半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!

まさか2週間も開けてしまうなんて…本当に一度ドツボにハマると話が全く浮かんでこなくなります。

基本的には週1か余裕があれば週2投稿で考えているので私の頭が働く限り頑張りたいと思います!


お気に入りしてくれた下記の方



志無 NQ11A たんやお bk_salena グレン2017 とんとろ丼 ryuchi はてなこは 低音女子大好きさん ライドウ1717 揚げちくわ ぽんぺい しゅう@



評価していただいた方



PRPRON酢



本当にありがとうございます!


また、いつも誤字報告してくださる方ありがとうございます!
感想や評価もお待ちしてます!


それでは本編をお楽しみ下さい!



『No.1からのバトン!受け継がれる意志!』

 

 

あの凄惨な事件から一夜明けて…

世間は騒然としていた。

 

『捕らえた脳無は今までの個体と同様、人間的な反応はなく、新たな発見は得られそうにありません。』

 

『リューキュウ、レイ、そして破竜真人君と交戦した脳無は何かが他と違うと聞いているがそれについてはどうだ?』

 

『私達もなるべく早めに聞きたいんだが…、前途のヒーロー2名は命こそ助かったが、今でも意識が戻っていない。破竜真人君については…まだ聞ける状況ではないだろう。』

 

『そもそも、脳無の生産工場自体がフェイクの可能性は?あんなもんがそう簡単に作れるとは考えたくない。BARから奴らの個人情報は上がってきてねぇのか?』

 

『すいません、まだ調査中です。』

 

それを聞き、その場に重い空気が流れる。

 

『大元は捕らえたものの、死柄木をはじめとした実行犯は逃亡中。とびきり甘く見積もっても痛み分けと言ったところか…』

 

『馬鹿野郎、痛み分けじゃない。こっちの方が損害が大きい…平和の象徴を失ったんだぞ!』

 

『確かにオールマイトとオール・フォー・ワンだけなら双方に釣り合いは取れていた可能性があるが、あっちにはもう1人残っているだろう。』

 

それを聞いて全員の顔が曇る。

 

『『『 ロード…… 』』』

 

『そうだ…5年前に姿を消したっきりだったあの男がこのタイミングで表舞台に現れた。奴を倒せるのは…オールマイトだけだと思っていた矢先に彼の弱体化に伴う平和の象徴の喪失だ。今までよりも荒れるぞ。』

 

『俺は怖いよ。馬鹿も集まればここまでできると全員が知った。死柄木は最初のプロファイリング時点ではただの子供の癇癪と呼ばれていた。それが回数を重ねるにつれて周りくどく…世間への影響度を考えたものになっていた。死柄木は考え、成長する。そこにきてロードの存在。我々警察も(ヴィラン)受け取り係と言われてるだけでは行かなくなった。更なる改革が必要だ。』

 

その場にいた全員は平穏だった日々を失った事に落胆しつつも次を見据えて動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

『じゃあ、爆豪君と破竜君はこっちに…』

 

『あぁ…』

 

『はい…』

 

俺達は警察に連れて行かれて敵連合とのやり取りについて事細かに事情聴取され、自宅に送り届けられる事になった。

 

俺達を救出する為に神野まで来た緑谷、切島、轟、飯田、八百万、耳郎の6人は来た時と同じように新幹線を利用して自宅に帰るという連絡があった。

 

俺と爆豪の2人は送りの車を警察署内で待っていると珍しい事に爆豪が俺に話しかけてきた。

 

『おい…ドラゴン野郎』

 

『……なに?』

 

『テメェに聞きてぇ事がある』

 

『答えられる範囲なら…』

 

そういうと爆豪は目を瞑って話しかける。

 

『………テメェは何モンだ?』

 

『はぁ?』

 

俺は意味がわからず思わず聞き返す。爆豪の質問は要領を得ないもので誰が聞いても確実に答えられる質問でない事は明白だった。

 

『何者って…俺はお前と同じクラスの『そうじゃねぇ。敵連合とのやりとりでテメェが犯罪者だった過去を知った。そしてあのロードとかいう(ヴィラン)はテメェに固執していた。テメェは一体…なんなんだよ?』

 

『………………………………』

 

俺は何て言えばいいのかわからず、無言を貫く。だがなんとなく、爆豪は全てを察しているような気がしてならない。

 

『……そうかよ。別に無理して聞くつもりはねぇ』

 

『悪い…。けど、いつか話す。それまで待ってくれ』

 

『ケッ!テメェの過去なんてどうでもいいんだよ。この事件がきっかけで雄英を退学するなんて言い出すんじゃねぇかって気になっただけだ。』

 

