半人半竜のヒーローアカデミア 作:十希
はじめに
皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!
1日遅れちゃってすみません。ちょっと色々ありまして…
次回は遅れないように頑張りたいと思います!
お気に入りしてくれた下記の方
ケンシン1 Rain one 素晴らしいと愉悦を求める アナザーZERO あったか生茶 アスアス 牙音 なっくる Tk9265 川ちゃん アラガミを喰らう艦息睦月改二 レイテル 如月 炉威
本当にありがとうございます!
また、いつも誤字報告してくださる方ありがとうございます!
感想や評価もお待ちしてます!
それでは本編をお楽しみ下さい!
ヒーロー仮免許取得試験当日!
『おい、降りろ』
その言葉で俺達1年A組はバスから降りる。
『試験会場はここ国立多古場競技場で行う。』
『多古場でやるんだ…』
『…緊張してきたァ』
『試験って何やるんだろ…ハァー、仮免とれっかな』
緑谷はそうでもないが、耳郎は緊張、峰田は試験への不安を覗かせていた。他のみんなも口には出さないが同じ気持ちだろうな。
『2人とも大丈夫だ、この日の為にたくさん頑張ってきたろ?あとは自分信じて頑張ろう。』
『破竜…』
『破竜のいう通りだ。取れるかどうかじゃない、確実にとってこい。お前らの頑張りは知っている。いつも通りやれば十分に合格できるはずだ。』
相澤先生が俺達に檄を入れる。
『この試験に合格すればお前ら志望者は晴れてヒヨッ子。セミプロへと孵化できる。頑張ってこい。』
『っしゃぁ!なってやろうぜヒヨッ子によ!いつもの一発決めてこーぜ!』
切島が音頭をとると俺達は雄英高校の校訓を叫ぶ体勢に入る。
『せーの…Puls 『ultra!!!』』
『!』
『ん?誰ですか?』
俺が疑問を感じたのはしょうがないことだった。切島の後ろに明らかに雄英高校じゃない人物がいたから。
『勝手に他所様の円陣に加わるのは良くないよイナサ。』
『あっ!しまった!
どうも!
大変!
失礼致しましたァ!!』
『『 えぇ!!!? 』』
『なんだ!このテンションだけで乗り切る人は!』
『飯田と切島を足して2で割った感じだ!』
『いや、失礼すぎるだろ。』
上鳴と瀬呂にツッコミをいれるが内心は俺も同じ気持ちだ。いきなり現れたかと思えば笑えない勢いで地面に頭をぶつけた為、全員がドン引きしていた。
『この男…』
相澤先生が坊主男を見て表情を変えた。
なんだ…知り合いか?
『おい見ろよ…あの制服。』
『あぁ…間違いない。』
『西の有名な学校だよ!』
『東の雄英。西の士傑…』
『数あるヒーロー学校の中でも雄英に匹敵する程の難関校!士傑高校!』
『士傑高校?』
これが雄英に匹敵するヒーロー名門校だっていうのか?俺は後ろに立っている数名の男女に視線を向ける。
『ん?こんにちはー、随分とイケメン君だね〜』
『貴様、何を見ている?』
『2人とも和を乱すな。』
紅一点の女性、つり目で口が悪い男、髪がフサフサしてる犬みたいな人…雰囲気が他と違う。特に女性の方は……なんかわかんないけど、俺の勘が告げている。
コイツはヤバいって…。
『一度言ってみたかったっす!プルスウルトラ!自分雄英高校大好きっす!雄英高校の皆さんと競えるなんて光栄の極みっす!よろしくお願いします!!』
『あ…あぁ、面食らって悪かった。こちらこそ宜しくな。』
俺はそう言って手を差し出すとソイツは俺の顔とその後ろにいる轟を見て表情を変えた。
『………宜しくっす。』
差し出した俺の手をソイツは握らずにそのまま立ち去ってしまう。
気のせいか?俺らを見た瞬間に態度を変えやがった。
『夜嵐イナサ……』
『先生やっぱり知ってるんですか?』
『どういう事?』
『アイツが来た時に驚いてたからな。知り合いだと思ったんだけど…』
『嫌なやつと同じ会場になったな。あいつは強いぞ』
あの相澤先生にそこまで言わせる程のやつか?
