半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

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はじめに


皆様、いつも本作品をお読み頂き、誠にありがとうございます!
たくさんのお気に入り登録や感想も嬉しいです!


何とか書き上げることが出来ました。


インターン編長すぎやろ!と思う人も多いかと思いますが、書きたい事が多すぎるのも困りものですね。


もっとほのぼのした話をしたいけど、今の自分にそれを書く文才がないのが悔やまれる。


それでは本編をお楽しみ下さい!





『最悪の未来をぶち壊せッ!死穢八斎會決着!!』

 

 

『そ、そんな…バカな。お、お前は…』

 

『…………』

 

破竜の名前を呼んだっきり話さなくなった脳無?を呆然とした表情で見続ける。周りから整った顔つきであると評される破竜の顔は憎悪、驚愕、色々な感情が混ざりあったものになっており、耳郎あたりが一目見ればその表情の異常さが伝わるほどだ。

 

『くっ…だったらなんだ…。この死穢八斎會を潰さなきゃまた犠牲者が出る。その邪魔をするなら…』

 

例え、親だろうとなんだろうとぶっ殺して…!!そう呟きかけた破竜の後方からドォォォォォォォォォン!!!と言う音が響き渡る!

 

視線を移すと、リューキュウさん達が個性ブースト薬によって強化された活瓶力也を地中に叩き落としていた。その近くには見た覚えのある顔が2人ほどいた。

 

『あ、気づかれちゃいました!』

『マジか!こっちに来てみろや!いや、来るんじゃねぇ!』

『テメェらは確か…トガヒミコにトゥワイス!やっぱりコイツらと協力してやがったな!拘束する!!!』

 

2人は戦闘型じゃない…隙をつければ拘束できる!

 

そう結論付け、拘束しようと動き出した破竜の横を黒い影が通り過ぎると拳を破竜に向けて振り翳した!

 

『がっ…!!!』

 

『……………!!』

『マジで助かったぜ!!』

『ありがとう脳無くん!仁くん、もう撤退しよう。ここにいたらお茶子ちゃん達や出久くんの戦いに巻き込まれちゃう。破竜くん、悪いけど私達はここで帰るよ。お茶子ちゃん達に宜しくね!』

 

『ふっざけんな!!ここまで来て逃すわけねぇだろうが!!!』

 

破竜の絶叫に対してトガヒミコは努めて冷静な表情で返す。

 

『…らしくないね。前に見た時はもっと冷静な感じだったのに。()()()()()()()()()()()()

 

『っ、うるせぇ!!』

 

『まぁいいや。それに私達に構ってばっかりでいいの?このままだとお茶子ちゃん達だけじゃなくて、君の大好きなリューキュウも、ナイトアイも…出久くんも死んじゃうよ。あれ、見てみたら?』

 

その視線の先を追うと、地上に飛び出し空中に投げ出されたボロボロの緑谷と背負われている小さな少女、そして…麗日に支えられながら土手っ腹を貫かれたサーナイトアイの姿があった。

 

『ナ、ナイトアイ!? く、くそっ…!』

 

こんな状況じゃ、トガヒミコやトゥワイスどころじゃない!脳無の事も気になるが、そんなことにこだわってたら……ここで全員死ぬ。そう判断した破竜は3人に背を向ける。

 

『あれ?捕まえないの?』

 

『今回だけだ。次は必ずとっ捕まえてやる。』

 

『ふーん、捨て台詞だけは立派だね。』

『お、おいトガちゃん…!!』

 

『…今すぐとっ捕まえてやろうか。』

 

『安心して仁くん。優しい優しい破竜くんが私達を捕まえる為にみんなを見捨てるなんて選択肢が取れるわけがない。脅しは何の意味もないよ。』

 

『(…見破られてたかよ。バカそうな顔してる割には頭の回る奴だな。)』

 

『なんか失礼なこと思ってない?』

 

『別に…。今だけは見逃してやるからさっさと行け。』

 