『……心配してくれてんの?』

 

『ちげぇってんだろうが!テメェとはまだ決着が着いてねぇ。勝ち逃げさせる気ねーからな。』

 

不器用だなぁ…コイツ。爆豪なりの優しさを受け取って俺の顔から笑みが溢れる。でも、負けるつもりはないからあえて挑発的に返す。

 

『…そっか、でも残念だな』

 

『あぁん?』

 

『次も俺が勝つから一生勝ち逃げさせてもらう』

 

『んだと"!?』

 

ぎゃーぎゃーと警察署の中で騒ぐ俺と爆豪。言葉遣いこそ変わらないが、その距離は前よりも確実に近づいていた。すると塚内さんが焦った表情で俺を呼びにきた。

 

『破竜くん!』

 

『どうしたんですか?そんな慌てて…』

 

『ハァ…ハァ…リューキュウとレイが目を覚ました』

 

『!…ほんとですか!?』

 

『あぁ!すぐに会いにいくだろ?』

 

『はい!悪い…病院に行くからこのまま…』

 

『帰るわ!テメェをわざわざ待つわけねぇだろうが!さっさと行け!』

 

『さんきゅ、またな。』

 

『ケッ!』

 

そう言って塚内さんは俺を乗せて2人が入院している神野総合病院に車を走らせる。その車中で塚内さんが俺に声をかけてくる。

 

『君の事なんだけどね…』

 

『はい?』

 

『やはり…多少ニュースになってしまっている。君が個性暴走させて島を焼き払い、犯罪者になってしまった過去が…』

 

『あぁ…そんな事ですか。』

 

確かに世間から犯罪者としてみられるのは今後、色々な面で困るのは確かだが、俺からしたらそんなに大した事ではない。

 

『そんな事って…』

 

『そんな事ですよ。それをした事は事実ですし、嘘をつくつもりもない。だけど、俺はもうそんな過去のことに囚われる必要がないんです。』

 

『どうしてだい?』

 

俺の脳裏に耳郎やみんなの顔が思い浮かぶ。

 

『信じてくれる人達がいるので…それで十分です。』

 

そう言った俺を見て塚内さんは驚いた表情を見せる。

 

『……強くなったね。昔に比べて』

 

『そんなことないですよ。』

 

塚内さんは更に話を続ける。

 

『それと君への誹謗中傷についてだが、安心して欲しい。元々、この事件についてはヒーロー協会と警察、島民、そして君の4者間だけの話なのにも関わらず情報を漏らしたものがいる。それは立派な契約違反だ。テレビという公共電波でそれを流したマスコミも情報漏らした犯人も必ず社会的制裁を加えるからね。』

 

『そこまでしてくれるなら心配することなんてなに一つもありません。ありがとうございます。』

 

塚内さんと世間話を続ける事15分。

俺は神野総合病院に着いた。

 

廊下を歩きながら俺は塚内さんから聞いた事を思い出していた。

 

『(2人は意識を取り戻したとは言ってもあの激戦のダメージは抜けていない。あまり長居はしない方がいいよ。)』

 

わかってる…そもそもの話、会っても2人と上手く話せる気がしない。7Fの11号室、ここか…。プロヒーローという事もあり、個室にしてくれたみたいだな。

 

コンコンとノックをすると中から返事が帰ってきた。

 

『リュウか?入れよ。』

 

『はい…』

 

室内に入ると俺は驚きで声が出なかった。2人は隣り合わせのベットで寝ており、リューキュウさんは全身包帯だらけ、レイ兄さんに至っては寝たままの状態になっていた。

 

『よく来たわね、リュウ。』

 

『お前は大丈夫なのかよ?』

 

『あ…はい。なんとか…』

 

『そっか、良かったぜ。』

 

『『『 ……………… 』』』

 

レイ兄さんの言葉を最後に全員がだんまりとしてしまう。空気が重い…だけど、俺はこの2人に言わなきゃいけないことがあった。

 

『あの…リューキュウさん、レイ兄さん…』

 

『どうしたの?』『どうした?』

 

『お二人にはご迷惑をおかけしました…!』

 

俺は誠心誠意、頭を下げる。

 

『……なあ、リュウ。』

 

『はい…』

 

『お前、なんで謝ってんだ?』

 

なんで謝られているのか意味がわからないといった具合にレイが破竜に問いかける。

 

『いや…、俺のせいで2人をこんな目に…』

 

 

 

『『  ハァ?   』』

 

 

 

俺がそう言いかけると2人は何も分かってねーなコイツと言う表情をしながら、ふぅーとため息をつく。

 

