半人半竜のヒーローアカデミア 作:十希
はじめに
皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!
たくさんのお気に入り登録や感想も嬉しいです!
そういえば、Xでヒロアカ見てたらデク、爆豪、轟、心操、物間が5人がスカジャン着てたやつあってめっちゃかっこよ!俺も着たい!!!』ってなりましたけど、あれリアルに似合う人とかいるのかな?
※買おうかどうか検討中
自分で言うのもアレですけど、そんな顔に自信ないんですよね。
お気に入りしてくれた下記の方
※全然やれてなくてすみません…
もこしぐ Teck527 ノワール・パリス 熊澤くまきち Tukuyo あか98125あか おもちもちもちももちもち ホクト 夜猫 猫魔鈴 雑歌 TKG2023 ウマ娘大好き人間 スメラギ ぽんちょむ アカツキ 不知火 獅子王鈴音 ao630 海神マナ shin460 野草再 ミヤマ2213 雪の道の華 結社 コスプレ ドラゴニス 生成り色 雪の進軍 よしたか 神凪海人 ホースらら ライナ・ナカジマ 白い皇 最前線のうみんちゅ 2次元命 でんま先生 龍桜 ガンダムの鬼 アカツキ かわもりみさき 夏冬冬夏 LNGL ヨーさん 四楓陰凍世 暴食と色欲の権化 よし餅 神空神 U(0) ミラルーツ 闇莉 クロ0805
ヒュース ピヨラブ 白街
それでは本編をお楽しみ下さい!
時は敵連合と八斎會の小競り合い後まで大きく遡る。
敵連合side
『チッ、いつまでかかるんだこの道は!』
『すみませんね。こういうせせこましさがあってこそ
『……………』
玄野に連れられ、愚痴りながら長い地下迷宮を歩く死柄木。後ろには彼らに黙ってついてくるロードの姿があった。
『若、お待たせしました。』
『遅かったな。とりあえずは座れ。色々と話をしようじゃないか。』
そう言って死柄木はドガッとソファーに座るが、ロードだけは扉に背中を預けて目を瞑っていた。
『ロード…お前も…』
『俺はただの付き添いだ。テメェら如きと話すことなんざない。さっさと話を進めろ。』
『貴様……』
『玄野よせ。なら、そこで黙って聞いていることだ。俺達の話をな。』
『でだ!先日の電話の件、本当なんだろうね!条件次第ではうちに与するというのは。』
ミミックは死柄木を指差しながら電話の要件を再確認するが、死柄木はそんな言い分を一部否定しつつ、テーブルに足を乗せる。
『都合の良い解釈をするな。俺達は勢力を拡大したい。そっちは敵連合の名が欲しい。お互いにニーズは合致しているワケだろ』
『足を下ろせ。汚れる』
『「下ろしてくれないか?」と言えよ若頭。本来、頭を下げる立場だろ。まず傘下にはならん。俺たちは俺たちの好きなように動く。五分、いわゆる提携っていう形なら協力してやるよ。』
『それが条件か…』
『もう一つ…お前らのいう計画を教えろ。自然な条件だ。名を貸すメリットがあるのか検討したい。尤も…』
そう言いかけた死柄木の頭を玄野と入中が掴む。
『自由すぎるでしょ、色々。』
『さっきから何様だチンピラ!!!』
そんな姿を見てロードはクハッと笑うと
『助けて欲しいか?』
『お前は黙ってろ。ややこしくなる。それとな、そっちが何様だ?使い捨てのザコヤクザの肉壁と「敵連合」のオカマ、その命は等価値じゃないぞ。プラス腕一本分だ。多少は譲歩してくれなきゃ割に合わない。』
『ミミック、クロノ、下がれ。せっかく前向きに検討してくれたんだ。話の途中だった。最後まで聞こう。』
死柄木は服の中からあるものを取り出す。
『コイツが関係してるんだろ?』
それ聞いた治崎は個性破壊弾を使った裏社会の統一、そしてその為の元などを洗いざらい説明する。
『なるほど…いいだろう。俺達の名を貸してやる。』
『交渉成立というわけか。なら、良い機会だ。玄野、いつものやつをもってこい。』
そう言って玄野が持ってきたものは将棋。
『………なんだこれは?』
『なんだ?将棋をやったことがないのか?』
『やらん。片付けろ、ルールも知らん。』
毒づく死柄木に対して治崎はパチパチと1人で打ち始めると、話始める。
『将棋の良いところは奪った駒を自分のものにできるところだ。敵連合から黒霧か渡我、分倍河原をよこせ。好きに動かれちゃこちらも不安だ。』
『チッ……』