『そうさせてもらうよ。バイバイ。』

『次は絶対ェにぶちのめしてやるからな!』

『……………』

 

『こっちのセリフだ、次は捕まえるからな。』

 

破竜渾身の脅しをサラリと受け流したトガヒミコとトゥワイスを抱えた脳無は背中に翼を生やしたかと思えば、すぐさまその場から消えていってしまった。

 

あの脳無…俺の質問にニヤっと笑っただけだった。それが答えなのかどうかはわかんねぇ。気になるが…今はこっちが先決だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トガヒミコ、トゥワイス、脳無を苦渋の決断で見逃した破竜は地面に倒れ伏している緑谷の元に駆け寄る!

 

『緑谷!!』

 

『は、破竜く…んッ…!!ダメだ…今、こっちに来たら治崎が!!』

 

『破竜だと…』

 

そこに現れた治崎は活瓶力也、そして資料で見た鉄砲玉『八斎衆』の1人の特徴を併せ持った異形の姿に変貌していた。コイツの個性はオーバーホール。確か対象の分解と再構築が可能な個性だったよな…。まさか、他人と自分を分解して再構築したのか!?

 

『お前がミクバ達の言っていた奴か。ミクバ、バリオ、サントはどうした。』

 

『ふんっ、この状況見てわかんねぇのか? アイツらもうとっくに倒したよ。次はアンタだ。敵連合は……逃しちまったが、アンタさえ倒せばその女の子を助けられる。悪いが…倒させてもらうぞ!!!』

 

『生意気な口を聞くな。ガキ風情が!!!』

 

ウォリアに竜変身した破竜は治崎に突撃する。

 

『喰らえ……オーラスマッシュ!!!!!』

 

パワーを全開にして、巨大な体に必殺の一撃を叩き込むが、治崎の体は少し後退するだけに留まった。

 

『なっ…き、きいてねぇ…』

 

今の俺の全力の一撃だぞ!?

 

『邪魔をするなぁァァ!!!!!!!!!』

 

治崎は尖らせた腕をドリルのように回転させ破竜を貫こうと腕を伸ばす!

 

 

 

 

ギィィィィィン!!!

 

 

 

 

『破竜くん!!!』

 

『がぁっ…!!』

 

その勢いは止まらず、周辺の民家を巻き込んでどんどん破竜を後退させていく。そのせいで戦えない一般人がこの激化する戦闘に巻き込まれてしまっていた。

 

『い、いやぁ!なにこれ!!』

『ヒ、ヒーロー!!!ケイサツ!!!』

『死にたくねぇよ!!』

 

『みなさん、俺の後ろに!絶対にコイツをみんなの元にはいかせねぇ!!』

 

一般人を巻き込まない為に自身の後ろに避難してくれ!と発した破竜の顔を見てその場にいた何人かが声を上げる。

 

『お、おい…コイツ…確か、雄英の謝罪会見で…』

『個性暴走の…元犯罪者…』

 

そんな声が戦う破竜の周りを取り囲む。普通のヒーローなら守るべき相手からそのような言葉を投げられれば、守る気持ちも削がれるが、あいにく目の前にいるのは普通のヒーローじゃない。

 

『……治崎!テメェの相手は俺だ!()()()()()()!それとも…緑谷と通形先輩に殴られすぎて、戦うのも怖ェか!?ボロボロの学生ヒーロー相手にそれじゃあ、お前はもう何も手に入れることはできねェ!!』

 

お前の相手は俺だと…周りを巻き込まない為に、あえて治崎の神経を逆撫でするような事を叫ぶ。

破竜お得意のトラッシュトーク。

 

 

 

 

その効果は絶大だった。

 

 

 

 

『貴様のようなガキに俺の何がわかる!!八斎會の復権!その為に費やしてきた労力に時間!そして最後のピースである壊理!ようやく動き出した時を大局を見る事もできない個性に囚われた病人風情が邪魔するなァァァァ!!!!』

 

回転する腕が更に勢いを増す!更に鋭くなった腕を抑えつける破竜の手から血が流れ始める。

そのあまりの威力は破竜のウォリアが対応できる許容範囲をとうに越していた。

 

