半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!


この話を考えるのにかなり頭を使いました…。そして最近なかなか疲れがとれませんね。

歳かもしれない…。ショックだけど。



お気に入りしてくれた下記の方


レイザル 青鬼の玉井様 kanansama 千椛 鎌足大 暁月888 リサラバ 誌暖 凰牙


本当にありがとうございます!


また、いつも誤字報告してくださる方ありがとうございます!
感想や評価もぜひお待ちしてます!


それでは本編をお楽しみ下さい!



『………最凶動く!』

 

 

 

オールマイトとオール・フォー・ワンの戦いが繰り広げられているすぐ近く…破竜、レイ、リューキュウVS脳無の戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

『2人とも…あの脳無も複数個性持ちです。気をつけてください。本当に強い。』

 

『お前がそこまでいうなんてな…』

 

『具体的にどんな個性かわかる?』

 

リューキュウの質問に対して、破竜は簡潔に返す。

 

『ドラゴンウォリアーに比肩するレベルの身体能力、ダメージ吸収、超回復はいつも通りだとして…、内容は分かりませんが急に翼を生やしたり、何もない空間から刃を生み出して投擲したりしてきました。』

 

『当たり前みたいにダメージ吸収と超回復があるのめんどくさすぎるだろ…』

 

『嘆いても始まらないわ。他に気をつけるべきところはある?』

 

『…あくまで個人的な感覚ですが、今までの脳無とは違って知性があるというか…やけに個性の使い方に慣れている気がします。それこそ…トップヒーローと遜色ないレベルで…』

 

破竜は先程までの戦いの中で感じた事をそのまま伝える。それを聞いてレイが呟く。

 

『トップヒーローレベルって…いくらなんでも…』

 

『それは…やればわかることよ!』

 

そう言ってリューキュウさんが竜の爪で先制攻撃を仕掛ける!ビルの一角を容易く削り取るその爪は脳無に突き刺さるが…

 

『なっ…!!貫けない!?』

 

驚愕するリューキュウを見て、脳無がニヤリと笑う。すると次の瞬間、上空に大量の剣が形成され、リューキュウに降り注ぐ。それはさながら剣の流星群だった。

 

『くっ…、ウィングスラッシュ!!!』

 

自身に降り注ぐ剣の流星群を暴風で弾き飛ばすが斜線上から外れた何本かが肩や翼に突き刺さる!

 

『ぐぁぁぁぁぁ!!!』

 

『リューキュウさん!』

 

『やりやがったな!』

 

レイ兄さんは完全なワータイガーへ変身して、脳無に突撃する。その突進に脳無は僅かに後退する。

 

『リューキュウさん!』

 

側に駆け寄ると、リューキュウさんは剣が刺さった至る所から血が流れていた。

 

『リュウ、あなたも行きなさい!コイツ、保須の時とは別次元の強さよ!レイ1人じゃ危ないわ!』

 

『りょ、了解!』

 

俺も翼を羽ばたかせて押し合いを続けるレイ兄さんに加勢しようとすると、

 

『なッ!?』

 

 

 

DOGOOOOM!!!!

 

 

 

俺の右側からいきなり金属の塊が襲いかかってくる。

 

グォォ!?(リュウ!?)

 

『ギャアァァァァ!!!!』

 

レイ兄さんが俺に気を取られた一瞬の隙に脳無はレイ兄さんを殴り飛ばして瓦礫まで吹き飛ばす。

 

 

 

BOOOOM!!!

 

 

 

瓦礫を飛ばした俺は脳無を睨みつける。

 

『今度は金属…ウォルフラムかよ』

 

飛び込んできた俺を牽制するような動きだった…。

ウォルフラムの金属操作に刃の生成…

上空から降り注ぐ剣の流星群……

 

『厄介な個性持たせやがって…!!』

 

3人を相手に優勢に立ち回る脳無を見て、ロードはニヤニヤした笑いを抑えられずにいた。

 

『ククク…ここまでこの脳無が強いとはな。それともコイツらが想像以上に弱いだけか?おい、もっと楽しませろよ。俺を引き摺り出すんじゃなかったのか?』

 

