半人半竜のヒーローアカデミア   作:十希

7 / 69


はじめに



何とか翌日に間に合いました……
これを書き終えたのは深夜の2時半
そしてその日の9時から仕事です。

かなり頑張ったのでぜひ楽しんでください!



お気に入り登録していただいた下記の方

鶴田和彦 うにうー act110 epion‐mk‐5 ハブラシ 4o1 

本当にありがとうございます!



さて、初授業を受ける彼はどんな風に思っているのか?そして初戦闘訓練で彼の意外な性格が出てくるかも!?

それでは本編をどうぞ!



『始まる戦闘訓練!緑谷VS爆豪』

 

個性把握テストの次の日。今日はどんな授業を行うんだろうなぁ…とワクワクドキドキした俺を待ち受けていたのは

 

コツコツコツコツ…

 

「よし、じゃあ破竜!次の英文を日本語に訳してみな。」

 

Q.There are some limitation to what students can wear to school. For example, clothing with distracting pictures could prevent students from studying, which is why students are here.

 

『あぁ…はい。えっとぉ………

 

例えば、気を散らす写真が付いている服は、生徒の勉強を妨げることになりうる。そもそも勉強のために生徒は学校にいるのだ。

 

ですかね?』

 

『OK!正解だぜ破竜!エヴィバディヘンズアップ盛り上がってけー!!』

 

……ふぅ、いきなり来たからびっくりした。というか、普通の授業…別に悪いってわけではないけど。

 

一時間目はプレゼント・マイク先生のやたらとテンションが高い英語の授業だった。偏差値が高いから問題自体は難しいんだが、なぜ正解する度に全員を煽っていくのか…そういうものだと理解するしかないのか…

 

 

4時間目までこんな調子で授業を受け続け、待ちに待った昼食の時間に。ここの大食堂はクックヒーロー『ランチラッシュ』が比較的安価で提供していることもあってかなり人気だ。

 

 

ちなみに俺のオススメは生姜焼き定食だ。

 

 

午後にはヒーロー科だけが受講する大切な授業がある。それはヒーロー基礎学。トップヒーローになる為の下地を作る基礎の授業。相澤先生が何故か俺にだけ『色々あるだろうが頑張れ』と声をかけてきたのが気になったが、すぐにその理由がわかった。なぜなら

 

 

『私が普通にドアから来た!!!』

 

 

今年から雄英で教鞭を執る事になったNo.1ヒーロー

オールマイトが講師を務めるからだ…

 

『オールマイトだ……!!』

 

『オールマイトが訓練してくれるのか!』

 

『あれシルバーエイジ時代のコスチュームね』

 

『一人だけ画風違いすぎませんか?』

 

オールマイトは銀時代と呼ばれる時期のコスチュームを身に纏って教壇に立つ。俺はそこらへんのことはよくわからないが…というか緑谷のあの目…かなり濃いファンだと推測できる。

 

『初めまして!みんなも知っているだろうが、オールマイトだ!今年から雄英で教鞭を執る事になったから気軽に接してくれると嬉しいぞ!さて、担当するのはヒーロー基礎学!ヒーローの下地をつくる為に君達に様々な訓練を行う科目だ!単位数も最も多いぞ!」

 

オールマイトは教壇横からプラカードを取り出すと

高らかに宣言する!

 

『早速だが、今日はコレを行う!』

 

『『『戦闘訓練!!!???』』』

 

プラカードには"BATTLE"!!の文字が記載されている。

戦闘訓練はヒーローの下地を形成するにあたってはかなり大切な分野の一つだ。正義感が誰よりも優れていようともそれだけで人は救えない。力と心…両方備わっていて初めて本物のヒーローになれる。

 

『この中には心待ちにしていた者も多いだろう。これを見てくれ!』

 

オールマイトがそう話すと壁から番号のついたアタッシュケースが出てくる。まさかこれは…

 

『そう!各自が入学前に送ってもらった個性届!そして要望に沿ってあつらえた……戦闘服だ!』

 

『『『おおぉぉぉぉぉ!!!!』』』

 

教室内に歓声が響き渡る。

俺だけの戦闘服か…さて要望通りにできているか…

 

『着替えたら順次、グラウンド・βに集まるんだ!