『(っ、全力を振り絞れ…!!!そうしねぇと…俺だけじゃない!!関係のない一般人にまで怪我させちまう!!それだけは絶対に阻止しないと!!!)』

 

全力で治崎を押さえ込もうとする破竜の必死な姿。そこには会見で報じられた…個性を暴走させて島を焼き尽くした元犯罪者の姿ではなく、市民を意地でも守り抜こうとするヒーローの姿に今までの活動の中で彼自身も経験したことのない声援が聞こえた。

 

『負けないで!…竜のヒーローさん!』

『頼むっ、頑張ってくれ!!!』

『まもってくれぇぇ!!!!!』

 

『っ…へへっ、絶対に守ってみせるさ!!!』

 

応援を背に何とか踏ん張る破竜。だが、治崎の巨大化した腕はどんどん威力を増していく。さらに破竜を押し込もうとしたその瞬間、とてつもないほどの轟音が響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前にいたはずの治崎がいなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『え、、…な、なにが?』

 

その次の瞬間、上空から更に轟音が聞こえ始める。視線を空に向けた破竜はとんでもない光景を目にする。

 

『み、緑谷……お前、なん…だよ、それ……』

 

先程まで自分を貫こうとしていた巨大な治崎の体ごと上空に弾き飛ばしていた。アイツ…地上じゃ周辺に被害が出るって判断してすぐに誰の被害もない上空に弾き飛ばしやがった。だけど、あの重さは尋常じゃねぇ。それは戦っていた俺が一番よくわかってる…! まさか、キック一発で弾き飛ばしたってのか!? そんなの…まるでオールマイト級のパワーだぞ!!?

 

『破竜!!!』『リュウ!!』

 

そこにバリオとサントを警察達に預けた耳郎とレイが現れると、腕と手から尋常じゃないほどの血が流れている破竜を見て顔が青ざめる。

 

『腕から血流れてるじゃん!早く止血を…』

 

『耳郎、俺はいい!すぐに一般人の誘導と避難を頼む!レイ兄さんも耳郎と一緒にお願いします!緑谷が空にぶっ飛ばしたとはいえ、まだこのあたりは危ない!』

 

『あ、あぁ!!』

『アンタも絶対に無理しないでよ!!』

 

『……そいつは約束できねぇかもな。』

 

すぐさま指示を飛ばした破竜に2人が迅速に動き出すと、入れ違いでサーナイトアイを支えた麗日が現れた。

 

『破竜くん…その腕…』

『麗日、俺はどうでもいい。それよりも…』

 

ナイトアイだ。誰がどう見てもわかるほどの重傷…巨大なトゲが腹を貫いてる。無理やり抜けば痛みと出血ですぐにあの世行き。かと言ってほっといたら……

 

『き、君は…リュウ……だな。』

 

『喋らないでください…傷に触り、ます…。』

 

『いいから…聞いてくれ。み、緑谷はこのままだと…死ぬ。』

 

『その言い方…まさか、未来を見たんですか?』

 

その言葉にナイトアイは頷きを返す。あんだけ押してる緑谷が治崎に負ける未来だと?そんなの…。そう思っていた破竜だが、ナイトアイが伝えた未来は想像の斜め上をいくものだった。

 

『いや…正確には……緑谷は、消滅する。緑谷は治崎に勝つが…あの少女の個性で…跡形もなく…消滅してしま…う。未来は…もう変えられない。』

 

『そ、そんな…デクくん、お願い!!もう、それ以上個性を使わないでェ!!!!

