半人半竜のヒーローアカデミア 作:十希
はじめに
皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!
たくさんのお気に入りや登録や感想も嬉しいです!
さて…
今回の話は自分史上、めちゃくちゃ考えました!
皆さんの心に少しでも刺されば嬉しいです!
それでは本編をお楽しみ下さい!
破竜side
『生意気なクソガキ共が!』
『そのクソガキ共に負けるんだよテメェらは!』
その一言と共に破竜はパワーを20倍まで解放した超スピードでサントの顔面に一撃を加える!
『だりゃァァァァァ!!!』
バキッ!!!
『ごぁっ!』
『(…速いな。)』
地面を転がったサントは何とか起き上がるが、殴られた口の端から血が流れていた。
『き、貴様ァ!!!』
『へっ……悪いな。隙だらけだったんでね。』
『殺してやる!殺してやるぞ!クソガキめ!!!』
ドゴォン!
ドゴォン!
ドゴォン!
サントは破竜以上のスピードを発揮して拳を応酬するが、破竜も先読みを生かした互角の動きを見せる事で相手に主導権を渡さない!
『バカな…このワシのスピードについてきおる!?』
『(コイツ…20倍のスピードを軽々と上回ってきやがった。スピードだけなら飯田クラスだ。なるほど…確かにレイ兄さんやリューキュウさん達プロヒーロー相手でも
サントの拳をギリギリで避けた破竜は背負っていた木刀を抜刀し、その場で薙ぎ払う!何とか避けて距離を保ったサントは顔を真っ赤にしながら、破竜を指差してブチギレた。
『ゴラァ!!武器使うとか反則じゃろうが!!正々堂々と拳で勝負してこんかい!!』
『どの口が抜かしてんだ!テメェらから正々堂々なんて言葉吐き出すなんざ一万年はえぇよ!』
お互いに軽口を叩き合いながらも破竜もサントも集中力を途切れさせず、高速の攻防が続くが…徐々に破竜の攻撃がサントにヒットしていく!
『(この男…竜に変身する個性と聞いていたが、全っ然変身せん!いや、対人戦なら身体能力向上がメインじゃったか?だが…身体能力向上以上に厄介なのはこの流れるような独特な動きじゃ!さっきから一向に攻撃が途切れんぞ!?)』
破竜は相手と1対1で戦う時は個性を使う事は少なく、一昔前の殴りと蹴りを多用する武術家のような戦闘スタイルを用いる事が多い。そこに木刀を組み合わせる事で攻撃が途切れない、手数の多さを兼ね備えた戦闘スタイルに変化した。また、格闘戦に優れた尾白と自主的な手合わせを重ねた事でその練度は更に高まっていた。破竜が過去、オールマイトとの修行の中で編み出し、これまで研鑽を重ねてきた独自の戦闘スタイルにサントは徐々に防戦一方に追い込まれる!
『どうしたぁ!こんな程度かよ!!』
『がっ…』
破竜の右肘が顔面を捉える!
『ハァッ!』
『ごっ…』
一瞬怯んだその隙に硬く握った左拳で腹に強烈な一撃を加え、体がくの字に折れたサントの真上に木刀を放り投げて飛び上がる!