その言葉に3人の雰囲気が変わる。

 

『あんのニヤけ面ぶっ飛ばしてやる…!!』

 

『同感よ…!!』

 

『グォォォォォォ!!!』

 

奇しくもロードの余裕そうな表情が3人に火をつけてしまった事にロードはまだ気づかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 

 

 

 

 

 

 

『こんなの……』

 

『助けるどころじゃねぇな……』

 

『同感…ですわ。』

 

廃倉庫裏の壁から戦いの状況を見ていた耳郎、轟、八百万の3人はその異常すぎる光景に夢でも見ているのではないかと考え始めた。そう思いたくなるほどに目の前の状況が信じられなかった。

 

『レイ、リュウ!少しの間足止めして!』

 

『了解!』

 

グルォォ!(任せろ!)

 

そう言うとリューキュウさんは必殺技であるウィングスラッシュを再度放つ体制に入る。俺とレイ兄さんはそれを阻止しようと前進する脳無をその場に留めるために攻撃を続ける!

 

『喰らえぇぇ!!!』

 

 

ドゴォン!

 

 

『グルガァァァ!!!』

 

 

バギッ!!

 

 

『もう一発!』

 

 

ドガッ!!

 

 

2人のコンビネーション攻撃に脳無はどんどん後退させられていく。そして、リューキュウとの距離ができたその瞬間、

 

『2人とも!合わせなさい!!!』

 

『はい!!』

 

グルォ!(おーよ!)

 

破竜は上空に飛び上がり翼を羽ばたかせて集中力を高め、レイは虎の腕に力を込め、リューキュウ必殺の一撃を待つ。

 

『さいっだいパワーよ…………喰らいなさい!!

 

 

ウィングスラッシュゥゥゥゥゥ!!!!

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

最大出力で放たれたウィングスラッシュは軌道上にいる脳無の体を切り裂き、吹っ飛ばす。その先には力を溜め込んでいるレイがいた。

 

ガァァァァァァ!!!!!!!!!(吹っ飛べぇぇ!!!!!!!!!!)

 

 

 

 

 

DO…GOOOOOOOM!!!!

 

 

 

 

 

吹き飛ばされた脳無をアッパーで上空に打ち上げるレイ。上空には集中力とパワーを全開にした破竜の姿。

 

 

『すぅ……オーラ…………

 

スマッシュゥゥゥゥゥ!!!!!!

 

 

破竜は上空に飛ばされた脳無に飛び込む形で右拳を顔面を叩き込みながら地面に超高速で突っ込んでいく。

 

『ギャアアアア!!!!?』

 

『くたばっちまえ!!!!!!!!』

 

 

 

 

DOGOOOOOOOOOOM!!!!

 

 

 

 

地面に叩きつけた反動で周囲にとてつもないほどの衝撃が発生する。それは近くで戦っていたオールマイトやオール・フォー・ワンも一時的に戦いを止めて見てしまう程で、隠れていた耳郎、轟、八百万達はそのあまりの威力に飛ばされないように必死だった。

 

脳無を地面に叩きつけた破竜は2人のもとまで下がる。レイとリューキュウも全身全霊の一撃を使った反動で虎化、竜化も解けていた。

 

『ハァ…ハァ…ハァ…』

 

『ぜぇ…ぜぇ…さすがに…死んだろ?』

 

『手加減してないからね…』

 

息を切らし、いまにも地面に倒れそうな3人をロードは黙って見つめる。

 

『……………………………』

 

『脳無は倒したぜ…』

 

『直々に相手してもらおうかしら…』

 

『テメェの番だ…降りてこい。』

 

『……よく見てみろよ。まだ終わってねぇぜ?』

 

その瞬間、地面に叩きつけられた脳無がゆらゆらと起き上がってきた。その体は切り裂かれ、背中は虎の拳で凹み、顔面は半分が砕かれかけているという普通なら致命傷になり得る傷にも関わらず、超回復の個性はその傷すら高速で治していく。

 

『嘘でしょ………』

 

『……さすがに笑えねぇな』

 

リューキュウとレイは保須で戦った脳無以上の強さを持つ個体に絶望という感情が頭の中をチラついていた。

 

『クソッタレ…!!!』

 

ここで超回復されて完全に戻られたら俺達に勝ち目はねぇ!まだ回復中の今しか勝機は……

 

そう考えた破竜は2人を尻目に飛び込んでいく。

 

『『 リュウ!? 』』

 

『うぉりゃあ!!!!』

 

ニヤリ…。

 

 

 

ガシッ!!!

