半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに



投稿が遅くなって大変申し訳ございません。今回は過去最高に長いです。どこで話を分ければいいか悩んだ結果2話分のボリュームに……




投稿もできなかった中、
お気に入り登録していただいた


前島亜美 黑烏 かまわやに ユーナー 海老カツ 山上 メダパニ シルスキー

本当にありがとうございます!



ここから彼の雄英生としての生活が始まります!
それでは本編をどうぞ!





個性把握テスト、戦闘訓練編
『入学初日のピンチ!?個性把握テスト!』


 

 

遡ること数日前

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄英高校の会議室では今年度入試の結果が発表されていた。

 

『それじゃ実技試験結果を報告して貰おうかな?』

 

校長の声でモニターに映し出されたのは、成績上位者の名前とヴィランポイント、そしてレスキューポイントの一覧。

 

『それにしても…今年の1位は凄いですね。ヴィランポイント2位、レスキューポイントに至っては他を寄せ付けない圧倒的1位だ。』

 

そこには首席合格者、破竜真人の戦闘シーンが映し出されており、各教師がそのレベルの高さに舌を巻く。

 

『木刀を使った戦闘術、冷静な立ち回り、相手の弱点を見抜く観察眼、これだけでも例年生徒の中で高い実力を誇っていますが一番は…』

 

『この個性だろうね…ジーンと呼ばれる各種属性•増強の力を組み合わせた竜に変身。そして圧倒的な力で叩き潰す…強い個性故に扱いが難しそうだが彼はそれを理解して使いこなしているという点を高く評価できる。』

 

『私としてもそれに興味をそそられるけど、救助ポイントがこんなに高いのはなぜ?他の受験生で同じく0pヴィランを吹き飛ばしてる子がいたにも関わらず、36pも差があるのは気になるわ。』

 

『そいつは俺から説明するぜ。俺が実地試験説明会場で説明をした時にいざこざがあったのは知ってるだろ?その時に他の受験生を説教した上で諭して空気を変えやがったのがコイツなんだよ。』

 

『マイク君の言う通りさ。補足すると、彼は実地試験が終わった後に他の受験生と少し揉め事があったとリカバリーガールから報告を受けていたんだけどね。先程のマイク君の説明と合わせてその内容を確認してみよう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

そういってモニターの画面が切り替わる。

 

最初に映ったのは試験説明会場での出来事。

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前らが今来ているここはなんだ?日本最高のヒーロー育成機関の雄英高校だ。ここの出身者は現役のプロヒーローで活躍してる人が多いのは皆も周知の事実だろう。だが、その人達はこんな事で他人を嘲けるような人達なのか?いや…そもそもヒーローってなんだ?ただの名誉ある職業か?違うだろ!他人を助けて社会に貢献するのがヒーローなんじゃないのか?俺はそう思っている!少なくてもさっきみたく失敗した人を蔑んだり、嘲笑したりするのがヒーローなわけないだろ?そんなのヒーロー以前に人として失格だ。』

 

 

 

 

 

 

『………………………………』

 

 

 

 

 

 

 

 

それを見つめている教師陣は誰一人として言葉を発さずに、彼が放った言葉を聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次にモニターが映したのは破竜が他の受験生に怒りをぶつけていたシーンだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふざけるなよ……………!!!』

 

 

 

 

『何がアイツのおかげだ…無傷でいられただ…アイツが一人で…どんな思いで戦っていたのかも知らないくせに軽々しく語るんじゃねぇぞ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのセリフを最後にモニターは役目を終えたとばかりに改めて受験生の一覧を映し直す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教師陣は誰も言葉を発しなかった。若干15歳のヒーローでもなんでもない少年がぶつけた持論、正論に驚きを隠せない様子で。

 

 

 

 

そんな中、

 

 

 

 

 

『こういうのスキっ!!!』

 

 

 

 

 

と明らかに格好が危ない女性教師の一言で各々が感じた事を話し出す。

 

 

 

 

『ヒーローとしても人としてもできてるやつだな』

 

『やり方はどうにしろ、ヒーローらしい奴だ』

 

『青春ね!悪くない….悪くないよ!』

 