わかったか!?』

 

『『『了解!!』』』

 

俺はコスチュームを持って更衣室に向かおうとするとオールマイトから声をかけられる。

 

『破竜少年、君は少し私の用事を手伝ってくれないかい?』

 

そう言われて何人かが怪訝な目で俺らを見る。

 

『ん?何をですか?』

(関係性バレたら面倒ですよ?)

 

と目で合図を送ると

 

『リカバリーガールに15分後にヒーロー基礎学の授業開始しますと報告だけして欲しい。この授業では確実にお世話になることが多いからね!』

(君と少し話をしたいだけだから…ね?)

 

『了解です。すぐに向かいます。』

(わかりました。)

 

オールマイトと目で合図を交わしたのち、全員が教室を出て気配が無くなるまで待つ。少ししたらオールマイトが戻ってきた。

 

『すまないね!破竜少年!二人きりでなかなか話す機会はないから強引に時間を作ってもらったよ!』

 

『本当ですよ……相澤先生が俺にだけ声をかけてきたのも何か関係があるんですか?』

 

『相澤先生と校長先生には私と君の出会いも経緯も伝えている。だからだろうね。』

 

なるほど…つまり俺の過去を知る人が二人増えたって事か。まぁ、別に何人増えようがどうって事ないんだけどね。

 

『そうですか…なら一つだけ聞いていいですか?』

 

『なんだい?破竜少年』

 

俺はあの日、個性把握テストからずっと心の中に残っていた疑問をぶつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『緑谷とはどんな関係ですか?』

 

俺の確信を持った質問をオールマイトははぐらかす。

 

『………どういう意味かな?』

 

『言葉通りです。初めに違和感を感じたのはアイツが個性を使わずに雄英試験を突破した点。とは言っても正直大した違和感じゃなかった。レスキューポイントでも残る可能性があるって何となくわかってたので。問題はここからです。アイツは個性把握テストでも何故か頑なに個性を使おうとしなかった。理由は飯田達が話してましたよ。入試試験でも個性を使った途端に大怪我したって。そして個性把握テストで爆豪から緑谷が無個性だったって話を聞いて確信しました。アイツの個性はここ最近になってから発現した。だから力の制御ができなくて大怪我してるって。それはかつての俺と全く一緒でした。だから気づけた。でも、ここまできても一個だけわからないことがあります。何でアイツの個性はあなたと似ているんですか?ただの似てる個性で片付ける事もできた…けど、それだとどうにも腑に落ちないんです。実際に個性把握テストでもオールマイト…校舎の影から見てましたよね?『気づいていたのかい?』当たり前ですよ。あなたと1年間修行してその気配を誰よりも敏感に感じとってきたのは俺なんですから。』

 

『………………………………』

 

オールマイトは何も答えない。いや…答える事ができないが正しいのかな?この場合。そう思っていると観念したのかオールマイトは俺に何かを告げようとするが…

 

『破竜少年、それは…』

『ストップです。オールマイト』

 

俺はそれを静止する。

 

『無理に聞き出したかったわけじゃないんです。何か言えない事情がある……周りの人にも、俺にもね。その代わり…いつか答えてください。ここまで推理したんですからそのご褒美として』

 

『そうだね…いつか話す。必ずね。その代わりと言っては何だけど一つだけ私の頼みを聞いてくれないかい?無理にとは言わないが』

 

『そう言われたら聞くしかないでしょう』

 

『彼を……緑谷少年を見てやってくれ。彼もまた君と同じように悩み、そして進んで行こうとしている。だが、それは茨の道だ。同じ荊を歩いて乗り越えた君なら助けになれると思う。もちろん私も助けるがね!彼も君の事もだ!』