『ぐっ…この……奴は!?』
『だりゃあああああ!!!』
気合いととも上空から振り下ろされた木刀をサントは頭の上でクロスした両手でなんとか防ぎ、距離を取るために後ろに下がる。
破竜もすぐさま構えを戻し、二人は暫く睨み合う。
『ハァ…ハァ…ハー、やるのぉ、ワシ相手にここまで肉薄するとはな。ほとんど互角…いや、お前さんの方が優勢…と言った所かのぉ。』
『へぇ…口調の割には意外と冷静じゃんか。』
チッ、思ったよりも動揺してねぇ。戦いの中で冷静さを失った相手ほど楽なものはないんだが…な。さすが長年の間、警察やプロヒーローに捕まらずに活動し続けてる敵だ。だけど、どれだけ冷静になろうが実力差がひっくり返るわけじゃない。
多少打ち合ってみてわかったが、スピードは確かにすげぇ。たぶん純粋な速度なら25倍…いや、30倍に匹敵する。けど、それだけ。特別、格闘戦に優れているわけでもない。ぶっちゃけ地上戦の引き出しの数や体捌きなら尾白の方が全然上だ。
あのレイ兄さんが苦戦するほどの相手とは到底思えないが…
『まぁ…さっきはブチギレてしもうたが、ワシの目的はお前さんを殺す事じゃなく、ある程度ここで引きつけておくだけやからの。』
『んだと?』
『知っとるか? 戦いにおいての最優先事項っちゅーのはな、弱い方から先に倒すもんや。』
その視線は少し離れたところで戦っていた耳郎に向けられた。
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耳郎side
数分前…
『(破竜と一緒に啖呵切ったとこまではいい…後はウチがコイツ相手にどこまでやれるか…だけど、コイツどこ見てんの!?)』
内心で憤る耳郎。
目の前の敵から視線逸らさずにいた耳郎に対し、最初こそ耳郎に向けられていた視線はすぐに耳郎…ではなく、サントと互角以上の戦いを見せていた破竜に注がれていた。
『サント相手に互角…いや、総合的には上回ってやがる。しかも、まだ個性を解放していないと。なるほど…この場を任せろと息巻く実力は持ってるようだな。』
『チッ、ふざけんな!』
『ん?』
『アンタの相手はウチだってーの!!!
くらえ…ハートビートファズ!!』
BOOOM!!!!
耳郎のハートビートファズによる衝撃波が地面を駆け抜けるが、バリオに当たる瞬間、
ブンッ!
とすり抜けてしまった。
『え…、今当たったはず…』
『おいおい…どこを狙ってんだ?』
ドゴォッ!
『がっ…』
次の瞬間、耳郎は背中を足を蹴り飛ばされ、地面を転がってしまう。すぐさま立ち上がる事で追撃は防いだが、その動きは全く見えなかった。
『今…いつの間に後ろに。』
『まさか…今の動きが見えなかったのか?はっはっは!こいつは傑作だな!あんだけの大口叩いてた割に大した事ないのはお前の方じゃないのか?』
『ッ…まだまだ!!!』
耳郎は音響増幅ジャックにイヤホンジャックを繋ぎ、連続の音響攻撃を仕掛けようとするが…
『遅い…遅い……遅い遅い!!!』
『ちょ…待って…ッ、速すぎ!!!!』
攻撃する前にその場に残像を残すほどの高速移動で、耳郎は相手を捕捉できない!
『(これは破竜の技!確か…残像拳!!)』
『その程度のスピードで俺を捉えられるものか!』
いくつもの残像を残したバリオは四方八方から蹴りの嵐を加えていく!
『うっ…いった…くそぉ!!』
体を丸めながら何とか蹴りの中心地から逃れるが、耳郎の体には蹴りによるアザが重なり、少しずつ体にダメージが蓄積されていった。
『ハァ…ハァ…』
『弱い…弱い……弱いなぁ!!本当に俺を倒す気でいたのか!?この程度で!?笑わせるな!』
『うっさい!!やってみなきゃわかんないでしょ!』
そう返した耳郎の返答にバリオはニヤリと笑った。
『ふん、わかるさ。俺はな、お前がまだまだガキの頃から敵として沢山の人間達を殺してきた。その中には当然プロヒーローもいたがな、そんな奴らでさえ、俺を捕まえる事はできなかった。まだヒーローになりたてのお前如きが俺を捕まえられる道理はない!』
その通りだ…それでもウチはやらなきゃダメなんだ。こんな非道な奴らを放っておくわけには…!
