半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに



皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!
たくさんのお気に入り登録や感想も嬉しいです!


いや、もうほんと遅くなってすみません。
もう1日が72時間くらい欲しい。


この話は自分なりに色んな人が抱える復讐心への向き合い方を描いたつもりです。些細な事で生まれる復讐や憎悪の気持ち。




皆さんはどうやって向き合いますか?






それでは本編をお楽しみ下さい!





『兄として、弟として』

 

 

『……待ってくれレイ兄さん…ッ!』

 

その場に現れたのは破竜。ミクバにナイフを突き刺そうとしていたレイはナイフを構えながら、破竜の事を見つめる。

 

『……なんだリュウ。俺は今からコイツを殺す。邪魔すんじゃねぇよ。』

 

『ま、待ちなさい…』

 

『アンタは黙ってろよ。』

 

『っ…』

 

リューキュウさんを冷たくあしらうレイ兄さんを見て、らしくないと思う。この人はいつだって、リューキュウさんのことを気遣っていた。そんな普段当たり前にしていたことができない程にこの敵どもへの憎悪は深いのか…

 

『リューキュウさん…、俺が話します。リューキュウさんは波動先輩のフォローに。』

 

リューキュウが視線を向けると個性ブーストによって厄介さを増した活瓶力也によって麗日、蛙吹をはじめとした大多数が活力を奪われ、地に倒れてしまっていた。

 

確かにリュウの言う通り、いつまでもねじれちゃん1人でどうにかできるわけがない…。でも、ここでレイを放っておいたら彼は必ず彼らを殺してしまう。それだけは絶対に阻止しないと…

 

『あなただけでは…』

 

『…お願いします。』

 

『リューキュウ!私1人じゃそんなに長く持たないよ!早く!!』

 

『ねじれちゃん…リュウ、お願い!!』

 

しばらく唸っていたリューキュウさんだが、波動先輩のことも考え、すぐさま応援に向かう!

 

その場には破竜とレイの2人が残る。

 

『……レイ兄さん、何しようとしてたんですか?』

 

『見てわかんねぇのかよ?殺すんだ、ミクバをな。コイツを殺したら次はバリオとサントの2人だ。』

 

『……前に保須署長が言ってました。警察は個性を武に用いらない。その代わりにヒーローがそれを担っている。個人の武力行使…容易に人を殺められる力。本来なら糾弾されて然るべきこれらが公に認められているのは、先人たちがモラルやルールをしっかり遵守してきたからだと。ヒーローが人殺しなんか許されるとでも?』

 

『残念だが、俺の信念は「()()()()人も殺す」なんでね。』

 

『必要なら……()()で人殺しをするのも厭わないと?』

 

『そうだ。それが俺の生きる理由で…俺の強くなった理由だからだ。お前やリューキュウさんにも話してなかったけど、俺がヒーローになった目的はただの復讐さ。今更、自分の手を汚すことなんて大したことじゃねぇ。もう…俺の手は汚れてる。』

 

『だとしても…ダメだよレイ兄さん。そんな事…俺が絶対にさせない。』

 

レイの前に立ち塞がる破竜。

 

『どけよリュウ。コイツらは俺の義理の親も…弟のような奴も殺したクズ野郎どもだ。生きてる価値もねぇ。』

 

『わかってます…。それでも、レイ兄さんがコイツらを殺したら…もう戻れなくなる!』

 

俺にはそんな経験がないからわからないが、人を殺してしまったら…躊躇いがなくなる。ヒーローとして…その一線だけは容易に超えちゃダメなんだ!

 

『構わねぇよ。そしたらブタ箱(刑務所)の中で一生過ごすだけだ。だから……

そこを退けよリュウ!!!