渋い顔をする死柄木に対してロードは内心で治崎のその手腕に感心する。
『(ほぉ…連合の便利屋達を希望するか。確かにその3人は局面を一気に変えられる3人。この雑魚どもにとっては動きを最低限、掌握しておきたい奴ら。死柄木にとって
『便利なやつばかり…そいつらはうちの要だ!そんな簡単にやれるか!』
『そうか…なら、』
すると、その視線はロードに向いた。
『その3人を諦める代わりにロードをよこせ。それならどうだ?』
『‥……』
これまでのやり取りで死柄木が仲間を大切にしているのを察したか。だが、コイツの目的は元々、俺のようだな。最初に無理難題を引っ掛けた後に条件を緩和させたように見せかけた本命。確かビジネス用語でドア・イン・ザ・フェイスとか言ったっけな…。
昔、あの欲しがり野郎も俺相手によく仕掛けてきた記憶がある。
一度も承認した事はないが。
なるほど…頭脳は悪くない。
世間的には有名でも何でもないヤクザ如きと思っていたが、中々いいじゃねぇか。
『丁重にお断りさせてもらおう。』
『!?』
そう…悪くはない。
だが、肝心なことを忘れてるなコイツは。
『この俺をテメェら如き、ヤクザの下っ端になれだ? 冗談よせよ。例え、死柄木に命令されたとしても却下させてもらう。』
『貴様ァ!!黙って聞いていれば…ッ!』
そう言いながらこちらに敵意を向けたのは玄野だった。
『よせ玄野!!!』
『おいおい…事実だろ?』
『ふざけるな!!!』
ロードの発言に怒りを覚えた玄野は長針をロードに向かって突き刺す!
玄野針 個性:クロノスタシス
時計の針のような頭髪を直線状に伸ばして攻撃。相手の行動を遅くし自由を奪う。ただし、本人が停止している状態でないと針は伸ばせない。長針で刺すと動きが遅くなる。重力に沿って倒れるなど、本人の意思によらない動きも同じ。短針で刺すと1時間はそのまま。遅くされたスピードはかたつむりくらい遅くなるぜ!
ロードの動きが遅くなる…。
『あまり調子に乗るなよロード。若の…組の侮辱だけは許さんぞ。とは言っても、話すこともできないか?』
『おい…今すぐその薄汚い手をどけろ。』
『な…!』
バキッッ!!とロードの裏拳が玄野の右頬を直撃する!その強烈な一撃で右頬の半分が消し飛んだ。
『玄野!』
倒れた玄野を抱き起こすと、治崎は凹まされた顔を個性ですぐさま元通りに回復させる。
『……生きてるか?』
『は、はい…。な、なぜ…私の個性で動きを遅くしたはず…!!』
『ふん、個性ねぇ…。ククククク…能力が通じなくなった途端にこれか?だからお前らは弱ェ。俺に言わせれば個性なんてもんは実力差がつきすぎちまったら何の効力も発揮しないゴミでしかない。最後にモノを言うのは力。そいつが生まれ持った…ただの純粋な力だ。この程度であのオールマイトが殺せるか?笑わせんじゃねぇよ。』
ニヤついた笑いを見せながらロードは玄野に近づいていく。こ、殺されるッ…と死を覚悟した玄野だったが、ロードはそのまま通り過ぎてドアの横に手をかける。
『まぁ、俺がテメェら如きの下につくなんざ天地がひっくり返ってもありえねぇが…俺の代わりにゴミを1匹貸してやる。その若頭の…手腕に免じてな。』
翌日
『八斎會と協力するだって!!?』
廃屋にトゥワイスの大声が響き渡る。その場には黒霧を除いた敵連合が勢揃いしていた。
『ああ!何度も言わせるな。あっちの計画には十分な旨みがある。トガ、トゥワイス、お前らは今日からヤクザだ!』
『ククク、まぁ、実質あっちの条件を8割方飲まされてるからナァ。オールフォーワンの野郎ならこうはならなかったのに…残念だな死柄木。』
『…』
そんなロードのちゃかしも今の死柄木には何の効果もないが、ロード自身も多少驚いている。
今までのコイツなら命令と称して俺を無理矢理にでも出向させたはずだが今回は仲間を何人か出向させた。それは完全に想定外の動きだった。
すると、トゥワイスがツカツカと死柄木に近づく。
『つまんねぇ冗談だ。面白ぇよ死柄木。』
『黒霧まで持ってかれそうになったが、粘ったよ。まァ、アイツはアイツで大事な案件で忙しいからな。それに本当だったら…『何が旨みだよ!冷酷ぶりゃリーダーか!?あのマスク野郎に感化されちまったか!?アイツはマグ姐を殺した!Mr.コンプレスの腕を吹き飛ばした!アイツは俺が不用意に連れてきた…!!