『夜嵐イナサ。昨年度、つまりお前らの推薦入試の時にトップの成績で合格したにも関わらずなぜか入学を辞退した男だ。』
『え…じゃあ一年!?しかも推薦入学トップって…』
『…………………………』
実力だけなら轟以上って事か…
『なぁ、轟。あいつのこと知ってるか?』
『悪りぃ…あんまりよく覚えてねぇ。』
『………そっか。』
『雄英大好きとか言ってた割に入学は蹴るって意味わかんねぇな。』
『ねー、変なの。』
『変な奴だが、実力は本物だ。マークしとけ。』
夜嵐イナサに士傑高校…要注意学校だな。
すると
『イレイザー?イレイザーじゃないか!』
『げ…』
『テレビや体育祭で姿は見てたけどこうして直で会うのは久しぶりだなー!』
バンダナを巻いた明るい女性の人は相澤先生にいきなり結婚しようぜ!と求婚していた。しないって即断られてるけど…
『誰だ…?この人。』
『あの人はスマイルヒーロー、Ms.ジョーク!個性は爆笑!近くの人を強制的に笑わせる事で判断力と動きを鈍らせて敵退治を行うヒーローだよ!彼女の敵退治はいつも狂気に満ちている!』
『ご丁寧な解説どうも。早くてわかりやすくていつも助かってる。』
『本当にアンタそう思ってる?』
『………うん、そうだよ。』
『なら、すぐに即答してよ』
『バレた?』
『アンタわかりやすいからね。』
俺と耳郎の2人が会話している中で2人の出会いについて語られていた。てか、結婚したら笑いの絶えない家庭になるって…強制的に笑わせてる時点でほとんど拷問になっちまうだろ。相澤先生の場合。
『なんだ、お前の
『そうそう。みんなおいで!雄英だよ!』
後ろからゾロゾロと男女数名がこちらに向かって歩いてくる。
『おぉー!本物だ!』
『すごーい!TVで見た事ある人ばっかだ!』
『一年で仮免?へぇ、結構ハイペースなんだね。まぁ、色々あったからね。流石雄英、やることが違うよ。』
また濃いキャラが集まったな…
『傑物学園2年2組。私の受け持ちだ。宜しくな。』
集団の中から1人胡散臭そうな奴が飛び出してきた。
『俺は真堂!今年の雄英はトラブル続きで大変だったね!』
『え…っ!あ、はい!』
『しかし君達はこうしてヒーローを志続けている!素晴らしいよ!不屈の心こそこれからのヒーローが持つべき素養だと思っているよ!』
『『( まぶしい!! )』』
『どストレートに爽やかイケメンだ。』
『特に神野事件の渦中にいた爆豪君と破竜君!君達は特別強い心を持っているようだ!今日は君達の胸を借りるつもりで挑ませてもらうよ!』
真堂から差し伸べられた手を爆豪は振り払う。
『ケッ!フかしてんじゃねぇ。台詞と面があってねぇんだよ。』
『こら!失礼だろてめー!すんません!無礼で』
『いいよいいよ!…それで君はどうかな?』
ここで俺に振るのか。
『…宜しくと言いたいですけど、俺も爆豪と同じです。何か言いたい事があるならどうぞ?』
『お、おい…破竜お前まで何言って…』
そう言うと真堂は俺の近くまで来ると小さい声で呟く。
『雄英の謝罪会見見たよ。君………犯罪者なんだって?よくここに来れたね?』
ニヤリと笑って俺を挑発してきた。俺だけに言ったつもりだったが、隣にいた耳郎のイヤホンジャックはその呟きを逃さなかった。
『アンタさ、何言ってんの…!!』
『んー?何のことかな?』
『…ッ!こんの…!』
『よせ耳郎。大したことじゃねぇ。』
『でもさ…!』
その場に重い空気が流れ出す。A組は耳郎の怒り具合を見て、真堂が破竜に対して何か言ったのだろうと推察して全員の表情が鋭くなっていく。
『もしかして、私の生徒がなんかした?真堂…アンタこの子になんか言ったんだよね?』
『お前ら、試験前に問題を起こすな。』