 

 

 

『なッ!?』

 

速度をプラスした破竜の蹴りを受け止めた脳無はジャイアントスイングの要領で振り回す!

 

『うっ…っくしょ…離せ!!』

 

 

 

ブンッ!!!!

 

 

 

『こんの…ッ!!!』

 

投げ飛ばされた破竜は壁まで吹き飛ばされるが、壁を勢いに再度、脳無に接近して格闘戦を仕掛けていく。

 

『はぁぁぁ!!!』

 

拳と脚、翼を使った立体的で変幻自在な動き。その動きを見ていたレイやリューキュウは例え万全の状態でも無傷で回避するのが難しいと感じるほどの素晴らしい連続攻撃だったが…………

 

 

 

『だぁっ!!』

 

 

ブンッ!

 

 

『チッ…だりゃぁ!!!』

 

 

ブンッ!!

 

 

『だだだだだだだだ!!!!』

 

 

ブンッ!!!

 

 

その拳は…脚は、虚空を切り裂くのみだった。

 

『あ、当たってねぇ………』

 

『そ、そんな……』

 

『……これがこの脳無の本気なのか!?』

 

破竜の連続攻撃はただの一度も脳無の体を捉えられなくなり、その場には空気を切り裂く音だけが何度も何度も木霊するだけだった。

 

『おい、もういい加減終わらせろ。』

 

その一言を皮切りに脳無が攻勢に出る。破竜の拳を受け止めたかと思えば右手を胸の所に添えると、掌から金属を発生させ、破竜を壁まで叩きつける!

 

 

 

DOOGOOOOOOM!!!!

 

 

 

『がっ…は……ゲホッゲホッ!!!』

 

 

 

 

ポタッ…ポタッ……ポタッ………

 

 

 

 

『血が……』

 

『リュウ!! テメェぶっ殺してやる!!!!!』

 

レイは怒り狂って脳無に単身突撃する。レイにとって破竜は自身を兄のように慕ってくれる大切な存在。

例え、血は繋がっていなくても弟同然の存在を傷つけられてレイの怒りは臨界点を突破する勢いだった。

 

『オラァ!!!』

 

『……………』

 

レイは愛剣である二刀を高速で振り回していくが、それすら脳無にはたったの一撃すら届かない。

 

『くそっくそっくそっくそっ!!!』

 

『………………………!!!』

 

怒りに任せた単調な攻撃はレイから普段のクールで冷静な判断力を奪っていた。

 

 

 

 

バギャッ!!!

 

 

 

 

『おえっ…ぐ…あァァァァ!!!』

 

血を吐きながらもレイは力を振り絞ってナイフを脳無の肩に突き刺す。痛みはないはずだが、脳無はほんの少しだけ後退して地面に倒れているレイを見つめる。

 

『リュウに……破竜に…手ぇ出すな……』

 

『……………………………』

 

地に伏せているレイに脳無は少しずつ近づいていく。

 

『レイ…ッ』

 

『レ、レイ兄さん……!』

 

 

 

 

 

ザッ!!!

 

 

 

 

『リュウ…!!』

 

『逃げろ………』

 

……嫌だ

 

『リュウ!!!!』

 

嫌だッ!!!!!!!!!!

 

その怒声を聞いた2人はビクリとする。

 

『俺は2人を死なせる為に一緒に戦ったんじゃない!