俺だって…人間だぞ死柄木……!!
トガちゃんもなんか言ってくれよ!』
『弔くんにとって私たちは何でしょう?私にとって敵連合は居心地がいい。ステ様がキッカケでした。私のやりたいように、生きやすい世の中に…出来るものならしてみたいと思うのです。ねぇ、弔くん。』
一息置いたトガヒミコはキンッ!!と死柄木の首元にナイフを突きつけた。
『誰の為に辛くて嫌なことしなきゃいけないの?』
『そうだな…。』
『俺とお前達の為だ。』
何かがゾクとロードの背筋を震わせた。
『(ほぉ…やっぱりコイツ、なんか変わったか?ククク、オールフォーワン、お前の目的は少しずつ成就している。お前の想像以上の早さで…。そして、この俺のもう一つの目的にも確実に…)』
『それと責任を取らせろと言ったなトゥワイス。こういう責任の取り方もある。勿論、戦闘型じゃないお前らだけで出向させるのは不安だ。元々はロードのやつも同行させるつもりだったが…』
『何度言われても俺がヤクザ如きの下につくなんざ天地がひっくり返ってもありえねぇな。』
『この通りだ。』
『…わがままですね。』
『わがままで結構。それが許される立ち位置にいるのが俺なんでな。まぁ、死柄木の考えていることなんざ手に取るようにわかる。俺が行くのはさっきも言った通り無理だが…』
スクッと立ち上がったロードは隣にいた脳無を指さす。
『このゴミなら貸してやる。』
『……………』
『弔くんからの命令で仕方なく来ました。トガです』
『久しぶりだなトリ野郎。テメェぜってぇ許さねぇぞ。宜しくお願いします。』
『………………』
トガヒミコ、トゥワイス、脳無の順番に軽く挨拶を交わすと治崎は軽くため息を吐く。
『……やはりロードは来ないか。俺の元々の希望はやつなんだがな。』
『私に言わないでください。あの人は弔くんの命令でも動きませんので。その代わり、伝言を預かってます。そのまま伝えますので心して聞いてください。
「俺を手元に置きたいなら、もっと俺を楽しませられる存在になってからにしろ。社会のゴミ野郎。」
だそうです。』
『くそ、あの男め…!!!』
『ヤクザ舐めてんじゃねぇぞ!!!!!』
その伝言に玄野、入中をはじめとした古参組が怒りを見せる中、乱波は豪快に笑った。
『はっはっはっ!!面白ェな!喧嘩してぇ!!』
『乱波!貴様は黙ってろ!!』
『ふん…今更言ってもどうにもならない。来なかったのは残念だが…その黒いのが変わり…というわけか?』
『そういう事です。念の為、忠告しておきますが、この脳無くんはロードから指令を受けてここにきてます。一応、私達の命令も聞くようになっていますが、基本的に動きませんので悪しからず。』
その一言に納得したのか、治崎はついでマグネの件にも言及する。
『わかった。それと…マグネの件はすまなかったな。俺も彼を殺したくはなかった。恨みは消えないだろうが計画遂行の為、協力してもらうぞ』
『彼
『基本的には組のものと同様、我々の指示に従ってくれれば良い。それと、君達の個性の詳細を教えてほしい。もしもの時に連携が取れるように。』
『もしもの時が来たら教えます。あなた達のこと、まだそんなに好きじゃないので。』
『素直に聞かれたことに答えりゃ良いんだよ!!テメェら、ヤクザ舐めてんじゃねぇぇぞ!!!』
睨み続ける2人だが、その場に第三者の声が響くとトゥワイス、トガ共に個性の詳細をペラペラと話してしまう。
それはペストマスクをしている男、音本真の個性:真実吐き。問い掛けた相手に強制的に本心を語らせる。複数人に質問したり、質問された本人すら知り得なかった本音を吐かせることができる。
『それで…そちらの大男の個性は何だ?』
『脳無くんは何も言わないですし、私達も知りません。』
『そもそも死体なんだからな!あ、また勝手に!!』
『…………………』
『死体…か。なら、聞いても無駄なようだ。よし、最後の質問だ。死柄木から裏切りの予定を聞かされたか?』
『NO…』『いいえ…』『………』