教師2人がその場を制止しようとするが、耳郎の表情は変わらず、轟に至っては右半身からパリパリと氷が発現しかかっていた。
『全員よせ…大したことじゃねぇって。時間もねぇんだ。さっさと準備して中で待機しようぜ?』
挑発を受けることなく、俺はスタスタと歩き出す。その際、真堂とのすれ違いざまに手短に声をかける。
『本気で挑発する気がないならやらない方がいいですよ?案外、演技下手なんですね。』
『!? へぇ……』
全員気づいてないみたいだけど、この人は俺を試すつもりであえて挑発していたみたいだな。意外と食えない人だ。
みんなが怒ってくれたのは単純に嬉しかったけどね。
『イレイザーごめん…うちの生徒がなんかしたみたいで』
『気にするな。おい、コスチュームに着替えてから説明会だ。時間を無駄にするなよ』
『『『 はい! 』』』
そう言って更衣室に向かって歩いていると上鳴が話しかけてくる。
『大丈夫かよ?』
『ん?気にすんなって。』
『そっか…でもよ!やっぱ俺達って有名なんだな!こうやって外部の人と話すと余計に感じるぜ!』
『オイラももっと話しかけられたかった!』
『お前が意外と余裕そうで安心したよ』
Ms.ジョークはその姿を見ると
『?…ひょっとして言ってないの?イレイザー』
『………………………………』
『…ふ〜ん。』
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ガヤガヤガヤガヤ
コスチュームに着替えた俺達は待機場所で待っているが…
『多くね!?』
『あぁ…流石に多い。1000人は超えてるだろ。』
『この中の半数しか合格しないなんて…』
上鳴と耳郎と話しながら開始の合図を待っていると、目にクマを作った無気力そうな人が壇上に上がる。
『あー…では…仮免のアレを…やります。僕はヒーロー公安委員会の…あー、目良です…好きな睡眠はノンレム睡眠です…よろしく。』
一時期はヒーロー公安委員会の身元預かりになっていたけど、この人の事は知らないな。
というか…
『仕事が忙しすぎて人手が足りない…!ろくに寝れない…!眠たい…!
そんな信条のもとご説明させていただきます。』
『(疲れ一切隠さないなこの人…大丈夫か?)』
こんだけキャラクターが濃かったら会った時点で絶対に忘れない自信がある。
『ずばりこの場にいる1540人一斉に勝ち抜けの演習を行なって頂きます。』
随分とざっくりした試験だな。
『現代はヒーロー飽和社会と言われ、ステインの逮捕後以降、ヒーローの在り方に疑問を呈する向きも少なくありません。』
『ステイン……』
俺の脳裏にステインが捕まった時の事がよぎる。
『(偽物が蔓延るこの社会も、徒に"力"を振りまく犯罪者も、粛清対象だ……全ては正しき社会の為に…!)』
『(贋物…正さねば…誰かが…血で染まらねば…!ヒーローを取り戻さねば!来い!来てみろ贋物ども!俺を殺して良いのは
ステインのやり方は良くも悪くもこの世界の状況を変えた。ヒーローの在り方、敵の在り方、そしてヒーローとは?というナイフを世の中という心臓に少しずつ…少しずつ……深く刺し込んでいった。
『まァ、一個人としては動機がどうあれ、命懸けで人助けをしている人間に見返りを求めるなというのは現代社会に於いて無慈悲な話なワケです。とにかく対価にしろ義勇にしろ、多くのヒーローが救助、敵退治に切磋琢磨した結果、事件発生から解決までの時間はヒクくらい迅速になっています。』
そして目良さんは続ける。仮免を取得したら俺達はその激流の中に飲まれる。そして、そのスピードについていけない者は振るい落とすと…。
『よって、
おいおい…ここに来ているのは1540人。それを100人に絞るってことは単純に1440人の人間が失格になるってことだぞ?