『あのね、リュウ。私達はそもそも貴方と爆豪君を救出する為にあの場に向かったのよ?結果として、爆豪君は無傷。貴方に関してはあの敵との戦闘で傷つけてしまったものの無事に救出できている。私達からすれば作戦成功と言える結果よ。』

 

『それによ、俺らはプロヒーローだ。勿論、全員傷つかずに終わるのが理想だが現実はそう上手くいかねぇ。そうなった時、お前らを傷つけられるくらいなら俺らが傷つく。ヒーローっていうのはそういうもんなんだぜ?』

 

リューキュウさんは若干怒りながら、レイ兄さんは優しく、2人して俺を諭してくれた。

 

『でも…』

 

『でも何も無いわ。』

 

『うぐっ…』

 

俺の精一杯の反論もピシャリと断ち切られた。

 

『だからよ、そんな悲しい顔すんなって。そんな顔されたらこうなってまで助けた意味ねぇぞ?』

 

『それに謝りたいのは私達の方よ。』

 

『え…どうしてですか?』

 

謝られる覚えはないんだけど…

 

『あの敵…ロードと名乗っていたわね。私達3人がかりで戦ったにも関わらず結局は貴方を危険に晒して終わってしまったわ。しかも最後には学生に救い出されて後始末さえできずに負けた。』

 

『んで、俺らはボコボコにされてこのザマさ。まぁ、俺らもやられっぱなしは嫌だからな。次は勝てるように強くなる…とはいえ』

 

『あの時、守ってあげられなくてごめんなさい。』

 

『悪かったな、リュウ。』

 

そう言って2人は頭を下げた。

 

『そんな…俺の方こそ…!』

 

お互いに自分が悪い、自分達が悪いと引かずに謝り続けること5分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハァ…やめましょう。埒が空かないわ。』

 

『お前意外と頑固だな。』

 

『俺が悪いのは確かなので…』

 

『だからそれは…ってやめよ。長くなるわ』

 

絶対に折れる気がない俺を見て、リューキュウさんもレイ兄さんも諦めたみたいだ。すると、コンコンとドアをノックする音が。

 

『破竜くん、そろそろ時間だ。』

 

『塚内さん?わかりました。すぐ行くので下で待っててください。』

 

『頼んだよ。』

 

それを聞いて塚内さんは車に戻っていく。

 

『それじゃ、お二人ともまた来ますね』

 

『待ちなさい、リュウ。』

 

『ん?どうかしましたか?』

 

リューキュウさんが俺を呼び止める。その目は俺に大事な事を聞きたいように感じ、自然と体に力が入る。

 

『今すぐじゃなくていい。今度、あなたのことを色々と教えてくれるかしら?』

 

『……俺の事ですか?』

 

『えぇ…。あなたが何かを抱えていることは職場体験の時からなんとなくわかっていた。それに今回、あなたが過去に犯罪者だったという事も知ったわ。』

 

『……………さすがに軽蔑しましたか?』

 

『まさか。貴方と職場体験や期末試験で一緒の時間を過ごして無意味に酷いことをするような子じゃないってわかってる。でもね、貴方は強いから辛い事を1人で抱え込みがちよ。私達では頼りないかもしれない。けれどたまには頼ってもいいんだからね。』

 

『そう言う事。俺はお前のお・兄・ち・ゃ・んだからな。たまには頼ってくれないと泣いちゃうぜ?』

 

それを聞いて俺は胸の奥に熱くなる物を感じた。心の中に抱え込んでいるものを全部吐き出して甘えたくなるほどに…。

 

『………今はまだ。でも…いつか言います。』

 

『待ってるからね。』

 

『お前のタイミングでいいからよ。』

 

『…はい。ありがとうございます。それじゃ、またお見舞いに来ますね。』

 

『バーカ、お前はそれよりも自分の事考えとけ。』

 

『またね、リュウ。』

 

『失礼します。』

 

そう言って退出した破竜を見送って2人は話出す。

 

『なぁ、リューキュウさん。アイツ大丈夫ですよね?』

 

『大丈夫よ。そんなに弱い子じゃないから。問題は私達よ。あのロード相手に手も足も出なかった…もっともっと強くならなきゃダメね。』

 

『あぁ、あのクズ野郎…次はぶっ飛ばす。』

 

リューキュウとレイは自身の弱さを悔やみ、この件をきっかけにさらに強くなることを誓う。いずれ訪れる再戦の時に備えて…。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

『それじゃ、破竜君。ゆっくり休んで』

 

『はい。お忙しい中、ここまで送って頂いて本当にありがとうございました。』

 