『それに…お前は本当に今の状況がわかっているのか?』
『どう言う事…?』
『良いことを教えてやろう。俺はさっきも言った通り、今まで沢山の人間を殺してきた。だが、別に何も考えずに人を殺してきたわけじゃない。殺人者には殺人者なりの美学があるのさ。…知りたくはないか?』
『知りたくもないよ、そんなの。』
そう答えた瞬間、そいつの顔は残酷さと冷酷さが混じった…悪魔のような顔に変わった。
『それはなぁ…
戦う力もない無抵抗の一般人を殺す事さ!抵抗できるはずのない力の前でただただ逃げるしかない!それをまるで道端にいるアリを殺すような感覚。そうさ!あのレイとかいう奴の弟を殺した時、あの時もホントにゾクゾクしたぜ。ナイフをグチャグチャと差し込んで血が流れ、死にそうな人間が生を渇望するあの目。敵としてあれほどの興奮を覚えた瞬間は後にも先にもないぜ…!!』
普段は冷静を装っているバリオの本性はミクバ以上の殺人鬼だった。
ゾワリ…!
恍惚とした表情を浮かべたバリオを見て、耳郎の胸の内に恐怖が走る。怖いという感情が心を支配するが、それを振り払うように頭をブンブンと振る!
『(何が怖いだ…ッ!この戦いに参加するって決めた時からこうなることなんてわかってたのに…!啖呵まで切ったのに…いざ、目の前で対峙したら怖くなって…ウチはあの時から全然変わってないじゃんか!)』
自分は破竜と違って、良くも悪くも今まで敵の悪意を直接向けられる機会は無かった。神野では強大な敵でもあるロードと対峙こそしたが、彼の目には自分など映っておらず、隣にいた破竜が全てを受け止め、守ってくれていた。
『(こんなことに今更気づくなんて…
情けない…ホントッ、ウチって情けない!!)』
破竜…アンタはこんな敵との戦いを経験してきたの?いつも殺されるかもしれない恐怖に耐えながら戦ってきたの?
どうして…こんな奴らに立ち向かっていけたの?
怖く……なかったの?
『え…? 俺だって敵と戦うのは怖いよ。』
心の中で自問自答していた耳郎に答えるように
破竜の声が聞こえてきた。
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時は死穢八斎會事務所に突撃する前まで遡る。
2人だけで日直の仕事をしていた放課後
『はぁ!? 敵が怖いってアンタが!?』
『そんなに驚く事か?ていうか、俺のことなんだと思ってたの?』
驚愕する耳郎と心外だなぁ…と
普段見せないジト目を向ける破竜の姿。
いや、アンタ…そんな顔できたの?という
場違いな感想はひとまず置いといて…
『や、だってさ…USJの時もI・アイランドの時も神野の時も…敵相手に普通に戦い挑んでたじゃん!』
『確かに戦うのは好きだ。でも、別に命のやり取りをする事を好き好んでるってわけじゃないよ? んー…わかりやすくいうなら、試合形式とか命の奪い合いのない戦いが好きなだけ。』
なんなの…その戦闘狂と常識人の間みたいな回答。
『じ、じゃあ、さっきなんで怖いって言ったの?』
『……あくまで俺の考えだけどね、ヒーローが敵と戦う時はいつだって命を賭ける必要が出てくる。相手は俺達を殺したい。でも、俺達は相手を殺さずに拘束したり、動けないように戦闘不能にさせなきゃいけない。そんなハンデ背負った状態で戦うのに怖くないわけなんかないじゃん。あ、みんなには言わないでよ?爆豪とかにマウント取られるのヤダ。』
あっけらかんと言い放った破竜だが、耳郎はそれを聞いてある疑問が走った。なら、何でそんな怖いくせにいつも最前線で敵に立ち向かうのか。
そう質問を投げた耳郎に破竜は苦笑いしながら…
『俺だって死ぬのは怖い。けど、それ以上にそいつらのせいで誰かが傷つくのが…泣いたりするのが許せないんだ。』