ここで逃げたら…俺はッ…俺は2度と戦えなくなる!』

 

2人の前に立ち塞がる俺に脳無が近づく。その距離はもう1mもない。腕を振れば当たる距離だ。脳無はレイ兄さんの前に立ちはだかる俺が邪魔なのか腕を振るう体制に入っていた。

 

『『 リュウ!! 』』

 

振りかぶったその拳は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の顔面の前でピタリと止まっていた。

 

『な、なんで……?』

 

『な、なんだってんだ…?』

 

脳無は先程までの威圧感が嘘のように消え去っており、ただただ俺達の前に突っ立っているだけだった。

 

実際に戦っていた破竜、レイ、リューキュウだけでなく、裏で見ていた耳郎、轟、八百万、別の場所で激闘を繰り広げていたオールマイトすら突如として動く気がなくなった脳無を見て、疑問が頭の中を駆け巡る。

 

そんな中、1人だけイライラを隠せずに脳無にスタスタと歩いていく人物がいた。

 

『…………せっかくの余興が台無しだ。あんだけ時間をかけたのに…使えねぇ……本当に使えねぇ…。』

 

ロードはぶつぶつと呟きながらこちらに歩いてくる。そして、脳無の目の前に着くと俯いていたその顔がギロリとその場にいた全員を威圧する!

 

『使えねぇなぁコイツら……死ね』

 

そう言うとロードは脳無の右腕に握った右手をポンと置いた瞬間、肩部分から前腕部分が完全に弾け飛ぶ!

 

 

ゾクッ……!!

 

 

ビチャビチャと音を立ててその場に崩れていく脳無の右腕。俺はそれを見てロードの異常な強さを感じとる。俺達が例え、万全な状態だったとしても今のコイツ相手じゃ…

 

『ふん…無駄に頑丈な野郎だ。その頑丈さに免じて今回は殺さないでおいてやる。さっさと下がれ、この役立たずが。』

 

そう言うと脳無は失った右腕を超回復の個性で少しずつ修復していく。だがその足取りは重く、明らかにダメージを負っているようだった。

 

『あの役立たずのせいで俺まで出張るハメになるとはな。まぁ…、いいか。元々俺を捕まえるつもりだったんだろ?』

 

そう言ってこちらに少しずつ近づくロード。だが、その一歩が…まるで死を連想させるレクイエムを奏でていた。

 

 

コツ……

 

 

『ッ…なんて威圧感…!!』

 

 

コツ…

 

 

『やべぇ……足を踏み出したくねぇ…。』

 

 

コツ……

 

 

『オールマイトと相対してる気分だッ…!!!』

 

 

コツ………。

 

俺達の前まで歩いてきたロードはニヤリとした表情のまま戦闘開始の合図を告げる。

 

 

『さァ…………始めようか!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『shit!!破竜少年達を助けに行きたいが……』

 

『僕が行かせると思うのかい?』

 

動こうとしたオールマイトの前にオール・フォー・ワンが立ち塞がる。

 

『にしても破竜君だったかな?ロードから聞いたけど随分と不憫じゃないか。彼に親を殺されて天涯孤独。挙げ句の果てには住んでいた島の住民に殺されかけて世の中の人間からは犯罪者扱い。そんな彼を助けて一般社会に戻してもまた絶望するだけだよ?』

 

『貴様に言われる筋合いはない!今の彼の周りの人間にはそんな人達はいない!それにあんな事は私が二度と起こさせない!』

 

『守るものが多いねぇ…。なら…これは知ってるかい?』

 

ニヤついていたオール・フォー・ワンはある事実をオールマイトに語る。するとオールマイトの表情が憤怒の表情に変わる。

 

『貴様らぁぁ!!!それでも人間か!!』

 

『考えついたのは私じゃなくてロードさ。僕に怒るのは筋違いというやつではないのかい?オールマイト』

 

『黙れ!ここで貴様らを捕まえて全員救うだけだ!』

 

『やってみるといい!!』

 

そう言って2人はまた高速で動いて戦闘を始める。

最強と最恐の死闘はまだまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 

 

 

 

 

 

 

『どうした?早くかかってこい。』

 

そう3人に告げるロードだが、誰も動けない。いや、闇雲に動いても意味がないことを理解しているからだった。

 

『まぁいいや。俺の目的は破竜真人だけだ。他の2人は……殺すも殺さないも俺の……気分次第だ。』

 