自宅マンションまで送ってもらったお礼を伝えると、塚内さんは車を走らせて次の現場に向かっていったが、あのスピードで運転して大丈夫か?スピード違反スレスレのような気がするんだが…

 

 

 

ガチャ

 

 

 

『ただいま…って誰もいねぇか』

 

がらんとした室内に入った俺は着いて早々にベットに身を投げて目を閉じる。たった数日の間に色々なことがあったな…。

 

林間合宿での俺と爆豪の誘拐、マスコミによる過去の暴露、オール・フォー・ワンと呼ばれた敵連合のボス、そしてあの両親を殺したロードとの邂逅。リューキュウさんとレイ兄さんを殺されかけた事、それに伴う竜変身の暴走、オールマイトの真実…そして最後の台詞…

 

『あーー!!くそっ!悩みまくって休めねぇ!』

 

目を閉じてもその時の光景ばかりが頭をよぎる。

あんだけボロボロにされたんだ…。

 

 

少しくらい休まないと…と考えていると

 

 

 

prrrrrrrrrr

 

 

 

俺の携帯が唐突に鳴り出す。誰だ…こんな時に…

 

 

 

ピッ

 

 

 

『はい…?』

 

『破竜少年?』

 

『ッ!オールマイト!?』

 

電話相手はまさかのオールマイトだった。てか、昨日の激戦で今も休んでなきゃいけないのになんで電話?

 

『君に話したいことがある。これから送る場所に19:00に1人で来てくれ。』

 

『え…ちょっとまっ…』

 

 

 

プープープー

 

 

 

碌に説明もないまま電話を切られてしまう。なんなんだ一体…。すると携帯がピロンと何かを受信する。開くとオールマイトから。その場所は

 

『ここは… 多古場海浜公園か?確かゴミの不法投棄で荒れてたけど今年の4月くらいからなぜかゴミがなくなった上、海岸線が復活した場所で有名な所だ…』

 

今の時間は18:00。準備して向かうか…。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

少し早めに多古場海浜公園に着いた俺は綺麗な海岸線が広がる海辺を眺めていた。

 

『にしても綺麗だなぁ…今度耳郎誘って来てみよ。』

 

さりげなく耳郎とのデートプランを立てていると、遠くから俺を呼ぶ声がする。

 

『待たせたね、破竜少年。』

 

『あ、オールマイト…』

 

そこに現れたオールマイトはいつもの筋骨隆々とした姿ではなく、神野で見たガイコツのような姿だった。

 

『……よく分かったね。これが私だと』

 

『神野で見ていましたから…』

 

『そうか…』

 

そう言うとオールマイトは黙ってしまう。俺も特に話す話題が見つからなく、お互いに黙ってしまう気まずい時間が流れる。

 

すると、オールマイトがポツポツと話し出す。

 

『…君のご両親のことについて、合宿後に話をすると言っていたのに遅くなってすまなかったね。とは言っても、君の事だからロードとの会話である程度は推測しているだろうが…』

 

やっぱその話題か…

 

『はい…だとしても気になる事はたくさんあります。ロードは何で俺の両親を知っていたんですか?なぜ俺を狙うんですか?何でアイツの個性は…俺と同じ竜変身だったんですか?オールマイトは全て知っていたんですか…?』

 

『………もちろん知っていたさ。だが、全てを知っているわけではない。私がわかる事を一つずつ話していこう。』

 

そう言ってオールマイトは語り出す。俺にずっと隠していた両親の死の真相について。

 

『ロードが2人を殺した事は奴本人の口から聞いたね?』

 

『はい…。それとI・アイランドで会ったレインさんからも…ただ、俺が調べた時は大規模災害で2人は死んだと資料やニュースでは記載されていましたが…』

 

『そうだね。資料や当時のニュースを見ると大規模災害で2人が死んだと伝えられているが、それは少し違う。正確にはロードが起こした災害から彼らは人々を助け、その原因である奴と対峙して殺されている。』

 

『…オールマイトはオール・フォー・ワンだけじゃなく、ロードとも面識があるように感じましたが?』

 

『あぁ、あの時の私は彼らと同じく救助の為に近くにいたからね。救助が終わり、先行した彼らに追いついた時には既に殺された彼らの遺体を奴が持ち帰る所だった。』

 

遺体を?

