないロード。そんな余裕綽々と言う言葉が似合うロードに対してレイはワータイガーの力を全開放して虎化し、リューキュウも竜化して戦闘体制に入った。
『2人だけにはやらせません…俺も戦います。』
そう言って俺も2人の横に並び立つ。
『無理すんなよリュウ。』
『あなたは私達が守るわ。』
『守られるだけじゃないです。俺だってやられっぱなしは趣味じゃないんで……今度こそ倒す。』
『3対1か………いいねェ!おい、本気で行け。だが、破竜真人だけは殺すな。アイツは俺が殺すんだからな。他の2人は…殺しても構わねぇからよ。』
そう言うと脳無はコクリと頷いて俺達に襲いかかる。
破竜、レイ、リューキュウ
VS
脳 無
開始!!!!!!!!!
あとがきです。
次話は破竜、レイ、リューキュウVS脳無の戦闘です!そして、ようやく名前を出す事が出来ました本作オリジナルヴィラン。
その名は『ロード』
彼の目的、何故破竜君に固執するのか、個性、そもそも何者なのか、まだまだ謎だらけの彼ですが、オール・フォー・ワンに並ぶ凶悪な敵です。これからの彼の活躍?を期待しててください。
そしてこの話を書いてて一番悩んだのは緑谷君と耳郎さんの言い争いでした。自分で書いてて緑谷君ってこんな事言うかなぁ…と何度も読み返しては消して、書き直しては消してを繰り返してました。
緑谷ファンの方々、ホントすみません。
本作のお気に入り、感想、評価等、いつもありがとうございます!次話もお楽しみに!
次回予告
『保須の時とは次元の違う強さ…!!』
『なんだってんだ……』
『これが…この脳無の本気なのか!?』
『チッ…使えねぇなコイツら』
次回!
半人半竜のヒーローアカデミア
『………最凶動く!』
『力ってのはなァ…こう使うんだ。』
更に向こうへ!Plus ultra!!!