その瞬間、俺の横を風が通り過ぎる。

 

『えっ…?』

 

『がっ…は……』

 

『うぐっ…うぅ…』

 

俺の後ろとさらに後ろから聞こえたうめき声に反応して振り向くと高速というのも生温いスピードで接近したロードが2人に一撃を加えて吹っ飛ばしていた。

 

『レイ兄さん!リューキュウさん!』

 

なんてスピードだ…あのレイ兄さんが反応できないなんて…

 

『お前によそ見する暇なんてあると思うのか?』

 

『ッ…速え!』

 

 

 

 

 

バギャッ!!

 

 

 

 

 

突如として目の前に現れたロードの蹴りを間一髪でガードするが、勢いを殺しきれずに瓦礫まで飛ばされてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

BOOOOOM!!

 

 

 

 

 

 

 

『このクズ野郎…やりやがったな…。』

 

『早くかかってこいよ…本気でな』

 

『……言われなくてもなぁ!!』

 

破竜は再度、ドラゴンウォリアーに竜変身してロードの前に立ちはだかるとロードの顔から笑みが消えた。

 

『それが本気か?』

 

『?……だったらなんだってんだ』

 

『……期待外れだ。あの役立たず脳無に押されまくっていたその姿が全力だとはな。』

 

『ッ…!やってみなきゃわかんねぇだろ!!!』

 

その瞬間、先程よりも早くロードが接近してくる!お互いに拳をぶつけ合うとその場に中心に衝撃波が生まれる。

 

 

 

 

 

 

 

パァァァァァン!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

『っがぁ!』

 

だが、その衝撃に俺は耐えきれずにあっさりと吹き飛ばされ、地面を無様に転がってしまう。

 

『……で、なんだっけ?』

 

『チッ……こっからだ!!!』

 

そう言って俺はロードに接近し、超高速の拳撃を浴びせていくが…

 

『だぁぁぁぁ!!!!!』

 

 

 

 

 

ブンッ!ブンッ!ブンッ!!

 

 

 

 

 

その攻撃は全部が紙一重で避けられてしまっていた。

 

『嘘だろ…ッ!!』

 

『…………この程度かよ。』

 

ロードは俺の連撃の中の一瞬の間に蹴りを叩き込む!

 

『ぐっ…は……くっそ…なら、コイツで…』

 

俺は右腕を引き、集中力を高めていく。

まだだ…もう少し…

 

『おーおー、必殺技か?やってみろよ』

 

『言われなくてもッ!! 来い!!!』

 

ロードは俺に向かって飛び込んでくる。

 

『受けてみろ!!会・心・撃!!!』

 

 

 

 

 

 

 

スッパァァァァァン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

ドラゴンウォリアーの本気の一撃。あの脳無すら吹き飛ばした竜の一撃は……乾いた音を立ててロードにあっさりと掴まれてしまう。

 

『そ…そんな……』

 

『力ってのはな…こう使うんだよ。』

 

ロードは掴んでいた俺の拳を自身に引き寄せ、右腕を俺の心臓部分に置く。

 

 

 

 

 

 

ドクンッ!!!

 

 

 

 

 

『ッ…がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』

 

心臓を直接握りつぶされたような衝撃が瞬時に体全体に流れ込み、破竜は絶叫し、のたうち回ってしまう。

 

 

『『 リュウ!!! 』』

 

 

『がっ…ハァ…はぁ…ハァ…ごぼっ…』

 

い…きが…でき…目が…チカチカする…。

 

現時点で最強を誇る竜変身『ドラゴンウォリアー』すら、たった一撃で変身解除まで追い込まれてしまう。

 

想像を絶する痛みにのたうち回る俺を見てロードは落胆したと言わんばかりの態度で俺を見下ろす。

 

『何年も待たせておいてこのザマか。お前の両親が言ったことは嘘だったようだな。…()()()()を持つこの俺のせめてもの情けだ。ここで死ね。破竜真人』

 

な…なにを…。同じ個性……?

 

そう言うとロードは力を込めて自身の個性を発現させていく。俺と同じようにジーンの力を引き出していき、自身の体を竜に変化させていく…!!