 

久しぶりに会ったというのにこの人は何も変わらない。あの時と全く同じだ。だから俺が返す言葉も決まっている。

 

『もちろんです。任せてください。あなたの頼みではなくても友達として助けますから』

 

『うん!それではこれ以上みんなを待たせるわけにはいかないな!そろそろ行こうか!』

 

『まぁ…正直な事を言っていいなら…『うん?』』

 

『あなたの訓練はキツすぎるのでそう言った意味で…

ごめんなさい…不安しかないです。』

 

『うそぉぉ!!!?』

 

 

 

 

 

そう言いながら俺は更衣室に向かい着替える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて、これから訓練を始めるが、その前に!恰好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!自覚するのだ!!今日から自分は…ヒーローなんだと言う事を!!』

 

俺は着替えを終えてヒーロー基礎学を行うグラウンドへ向かうとオールマイトの声がここまで聞こえてくる。俺以外はもう皆集まっているようだ。

 

『いいじゃないか皆、格好いいぜ!

さあ始めようか、有精卵共!!』

 

そんな中、まだ一人の生徒が来ていない事に気づき、耳郎がオールマイトに声を掛ける。

 

『あの…破竜がまだ来てないんですけど…』

 

『彼なら…ほら来たよ!』

 

そう言ってオールマイトから目線を移すとアイツはこちらに向かって歩いてきている。

 

『すみません。お待たせしました。』

 

『いや!こちらが頼んだ仕事をやってくれているからね!むしろ感謝しているよ!破竜少年』

 

俺は周りを見渡すと上鳴と耳郎が話しかけてきた。

 

『破竜スゲェ似合ってんな!黒の上下はいいけど…紺色のショートコートかそれ?動きづらくね?』

 

『黒色と紺色がベースだけどアンタの髪色とも合ってる。服装的にはカッコいいけど、何でショートコート着てるの?』

 

『ショートコートは単純に寒さ対策。暑ければ脱いで対策できるけど、寒い時はどうしようもなくなるのはきつい。それに言うほどコレ邪魔じゃないんだよ。腕は阻害しないし、ショートコートだから風の影響も受けづらいしな』

 

正直な話すると竜変身したらあんま意味ないから通常戦闘を意識した作りになっている。そんな事より

 

『上鳴も耳郎も凄く似合ってる。』

 

上鳴と耳郎のコスチュームは私服のような見た目で普通に外出できる服装なのが羨ましい。俺は良くも悪くも硬すぎる気がするからな。

 

『先生!ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか!?』

 

この声は飯田か…と思い、目を向けると白い鎧で体全体を覆われた人がいた…俺が言うのも何だけど、動きづらくないのか?コレ。

 

「いいや!今回はもう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練!ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内のほうが凶悪なヴィラン出現率は高い!監禁・軟禁・裏商売……このヒーロー飽和社会、真に賢しい敵は闇に潜む!!」

 

なるほどね。屋外よりも屋内の方は人目に付きにくいが故に凶悪な犯罪が起こりやすい……と。それよりも常闇は闇って言葉を聞いてからウズウズし出すのはやめなさい。

 

『君らにはこれからヴィラン側とヒーロー側に分かれて、2対2もしくは2対3の対人訓練を行ってもらう!』

 

『基礎訓練も無しにですか!?』

 

『その基礎を知る為の実践!ただし今度はぶっ壊せばOKなロボじゃないのがミソだ』

 

『勝敗の判定はどうなります?』

 

『ブッ飛ばしてもいいのか?』

 

『また除籍とかあるんですか…?』

 

『どのような分かれ方をすれば…』

 

『このマントヤバくない?』

 

『んんんー聖徳太子!!!』

 

『とりあえず全員落ち着け』

 