『俺も会場で聞いてた時は驚いたぜ。思わず叫んじまいそうになったくらいにはな』

 

『そういった事情もあって彼のレスキューポイントは他よりも高いのさ。今年の受験生の中で唯一、大型仮想ヴィランを完全破壊したって言う実績も込みではあるけどね』

 

『………こういった考えを持つ受験生は珍しいですね。近年、ヒーローは敵を倒すという面を重視して人を思いやる、助ける、社会貢献すると言う精神性を持つヒーローは少なくなりましたから…』

 

『彼の事はひとまず置いて、他の受験生はどうでしたか?』

 

「2位の爆豪?でしたか。彼も凄いですね。レスキューポイントは0pですが、ヴィランポイントだけで見るなら首席の破竜すら上回っていますから。」

 

「反対にヴィランポイント0なのに7位って子もいますね。レスキューポイント60も破竜の96には劣りますが、近年の受験では見なかった数字ですよ。」

 

『今年の受験生は例年以上に豊作である…と

捉えてもいいんでしょうか?』

 

『うん、間違いなくね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教師たちはその後も今年の受験者への総評を話し合っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家を出た俺は徒歩で歩きながら、今日から通う雄英高校のことを考えていた。それはクラスメイトのことなり、担任のことなり…そんなこんな考えていたら、いつの間にか受験の時に通った門の前に到着した。

 

『今日から雄英生か…3年間よろしく。』

 

そう門に向かって呟き、指定されたクラスに向かう。雄英の中に入るのは2回目とはいえ、あまりのスケールのデカさに驚きの連続だった。正直学校とは思えないほどに…いや、感動してないで早くクラスである1-Aへと向かわないと…

 

ようやくたどり着いた俺はドアの前で深呼吸する。受験会場で何回かやらかしていることもあるので、そうならないように気をつけながらドアに手を掛けて開けると…

 

『君!学校の備品や設備は丁寧に扱いたまえ!』

『うるっせぇ!どうせ壊れねえよ!』

 

教室内、正確には窓側の方から言い争いが聞こえる…一応今日って初日だよな?なんでいきなり喧嘩が起こるのか…

 

『机に足を乗せるんじゃない!歴代の先輩方が使ってきた物を汚す気か!?』

『ああ""ん!?なんか文句あんのか!?お前どこ中だこのモブが!』

『俺は私立聡明中学出身の飯田天哉だ!』

『聡明ぃ〜?糞エリートじゃねぇか!ぶっ殺し甲斐がありそうだなオイ!』

 

言い争っていた窓際をチラリと確認する。あれ……あの説教受けてる人確か受験会場の入り口で…

 

(『オイコラ!どけや!俺が通る!!』)

 

………………あっ

 

そう思い出したのがいけなかった。脳内で認識されたイメージはすぐには覆らず、ありのまま彼のことを呼んでしまう。

 

『受験前に周りを威嚇してたヴィラン風男!?』

 

『『ぶはっ!!!』』

 

教室内にいた全員が吹き出した。

的確すぎる例えに。

 

『あぁ""!?んだとぉ…ゴラァァァァァァ!!!!』

 

本人はまったくもって納得してないが。

 

『か、かっちゃん!落ち着いて!!』

 

『暴れすぎ。肉食動物じゃん』

 

『ぶっ殺し甲斐!?とてもではないがヒーロー志望とは思えないぞ!?君の言葉遣いは!?』

 

宥める声、ツッコむ声、彼の現状を嘆く声を聞いて俺は肩を振るわせて笑ってしまう…これじゃあヒーロー科というより漫才科じゃねーか。

 

笑っていると俺の声を聞いた3人はこちらを振り向く。

 

『アンタ…』『破竜くん!?』『君は!?』

 

おいおい…まさか3人とも同じクラスとは…

 

『はは…運命…初めて信じたかも

 

久しぶりだな、耳郎、緑谷、飯田』

 

 

 

 

 

 

そこからはいろいろと早かった。緑谷を受験日に助けたふわふわな女の子と友達になったり、耳郎、緑谷、飯田と改めて自己紹介して、お互いに入学できたことを祝う。そうするとドアの方にほんの少し気配を感じた。正直微かすぎて自信ないけど…