『オッケーだ。これから八斎會の一員として迎える。だが、手配犯のおまえらを自由にさせるわけにもいかない。指示のない限りはこの地下の居住スペースから出ないよう頼む。』
『軟禁かよ!!』『ええー、自由でいたい』
『もう少し信用できる様になったら自由にしてやれるさ。君ら次第だ』
その言葉を最後にその場を立ち去る治崎。
『いつまでもそんな態度じゃ許さねぇよってこった。わかったら言う通りにしやがれチンピラ共が!!俺たちはヤクザだナメてんじゃねエぞ!!俺たちは再び裏から社会を牛耳る!ヤクザの復権!床に伏せ動けぬ組長の“宿願"!!それを果たす!!甘い汁すすれるんだ!感謝するんだよてめエらはア!それとロードに伝えておけ!俺たちが上に立った時、今みてぇな立場でもの言えると思うなよとなァ!!!』
『はーい。』
『わかったぜ、入中』
トガとトゥワイス、脳無の3人は後ろにある扉から自分達にあてがわれた部屋に向かう。その間の話題はやはり、先程の話だ。
『マジでムカつくなぁ。ヤクザの野郎ども。』
『しょーがないのです。私達は弔くんの言う通り、私達の為にゴクドーになりきるしかないんですから。ねぇ、脳無くん。』
そんな風に言ったってなんにも反応しねぇよ!とトゥワイスが脳無を見ながら言うとその様子がおかしいことに気づいた。
『ん?なんか言ってねぇか?トガちゃん。』
『へ?』
2人が耳を近づけてみるとボソボソと何かを呟いていた。
『『 !? 』』
たまたま2人が知ってしまったそれは、死柄木ですら知りえない重大な事実だった。
そして現在!!!
地下迷宮に侵入したヒーローチームを入中に
『物凄かったです…。響香ちゃんでしたっけ?林間合宿で見た時よりも格段に強くなってましたね。』
『あの男もそうだぜトガちゃん。元々、かなり強かったけど、強さに磨きがかかったうえにセブンセンシズ?なんてかっこいい技名叫んでよ!全然かっこよくねぇけどな!』
『そっか、仁くんと荼毘くんは林間合宿で彼にボコられてるもんね。』
『ボコられてねぇよ!つか、勝ってるし!』
そんな2人の会話を繰り広げていた2人に対して、脳無は目の前にいた破竜とレイの姿を捉えると…
『……!!!!』
2人を置いて勝手に飛び出してしまった。
『えっ!?ちょ、ちょっと!!』
『勝手に飛び出すなよ!いいね!面白ぇぞ!』
『面白くないです!』
『てか、どうすんだトガちゃん!アイツいきなり飛び出して何するつもりだ!?』
2人がその場で立ちすくんでいる間に脳無はミクバの頭をその巨大な拳でグシャリと叩き潰してしまった。
『ア、アイツ…人、殺してねぇ!?』
『みたいですね…。案外、容赦ないんですね。嫌いじゃないですそういうのは…。でも、どうしましょう。さすがに脳無くんだけほっといて逃げるわけにはいきませんし…』
ミクバの頭を砕いた脳無と破竜達から視線を逸らしたトガヒミコはその奥で敵達と戦闘を繰り広げていた麗日達を見て、ある考えを思いつく。
ここで
『仁くん。複製で圧迫くん作って!それと少し脳無くんのこと見ててね!』
『お、おい!トガちゃん!?』
『しばらくしたら引き上げさせてねー!』
『あぁーもう!無茶苦茶だ!!どうなっても知らねぇぞ!!!』
自身を呼び止めるトゥワイスを放っておき、麗日達のもとへ向かうトガヒミコ。その途中、チラリと破竜に視線を移す。
『恐らくですが、あの脳無くん…。少し癪ですけど、ロードにも聞かなきゃいけない事ができたかもしれませんね。』
破竜side
『行くぜ…脳無!!!!』
地面を蹴り飛ばし、全力で握り込んだ拳を振るう。
『!』
その拳はさらりと避けられてしまうが、すぐさま方向転換し、高速の連撃が脳無に襲いかかる。
だが、その連撃は一度も脳無にヒットせず、空を切るだけだった。
『(ちっ…相変わらずデタラメな野郎だ…。こんだけやってるのに完璧な一撃どころか一撃加えることもできないなんてな。だが、俺だってあの時から、ずっとその場で足踏みしてるわけじゃないんだぜ!)』
純粋な身体能力による戦い方じゃ埒が明かないと判断した破竜はその場からバックステップして竜変身を解除するとすぐさま木刀に持ち替えて、戦闘スタイルを切り替える!