 

『っ…』

 

レイの怒声に一瞬だけ怯んだ破竜だが、意を決して自身の思いを伝える。

 

『確かにレイ兄さんの言う通り、この世の中には死んで欲しいと願うようなクズ野郎がたくさんいる。それで…殺したいほど憎い気持ちも……わかる。』

 

破竜の脳裏に浮かぶのは自身を見捨てたクソ両親。そして、異形に変身する個性持ちだからという理由だけで己を殺そうとした島の人間達。

 

過去の自分もレイと同じようなことを思っていたが、破竜とレイは状況が違う。

 

自分はもう…何をしても、どうやっても、関係が戻る事はないし、自身に何か影響を与えることもない。

 

だが、レイ兄さんは違う。

ここで道を間違えてしまったら、絶対にダメなんだ!

 

『でも…でもっ…例え、コイツらを殺したって死んだ人達は2度と生き返らねえし、もう戻ってこない!!死んだアンタの義理の親も!弟のような奴も!アンタがこんな生き方をする事を望んでるなんて俺には到底思えねえ!!!

 

『は、破竜…』

 

普段、年上や尊敬する人物に対して敬語で話しかけるはずの破竜の口調が荒くなる。それほどに感情の籠った叫びだったが、その一言はレイの怒りに更なる火をつけ、破竜にとって未だ重しになっている過去に踏み込んでしまう。

 

『……テメェに何がわかる?親に見捨てられて自分から家族の繋がりも何もかも断ち切ったテメェなんかに…

 

 

家族としてせっかくできた繋がりを理不尽に奪われた俺の気持ちがわかんのかよッ!!

 

『ッ…!!!!』

 

珍しく破竜の顔が歪む。自分では一生乗り越えられないであろう過去に踏み込まれた事。そして、自分とは違うお前なんかに何がわかると明確に拒絶された事が破竜の心を深く傷つける。

 

『レイさん!いくらなんでもその言い方酷すぎ!』

 

『テメェは黙ってろイヤホンジャック!!これは俺とリュウの話だ!!!外野がいちいちしゃしゃり出てくんじゃねえ!!!』

 

『うっさい!!破竜の過去知っててそんなこと言うとかウチは絶対に許さない!!』

 

『んだと…!!!!』

 

ウチとレイさんの言い争いがヒートアップするけど、ウチは断固引く気はない。破竜はレイさんの事をずっと気にかけてた。

 

学校にいる間、寮にいる間、訓練してる間、ずっと『レイ兄さん大丈夫だよな…』って心配そうな顔してる姿をウチはずっと見てた。それに気づいて『ごめんな?』って取り繕った笑顔を浮かべていたのも…。そんな風に心配してた優しいコイツの気持ちを踏み躙るようなことだけは絶対に許したくない。

 

睨み合いが続く耳郎とレイの間に破竜が割り込む。

 

『…耳郎、ありがとう。俺は大丈夫だから。』

 

『でもっ…!!』

 

『お願い…俺が…俺が話さなきゃダメなんだ。』

 

破竜に対する物言いに怒りを見せた耳郎だが、破竜はすでに冷静さを取り戻し、俺に話させて?と制すような動きを見せる。

 

『……わかった。』

 

納得できない表情ではあるが、耳郎が下がったのを見て改めてレイと向き直る。

 

確かに…俺にレイ兄さんの気持ちはわからない。家族との繋がりを自分から断ち切った俺と家族との繋がりを大切にしているレイ兄さんとは。

 

でも…レイ兄さんはとても大切な事を忘れてる。

 

『俺にはレイ兄さんの気持ちはわからないかも…しれない。だから…止めるんです。』

 

『あ"ァ?』

 

あなたは職場体験で俺にこう言ってくれた。自分の事を兄と呼んでみ?と。その時はとても恥ずかしかったけど…俺は本当に…本当に嬉しかったんだよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だって、もう俺がずっと昔に失って、自分から切り捨てたものをまた繋いでくれたんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『家族の繋がりを断ち切った俺なんかに…貴方は本当の兄のように接してくれた。家族のような大切な繋がりを作ってくれた貴方を…

 

 

 

殺人犯なんかにして失うわけにはいかないから止めるんだろッ…!!!

 

『!』

 

涙混ざりのその叫びは感情的になっていたレイの心を震わせてしまうほど…破竜の心の奥底から溢れ出た嘘偽りのない本音だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破竜の心からの本音を聞いたレイは動揺を隠せずにいた。ババデルのおっさんみたいに家族のような繋がりを俺が作った…?