 

ふと時計を確認すると、そろそろ先生がくる時間帯になる事を理解した。とりあえず挨拶もほどほどに席につき、ドアの方に声を投げる。

 

『ドアの目の前にいる人どなたですか?気配がかなり小さいので気のせいかも知れませんが…』

 

「ほぉ…俺の気配に気づくか。流石は首席の破竜。その感覚はこれからもしっかり磨いていけ。それとお友達ごっこしたいやつは他所へいけ。ここはヒーロー科だぞ…」

 

そう言いながら入ってきたのは寝袋だった。

うん…正直自分でも何言ってるかわからん……

 

!?!?

 

流石に驚きすぎてみんなも声が出ない…

 

『はい。静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。』

 

そう言って寝袋から出たのは髪がボサボサな男性だった。時間帯的にこの人が先生!?ってことはあの人もプロヒーロー…?ヒーローはあんまり詳しくないから知らないが…身に纏う空気は修羅場を乗り越えてきた歴戦の戦士のものだ。

 

『担任の相澤消太だ。よろしく。』

 

軽く一言だけ挨拶を交わし、先生は

 

「早速だが‥これ着てグラウンドに出ろ。」

 

体操服を机の上に置いてそそくさと出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

担任の相澤先生の指示に従って着替えた俺達は何をするのかもわからないままグラウンドに連れてこられた。え?本当に何するの?

 

『早速だが君達には個性把握テストを行なってもらう』

 

「「「「個性把握テスト???」」」

 

なんだそりゃ。

 

『入学式は!?ガイダンスは!?』

 

唐突に告げられたテストの存在に、さっき友達になった麗日さんが意見すると相澤先生はさも当たり前のように返す。

 

『ヒーローになるなら、そんな悠長な行事に出る時間はない。雄英は自由な校風が売り文句。それは先生側もまた然り。』

 

それならなぜ同じヒーロー科のB組は入学式に出る準備をしているのか…いや、それすら先生方の考え方に沿っていくと言う方針なんだろう。確かに意味がない点においては理解するけど…と内心でつっこんでいる間も相澤先生の説明は続く。

 

『お前達も中学の頃からやっているだろう?個性使用禁止の体力テスト。未だ画一的な記録を取って平均を取り続けている…まぁ、文部科学省の怠慢だな。』

 

それ言って平気なの?学校の先生って地方公務員になるはずなんだが雄英の場合は違うのか?いや、考えるだけ無駄だわこれ。

 

『実技試験のトップは破竜、お前だな』

『はい、そうです。』

 

そう答えるとヴィラン男…んん!爆豪がこちらを睨みつけてくる。さっきのヴィラン男呼びが相当気に入らなかったらしい。あとでしっかり謝っておこう。

 

「中学時代ソフトボール投げ何メートルだった?」

「…79メートルです…」

 

まぁ鍛えてるからね。これでも。

 

「じゃ、個性を使ってやってみろ。円から出なけりゃ何してもいい。」

 

そんなこんなでいきなりクラスメイトの前で個性披露タイムとなった。えっと…どうしよう。ん?その前に

 

『すみません相澤先生。ここの敷地ってどれくらい広いんですか?念の為、確認したくて…』

 

『ここならいくら飛ばしても問題ない。いらん心配をするな。時間がない。さっさと個性を使って投げろ。』

 

「それじゃあ…」

 

俺はボールを右手に持ちながらジーンの力を引き出し、竜の力を解放する!

 

 

 

(ウィンド・プロテクト………)『竜変身!』

 

 

 

 

 

 

 

「グルォォォォォォ!!!』

 

『『なんだあれ!!???』』

 

当たり前だけど、やっぱ驚かれる。変身形態『ドラゴン』に変身して右手に持っていたボールを上に投げる。

 

 

『すぅぅぅぅぅぅぅぅ………』

 

 

『グォラァァァァァァァァ!!!』

(吹っ飛べぇ!!!ウィンドブレス!!!)

 

 

口から高密度の暴風が吹き荒れる!