『武器属性付与…ジーン フレイム!!!』
ゴォォォォ!と燃え上がる木刀を脳無に向かって振るうと、火炎流が空を駆け抜ける!
『火炎撃ィ!!!!!』
『!!』
その炎をクロスガードで受け止め、掻き消した脳無だが…その先には既に破竜はいなかった。
『隙だらけだぜ?』
『!?』
パワーで身体能力を高めつつ、足払いをかけて体制を崩した脳無の背中を蹴り上げて遥か上空に吹き飛ばす!
『そこなら…地上に影響はねぇよな。』
サンダージーンの力を全力で引き出し、飛ばされた脳無に照準を合わせると空にピカッと稲光が鳴り響く!!!
『轟け稲妻…バルハラー!!!』
その瞬間、上空にいた脳無の体を極大の稲妻が直撃する!プスプスと体が焦げた脳無はそのまま地上に落下し、体を打ち付けられてピクリとも動かなかった。
『ふぅ、武器属性付与とジーン力放出の連携コンボってところだ。だけど…脳無がこの程度でやられるわけねぇか。』
そう呟いたのと同時に脳無はゆらゆらと立ち上がって超再生で焦げた体と傷を治していく。だが、それと同時に破竜はある違和感を感じ取っていた。それはこれだけ自分が攻撃しているにも関わらず…脳無からの反撃は一切ない事だ。それどころか初めに感じた敵意すら気づけば感じられなくなっていた。
まさか…あの敵意は俺達じゃない?ミクバやバリオ達に向けていたとでも?何の為に…コイツらは一応、協力関係なんじゃ…
『!!!』
脳無が超回復の個性で傷を完治させると同時に破竜に急接近する!20倍まで力を高めて木刀を構えるが、パシッ!!と木刀を弾き飛ばすと
『!!』
『うぁっ!!』
ガシッと顔を押さえつけられながら地面に叩きつける!抑えつける力が強く、地面がミシミシと音を立てていく。
『くっそ…離せぇぇ!!!!』
左手からフレイムジーンの力で炎を。右手からサンダージーンの力で稲妻を引き出して引き剥がしにかかるが、その手の勢いは止まらず、両手両足すら完全に押さえつけられてしまう。
すると、脳無は少しずつ破竜に顔を近づけていく。その顔は脳無の割にどちらかと言えば人間の風貌に近いうえ、脳無の特徴ともいうべき脳すら外側に露出していない。
『ちけぇんだよ…クソ野郎が。とっととそこを退け…?』
『…オ、オ…マ…エハ、ヤ、ヤハリ……ソウカ…』
『んなっ!?』
コイツ喋れたのか!?た、確か…USJの時に戦った奴も保須の時に戦った奴も言葉は話せなかったはず!って事はコイツは今まで違う特別製の可能性がある!!そういや…ロードの野郎、神野の時、自分の作品とか抜かしてやがった。つまり…ここにコイツがいるのはアイツの差金ってことか!