 

『何言って…やがる。そんな繋がりを俺は…』

『思い出してよ…俺とレイ兄さんのことを…』

 

レイは今までの破竜とのやり取りを思い返す。

 

初めて出会った時、首の後ろに手を絡めたせいでパシッと弾かれ、わりぃわりぃとおどけた挨拶をした時…

 

『宜しくな。破竜真人。』

『宜しくお願いします。レイさん。』

 

保須の時にステインのもとへ向かえと俺らしくもない声でリュウを説得した時…

 

『リュウ。後悔しねぇ方を選べよ?失ってからじゃ遅い。お前の力なら必ず助けられる。』

『本当にすみません!!』

 

期末テストの時、俺とリューキュウさんの2人を相手に立ち回ってなんとか勝利した時…

 

『……お前の事だから大丈夫だとは思うが一応忠告しとくぞ?ハンデ付きの俺らに勝ったくらいで満足するなよリュウ。』

『へっ…言われずともだ!』

 

神野事件の脳無相手に俺達が倒されちまった時、子供みたいな駄々こねてまで俺達を守ろうとしてくれた時…

 

『逃げろ………リュウ!!!!』

『嫌だッ!!!!!!!!!!俺は2人を死なせる為に一緒に戦ったんじゃない!ここで逃げたら…俺はッ…俺は2度と戦えなくなる!』

 

ミクバ達との因縁を知った時、俺の復讐に首を突っ込むなって脅した時もお前は…

 

『……何度でも言ってやる。お前らは関わるな。これは…俺が精算しなきゃいけない過去なんだよ。』

『でも、迷惑だろうと何だろうと俺はこの件を見なかったことにはしないし、引く気もない…。誰かを助けるのに理由はいらねぇし、なにより…余計なお世話はヒーローの本質だって。』

 

 

 

 

 

今までのやりとりを思い出してレイはハッとする。

 

 

 

 

 

そんなつもりはなかった。ただ…みんなに揶揄われたから、軽い気持ちで呼んでみ?と言ってみた。その時、リュウは恥ずかしがりながら俺の目を見て兄と呼んだ。そんな姿がなんでかわかんねぇけど…ティーポ()と重なった。

 

『ほんの少しの間だけど、弟ができたみたいだったからね。寂しいわよ、それにあなたもでしょ?』

『あぁ…でも兄って呼んでくれて嬉しかった』

 

リュウが帰った後、リューキュウさんにそう言われて何となくだけど意識するようになった。

 

期末テストで俺達相手に勝った時も

「あぁ…弟に負けるのってこんな感じなんだ」って

悔しさの間になんかわからねぇ嬉しさを感じた事。

 

そして、神野の時に知っちまったお前の過去の一端。両親にも島の人間達にも個性のせいで見捨てられて、オールマイトさんに救われてヒーローを志した事。

 

そんな過去があるなんて知らなかった。

 

普通なら敵や復讐者に堕ちたっておかしくないほど辛い過去なのに…お前はそうならなかった。

 

目指すヒーロー(オールマイトみたい)になる為に更なる強さを求めるお前の真っすぐな姿がとても…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

羨ましくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前は真っすぐで優しい…正しい…人の為になれる…ババデルのおっさんが求めたヒーローになれると。

 

そんな姿が俺には酷く眩しく映った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お願いだよ…レイ兄さん。』

 

『リュウ…俺は……』

 

『(まだ生きてるぜ、兄者。しっぶといの。)』

『(放っておけ。そんな雑魚は)』

『(『所詮はただの虎…無様なもんだ。弱かったら死に方も選べねぇ。)』

 

『ッ!?』

 

レイの脳裏に聞こえる奴らの声。あの日の情景が…血の匂いが…後悔が…頭の中を駆け巡り、胸の中に憎悪という名の炎を燃え上がらせる。

 

 

 

そうだ…俺は…コイツらだけはッ!!!