その言葉に耳郎は驚きつつも破竜らしいや…という感想を持つ。自分がどうなるかよりもまず他人かい。
『って言ってもさ、自分が死んだら何にもならないじゃん。』
『あはは…。相澤先生にも前、同じ事言われたよ。でも、俺が死んだら…俺だけじゃなくてその後ろにいる皆にも危害が行くだろ。俺はそれが何よりも嫌だから敵に全力で立ち向かうんだ。』
『それって…根底にあるのは勝つとか守るとか助けるとかの考えじゃないってこと?』
『難しいことばっかり聞くなぁ…。確かに勝つとか守るとか助けるとかもあるよ?でも、それって結果的にそうなってる…ってだけでそれが第一に大切なことじゃないって俺は思う。』
耳郎は黙って破竜の言葉の続きを待つ。
『USJを例に出して言うけどさ、あの時だって、もし…俺がウォリアの力を出すのを躊躇って俺が死んだら?すぐに緑谷が殺されてる。その後は?その場にいた耳郎や尾白、上鳴、八百万だけじゃない。爆豪だって轟だって他のみんなだって殺されてた。そのくらい、あの時の脳無とは絶望的な差があったし、対峙してた俺だって死ぬんじゃないかって、内心は凄く怖かった。』
破竜は当時を思い出したのか悔しそうに呟く。
『けど、
その誰かを想像した時、耳郎の顔が真っ先に思い浮かんだなんて恥ずかしくて言えないけどね。
『なんか意外だね。アンタなら何が何でも絶対に勝つって言うもんだと思ってた。』
『そりゃ、命が関わらない対決事なら絶対に勝つって言うよ。自分で言うのも何だけど超負けず嫌いだし。でも、敵との戦いはそれとは違う。オールマイトや緑谷、爆豪みたいに必ず勝つ、必ず助ける、って思うよりも俺は…大切な人達が傷つけられないように…たった一つの命を奪われないように…絶対に負けない。その為に限界を超えて立ち向かう!って方がしっくりきたんだ。そう思えるようになったら…怖い気持ちだって、自分の想いの強さだって思えた。色々言ったけどさ、雄英流に言うなら…
そう言ってアンタはいつもみたく笑った。
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そっか…と戦いの最中、耳郎は気づいてしまう。
破竜と自分の違いに。
今までこうなった時、誰かが助けてくれた。破竜や八百万、両親や口田、上鳴、A組が…先生達が恐怖を感じる背中を押してくれた。でも…
自分で奮い立って敵に立ち向かう勇気はなかった。
ウチは破竜と違って、敵と正面切って戦う経験なんて少なくて、今みたく向けられた殺意に…体が震えて総毛立つ。
そんな弱さを覆い隠す為に…意識はしていなくても
心の奥底にはこんな考えがあった。
破竜は特別だから
自分のように敵と対峙して震えることなく、
必ず勝つという強い心で勝利をもぎ取るんだと。
でも、その考えは間違いだ。
破竜もウチと同じで怖いのは一緒だ。けど、それ以上に…自分が負ける事で誰かが傷つけられる事が何よりも嫌だから…いつも
限界突破して敵を打ち破ってきた。
耳郎は恐怖で震える足に力を込めて、
目の前に立ち塞がるバリオを睨みつける。
『(今、ウチがコイツに負けてしまえば、また誰かが傷つけられて、殺されて、その人を想って…また誰かが泣いてしまう。)』
脳裏に浮かんだのは彼らに人生を狂わされた新凪ちゃん、ヒーローとして最大の後悔を植え付けられたリューキュウさん、そして…家族を殺された恨みから復讐鬼となってしまったレイさんの姿。
『今日…また俺の手によって1人のヒーローが死んでいく…。さぁ…死ぬ覚悟はできたか?』
『…アンタみたいな非道な奴に負けるもんか!アンタだけは…ウチが絶対に倒すッ!!』
勇気を振り絞れ!!怖くたっていい!!その気持ちも何もかも全部飲み込んで…今はこの許せない敵を倒すことだけに向けろ!!