 

 

 

 

 

『がァァァァァァァァァァ!!!!!!!』

 

 

 

 

 

黒い渦がロードを包み込み、

黒く染まった腕が渦を切り裂く。

 

『う、嘘だ……』

 

『そ、そんな……』

 

『リュウと同じ……』

 

そこには破竜と同じく膨大な竜の力を纏った竜人。

唯一、破竜と違うのは全身は青黒く染まりながらも

目だけは全てを見通すような緑色の瞳だった。

 

『俺の個性もお前と同じ竜変身だが…お前のように中途半端じゃない。これは俺だけの竜形態……その名はドラゴンロード。全てを統べる最強の竜だ。』

 

その場にいた全員がロードに釘付けになっていた。かくいう俺も驚きを隠せなかった。竜変身の力の強さは誰よりも俺が一番よく知っている。だからこそ…理解してしまった。

 

目の前にいる男がオールマイトにも匹敵するかもしれない化け物であることに…。

 

『さて…いくか。簡単には死ぬなよ?』

 

『ッ…!!!』

 

気を抜くな!相手の動き一つ一つに全神経を注げ!

そうしないと…一瞬で殺されちまう!

 

『いい集中力だが…まだ足りねぇなァ!!』

 

 

 

 

バキャッ!!!!!

 

 

 

 

先ほどまでとは比べ物にならないスピードの拳が俺の顔面を撃ち抜いた。

 

『あっ……ぐ……』

 

『まだ寝るのは早いぜ?』

 

 

 

 

ドガッ!!!!!

 

 

 

 

吹っ飛ばされた俺の後ろに超高速で回り込んだロードは俺を蹴り上げて上空に打ち上げる。

 

『うっ……ご……ほ………』

 

『ククク…まだまだ!!!!』

 

 

 

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

 

 

 

 

ロードは打ち上げた破竜を追いかけるように稲妻の如きスピードで追撃していく!その一撃一撃は破竜の体の骨を砕き、僅かに残っていた意識を完全に刈り取っていく!

 

 

 

 

『こんなの……』

 

『とてもじゃねぇが…見てられねぇ。』

 

『破竜…破竜!!!』

 

 

 

 

 

神野の街の上空まで飛ばされ続けた破竜は既に息も絶え絶えで自らの意思で体を動かすことすら困難になっていた。

 

『ごっ…ぐはっ…ゲホッ…が…ごほ……は…』

 

『所詮こんな程度か………』

 

そう言ってロードは重力に逆らって落ちかけた破竜の頭を無造作に掴んだ。

 

 

 

 

 

ガシッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『死ねェ!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破竜の頭を掴んだままロードは滑空をはじめる!このまま叩きつけられれば破竜の死は確実だったが、それを邪魔する暴風が巻き起こる。

 

『ウィング…スラッシュ!!!』

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

『あァ?』

 

唐突な一撃に虚を突かれたがすぐに立て直し、ただの蹴りでリューキュウ必殺の一撃を無効化する。

 

『リュウ!』

 

一瞬、意識が逸れたロードからレイが破竜を回収し、地面に降り立つ。

 

『リュウ!!!』

 

『レイ!リュウは生きてる!?』

 

『生きてるけど…傷がひでぇ。ほぼ無防備に喰らっちまってる。』

 

レイに救出された破竜は完全に気絶しており、反応が全くなかった。しかも全身ボロボロで身体中の至る所から血が流れており、無事な箇所を探す方が難しい悲惨な状況だった。

 

『そこを退け。今の俺の標的は破竜真人だけ…邪魔をするならお前らから殺す。』

 

空を飛んでいたロードが地面に降り立つと2人を威圧して退くように促すがそれを聞いてレイが怒る。

 

『そう言われて、『はい退きます』なんていうわけねぇだろうが…。』

 

『そうか…なら、コイツを殺す前にお前らからだ』

 

ロードは腕をボキボキ鳴らしながら歩いてくる。2人は脳無との戦いですでに限界ギリギリの状況だが、気力を振り絞って最凶に立ち向かう。

 