 

 

 

「まずは自分の最大限を知る。それがヒーローの下地を形成する合理的手段。」

 

暴風の咆哮と共に風に乗ったボールはぐんぐん伸びていき雄英の森林部の中に轟音を立てて見えなくなった。

 

『記録……………1847m』

 

まさかの1キロ越えだった。もう少しで2キロに到達するかと思ったが流石に無理か…それを見届けて竜変身を解除する。その瞬間周りのクラスメイトは

 

 

『いきなり1キロ超えかよ!?』

『つか、竜に変身した!?』

『なにこれ面白そう!』

『個性を自由に使えるなんて…さすがヒーロー科!』

 

皆が騒ぎ立てていると、相澤先生が纏っていた雰囲気が変わった。

 

『面白そうか…。ヒーローになるまでの3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?』

 

『……………………………』

 

「よし、それではこれから8種目の個性把握テストを行う。その中で一番成績が悪い者。つまり…最下位のやつは除籍だ』

 

『マジで言ってんのか……????』

 

まだ入学1日目。なんなら30分も経ってないのに除籍ってさすがに理不尽すぎねぇか…。この個性把握テストだけでヒーローの素質を見極めることなんて不可能に近い。まさか嘘を言ってるなんて事は……と思い、相澤先生の目を見る。

 

『……………………どうした破竜?』

 

『いえ、なんでもありません』

 

冗談なんかじゃねぇ。この人本気だ………

 

「生徒達をどうしようが俺達の自由。ようこそ。ここが雄英高校ヒーロー科だ。」

 

 

 

初日から大ピンチだなこりゃ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最下位は除籍って…入学初日ですよ!?いや、初日じゃなくても理不尽すぎる!」

麗日さんが相澤先生に理不尽だと意見する。うん、俺も正直そう思う。が俺は同時に自身の中で常日頃考えている事をみんなに伝える。

 

『確かに麗日さんの言う通り理不尽な面もある。それは事実だ。だけど理不尽なんてものはどこからでも音もなく忍び寄ってくるものだ。そして俺達はヒーローを目指す人間。それを乗り越えなきゃいけない側の人間なんだ』

 

『破竜君!?君まで何を……』

 

「…破竜の言う通りだ。自然災害、大事故。そして身勝手な敵たち。いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれている。そんなピンチを覆してくのがヒーローだ。うちの校訓は全員知っているだろう?』

 

『更に向こうへ。Plus ultraですよね?

この程度…乗り切ってみせるさ』

 

『よし、ではこのまま続けるぞ。次の者は準備してろ。』

 

『ねぇ…先生の言う除籍って…やっぱり冗談じゃないよね?』

 

『だろうな……さっき見たけど、嘘をついている目じゃなかった。最下位になったら除籍か…そうならないようにお互い頑張ろうぜ。耳郎』

 

「それもそうだね。知り合って1日目でさよならはヤダからね。だからアンタも頑張りなよ。破竜」

 

「おうよ」

 

こちらに寄って来た耳郎と会話を交わしてお互いに激励を交わす。そして俺達は相澤先生が突如実施した個性把握テストをこなしていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

第一種目 50メートル走

 

 

ブゥゥゥン……ビシュン!!! 

 

『3秒04!!』

 

飯田のやつ…早いな。駆動音がするって事はエンジンか。あの蹴り貰ったらひとたまりもねぇな。

 

「今度は俺の番か。隣を走るのは』

 

「よ!俺は上鳴電気!お互い頑張ろうぜ!』

 

『お、おう』(軽い…つーかチャラい)

 

スピード系ならジーン『ウィンド』だ!

 

『よし、スタート』

 

(今だっ!)『シェーザ!!』

ビュオン!!!!!