 

絶望の表情を浮かべ、絶叫する麗日。

 

 

『嫌だ!!僕が引いたらみんな殺される!そんなの僕は絶対に嫌だ!!!それに…目の前の小さな女の子1人救えないでヒーローになれるかよぉぉ!!!』

 

 

その一言と同時に放たれた拳が治崎にダメージを与えるたび、緑谷の顔がほんの一瞬だけ苦痛に歪んだ…。かと思えばすぐさま、先ほどと同程度の威力の攻撃を何度も何度も繰り出していく。

 

『緑谷……』

 

そうか…恐らくだがあの子の個性は肉体を巻き戻す…的なものだ。どれくらいまでの巻き戻しになるのかは知らないが、それを上回るほどの速さで自壊して巻き戻しのエネルギー量に逆らってるんだ…。

 

けれど…

 

その間、痛みがないわけじゃねぇだろ…。常時発動してるとはいえ、巻き戻しのタイミングと自壊するタイミングが完璧にシンクロするわけじゃない。つまり、そのタイムラグの間は前までみたいに指が腫れ上がったり、骨折するほどの痛みだけが何度も何度も絶え間なく襲ってくるはずなんだ。

 

『破竜くん!お願い、デクくんを止めて!このままじゃ、デクくん消えちゃうよ!!!』

 

『よ、すんだ…ウラビティ。もう、未来は…変えられ…ない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

『……違う!!!』

 

 

 

 

 

 

 

だが、その隣にいる緑谷並に諦めの悪い男は

その未来を強い言葉で否定する。

 

『そんな未来……認めるもんか!!』

 

『え…?』

 

『未来は…変えられないだと!?ここで死ぬのがアイツの運命だと!?ふざけんな…っ、誰よりもあの女の子を助け出そうと必死なアイツがそんな結末を迎えるなんて俺は絶対に許さない!』

 

『破竜くん…』

 

『麗日諦めんじゃねぇ!緑谷をみろ!アイツはその運命に今、全力で抗ってる!それに…未来がもう決まってるだと!?そんなわけねぇ!未来は…未来は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の手で掴み取るもんだろうが!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイトアイ!アンタが見た

そのクソッタレな未来を…俺が変えてみせる!!(未来を…捻じ曲げる!!)

 

 

 

 

 

 

 

サーナイトアイはそう断言した破竜の姿が緑谷とそして、彼がこれまで生きてきた人生の中でもっとも敬愛するヒーロー(オールマイト)と重なった。

 

『(そうか…緑谷だけじゃない……。君もまた、未来を……変えられる男なのかもしれない。)』

 

そんな目で破竜を見つめるサーナイトアイに対し、当の本人は頭をフル回転して、訪れる最悪の未来を回避する方法を模索する。

 

啖呵きったは良いもののどうする…!!

俺は相澤先生みたいに個性を抹消する力なんかない!

あの女の子を気絶させる?いや、ダメだ!下手に刺激したら巻き戻しのエネルギーが今よりも強くなって緑谷が即消滅する可能性がある!

 

どうする…!どうする……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『力を貸してやろうか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ、この声は…』

 

エコーがかかったような特徴的なこの声は

神野の時の…アイツか!?

 

『破竜くん?誰と話して…るの?』

 

唐突に独り言を発する破竜に麗日は動揺し、サーナイトアイも視線を向けた。

 

『力を貸すだと…ふざけるなっ!もう2度と…俺は暴走したあの力をッ!カイザードラゴンの力を使うつもりはない!!』

 

『そうか?だが、今のお前に何ができる?あの治崎とかいう男にも…緑谷にも力負けしているお前が、この状況で取れる手段はない。その上、あの女の子の個性による巻き戻し…あのエネルギー量は半端じゃない。今のお前程度が触れれば、即消滅する。』

 

冷静に…淡々と…事実を伝える、名も知らぬジーン。悔しいがコイツの言うことは…正しい。だからと言ってあの力をもう一度解放してしまったら、今の俺に…止められる自信はない。

 

悩む俺にそいつはハッと笑うと

 

『わかった。今のお前に俺を扱える力はない。なら、そこで指を咥えてみていると良いさ。お前の大好きなお友達が消滅する姿を。』

 

『っ!』

 

 

『あああああああああ!!!!!!』

 

 

そういったのと合わせて、緑谷全力の連打…いや、USJのオールマイトに匹敵するほどの威力の乱打が治崎の肉体を砕いて地面に叩き落とした!!!