オールマイトまでボケに走ろうとしたので俺が軌道修正に入る。何で俺がこんなことしてんだろ…

 

「いいかい!?設定は敵がアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている!ヒーローチームは制限時間内に敵を捕まえるか核兵器を回収する事!ヴィランチームは逆に制限時間まで核兵器を守るもしくはヒーローを捕まえること。コンビ、チーム及び対戦相手はくじで決めるぞ!』

 

『『『適当なの!?!?!?』』』

 

くじで決めることに対して全員、不満の声を上げる。

いや、これは実際のヒーロー活動を見越してるな。

 

『プロは他事務所のヒーローと急造でチームアップする事が多いから設定的にもこれが妥当だろうね』

 

「そうか…!先を見据えた計らい…失礼いたしました!」

 

「いいよ!!早くやろう!』

 

俺の補足説明を受けて納得した様子の飯田。アイツの扱いに慣れたらこれから出会う大体のやつは大丈夫になるだろうなぁ…としみじみ感じる。

 

ということでチーム分けはこんな感じ。

 

Aチーム:麗日お茶子、緑谷出久

Bチーム:障子目蔵、轟焦凍

Cチーム:峰田実、八百万百

Dチーム:飯田天哉、爆豪勝己

Eチーム:青山優雅、芦戸三奈

Fチーム:口田甲司、砂藤力動

Gチーム:蛙吹梅雨、破竜真人

Hチーム:尾白猿夫、葉隠透、常闇踏影

Iチーム:切島鋭児郎、瀬呂範太

Jチーム:上鳴電気、耳郎響香

 

 

俺とチームを組むのは………

 

『破竜ちゃんでいいのよね?』

 

『あぁ、破竜でいい。宜しく蛙吹さん』

 

『宜しく。それと梅雨ちゃんと呼んで?』

 

『あはは…それは考えさせてね』

 

『楽しみにしてるわ。ケロケロ』

 

 

蛙吹さんと話したのは今回が初めてだけど、うまくやれそうで安心した。作戦会議は後でするとして、オールマイトの指示通りモニタールームに向かいますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一試合はヒーローのAチーム(緑谷&麗日)対敵のDチーム(爆豪&飯田)の戦いだ。

 

『さぁ!君達も自分ならどう動くかを考えながら訓練を見るんだ!それが自分の成長に繋がるからな!」

 

なるほどね。さて現状は…っと緑谷と麗日がビル内に潜入し、狭い通路の中を警戒しながら進んでいる。

 

それをモニタリングしている中、オールマイトが俺に話しかけてきた。

 

『破竜少年はこの場面をどう見る?』

 

全員が俺の答えに注目する

 

『そうですね…まず第一に警戒しないといけないのは爆豪です。機動力もあって戦闘能力も高い。そしてアイツの性格上、待つのは性に合わない。『おい…ってことは…』

 

 

アイツが狙うのは『『『奇襲!?』』だろうな』

 

 

俺の台詞と同時に爆豪が奇襲を仕掛ける。緑谷と麗日は一瞬だが、反応が遅れてしまい…緑谷のコスチュームの一部を吹き飛ばす。

 

『爆豪ズッケぇ!!奇襲なんて男らしくねえぞ!!』

 

『奇襲も戦略!彼らは今、実戦の真っ最中だ!』

 

抗議の声を上げる切島をオールマイトが窘める。切島みたいに男らしく真っ直ぐぶつかるのも悪くはないが、戦闘中にそんな悠長なことは言えない。油断したやつから負ける。そういうもんだ。

 

だが、ここでやられっぱなしの緑谷じゃない。爆豪が大きく右腕を振りかぶったのに合わせて一本背負いを決めて爆豪を地面に叩きつける!っていうか今の動き…

 

『読みきってたな。爆豪の動きを。』

 

『すげぇぜ!緑谷!』

 

『爆豪相手に個性使わずに渡り合ってる!』

 

 

 

緑谷サイド

 

 

 

『デク…テメェェェェ!!!!!』

 

『麗日さん!早く核の部屋まで!制限時間がある以上、かっちゃん相手に二人がかりで相手する時間が勿体無い!僕もかっちゃんを撒いたらすぐに追いかけるよ!』

 

『頑張ってデク君!』

 

そう言って麗日さんは核のある部屋に向かう。

 

『ハッ!いい度胸だデク!