 

破竜真人 記録 『3秒78』

 

『はえーよ!!つか、何今の!?』

 

『走り出した瞬間に風の力で地面を蹴り飛ばしたんだよ。直線移動になるから今は奇襲程度にしか使えないけど』

 

『お前結構なんでもありだな』

 

『どんな力も使い方次第ってわけだ』

 

 

 

第2種目 握力計測

 

 

破竜真人  記録  『98キロ』

 

『正直これ系は苦手だ…』

 

『いや、素の力凄い…ていうか、意外だね。竜変身したら大体なんでもできるイメージあるけど??』

 

耳郎がとても意外そうな顔して話してきた。

 

『勿論、増強系はあるんだが…癖が強すぎてまだ完全に制御しきれない。使い所間違えたら相手を殺しちまう可能性もあるからな』

 

『怖いこと言わないで』

 

『事実なんだ。しょうがねぇだろ』

 

『スゲェな!竜変身しなくてもこんぐらいいけるもんなのか?』

 

上鳴がニコニコしながら腕を組んでくる。というか

 

『上鳴腕締まってる………ふぅ…竜変身はあくまで切り札に近い物だ。なるべくはこの状態で戦える事に越した事はないさ。』

 

 

 

第3種目立ち幅跳び

 

 

『これはまぁ…普通にドラゴンになろう。』

 

竜変身した俺は翼を羽ばたかせて空中に静止する。

 

『破竜…いつまで空にいられる?』

 

『基本的にいつまでも』

 

破竜真人  記録   『∞』

 

 

第4種目 反復横跳び

 

 

 

『これも普通にやるしかないか』

 

破竜真人  記録   88回

 

『アンタ身体能力高すぎない!?』

 

『体は鍛えてんだ。これくらいできねぇとな』

 

 

 

第5種目 ソフトボール投げ  休憩

 

 

 

俺はこのテスト内で仲良くなった、上鳴と耳郎に話しかけに行く。

 

『二人ともお疲れ様。どうだった?』

 

『俺は全然問題なかったぜ!』

 

『ウチは全然ダメ。頑張ってはいるけど自分の得意を活かせる種目が中々なくて…』

 

『確かにな。オールマイティにできる個性の方が珍しい。1位の八百万?みたいなね。ただ、少し気になる事があるから少し外していいか?』

 

そう言うと俺は浮かない顔をしている友達のもとに歩いて行く。

 

『緑谷?大丈夫か?もしかして体調悪い?』

 

『破竜君…ううん!大丈夫!!』

 

『そうか…やれる事しっかりやろうぜ!』

 

『ありがとう破竜君』

 

そう言って緑谷はソフトボール投げに向かって行った。浮かない顔では無くなったけどなんでアイツは個性を使わない??

 

『ハッ!あいつは無個性の雑魚だからな…入学できたのが奇跡みたいなもんなんだよ!」』

 

それを聞いて俺の胸に疑問が走る。無個性?そう言った人は確かに世の中にはいる。でもただの無個性が倍率300の雄英の試験を突破できるのか?

 

『無個性!?君は彼が入試時に何を成したのか知らんのか!?』

 

『あぁ"!?』

 

そういえば爆豪と緑谷は同じ制服を着て試験に臨んでいたな…恐らくだけど同じ学校。そして古くからの付き合いがあると思って間違い無いはずだ。簡単にいえば幼馴染。じゃなかったら「かっちゃん」や「デク」といった当人達しか通じない呼び方はしないだろう。

 

それはひとまず置いといて。

 

『1回目の記録は46メートル。マズイ…

チャンスはあと1回だ…なんとかしろ…緑谷』

 

そう思って緑谷を見ると何か決意したような…

そんな目をしていた。

 

『何か指導を受けていないか?』

 

『はっ!除籍宣告だろ』

 

『黙ってろ爆豪。アイツ何かする』

 

アイツは振りかぶって投げる体制になる。ここまではさっきと変わらない。だが、投げる瞬間それは指先に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

『SMASH!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

「…………705.3メートル」

 

「破竜、八百万、爆豪に続く記録かよ』

 

「指が腫れてんな…痛そうだ……』

 

『今の何なの?まさか指先だけで?』

 

「超パワーと引き換えに大怪我を負う個性?

それとも制御が出来ていないのか?」

 

「どぉぉいうことだ。コラ!!ワケを言え、デクてめぇ!!」

 

「うわぁぁ!!!」

 

俺はそれを見て、あのヒーローの背中が一瞬見えた。まるでオールマイトのような超パワー!!いや、同じ個性持ちがそう何人もいてたまるか。特にオールマイトのような個性は…ってその前にアイツ抑えねぇと!