 

『す、すげぇ…』

 

俺のウォリアどころじゃない…ッ!今のパワーはもしかしたら…あのカイザードラゴンすら凌駕してる!!!

 

『リュウ…』

 

『ナ、ナイトアイ!喋らない…』

 

『頼む…緑谷を……緑谷を……』

 

敬愛するオールマイトの元相棒(サイドキック)からの頼み。

ヒーローになりたての学生に向けられたその言葉を

俺は一生忘れることはできないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       『助けてやってくれ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのナイトアイが…

未来を見て絶望していたはずのナイトアイが…

俺を頼ってくれた…。

 

『できる…か?』

 

『……出来るか出来ないかじゃない。ヒーローなら…アイツの友達なら…全力で…助けてやる!!!!』

 

そういって緑谷の元まで走り去った破竜を見つめる。

 

『リュウ…君なら…助けられる…。』

 

『ナイトアイ…』

 

『だって…ゴホッ…、君は…あの、諦めの悪いメタライズと…お人好しのフォーマーの息子さんなんだから…。』

 

 

 

 

 

 

 

 

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『緑谷ァ!!!』

 

『は、破竜くん、来ないで!!!、ここに来たら君まで…うっ、うわァァァァァァァ!!!!』

 

緑谷の体から放たれていた圧以上の…得体の知れない巨大なエネルギーの何かが、緑谷の体を消滅させようとしていた!!

 

『やだ…っ、お願い!!止まって…!!!この人が…死んじゃう!!!止まってぇぇぇぇ!!!!』

 

『緑谷…ッ、お前は…俺が助ける!!!』

 

そう言ってウォリアに竜変身した破竜は緑谷に近づくと、一切の迷いなく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その手を握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『うぐぁぁぁぁぁ!!!!!!!』

 

 

『何をッ!?』

 

『や、やめて…竜のお兄さん!!!』

 

ゴォォォォォォォと体の内側からパワーを根こそぎ引っ張り上げるような異常な感覚が体を支配する!!!

 

『うぐ…ぁっ、なん…くそッ…!!』

 

『ダメだ破竜くん!!僕のワンフォ…僕の個性を全開にしてもこの力は抑えきれない!!このままじゃ僕よりも先に…君が消えちゃう!!!』

 

『うるせぇ…ッ!!!俺がやらないとお前が消えちまうだろうが!!!そこで黙って指を咥えて、みてるわけにはいかない!!!俺はお前のお母さんと約束したんだからッ!!!!!!!』

 

その時、緑谷の脳裏に思い浮かんだのは、オールマイトと破竜の2人が自宅に家庭訪問に来てくれた時…

 

 

 

 

 

 

『緑谷一人が傷つくような事だけは絶対にさせない。』

 

 

 

 

 

 

そう言って、自分が雄英にいられるようにオールマイトと一緒に説得してくれた事を。

 

『で、でもっ…破竜くん!!!』

 

緑谷に対する巻き戻しのエネルギーが少しずつ緩和していく。だが、それは今まで1人で背負っていた100%の巻き戻しの力を破竜が同じように担っていると言う事。つまり、緑谷に内包する巨大な力を持ってしても引っ張られていたエネルギーを現状、緑谷以下の力しかない破竜が同じように受け持っている。

 

そうすれば、弱い方の消滅は時間の問題だった。

 

くそっ…ウォリアの力だけじゃ…

このエネルギーを抑えきれない!!

俺が…消滅しちまう…!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ッ、やっぱり…ダメだよ、、破竜くん。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言って緑谷は破竜の手を振り払う!そうする事で、先ほどまで半分ずつ受けもっていたエネルギーは緑谷に行ってしまう!