一歩間違えれば死ぬかもしれない…。
誰もが一度は抱える恐怖を乗り越えて……
未熟だったヒーローは今、覚醒する!!
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破竜side
『知っとるか? 戦いにおいての最優先事項っちゅーのはな、弱い方から先に倒すもんや。』
『…まさかとは思うが、それは耳郎のこと言ってんのか?』
『それ以外に何があるんじゃ。』
『訂正しろよ…』
『なんじゃと?』
『訂正しろって言ったんだよ…馬野郎が!』
今日1番の圧に一瞬よろけたサントだが、すぐさま立て直す。
『…事実じゃろうが。あの雑魚は兄者の殺人衝動を真っ向から受けて、惨めにも震えておったわ。お前はワシに構っとらんであっちに行ったほうがええじゃろ?』
違う。
耳郎は、俺の好きな人は…、弱くない。
あの時…オールマイト以上に俺を救ってくれた人は誰よりも心が強くて…優しいヒーローだ。
そんなヒーローが…
お前らみたいな人の命を弄ぶ外道を
許すわけがないだろ!
『……お前らは耳郎を舐めすぎだ。』
そう言って破竜は耳郎に視線を移した。その顔はもう、さっきまで恐怖を感じていた弱々しいものはなく、誰よりも立派なヒーローそのものだった。
『破竜!わかってるよね!絶対に手出さないで!』
『あぁ…わかってる!』
『コイツだけは…ウチが倒すッ!!!』
『その減らず口…永久に黙らせてやる!!!』
バリオはスピードを保ったまま、一直線に耳郎に向かって飛び込む!
『まずは1人死んだかの。次は貴様じゃ。』
『悪いけど、俺は1ミリだって心配してないよ。なんたって耳郎は…俺に一度勝ってんだからな。』
もうあの技のカラクリはわかってる。だからこそ、
これは
イヤホンジャックを
するとどうなる?
答えは簡単。黒板を爪で引っ掻いたような超音波を擬似的に生み出す。
狭い範囲しか効果はないし、ギャングオルカみたいに失神させるほどの威力はない。それでも、その超音波は相手の聴覚に確実なダメージを与える!
『
キィィィィィン!!!!
『ッ!? うぐぉぉぉぉ!!!!!!』
耳をつんざく超音波にバリオは両手で耳を押さえ、天を仰いで完全に無防備な状態になってしまう。そして、そんな決定的な隙を…
見逃す耳郎ではない。
『隙だらけだよ…ッ、
BOOOOOM!!!!!
バリオの前に共鳴により生まれた衝撃を伴う音の壁を放つと、それは今まで攻撃を喰らっていなかったバリオの体を5m近く吹っ飛ばしてしまう!
『兄者…!? ば、バカな!兄者はワシよりも強いんじゃぞ!?それが…ヒーローになりたての…ただの女如きに!?』
『ただの女じゃねえよ。』
狼狽するサントの後ろに回り込んだ破竜はパワーの力を引き出しなならこう告げる。
『耳郎はいつか俺と一緒に最高のヒーローになる奴だ。さっきも言ったろ?舐めんなってな!』
ドガァッ!!!!
『うぐぉぉぉ!!!!』
サントもバリオと同様の場所に吹っ飛ばす。
『耳郎!行けるか!?』
口元から血が流れていた耳郎はすぐさまそれを拭うとイヤホンジャックを構えて破竜の方に向き、コクリと頷く!
『アンタもちゃんと決めなよ!』
『まかせろ!』
すると、吹き飛ばしたバリオとサントは前線に復帰する!
『許さんぞ貴様ら!』『絶対にぶち殺してや…』
バチバチバチバチ!!