 

「落ち着けよ!爆豪!まだテスト中だろうが!』

 

「んだテメェ!!部外者が邪魔すんな!!」

 

『クラスメイトだ馬鹿野郎が!』

 

そういうと、相澤先生が爆豪を捕縛する。

 

「よくやった破竜。何度も個性使わすな。俺はドライアイなんだ。時間がもったいない。次準備しろ」

 

 

はぁ…はぁ…この馬鹿力が。抑えるのも一苦労だ。

 

 

『大丈夫かよ破竜?』『よく咄嗟に動けたね』

 

心配する上鳴と咄嗟の判断に感心する耳郎に

 

『大丈夫だ。何でか知らないがあの爆豪は緑谷のことを敵視しているように感じる。だから注視してた。まぁ、ちょっと助けるのが遅くなったから緑谷には悪いことしちゃったな。』

 

その後は残りの種目、上体起こし。長座体前屈。持久走を終え、結果発表の時間となった。

 

『んじゃ、パパっと結果発表といこう。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ』

 

そう言われた後に結果が映し出される。

俺は2位という結果だ。1位の八百万には流石に勝てん。握力に長座体前屈は普通の結果だったし、そこが響いたんだろうな…

 

4位の爆豪は八百万、俺、そして3位の轟?を見て睨みつけてた。相当悔しかったんだろうな…

 

そう言う俺も何だかんだで悔しい。次は負けん。

 

他の順位を確認すると飯田は5位、麗日さんは11位、上鳴は17位、耳郎は18位、緑谷は最下位の21位だった。

 

やっぱ緑谷はソフトボール投げ以外で結果を残す事はできなかったか…持久走なんて指が痛くて走りづらそうだったし…

 

『ちなみに除籍は嘘な。君らの個性を最大限引き出す合理的虚偽』

 

『『『はあー!!!???』』』

 

「あんなの嘘に決まっているじゃない。ちょっと考えれば分かりますわ」

 

そう断言する八百万さんに俺は声をかける。

 

『いや…そうとも言えねぇぞ?『はい?』相澤先生のあの目は確実にやる目だった。緑谷は最下位でも今後の見込みがあったから除籍を免れたんだろう。逆に言えば、俺たち上位陣も今後の見込みがなければ早々に除籍されていた可能性が高い。油断は禁物。そうですよね?相澤先生。』

 

『さぁな…さて、これでテストは終了だ。緑谷は保健室のリカバリガールの所へ。それ以外は教室に戻って下校時刻まで待機してろ』

 

そういうと相澤先生は去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事初日は終了して、下校時間になったので俺はいつも通り帰ろうとするとトンと肩を叩かれる。

 

「ね、破竜さ、駅まででしょ?一緒に帰ろうよ」

 

『耳郎か…あぁ、もちろん』

 

靴取ってくるから待っててと下駄箱に戻っていった耳郎を眺めていると、遠くからチャラチャラした声が聞こえる。

 

『お!!見つけた見つけた!破竜一緒に帰ろうぜ!』

 

『おう。耳郎も一緒だが、問題ないか?』

 

『へぇ……初日なのにもうそんな関係性なの?やるじゃねぇかよ!意外と手早いんだな!』

 

『そんなんじゃねぇ』

 

そう戯れていると飯田に緑谷、麗日さんを見つけた。

 

『あれ、破竜君?まだ帰らないの?』

 

「あぁ、上鳴と耳郎と帰るつもりだが、よければ3人も一緒に帰らないか?駅まで一緒だろ?』

 

『『『いいの!?』』』

 

『耳郎も上鳴もそうだが、友達だろ?いちいち許可いらねぇって。んでどうする?』

 

『『『行こう!!』』』

 

5人で駄弁っていると耳郎が駆け足で戻ってきた。

 

『破竜お待たせ。って緑谷と飯田に麗日じゃん?あんたらもこれから帰り?』

 

『いや俺もいるけど!?』

 

『忘れてた。ごめん上鳴』

 

『何で忘れるの!?流石にショックだって!』

 

『えっと……耳郎さんで合ってるよね?僕達も破竜君に誘われてみんなで帰るんだ』

 

『どーも耳郎です。結構大所帯なったね破竜。』

 

『まぁ、賑やかな方がいいだろ』

 