 

『……何の為に?』

 

『わからない…だが、彼らの個性は非常に強力なものだ。フォーマーの個性、トランス。メタライズの個性、具現化。それらをオール・フォー・ワンが欲しがった為、ロードに2人を襲わせたと私は考えていた。』

 

あの両親の個性。改めて聞くと個性の強さがとんでもない。現存する生物という制限こそあるが、あらゆる生物に変身でき、能力を行使できるトランス。人間を生み出すことは出来ないが、頭の中で想像したものを現実に召喚できる具現化。それを同時に相手取りながらかくじつにころしたロードの強さも…

 

『オールマイトがやけに竜変身について詳しかったのはロードのせいですね?』

 

『あぁ。だが、奴が見せたあのドラゴンロードという形態は私も初めて見た。正直に言うよ破竜少年………あの力は私の全盛期に近い強さを持っているかもしれない。』

 

ゾク…と背中に鳥肌が立つ。あのオールマイトの全盛期に匹敵するほどの力。今の俺じゃ逆立ちしても勝てない。

 

『だけど、負けるわけにはいかないんだ…アイツは俺が必ず倒す。俺が倒さなきゃダメなんだ。』

 

そう言うとオールマイトの目が鋭くなる。

 

『………確かにあの暴走した竜変身の力なら倒せる可能性は()()()()()にある。ただ、君はまたその力を使えるのかい?ハッキリ言うが、今の破竜少年があの力を使いこなせる確率は1%もない。』

 

『わかっています…あの時の俺は暴走してジーンや耳郎、オールマイトにも助けられてようやく戻ることが出来た。でも、あの力がないとダメなんです。アイツを倒すために…そして、あなたを超える為に…』

 

『私を…?』

 

困惑するオールマイトを尻目に俺は続ける。

 

『俺の目標は今も昔も変わっていません。力を暴走させて…人を危険に追いやった俺にこんなことを言える資格はないのかもしれないけど…』

 

破竜は月を背にオールマイトを見つめる。その姿は月の光が海面に照らして破竜の姿を神秘的に映し出す。

 

『俺は必ず貴方を超える。そして、轟にも爆豪にも…()()にも負けない最強で最高のNo.1ヒーローになる。』

 

『………』

 

オールマイトは破竜のその言葉に違和感を覚える。轟や爆豪の名前を出したこともそうだが、なぜ緑谷の名前だけやけに強調しているのか内心、疑問を残る。

 

 

すると、破竜はさらに続ける。

 

 

『それとあなたの最後の台詞。あれは俺ともう1人、別の人間に伝えたものだと俺は感じています。それが誰なのか俺には()()()()()()が…。』

 

嘘だ。破竜少年は誰に向けて言ったものなのかわかっている。その上でNo.1になると私の目の前で宣言したんだ…。

 

『……わかってるだろうけど、その道は険しいぞ?』

 

『承知の上です。』

 

オールマイトはそう強く言い切った破竜の姿を見つめる。その姿はかつて自身の死を願い、個性を恨んだ弱い少年の姿はどこにもなかった

 

『そうか…』

 

そう言うとオールマイトは俺のそばまでやってきて俺を抱きしめる。

 

『え…あの…オールマイト?』

 

『……それとね、君が無事で本当によかった。』

 

『ッ!…ぐすっ…ぅぅ……』

 

その一言で俺の涙腺が崩壊する。

 

『全く…君も泣き虫だったのかい?No.1になるならそういうところは直していかないとだめだぞ?』

 

『…ッ、はい…わか"…って…ます…よ…』

 

涙声になりながらも俺はオールマイトにそう答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綺麗な海岸線が広がる多古場海浜公園でかつてNo.1ヒーローに救われた少年は恩人へ宣言する。

 

あなたを超える最強で最高のNo.1ヒーローになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年の道はまだ始まったばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





あとがきです。

はじめに本作品がお気に入り300件を突破しました!!
本当にありがとうございます!!

内容的にも拙い部分がある中、これだけたくさんの人が見てくれることに感謝しています。お気に入りや評価、感想などが私の執筆意欲を高めてくれてるのでそう言ったのをくれる皆さん、本当にありがとうございます!

これからも頑張って投稿していきます!






さて、本話で神野編を終わらせ、次回から仮免編へと移っていきたいと思います。とはいえ、仮免編の前に何話か大事な話があるのでそれも描写からになりますね!





本作のお気に入り、感想、評価等、いつもありがとうございます!皆さんからのお気に入り、評価、感想が私にとっての執筆意欲になります!是非、まだの方はお気軽に!


ではでは、次話もお楽しみに!




次回予告




『宜しく頼むね、家庭訪問。』

『俺も…着いていっていいですか?』

『私、嫌です。』





『破竜くん、君は一体なんなの…?』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア





『信頼されるために。家庭訪問!』





『俺からもお願いします…ッ!!!』








更に向こうへ!Plus ultra!!!

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