さすがに他校からもクレームは来るが、審査委員会はこの方針を変えるつもりはなさそうだ。それから具体的な内容の説明が始まった。要約すると…
受験者数:1540人
通過者数:100人
試験形式:勝ち抜け
通過条件:2人以上を脱落させる
・試験場となるフィールドは広大で様々な地形が用意
・受験者は3つのターゲットを常に晒されている体の好きな場所に取り付ける
・受験者には6つのボールが配られ、3つ全てのターゲットにボールが当たると脱落、3つ目に当てた人がその人を倒したことになる
・ボールを投げる必要はなく、直接持ってターゲットにタッチしても可
すると、隣で説明を聞いていた上鳴と耳郎が話しかけてきた。
『なぁ、これってどうみる?』
『ただのスピード勝負ってことになるのかな?』
『いや、この状況下で無闇に投げて当たるわけがない。確実に当てる為に場を整えてから攻めたいはずだ。』
『なるほどなぁ…』
『じゃあ展開後、ボールとターゲットを配ります。各受験者に配られたのち、1分後に開始します。』
は?展開後?
ゴゴゴゴゴゴゴォォォォ!!!
地響きと共に俺達が集まっていた待機場所の天井が開き、周りに工業地帯や高層マンションなどが建ち並ぶ住宅街を模したステージが現れる。
『ムダに大掛かりだな。』
『うん、ウチもそう思う。』
『とりあえず……どうすんのぉ!?』
すると、緑谷が全体に声をかけて指示出ししていく。
『先着で合格なら同校での潰し合いはない!むしろ手の内を知っている者同士でチームアップを組むのが勝ち筋…みんな!一ヶ所にまとまって…』
『ケッ、ふざけんな。遠足じゃねぇんだよ』
『かっちゃん!?』
『俺も。大所帯じゃ却って力が出せねぇ。』
『轟君!?』
爆豪は相変わらずの自己中心的な理由で、轟は自身の個性と戦略的な理由で単独行動を選んだ。爆豪には切島と上鳴がついて行ったみたいだけどな…
『ハァ…全く』
『アンタはどうすんの?』
『とりあえずはみんなと一緒に行動するさ。緑谷の言う通り、この場で単独行動するのはあんまり適切じゃねぇからな』
『どうして?』
後ろにいた葉隠の疑問に俺は走りながら答える。
『……少し考えればわかることなんだが、俺らは他の高校よりも一つだけ枷を背負ってこの試験に臨んでいる。』
『な、なんだよ…それ』
『ほら、僕達は手の内がバレてるんだ。』
その言葉に全員がハッとする。すると、試験開始のカウントダウンが始まる。
『全国で唯一、体育祭というビッグイベントがテレビ中継される俺達は個性だけじゃなく、戦闘スタイルに弱点、性格、何もかもが研究され尽くしてる。他校も俺達と同じ事を考えるのであれば、必然的に最初に狙うのは…』
『START!!!!』
すると、岩陰から傑物学園高校のメンバーをはじめとする他校のメンバーが俺達に襲いかかってくる。
『俺達になるだろうな。』
『随分と余裕そうだな、破竜真人。自らを対人戦に優れた人型の竜や殲滅戦が得意な大型や中型の竜に変身させる個性を持っている…。勝ち組個性だけどこの数を相手にどうするのかな!』
その場に集まった高校全てが雄英高校を狙っているのを見て、観客席のMs.ジョークが話しかける。
『雄英潰しは仮免では有名な一種の伝統。なんで言ってあげなかったの?イレイザー。』
『雄英潰し…別に言わない理由はないが、本音を言えばこれくらいのことは気づけると思っていたからな。』
『アンタにしては信頼しすぎじゃない?』
『……結局のところやる事は変わらん。いつも通り、ただ乗り越えていくだけさ。そもそもプロになれば個性がバレてるなんて前提条件。悪いが、うちは他よりも少し先を見据えてる。』
俺達は各々が個性伸ばし訓練で鍛えた力で不意打ち気味の攻撃を全て撃ち落とし、対峙する。
『さァ!締まっていこう!!』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
チッ、予想してたけど俺らを狙いに来る人数が多すぎるな。まぁ、先着100名って聞けば少しでも早く他の所を落としておきたいって気持ちはわかるけど…
『……舐めすぎなんじゃねぇの?俺達の事。』
『ほぼ弾くか…』
『やはり雄英の人はこんなもんじゃやられないよね。』
『でもまぁ…見えてきた。』
すると、こねていたボールがまるで岩のように固まり、それを隣にいた人物に投げ渡す。
『任せた。』
『任された。だが、すまないな。私だけ勝ち抜けしてしまうかもしれん。その時はライバルが1人減ったと思ってくれ。狙いは…』
その目は俺を捉える!