『な、なぁ破竜。俺って嫌われてる?』

 

『俺は少なくても好きだから安心しろ』

 

そう伝えて6人で駄弁りながら駅に向かう。

すると突然、飯田が天を仰いで嘆く。

 

『しかし相澤先生にはやられたよ。教師が嘘で鼓舞するとは……』

 

『八百万にも言ったが、あれは嘘じゃねぇぞ?』

 

『え?そうだったの?』

 

『あぁ、テストが終わった後に相澤先生に確認しに行ったんだよ。さぁなって濁されて終わっちまったからな。』

 

『んで、結果どうだったんだよ?』

 

『俺の想像通りだったみたいだ。事実、去年相澤先生が担当していた一年生クラスは個性把握テスト後、見事に全員除籍処分されていた。見込みがなかったって事だろうな…』

 

『………………………』

 

俺の言葉に全員が黙ってしまう。やべえ、空気完全に重くしちまった。な、なんとかしないと……

 

『そういえば私、みんなの事ちゃんと知らないんだよね!改めて自己紹介しよ!私は麗日お茶子、破竜君は教室で自己紹介されたから…他の人は飯田天哉くんに耳郎響香ちゃん、上鳴電気くんに緑谷……デクくん!だよね!!』

 

『デク!!?』

 

デクと呼ばれた緑谷は目を見開いている。ん?てか、緑谷の名前ってデクじゃなくて…

 

『緑谷の名前はいずくだぞ?』

 

『え?だってテストの時爆豪って人が』

 

『あの……破竜君が正しくてデクはかっちゃんが昔バカにしてつけたあだ名みたいな…』

 

『蔑称か』

 

『名前混じってるのがまた性格が悪いというか…』

 

『教室でも思ったけど中々癖が強い性格してんもんな。アイツ』

 

『えーそうなんだ!ごめんね!でも"デク"って頑張れ!って感じがしてなんか好きだよ、私』

 

『デクです』

 

『『『緑谷(くん)!?』』』

 

麗日の言葉に顔を赤くして即答する緑谷に四者四様に突っ込む俺と飯田と耳郎と上鳴。

 

『まぁ、本人がいいならいいんじゃね?』

 

『浅すぎる!!蔑称なんだろ!?』

 

『アンタね……流石にそれはやばいよ?』

 

『爆豪のセンス疑ったけどお前も相当だわ』

 

駅までの道を歩きながらワイワイガヤガヤと友達との会話を楽しむ。それは今までの俺には経験の少ない事で知らない間に笑顔が溢れていた。

 

明日はどんな1日になるのか……

俺は今から明日が楽しみでしょうがなかった。

 

 







あとがきです。

雄英入学前の一コマ、クラスメイトとの初会話、個性把握テストと切りどころが上手くわからずこんなことに‥文字数も過去最高で10000文字に迫る勢いでした。

新たに評価して頂いた方、ありがとうございます!
評価内容は1でしたが、できれば何が悪くて1だったのかをコメントで残して頂けると今後の執筆の参考になります!

宜しくお願いします!

さて、破竜君は新たなジーンと技を使っていたのでそれについて軽くご紹介していきます!






1.ウィンドブレス

ジーン『ウィンド』を使って竜変身することで使用可能な技。基本的には前回説明したサンダーブレスとほぼ同一の技になります。


使用ジーン


1.ウィンド

風の力を宿すジーン。本家には出てきていない本作オリジナルジーン。5年間の修行の中で新たに発現した力。主に切り裂く、推進力という側面で破竜は使う事が多い。前回使用したババルは3段階に分けて放出していたのに対してこちらは2段階までしか分ける事ができない。本人曰く『威力が高すぎて細かい威力制御不能』との事。『シェーザ』は1段階目。



以上になります!


また感想や評価、お気に入り等お待ちしております!


次回予告




『私が普通にドアから来た!!!』

『オールマイトが訓練してくれるのか!』

『ごめんなさい…不安しかないです…』





『僕のデクは頑張れって感じのデクだ!!』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア



『始まる戦闘訓練!緑谷VS爆豪』






『ヤバいと判断したら止めますよ。オールマイト』





更に向こうへ!Plus ultra!!!
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