 

『おい、バカ野郎!!なにやって…っ!!』

 

『やっぱり嫌だよ…君を犠牲にするやり方。

大丈夫…僕は大丈夫だから…!!』

 

『(何やってんだよ俺は…!!威勢良く出てきた癖に壊理ちゃんの個性の力に耐えきれなくて…結局は緑谷に頼りっぱなしだ!情けねぇ…!!俺にもっと力があれば…友達を助けてやれるのに…!!!本当に情けねぇ!!!!!!)』

 

苦悶の表情で巻き戻しのエネルギーに耐える緑谷を

見て破竜の中にある感情が湧き上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友達を助けることもできない己の弱さへの…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"強い怒り"が!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『(ジーン達よ…聞こえているか…今だけでいい…力を貸してくれ。)』

 

己の内側に存在し、個性を司るジーン達に

破竜は珍しく縋っていた。

 

『(友達を…助けたいんだ……!!!)』

 

 

 

 

 

ドクン…

 

 

 

 

『(お前らが持っている力を俺に貸してくれ…っ!)』

 

 

 

 

 

ドクン…ドクン……

 

 

 

 

 

『(頼む……ッ!!!!!)』

 

 

 

 

 

ドクン…ドクン……ドクン……!!

 

 

 

 

 

破竜の強い想いに個性(竜変身)が呼応していく!!

 

 

 

 

 

 

『友達を失いたくない…だからッ!ありったけの力を俺に貸せぇぇぇ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

その想いにパワーとトランスが応えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『癪だが…主の為ならお前とも組んでやる!』

 

『それでいい。この竜変身…使いこなしてみろ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『パワー・トランス 竜変身……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       

—— ウォリアセカンド ——

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぐっ……うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場に破竜の咆哮が響き渡る!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、麗日とサーナイトアイ、壊理、緑谷…いや、その近場にいた全員は目を疑う様な光景を見た。

 

 

 

バチ…ッ…バチッ…バチバチ……ッ!!

 

 

 

黒い渦が晴れた先にいたのはウォリアになった破竜。

だが、雰囲気や様相がいつもとは全く違った。

 

その溢れるほどのパワーを象徴するように体はバチバチと青白い稲妻を纏い、ほんの少しの間、竜変身した自分の手を見つめていた。

 

『…………』

 

すげえパワーだ…今までのウォリアとは全然違う。

俺の想いに竜変身が応えてくれたのか?

 

いや…それよりも今は緑谷を!

 

無言のまま、緑谷の手を握った破竜は彼に襲いかかっていたエネルギーを同じように自分に流し込む!

 

『うぐっ…』

 

『ぁ…少し楽に……破竜くん…君が…』

 

『黙ってろ緑谷、集中力が切れる。テメェも集中を切らすな、あっという間に持ってかれるぞ。』

 

『う、うん…』

 

なんだろう…この破竜くん。いつものウォリアのはずなのに…なんか凄く怖い。まるで、かっちゃんみたいだ…。

 

『(…くっ、すげえ力だ…。何とか保ててるが…そんな長時間もたねぇぞ…)』

 

『緑谷ちゃん!破竜ちゃん!!』

 

『蛙吹さん!?』

 

跳躍して現れた梅雨ちゃんは相澤先生を背負っていた。ナイス…タイミングだ!!

 

『梅雨ちゃん…頼む。抑えとくのが限界だ…!!』

 

『えぇ!!』

 

『(2人ともよく耐えた…俺がお前らを見る!!)』

 

 

 

ギンッ!!!!

 

 

 

個性:抹消を発動した相澤先生のおかげで壊理ちゃんの個性、緑谷の個性、破竜の個性全てが解除され、全員その場に倒れ込んでしまう。

 

『ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…』

 

『ぜぇっ…ぜぇっ…ぜえっ…ぜえっ…』

 

『被害者がいないか確認を!救急車をありったけ呼んで!それとレイにイヤホンジャック、ねじれちゃん!あなた達はまだ動ける!?』

 

『あぁ!』『はい!』『うん!』

 

『周辺の捜索と警戒、怪我人の救助をお願い!』

 

『リューキュウさん、俺も…』

 

『あなたはまだ休んでいなさい!』

 