俺相手に真っ向から?舐めてんじゃねーぞ!!』

 

そう言ってかっちゃんは個性の爆破を使ってこっちに接近してくる!でもわかってるよ…かっちゃん。そこからなら…

 

『急な方向転換できないはずだ!』ブンッ!

 

『ガハッ!!………何で読み切られた……』

 

『凄いと思ったヒーローの分析は欠かさなかったよ…あの時爆破されたノートにもしっかりメモしていた。僕が一番最初に分析したのは君だ、かっちゃん!いつまでも雑魚で出来損ないのデクじゃないぞ………!!!僕は頑張れって感じのデクだ!!!』

 

『うぜぇなぁぁぁ!!!ぶっ殺してやるよデク』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破竜サイド

 

 

爆豪が両手を爆発させ続けてる…イラついてんな。

 

『爆豪やばいね……緑谷大丈夫かな…?』

 

耳郎が隣に来る…確かにその気持ちもわかる。今の爆豪は同じクラスメイトの視点で見てもやっぱ凶悪な顔してるからなぁ…緑谷の何がそんなにイラつくのか……

 

別カメラで麗日の様子を確認してみると、

飯田の守る核兵器の下まではたどり着けたようだ。

このまま飯田に触れればヒーロー側の勝ち…

 

(『ブハッ!!』)

 

『あっ!バカ!ここで気ぃ抜くな!』

 

今の音で完全に麗日の場所がバレた。チッ、この状態じゃ麗日単独での勝ち筋はほぼ見えない。緑谷がいれば連携で何とかなるが…と爆豪と緑谷側のカメラに目を向けるとマズイッ!!!

 

『爆豪少年ストップだ、殺す気か!』

『やめろ!死人出す気か!!!』

 

オールマイトと俺の焦った声で周りもモニターに目を映すと爆豪がコスチュームの籠手についているピンを抜いた。

 

その瞬間

 

 

 

 

 

ドォォォォォォォォォォォォォン!!!

 

 

 

 

建物全体を揺らすほどのとんでもない振動が襲う。

 

 

 

 

 

『んな!?』

 

『授業だぞコレ!』

 

『あの大馬鹿野郎………』

 

爆豪が起こした爆発で二人が戦っていたビルの一角を派手に吹き飛ばした。

 

『緑谷少年!!』

 

『緑谷生きてるか!?』

 

緑谷は……無事だ…何とか避けたが…

初回の訓練で出す火力じゃねぇ!下手したら緑谷は…死んでいた…そう思い、俺は振り返ってアイツらがいる試験会場に向かおうとすると…

 

『待ちなさい!破竜少年!どこへ行く!?』

 

『あの馬鹿野郎を止めにいく。もう我慢ならねぇ…』

 

そう話すと俺の中に溜め込まれていた憤怒の怒りが周りを包み込む。動き出そうとするとオールマイトが俺の肩に手を置いて静止させる。

 

『まさか…この状況でも止めない気ですか……?』

 

『いや…………。爆豪少年、次にそれを撃ったら……強制終了で君らの負けとする。屋内戦において大規模な攻撃は守るべき牙城の損壊を招く。ヒーローとしてはもちろん敵としても愚策だそれは!大幅減点だからな!』

 

『ッッッッッッ!!! 次に俺がヤバいと判断したら止めますよ?オールマイト…!!』

 

『あぁ…わかっている』

 