 

 

 

『(レイ…俺はお前に……)』

 

 

 

必ず殺すために…ずっとずっと…!!!

 

 

 

 

『『レイ兄ちゃん…俺、ずっと兄ちゃんと……)』

 

 

 

 

 

許すな…

 

殺せ…

 

自分の家族を惨殺したコイツらだけは必ず…

 

 

 

 

 

自身の中で渦巻く沢山の声。その全てが自分をどうしようもないほどの復讐者として覚醒させてしまう。

 

 

 

 

『俺は…俺はッ…うぉぉぉぉ!!』』

 

 

 

レイにはもう、その鋭くなった復讐の刃を止めることができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『レイ兄さん!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、チラっと破竜の姿を見た。

 

多分、見間違いかもしれない。それでも…

 

刃を振り下ろそうとしたその刹那、彼の瞳に映っていた自分の背後。悲しそうな目でこちらを見守る二つの影に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイは気づいてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポタッ…ポタッ……ポタッ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァッ…!!!』

 

『レイ兄さん……』

 

『レイさん……』

 

尋常ではない量の汗を流し、ハァハァと息を切らしていたレイの短刀はミクバの胸元ギリギリで止まっていた。驚愕する破竜と耳郎から視線を逸らしながらレイはポツリポツリと呟いた。

 

『お前を…』

『え?』

 

『お前を通して2人が…俺を見てた気がした』

 

『はい…』

 

『そう思っちまったら…この手を振り下ろすことができなかった。ヒーローを目指して欲しいと願った想いを無駄にするような気がして…俺は…ほんっと…ダメ…だな…。甘っ、く…て……弱く…て、そんな…だ、かっ…ら、家族…も、守れな…、か、っ…た。』

 

震えた声でそう言って短刀をカランと落とすレイ。

 

ダメなんかじゃない…。その甘さは…いや、その優しさは本来、レイ兄さんずっと…ずっと心の中で持っていたものだ。それをアイツらへの復讐心が…奥底に封印させた。

 

 

それでも…最終的にレイ兄さんは委ねなかった。心の奥でずっと燃え盛っていた怨嗟の炎に身を任せなかった。

 

 

 

やっぱりこの人は根っからの…ヒーローなんだ。

 

 

『…コイツらは色々な罪状を踏まえてもタルタロス行きは確定。恐らく…2度と世に出る事はないと思います。後は…司法に任せましょう。もう、レイ兄さんが手を汚す必要はないんですから。』

 

『納得…したくねぇ。したくねぇが……、それが…一番いいんだろうな。』

 

『はい…』

 

何とも言えない表情で捕まえたミクバ、バリオ、サントを見つめるレイ。

 

『終わってみれば…ははっ、こんなもんか。なんにも…戻って来なかった。俺の手に残ったのは…復讐の為に鍛えて上げてきた力だけ。

なぁ、リュウ。復讐っていう手段を選んだ俺は間違いだったのか…?』

 

『…間違いかそうじゃないかなんて答えられないです。復讐は何も生まない。けれど…復讐を遂げることでようやく前を向ける人もいる。それでも俺は…レイ兄さんはそういう人じゃないって思ってます。ヒーローをしている時のレイ兄さんは…俺が憧れているヒーローの1人ですから。』

 

こんな復讐に囚われた俺を憧れのヒーローね…。

 

俺はオールマイトさんやリューキュウさんみてぇには到底なれねぇのにお前って奴は…ほんと、お人好しがすぎるぜ。

 

『……そっか。リュウ、イヤホンジャック。』

 

『はい?』『なんですか?』

 

レイは2人に向かって頭を下げた。

 

『すまなかった…怒声浴びせちまって。それと…俺をまだヒーローでいさせてくれて…俺の復讐を止めてくれて…ありがとう。』

 

破竜と耳郎は顔を見合わせるとニコリと笑い、

 

 

 

 

 

 

 

 

『『 ヒーローなんで!!! 』』

 

 

 

 

 

 

 

『ったく…あんな激闘繰り広げた奴らの顔じゃねぇっての。さてと、早くリューキュウさん達のフォローに行こうぜ。俺の……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       ()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破竜は『へへっ…』と誇らしげに。