『君だ!!』
すると、適当に投げたはずのボールが一直線に俺に向かってくる!なるほど…ターゲットを決めることでボールの軌道を操ってんのか。
でも……甘すぎねぇか?
『さっきも言ったろ…舐めんなってな!!』
俺は襲いかかってくるボールの全てをギリギリのタイミングで躱していきながら、右手に持っている木刀に炎を纏わせる。
『な!? 木刀が燃えてる!?』
『
ゴォォォォォォォォォ!!!!
その一撃は俺の周りを彷徨いていたボールに標準を絞って燃やし尽くす。
『こんなんでやられるほど…俺は安くねぇぞ?』
『チッ、なら他はどうかな!?』
先程と同じように硬質化させたボールを今度は地中に埋める!場所はわかんねぇが、竜変身して地面をぶっ壊すか?
俺が変身しようとすると耳郎が俺の肩に手を置く。
『破竜!ここはウチに任せて!』
『……うん!まかせた!』
俺がバックステップしたのに合わせて耳郎は腕についているサポートアイテムにジャック部分を繋ぐ!
『
ハートビートファズ!!!!!』
その一撃は目の前の地面を抉り取る!なるほど…サポートアイテムで増幅させた音で地面を叩き割ったのか…。
『やっぱ耳郎凄えや…』
『アンタのおかげだから!』
耳郎の必殺技で地中を進んでいた硬質化ボールを引き摺り出すとそのボールは峰田に向かっていた。
ん?耳郎の後ろに一個だけ来てんな!
『うわぁ!オイラに来てる!』
『耳郎ごめん!』
『えっ!ちょっ!』
それを見て芦戸は峰田の前に飛び出し、俺は耳郎を抱き抱え、その場から飛び退きながら木刀に氷を纏わせる!
『粘度溶解度MAX!アシッドベール!!』
『
芦戸の酸はボールを溶かし、俺は木刀で切りつけたボールを凍り付かせる。
『あ、ありがと…///、破竜』
『あぁ!後ろから攻撃なんて中々考えてんな。お礼にこのボールは返す!しっかりと受け取れ!』
パワージーンの力を5倍まで解放しながらボールを上に投げて蹴り飛ばす!
DOOOGOOOM!!!
それは傑物学園高校が集まっている集団のど真ん中に轟音を立てて地面にめり込む。
『うっそぉおぉ……蹴り飛ばしただけなのに…』
『ッ!隙ができた!
常闇が一瞬の隙をついて黒影を纏った深淵暗躯で手を伸ばすが、体を亀のように折り畳んでギリギリで躱された。
『うわっ…危なかった…』
『外したか…』
『成長の振り幅が全員すごいな…雄英は。特に破竜真人、体育祭の時とは別人すぎる。何段飛ばしで成長してんだよ…全員防御が固い。一旦分断して引き離す!威力最大…
震天動地!!!!』
バグォォォォォォォォォォ!!!!
真堂の体からまるで地震のような揺れが起こると、目の前の山岳地帯の一部を完全に崩壊させる!