『行きますよ!リューキュウさん』

 

『えぇ!』

 

その姿を見てロードの顔が歪む。

 

『うぜぇぇなぁぁぁ!!!!!つくづくあの2人を思い出させやがるッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ん…あぁ…いっつつ…俺は……』

 

地面に倒れて気絶していた破竜は痛みを訴える体に

鞭を打って起き上がる。そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右翼をへし折られて全身が焼け爛れていたリューキュウと両手両足がありえない方向に曲がり、胸元を竜の腕で貫かれていたレイの姿。

 

そして、地面に倒れていたリューキュウの上に座り、貫いたレイをまるでおもちゃのように扱っていたロードがいた。

 

 

 

『あ…ぁ…あぁ…ッ!

 レイ…兄さん…リュー…キュ…ウさん…』

 

 

 

起き上がった破竜を見てロードは待ちくたびれたと言わんばかりの態度で話しかける。

 

『ん?やっと起きたのか?にしても…この2人はよくやったよ。この俺にここまでの傷をつけるとはな。』

 

そう言ったロードの体には至る所に傷がつけられており、2人の必死の抵抗の跡が伺えた。

 

『あそこで今も戦ってるオールマイトも(ゴミ)になりかけてるコイツらを助けようと必死だったがな。さすがにオール・フォー・ワンは振り切れなかったみたいでその間にボロボロにさせてもらった。』

 

ロードは自慢げに破竜に話しかけるが、破竜には何も聞こえていなかった。その目はズタボロにされた2人をずっと捉えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が……捕まったりなんかしなかったら…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……ら……ろ…………か』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が2人と出会わなければ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ええ、初めまして。破竜真人君。』

 

 

『宜しくなリュウ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺なんかがいなかったら…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ち………ら…を………か……う……か?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が………もっと強かったら……………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『力を貸してやろうか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『殺してやる…………………』

 

 

 

 

 

ドクン…

 

 

 

 

『あァ?』

 

 

 

『殺してやる…殺してやる…』

 

 

 

 

 

 

ドクン……ドクン……

 

 

 

 

 

 

うわごとのように呟く破竜から尋常じゃないほどの殺気が溢れ出していく!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『殺してやる!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクンッ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

憤怒と憎悪の感情が破竜の奥底に

深く…深く……眠っていた力を目覚めさせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その覚醒は全てを破壊する竜への目覚めだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルォォォォォォォォ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





あとがきです。


脳無との戦闘、そしてロードとの戦闘…同じ竜変身の個性を持つロードに2人を殺されかけた姿を見て破竜君に変化が……。

この話には今後に関わる大切な部分がいくつかあります。想像しながら読んでいただければと思います!



さて、下記に今回個性初披露のロードについて書いておきます!


・ロード『個性:竜変身』

破竜と同じく様々な竜に変身できる個性。ただ、作中で彼が軽く触れていた通り、彼にとってはドラゴンロード(後述)が最強の変身形態であることから、破竜君のようにいくつかの形態を分けてまで使う気は一切ない。ちなみに破竜君と同じようにジーンを利用して変身していますが、彼のジーンと破竜君のジーンはある事情から全くの別物になっています。


変身形態:ドラゴンロード

ロードのみが変身できる最強の竜変身。竜人型で一見するとドラゴンウォリアーと似た形態だが、破竜のものよりも青黒く筋肉質で緑目が特徴的。戦闘能力は本気じゃなくてもドラゴンウォリアーの破竜、ワータイガー状態のレイ、リューキュウの3人相手をいつでも殺せると豪語できる力を持つ。








本作のお気に入り、感想、評価等、いつもありがとうございます!次話もお楽しみに!




次回予告




『あれが……破竜だっていうのか…?』

『破竜少年!!!!!』

『怒りと憎しみでここまでの力を…ククク。いいじゃねぇか!!』





『(殺すッ!!殺してやるッ!!!!)』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア





『怒りと憎しみの超覚醒…全てを破壊する力』





『ねぇ、戻ってきてよ……破竜!!』








更に向こうへ!Plus ultra!!!
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