耳郎は『はいっ!』と明るく返事を返す。

 

『(やっと…終わった。ずっと…ずっと……重くのしかかっていたもんはすぐには消えねぇ…。それでもなんかスッとした気分だ。俺は今…ちゃんと笑えてるよな?なぁ、おっさん。ティーポ。)』

 

ミクバ、バリオ、サントへの復讐心は消えなかった。それでも…2人のおかげで前を向くことが出来たレイの顔は憑き物が落ちたように晴れやかだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、そんな明るい空気を切り裂くもう一つの悪意がその場に登場する。

 

『……………!!』

 

グシャッ!!!!!!!!!

という何かを叩き潰した音が後方から聞こえる。そこにいたのはオールフォーワンが生み出した唯一の私兵と呼べる生体兵器。

 

『なっ!』

 

『ひっ…!!』

 

『て、てめえは……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『    脳無!!!?   』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如として現れた脳無はメイデンで拘束する前のミクバの頭を叩き割っていた。頭をグシャリと潰された事で恐らくミクバは完全に死亡している。

 

『て、てめ…何のつもりで…!!』

 

『……うっ…、』

 

『耳郎、見るな!!!!』

 

何でここに脳無が…しかもこの動きにパワー…間違いない。神野の時にやり合った奴か!

 

すると、脳無は俺達の後ろに拘束されているバリオとサントも狙いに行こうと方向転換して歩みを進める。

 

『レイ兄さん!耳郎!2人はバリオとサントを連れて逃げてください!何でかわかんねぇけど、コイツは2人を狙ってる!』

 

『は、破竜は!?』

 

『俺はしばらくコイツを相手する!』

 

『ウ、ウチも一緒に…

『ダメだ!!!!俺は神野の時にやり合ってるから少しは動きがわかる!耳郎は早くレイ兄さんとそいつらの避難を!』

 

『行くぞイヤホンジャック!』

 

『レ、レイさん!破竜が…!!』

 

『リュウのいう通りだ。コイツらを連れて行ったらすぐに戻るからそれまでなんとか耐えろ!』

 

『す、すぐ戻るから!!』

 

『はい!』

 

そう言って消えて行った2人を庇うように脳無の正面に立ち塞がる破竜。

 

『……待ってくれるなんて随分とお優しいじゃねぇか。それとも…余裕ってやつか?』

 

『……………』

 

相変わらず何も答えねぇが…どうにも変だ。あの時は少なからず俺やレイ兄さん、リューキュウさんに対する悪意が読み取れたけど今はなんか…前までとは何か違う感じがする。それが何かはわかんねえけど…

 

『まぁ、俺のやることは一つだ。今度こそぶっ倒してやる。』

 

ウォリアになった破竜は油断なく構える。

 

『…………………』

 

そんな姿を脳無は黙って見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





あとがきです。


破竜くんの全力の叫びにレイ兄さんはようやく
自分本来の気持ちに向き合い始めることができました。
それでも‥そんな簡単に全ては解決しません。

本人も心の中で言っていましたが、ずっと心に重くのしかかっていたものはすぐには消えない。ずっとずっと抱えていく中で何かがきっかけで折り合いをつけ始める。レイ兄さんにとってはそれが今回の戦いでした。

本人は今回の戦いで何も得られなかったと嘆きましたが、それが本当かどうかはこの先、自分の気持ちと向き合い続ける事でその答えは必ず出ます。



頑張れレイ兄さん!











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評価も宜しくお願いします!




ではでは、次話もお楽しみに!









次回予告






『俺がテメェらの下につくなんざ天地がひっくり返ってもあり得ねぇ。』


『弔くんの命令で仕方なく来ました。』


『なぁ、コイツってもしかして…!』






















『まさか…いや、そんなわけ……』





















次回!
半人半竜のヒーローアカデミア















『なんなんだテメェは…もう一つの脅威!』



























『ククク…運命ってのはな、残酷なんだぜ?』















更に向こうへ!Plus ultra!!!
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