オールマイトからの指導が飛ぶが…

爆豪は苛立ちを隠さずに頭を抱えて、また緑谷に向かって飛び出す!最初と同じようにカウンターを狙った緑谷の頭上を通過して背後から一撃。そのまま右手で緑谷を背負い投げた。

 

『リンチだよコレ! テープを巻きつければ捕えたことになるのに!』

 

『ヒーローの所業に非ず……』

 

『緑谷もすげえって思ったけどよ……戦闘能力だけなら爆豪は間違いなくセンスの塊だぜ』

 

爆豪から距離を置く緑谷。何かを言い争い、互いに個性を発動させて右腕を振りかぶる緑谷と爆豪。

 

『先生!! やばそうだってコレ! 先生!』

 

切島が危険を察知し訓練中止を訴えるが…もう遅い。だが、ここから事態は思いもよらない方向へ動く。

 

緑谷は大きく振りかぶっていた右腕を爆豪ではなく、何もない上空に振り上げる!何で上空に…いや…あそこは!!

 

緑谷から放たれた衝撃破は真上の階にある核の部屋の中心部を撃ち抜く。

 

核の部屋に視線を移すと麗日がいつの間にか持っていた柱でフルスイング!飯田が瓦礫の対処に追われていた一瞬の隙を突いて麗日は核に抱きつく。

 

『ヒーローチーム……WIN!!』

 

オールマイトの結果発表と同時に緑谷は倒れ込む。

その状況は酷いもので無事な箇所がほぼない………

 

『負けた方がほぼ無傷で、勝った方が倒れてら……』

 

『勝負に負けて試合に勝ったというところか』

 

『訓練だけど…ね』

 

その後、緑谷はリカバリーガールの元へ搬送され、残りの3人がモニタールームへ帰ってくる…麗日、飯田、そして最後に爆豪が入ってくる。

 

爆豪は誰とも目を合わせない。そんな爆豪の元に俺はツカツカと歩いて行き、本気で握り込んだ拳を振り上げる!が……

 

バキッッ!!とオールマイトがそれを受け止める。

 

『何故止めるんですか?』

 

『それは私の仕事だからだ』

 

『アイツは仲間を殺そうとした。訓練にも関わらず。もう少しで…緑谷は死ぬところだったんだぞ…!!!』

 

俺の怒声を聞き、全員が萎縮する。それを聞いてもなお爆豪は何も言わなかった。そんな重い空気が支配する中、オールマイトが口を開く。

 

『破竜少年、爆豪少年の事を悪く思わないで欲しい。君達の戦い…止められる場所はもっと前にあった筈だ。それを止めなかった私の責任でもある。だが!訓練とは言え、相手を殺す寸前までの所業、ヒーローとは言えない!君の力ならもっと上手くやれるはずだ。これを教訓に次は頑張りなさい。わかったか?爆豪少年。』

 

『ん……』

 

と爆豪は心ここに在らずと言った表情で答える。

 

『破竜少年もそれでいいか?』

 

『わかってくれたんならそれでいいです。爆豪、すまなかった。オールマイトもすみません。出過ぎた真似を』

 

『………こんなつもりじゃなかった…だがやったことはやったことだ。次は気をつける。これでいいだろ』

 

そうぶっきらぼうに話して爆豪は壁に保たれる。

 

『うん!さて緑谷少年はいないが、今回の戦いのMVPは誰だと思う?わかる人は挙手を』

 

『はい。私は飯田さんだと思います。』

 

『理由は?』

 

『それは飯田さんが1番、状況設定に順応していたから。爆豪さんの行動は戦闘を見た限り私怨丸出しの独断。そして先程、先生も仰っていた通り屋内での大規模攻撃は愚策。緑谷さんも同様の理由ですね。麗日さんは中盤の気の緩み。そして最後の攻撃が乱暴すぎたこと。ハリボテを核として扱っていたらあんな危険な行為出来ませんわ。相手への対策をこなし且つ”核の争奪”をきちんと想定していたからこそ飯田さんは最後の対応が遅れた。ヒーローチームの勝ちは訓練だという甘えから生じた反則のようなものですわ。』