『必殺技なら当然こっちだって編んでる!』
『むちゃくちゃするなぁ!!』
『破竜!!』
『チッ、耳郎!みんな!!』
俺らは全員が割れた地面に飲み込まれ、各々が退避してバラバラになってしまった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
破竜サイド
真堂の個性で分断された俺は1人、山岳地帯から街中の方に移動していた。本音を言えば他のみんなと合流したいが、竜変身なんかしたら目立ちすぎて人を集めすぎる。
『にしても…全員見事に暴れ回ってるな。』
俺の目の前には他校の生徒達が先着100人の枠を奪い合う為に街中で大規模な戦闘を始めていた。
『……上に移動するか』
周囲を警戒しながらビルを駆けあがろうとすると、体に纏わりつく僅かな違和感を感じる。
ヒュウウウウウウウウ………
『これは……風か?』
視線を上げるとビルの上で風を操る士傑高校の1人。夜嵐イナサが何かを叫びながら下で争っていた人達からボールだけを奪い取る。
『なんだ!?』
『風!?』
『ボールが取られた…!』
『俺、ヒーローって熱血だと思うんす!皆さんの戦い熱いっす!俺熱いの大好きっす!この熱い戦い!俺も混ぜてくれっす!』
そう言うと巻き上げたボールを風の力で操って地面にいる受験者全員に叩きつける!!
『宜しくお願いしまっす!!!!』
ズドドドドドドド!!!!
『お、ようやく1人目の合格…なっ!?』
ヒーロー公安委員会は目を疑った。この短時間で合格者が出た事ではなく…
『脱落者120名!たった1人で120名脱落させて合格した!』
『やった!勝ったァ…?』
喜びを爆発させた夜嵐だったが、風で叩きつけたはずの地面の一部を凝視する。そこには自分が発生させた風を相殺するように第三者の風が荒れ狂うボールの嵐からその人物を守っていた。
『……いきなり大規模攻撃なんて随分と大雑把なんだな?夜嵐イナサ。』
『アンタは…破竜真人…』
流石に驚いたぜ。いきなり高密度の風がボールごと襲ってくるんだからな。ウィンドの力を全開にしてようやく相殺か。
『お返しだ!
俺は周りを浮遊するボールを全力で夜嵐に返す!
『うおっ!!!』
俺の風で投げ返したボールの一帯は夜嵐が立っていた場所のほんの少し下に襲いかかる。ボールの嵐がコンクリートの壁に叩きつけるのと同時にそれらは重力に従って落ちていく。
『アンタ…!』
『……俺の何が気に食わないのか知らないが、今は試験中だ。文句なら後で聞いてやるから無闇に絡むんじゃねぇよ。』
俺はそう言ってドラゴンに竜変身して夜嵐の横を通り過ぎる。だからこそ気づかなかった。夜嵐がすれ違いざまに言った一言が…
『アンタもあのエンデヴァーの息子と一緒だ…俺の目は誤魔化せないんすよ。誰かを…何かを恨んでいるあの冷たい目は…』
その言葉は風に乗って消えてしまった。
あとがきです。
ようやく本格的に仮免編がスタートしましたね!真堂さんとイナサが原作よりちょっと嫌なやつになってますが、ちゃんと彼らにも理由があります。
そしてラストに出てきたイナサの旋風を相殺した破竜くんの風のジーン。アレが通常状態で彼ができる全力です。基本的には炎や氷、雷、風などいろんな属性を使えますが、通常状態ではそれを専門にしてる人間達にはどうしても火力面では一歩劣ります。竜変身してようやく多少上回るレベルかなって感じです。
そうしないと破竜くんだけチートに成り下がっちゃいますし、なによりも轟君の立場がありません。
それと投票は次の話で一旦締め切って、50話あたりくらいで本編投稿と一緒にやっていく予定です。
次話は少しアニメオリジナルが入ってきます。ですが、そんなに引き伸ばすつもりはないのでさっさといきたいですね!
皆様の感想や評価など、お待ちしてます!
これからも頑張るのでお付き合いください!
ではでは、次話もお楽しみに!
次回予告
『耳郎さん!』
『いつの間に…?』
『ふぅ…良かった。本当に』
『坊主の奴。俺と破竜、お前になんかしたか?』
次回!
半人半竜のヒーローアカデミア
『嵐の前の静けさ』
『大丈夫?俺の手につかまって!』
更に向こうへ!Plus ultra!!!