『『 は? 』』
その場にとてつもない稲妻の音が鳴り響く!その発生源はサンダージーンの力を引き出した破竜。
『な、なんじゃ…この雷の音は…!』
『何をする気だ…!?』
すると、破竜の隣に移動した耳郎はイヤホンジャックを
『アンタらを倒す為に2人で考えて…生み出した必殺技だ!人を無惨に殺した事…そして…ウチらを舐めた事……タルタロスで一生後悔しな!』
ブゥゥゥン!!
耳郎は
『連携必殺技
破竜は稲妻と音波を纏った木刀を左の腰に持っていき、左足を後ろに一歩下げ、居合斬りのような形をとる。その溢れんばかりの闘気に呼応して、背後にある幻影が浮かび上がった。
『な、なんじゃ…奴の背中から…』
『これは…雷の竜!?』
2人は敵としての本能か一歩後ずさってしまう。
それは…破竜の後ろに見えた稲妻を操る竜が自分達に鉄槌を下そうとしていた。
それは彼らにとって逃れようのない死刑宣告だった。
『これは…まずいっ!!』
『あんなもん食らいとうないわ!』
2人もその技の恐ろしさを感じとったのか回避に全神経を注ぐが、それを見た破竜はパワーを30倍まで解放し、2人の懐まで一瞬で飛び込んだ。
『逃がすもんか。これは… 敵を喰い尽くす 竜の牙だ!』
音波によって増幅された轟く稲妻は相手の身体機能を根こそぎ破壊する。
木刀から放たれた雷の竜が相手を喰らい尽くす事から
命名したこの必殺技の名前は……
『『
破竜の木刀が2人を捉えると、2人の体の中を轟く稲妻の爆音が体内機能に甚大なダメージを与える!!
そんな技を受けたバリオとサントは絶叫する間も無く、そのまま意識を手放していった。
バチバチ…パチッ…パチッ……
『ハァ…ハァ…ッ!!ってて…ホント…痺れる。』
破竜自身もそのあまりの威力に木刀を持った右手に少しの間、痺れが残ってしまう。
『うっ…』
『耳郎!!』
バリオとの戦闘でフラフラになっていた耳郎の下にすぐさま駆け寄り、支えるように背中に手を回す。
ひでぇ…あざだらけじゃんか。
『大丈夫?』
『うん、何とか。あのさ…めっちゃやられたし、超怖かったけど…1人でもアイツと戦うことが出来た。見てた?』
『うん…ちゃんと見てたよ。』
『そ、その……どうだったかな?』
口の端から血が出ていた耳郎の口元を破竜はさらりと拭うと、満面の笑みを浮かべて話す。
『超…ロックだった!』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
レイside
『すげぇ…』
正直にいって、そこまで期待してなかった。リュウが強いのはわかってる。実際、並の敵じゃ相手にもならねぇし、俺相手でも十分にやれてたから。でも、イヤホンジャックがあそこまでやるなんて想像もできなかった。良くも悪くも一芸に秀でてるタイプだから苦手分野の戦闘はどうやっても足手纏いだろうと。
だが、その考えは間違いだったことに気づいた。
いや、気付かされてしまった。
どれだけ、この戦いにかけてきたんだ…と。
『バリオにサントめ…。何やられてやがる…と言いたいが、あの2人が俺達の想像を超えていた。中々やるじゃないか。』
『……他の奴を気にする余裕があるのか?…生き残ってんのはアンタだけだぜ?ミクバの大親分様よ!』
レイは先ほどと同様に超スピードでミクバに襲いかかる!今度の一撃は何とか肩にヒットするものの、
キンッ!
と弾かれてしまった!
『…あの時と同じだ。俺の拳も愛刀も弾く鋼のような硬度。どんな個性だ?』
『何度やっても無駄だ。俺の個性はデーモン。神話に出てくる悪魔のような肉体に変身できる個性さ。貴様如きの個性ではどうやっても太刀打ちできんぞ!』
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ミクバ 個性:デーモン
神話に出てくる悪魔のような姿に変身できる!