立ちあがろうとした破竜の頭をガシッと押さえつけて、リューキュウ達は素早くその場の鎮圧に動き出した。

 

すると、ナイトアイの元まで走って容態を確認する緑谷の姿が見えた。とは言っても、すぐに病院に連れて行かなければ命に関わる為、ほんの少ししか話せていないようだが…。

 

『ナイトアイ…ッ!!』

 

『緑谷…すまないが…リュウも一緒に呼んでくれ…』

 

『え、あ、はい!!』

 

緑谷に肩を貸されて、その場に連れてこられた破竜はナイトアイの目の前に立つ。その姿があまりにも痛々しいのが災いしてか、頭の中には悪い考えしか浮かばなかった。

 

『(私が見た未来とは違う2つの未来…。緑谷が治崎に敗れ、全員が全滅する未来…そして、緑谷が少女の個性で消滅する未来…どういった理屈かはわからないが、2人は私の"願い"を現実に起こして見せた。)』

 

『緑谷、お前は……未来を、捻じ曲げた。』

 

『ナ、ナイトアイ!ぼ、僕言いそびれてて!オールマイトは…ッ!』

 

そう言いかけた緑谷の言葉を聞かないように俺はあえて手を耳に当てる。それは…今の俺が聞いてはいけない事だろう。

 

『それに…リ、リュウ……』

 

『はい…』

 

『あのとき、君が言った…通り、だったのかもしれない。未来は…自分の手で掴み取るもの…だったな。

君はその強い想いで、私が見たクソッタレな未来を…

変えてみせたんだな。』

 

『そうです…。だから、ナイトアイも自分の未来を掴んでください!そうしないと…悲しむ人がいる!!』

 

『そう…か。ふっ、、ありがとう…』

 

時間ですと急いで病院に!という救急隊員の指示を受け、俺と緑谷は搬送されていくナイトアイを見送った。

 

そんな俺達の前にリューキュウさんが歩いてきた。

 

『緑谷くん、リュウ。あなた達も含めて怪我人も多いし、決して手放しで喜べる状況ではないわ。それでも…ありがとう。』

 

『うっす。』

 

『…………』

 

俺はそう答えたが、緑谷だけは何か解決しないモヤモヤをずっと抱えていたような表情をしていた。

 

『ん? 緑谷…どうした?』

 

『ううん、なんでも…ないよ。』

 

『……そっか。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど、その時の俺は知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、緑谷があんなことするなんてわかっていたら、この時にもっとアイツに寄り添ったことが言えてたんじゃないかって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は……ずっと、ずっと後悔する事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





あとがきです。



ようやく決着した死穢八斎會編!


破竜くんは壊理ちゃんと緑谷を助ける事もできない弱い自分に対する強い怒りで本来のトランスの力を引き出しました。

トランスからすれば、

『他者への怒りよりも自分に対する怒りで本来の力を引き出すのは想定外』って内心では思ってますが…まぁ、これが自分の主かってなんだかんだ受け止めてますね。

ちなみにパワーとトランスの仲が悪いのは単純に性格の不一致。トランスもパワーも『2人っきりで絶対に話したくない』と言うくらいには仲が悪い。ただ、ジーン同士の相性はかなりいいので、本人達としては非常に複雑。




思えば、どんだけ前からこのインターン編書いてたんだよ…レベルの引き伸ばしですよね。ほぼ一年くらい書いてるのに終わってない。

昔のドラゴンボールZの引き伸ばしを思い出す。
※気を溜めたりするので10分平気でとるみたいな…

↑今やったら超怒られるやつ









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ではでは、次話もお楽しみに!









次回予告






『次は俺たちだ』


『君も抗ってくれ!私にこれまでの償いをさせてくれ…』


『死んじゃダメだって!!!』






























『大丈夫。お前は誰よりも立派なヒーローになってる。』


























次回!
半人半竜のヒーローアカデミア



















『元気とユーモアのない社会に明るい未来はやって来ない』

































『………くそったれが。』






















更に向こうへ!Plus ultra!!!
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