 

確かに総評としては文句ない。だが

 

『俺はそうは思わないな。』

 

『何故だい?文句のない総評だが…』

 

『反省点は反省点として、俺は各自にもいい所があったと思う。緑谷は初回の爆豪の奇襲を躱して、麗日を核の部屋まで行ける時間稼ぎをした。爆豪ほどの戦闘能力なら2人がかりの足止めすら突破する可能性があった中で快挙の行動と言える。麗日は気の緩みこそあったが、核の場所まで飯田に悟らせず接近した事、最後の緑谷の咄嗟の攻撃に合わせられた即興力の高さは良かったと思う。爆豪は私怨の行動もあったけど、最初の奇襲自体はかなりいいと思った。索敵能力に優れていないあの2人が奇襲を躱せたのは緑谷が爆豪の性格をよく知っていたから。事実、モニタールームで見ていた時も殆どが爆豪の奇襲をギリギリまで読めなかった。八百万の考え方も間違ってないけど、それは何でもできるが故の答えだ。固まった考えはいざという時の判断スピードに影響する。あそこで独断とは言え速攻を選んだ判断は間違いじゃないと思う』

 

『確かに言われてみればそうですわ。私側の立場で考えてしまいましたが…ですが、実際に爆豪さんは奇襲に失敗している以上、その判断は間違いなのではないでしょうか?』

 

『それならそれでいいんだ。あの場に機動力で奇襲できるって選択肢を一つ入れるだけでいい。爆豪は奇襲が失敗した時、退くのが正解だったと俺は思う。そうする事で2人は爆豪の奇襲を警戒しながら制限時間のタイムリミットを気にして急ぐ必要が出る。そうすればどうなる?』

 

『焦った結果、注意力が…『『散漫』』になる。』

 

『2人は核兵器を回収するもしくは相手を拘束する事が勝利条件である以上、必ずヴィラン側がいる方に進まなきゃいけない。悪い言い方をすればヴィラン側はヒーロー側よりも有利な手札を一枚多い状態で試合してるのと一緒だ』

 

『よく分かりましたわ。ありがとうございます破竜さん』

 

『なるほど、そういう見方もできるね!各自いろんな視点から物事を見てみることだ!新しい発見があるぞ!では次の訓練を始める!』

 

そして場所を移し第2戦、第3戦、第4戦と行う。その中でやはり目を引いたのはアイツ…轟か…

 

轟がビル一棟を丸々凍らせることで敵チームを即無力化。そのまま核を回収しゲームオーバーか。初見なら避けられる気しなかったから助かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、最後は俺たちか…しかも相手は…

 

『負けないよ!『負けないぜ!』』

 

『ちゃんと見ろよ?相手は俺だけじゃねぇぞ?』

 

『失礼しちゃうわね。ケロ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第5戦目

 

 

 

ヒーロチーム   破竜真人&蛙吹梅雨

    

       "VS"

 

ヴィランチーム  耳郎響香&上鳴電気

 

 

 

 

 






あとがきです。

雄英入学後の授業、コスチューム贈呈、緑谷と爆豪の戦闘シーンをまとめて投稿しました!

にしてもハーメルンの作者様達は元気だ。
私もまだまだ頑張らなきゃですね!

また感想や評価、お気に入り等お待ちしております!










次回予告






『アンタには負けないよ』

『いったろ?相手は俺1人じゃねぇって』

『僕は君が委員長に相応しいと思う』





『騒がしいな?なんかあったのか??』




次回!
半人半竜のヒーローアカデミア



『破竜&蛙吹VS上鳴&耳郎!そして委員長決め!』






(耳郎ってこんなに可愛かったっけ…
なんかドキドキするんだけど……)




更に向こうへ!Plus ultra!!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。