身の丈程の斧槍を持ち、とてつもないパワーと鋼以上の硬度で相手を正面から叩き潰す個性だぜ!しかも、変身時間に制限はない!!
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『つまりアンタには俺の攻撃が効かねぇと?笑わせんなよ…この日の為に俺はワータイガーの力を鍛えてきたんだ。テメェらは必ず地獄に送ってやる!』
『やってみろ。それとな…』
『?』
その視線は破竜と耳郎のコンビに倒されたバリオとサントに向けられた。
『まさかだと思うが、俺の右腕達があの程度の訳がないだろう?確かにガキどもの強さは想定外だが、それはあいつらも同様。あの2人の個性の真価はこれからさ。』
『リュウ…イヤホンジャック…負けんじゃねぇぞ。俺もコイツを始末してすぐに応援に向かってやるからよ。』
レイVSミクバの戦いは
まだまだ始まったばかりだった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『ふぅ…耳郎。早くコイツらを拘束しよう。暴れられたら厄介だからな。』
『そうだね…今、警察の人たちがメイデンだっけ。持ってきてくれてるから。』
ようやく右手の痺れが治ってきた。耳郎も少し休んだ事で乱れていた息遣いも通常に戻ってきていた。
『お待たせしました!メイデンで拘束します!』
『はい!お願いしま…』ピクッ…
2人の体が動き出す。まさか…っ!?
『みなさん下がって下さい!コイツらまだ…!!』
そんな俺の心配が現実となり、2人はスタっと起き上がった。
『嘘…破竜とウチの連携攻撃が効いてない!?』
『そんなわけない!雷刃竜喰は完璧に決まったはず…立ち上がったのは想定外だけど、あの技喰らって無傷なわけが…』
バリオとサントは雷と音波の体内破壊によるダメージが残った体にも関わらず、驚愕する2人を血走った目で睨みつける!
『貴様らァァ!!よくもやってくれたのぉ!!!クソガキだと思っていれば調子にのりおって!!殺してやる!!殺してやるぞォォォォォォォ!!』
『今のはさすがに危なかった……。ただのガキだと侮っていた俺達の落ち度だ。考えを改めさせてもらう。貴様らはここで殺さなければ近い将来、厄介なヒーローになる。』
『やっとウチらの事、対等な敵としてみてくれたね。眼中になかったくせに。』
『耳郎、分かってると思うけど…』
『そんな余裕、ウチにはないから安心して。』
良かった…油断なんかしてないみたいだな。
かくいう俺も油断はしてない。
『その通りだ。もう容赦せん!!!俺達、兄弟の全力を持って貴様らを…将来、最高のヒーローになるかもしれない芽をここで叩き潰させてもらう!!!
サントォォォォォォォ!!!』
『我らの力を見せる時じゃな!兄者!!』
2人が隣り合わせに並ぶと唐突に現れた黒い渦が2人を包み込み、一つの光の柱へと変わっていく!!
『なにが…起こってんの?』
『何するかわかんねぇが、お前らに反撃のチャンスは与えねぇぞ!』
『破竜!?』
木刀を構えた破竜は飛び上がって木刀を振り下ろす!
ガンッ!!!!!
破竜の一撃は光の中から現れた腕に防がれてしまう。
『ウォォォォォォォ!!!!』
『がっ…は!!』
『破竜!!』
強烈な平手打ちを喰らった破竜はそのまま吹き飛ばされてしまうが、耳郎が身を呈して受け止める。
『ったたた…』
『ごめん、迷惑かけた。』
『いいよ、でもさ…アレ何!?』
目の前にいたはずの2人の馬人間はそこにおらず、変わりにリューキュウ以上の体格を誇る、赤と白の色合いが特徴の筋肉質な化け物がそこに現れた。
『ふぅぅぅぅぅん!!!
我が名は…
スタリオォォォォォン!!!』
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バリオ・サント 個性:合体馬(スタリオン)
馬の身体能力を持つ個性。また二人が意識を同調させることで狂烈合体『スタリオン』へと合体可能!