『ヨ、ヨウヤク……コ、ノトキ……ガ……キ…タ。』
『なんなんだ……なんなんだテメェは!!』
『ズ……ット、ミテ……イタ、カ…ラ。』
『 マナト 』
同時刻
『んぁ?なぜ…あの脳無を出向組にくっつけただと?いちいちくだらない事気にするなよ死柄木。』
ニヤニヤしながら質問をサラリと躱そうとしたロードに死柄木はさらに追及する。
『黙れ。いいから質問に答えろ。』
『ふぅ、お前の想定通りさ。あの雑魚ヤクザはお前の駒を懐柔して自身の手駒にしたかった。さすがに手荒い真似はしないと思っているが、万が一を期して同行させた。それがどうかしたのか?』
話を聞く限りは普通の回答。むしろ、仲間の身の安全まで考え、相手に突きつけた一手だが、死柄木はどうにも腑に落ちなかった。
天上天下唯我独尊を地でいくあのロードが
『あり得ないんだよ。お前が何の目的もなく自分の手駒を貸し出すとは思えない。』
『くくくくく…いいね、いいねぇ。そうやって俺の言葉の裏を読もうとする所…ほんっとオールフォーワンそっくりだ。いいぜ、教えてやる前に…死柄木、脳無って何が元になってるかは知ってるよな?』
『バカにするな、死体だろうが。』
『そう。オールフォーワンと柄木のクソジジイが共同で開発した結果、生まれたのが脳無。なら、その特性は?』
普段とは打って変わって冷静に授業をするように進めるロードに違和感を持ちながらも死柄木は脳内で考える。その特性は異常な身体能力に超回復による化け物並みのタフさがベース。そして、自発的に行動することはなく、殆どが他人からの命令に従って動くことが多い。しかも、一切の感情や言語を放つこともない為、まるでロボットを思わせるような印象を持っていた。後に先生から教えられたその正体、DNAの混成や薬物などによる改造を施した人間に、"オール・フォー・ワン"本人の個性を用い、無理矢理に複数の個性を与えることで死体をベースに人工的に作り出した「改人」である事を。
『まぁ、概ね正解だ。しっかりと勉強してるようで何よりだぜ。それで、お前の質問に答えてやる。さっきも言ったとおり、
『待て。なんでヒーローを狙わせない?トガ達の報告によれば、そこにはお前の目的の破竜真人がいるはずだ。』
『ククク、わかってねぇなぁ…。破竜真人は俺の獲物だ。例え、テメェが殺したいと願ってやっても譲らねぇ。アイツだけはこの俺が必ずこの世から消し去ってやる。だが、あの脳無と破竜真人の殺し合いか…。それはそれで面白そうだ。運命なんてもんを信じたことはないが、現実は随分と残酷なもんだ。』
そう言ってロードはポツリと呟いた。
『
『その呼び方…ま、まさか……』
その時、破竜の脳裏に思い出したくもない昔の事がよぎった。俺の事を唯一、名前で呼ぶ人物。違う!違う!!と頭は現実を拒否するが、前に塚内さんが教えてくれた事が自分の脳に警鐘を鳴らす。
脳無は死体をベースにしている事。そして使える個性はAFOが奪ってストックしているものに限る事。ただし、死亡した人間が所持していた個性については脳無化した時に与えることはできない事を。
つまり…脳無化された時の個性は
動物の能力を身に宿す個性…まるで俺の竜変身に近いもの。それに何もない所から何でも召喚させる個性。言い方を変えれば…無から何かを具現化させる個性。
そんな個性…俺が知る中でたった一つしかない。
『お前は……クソ両親だとでも言うのか……?』
震える声で問いかけた俺の質問に脳無?は
ニヤリと笑う。
それはもう、答えを言っているようなものだった。
あとがきです。
運命って本当に残酷ですよね ← 他人事。
結構前から思ってたんですけど、RPGとかでもよく敵を倒したりする時、たまに人間同士で争った結果、命を奪うケースがありますよね。個人的にあそこには戦いの虚しさが詰まってる気がしてるんですよ。
戦いだからそれはしょうがない事…として捉えられても人を"殺した"と言う事実と重さは自分の手に残り続ける。周りからはそれが正義だと崇められても当人が納得しない限り、それはずっと残り続ける。
ゲーム世界の主人公や仲間達はその重さを平和な世界でずっと抱えたまま生きられるのかなって思う。普通はPTSDとかになりそうで同情する。
破竜くんもある意味では似たような状況に直面してる。
ヒーローとして…近い将来、そうなった時、
彼はどんな道を選ぶのかなぁ。
この作品が面白かったらお気に入り登録や感想、
評価も宜しくお願いします!
ではでは、次話もお楽しみに!
次回予告
『…らしくないね。前に見た時はもっと冷静な感じだったのに。何か嫌なことでもあった?』
『み、緑谷はこのままだと…死ぬ。』
『目の前の小さな女の子1人救えないでヒーローになれるかよぉぉ!!!』
『そのクソッタレな未来を…俺が変えてみせる!!』
次回!
半人半竜のヒーローアカデミア
『最悪の未来をぶち壊せッ!死穢八斎會決着!!』
『友達を失いたくない…だからッ!ありったけの力を俺に貸せぇぇぇ!!!!』
更に向こうへ!Plus ultra!!!