リューキュウ以上の体格を持った巨大な馬人間!その姿は世間的に超有名なあのヒーローの姿が踏襲されてるぜ!合体し、力を掛け合わせる事で1人の時以上のパワー、スピード、聴力、そして必殺の一撃を持っている。しかも、受けたダメージは合体する事で回復されてるぜ!超ズリィな!
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それを見た耳郎は特徴的なその色合いと容姿から、
とある創作物ヒーローの存在が頭をよぎる。日本のみならず、世界でも有名な怪獣アニメの火付け役。
『いや、どうみてもウルトラマンじゃん!』
『違がぁぁう!スタリオンだ!!』
耳郎のツッコミに暑苦しいほどの熱量で返したスタリオン?を見つめる。さっきの一撃、本当に重かった。
口からタラッと何かが流れる感触を感じ、破竜は手の甲で口元を拭うとその手には血が付着していた。
『(……さっきまでとはパワーもスピードも動きも何もかもが全部違う。なるほど…こっちが全力の本命ってわけか。なら、こっちも個性全開で…!)』
『竜変身!!!』
ウォリアに竜変身した破竜は耳郎の横に並び立つ。
『覚悟はできたか貴様ら…貴様らだけは……生きてここから返さんぞ!!』
戦いを通して急激な成長を続ける
その成長速度を危険視した敵は…
本気で2人を叩き潰す為に襲いかかる!!!!
あとがきです。
僕がずっと思い描いてようやく書くことができた、
耳郎ちゃんライジング回!
皆さんいかがでしたでしょうか?
感想お待ちしてます!
そして、2つのオリジナル必殺技が出ましたが、
ネーミングセンスだけは笑わないでください。
これでも一生懸命考えたんです。
下記に詳しく記載しておきます!
技
1.心音壁「ハートビートウォール」
(使用者:耳郎響香)
イヤホンジャックを音響増幅ジャックに繋ぐことで大出力の音の壁を作り出す攻防一体の技。
2.超心音波「ハートビートカコフォニー」
(使用者:耳郎響香)
イヤホンジャックを音響増幅ジャックに繋ぎ、音と空気を衝突させることで生まれる超音波(具体的には2000Hz〜8000Hzの間)で隙を作る技。ギャングオルカのように失神させる事はできず、範囲も狭いが初見で接近戦を仕掛けてくる相手に特に有効。仮免編でギャングオルカが破竜に使用しているのを見て真似た。
3.連携必殺技
「雷刃竜喰(らいじんりゅうばみ)」
(使用者:破竜真人&耳郎響香)
サンダージーンの力で稲妻を。イヤホンジャックで音波を付与する事で強化された武器属性付与による神速の居合斬り。破竜の背後に稲妻を操る竜の幻影が見えるのが特徴。稲妻で体の外側を、音波で体の内側をズタズタにする殺意マシマシの必殺技。デメリットとしてはあまりに威力がありすぎる為か使用後は耐性があるはずの破竜の腕も多少痺れてしまうところ。
先に言っておくと彼女にもライジング回が
来るということは今後、必ず彼にも…
後はそれまで僕が書き切れるかどうか…!
頑張れ作者!!
基本的にこの話はオリジナル部分で展開していき、地下迷宮に挑んでいる緑谷くんや切島くんの描写は少なくなりますが、最終的に原作の方にも合流できるようにしっかり描写していくつもりなので、皆さんお待ちください!
この作品が面白かったらお気に入り登録や感想、
評価も宜しくお願いします!
ではでは、次話もお楽しみに!
次回予告
『これじゃ…街に被害が!』
『そろそろ私達も動き出します?』
『破竜くん達だって上で戦ってるんだ!』
『もう…貴様らに勝ち目はない。』
次回!
半人半竜のヒーローアカデミア
『個性全開のフルファイト!』
『……切り札は最後まで取っておくもんだぜ』
更に向こうへ!Plus ultra!!!