頭文字D 峠の弾丸   作:ペンギン太郎

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 更新しました。

 只今今作を書いておりますがゆくゆくは別作の『頭文字S』も更新していこうかなと思っております。
 2つ書いていると設定がごっちゃになっては苦戦しますがどうか見といてくださいね。


ACT.10 新たなる挑戦者(チャレンジャー)

 鈴木自動車工場

 

 

 「おじさん。今晩スイスポを使ってもいいよね?」

 

 「おう。今さっきメンテしたとこだが特に異常はなかったから問題ねえぞ」

 

 「そっか。じゃあ今晩はありがたく使わせてもらうね」

 

 「あー待てタケル、走りを楽しもうとするのはいいが、そろそろこいつを俺に渡してくれてもいいんじゃねえか?」

 

 

 タケルはスピードスターズのリーダーである池谷が拓海のハチロクに相乗りする際拓海の走りを見に行こうと車を出そうとしていたが、政志から封筒を渡されては中身を確認する。

 

 

 「え?これって…」

 

 

 封筒を受け取ったタケルは中身を確認するや、そこにはタイヤやパーツといった様々な部品の金額が載っており。それを見ては何なのか政志に聞く。

 

 

 「お前が今日に至るまで使いこんだタイヤとスイスポを弄っては使用したパーツの代金だ。それなりに費用が掛かったんだからちゃんと返してくれよな」

 

 「あぁそういうことか。車を走らせる為に使ってきた分のツケなんだ…ってえぇぇぇっーこんなに払わないといけないの!?」

 

 「あのなぁ車を走らせるってのはそれなりに金が掛るんだしそれでもって弄ろうとすりゃそれくらいは当然なんだぞ」

 

 「うっ、おじさんの言う事はごもっともだけどさ…。この金額は流石に姉ちゃんの給料じゃ払いきれないしどうしようかなぁ…」

 

 

 受け取った請求書に書いてある金額を見たタケルはあまりにもの高額な値に驚愕する。何しろ高校生である自分では払いきれない額が書かれておりタケルはそれを見ては深い溜め息をつく。

 

 

 「ま、今すぐ払えとは言ってねえからな。いっそのことこれを気にバイトでもしたらどうだ?」

 

 「え〜今まではバイクを走らせる時だけアルバイトをしてたから、いきなり本格的にやれって言われても…」

 

 「あのなぁタケル、お前はもうガキじゃねえんだろ。大人になるっていうんなら自分で使った金は自分で稼いでは返すぐらいのことはしておかないといけねぇだろうが」

 

 「ちぇっ、わかりましたよ。今週からバイトを始めてはお金を返して行きますよー」

 

 「全くやる気のねえ返事だな。まともに返ってくるか不安だなこりゃ」

 

 

 タケルからの返事に政志は呆れるも、受け取った領収書をズボンに詰め込んでは拓海達が待っている秋名山へと車を飛ばしていく。

 

 

 

 

 

 秋名山 旧料金所跡

 

 

 「拓海、お前が出た後に後ろから追っかけさせてもらってもいいか?」

 

 

 秋名山の頂上である旧料金所跡に着くや、タケルは拓海の後に自分も車を走らせては拓海の走行シーンを見させてもらうよう頼んでいた。

 

 

 「別に構わないけど、見たって参考にならないぞ…」

 

 「そうでもないよ。150馬力しかでないハチロクで350馬力も出るFDをぶち抜くなんて誰だって気になるに決まってるじゃないか。そういうことだから後ろから見させてもらうね」

 

 「いいけどさァ、俺の走りについてこれるのか?」

 

 「言ったなぁ。これでも僕のスイスポはお前のハチロクと同じテンロクで然程性能に差があるわけじゃないんだ、絶対に追いついてやるからね」

 

 

 ハチロクがエンジンを動かしては今にも走れる状態で待機しては後ろにタケルがスイスポをいつでも出れるようにするのである。

 

 

 ドドドドド

 

 

 「すげードキドキしてきたぜー。ディズニーランドのスペースマウンテンを思い出すなー」

 

 「ちくしょー いいなぁ池谷めちゃくちゃ羨ましいぜ」

 

 「そんな面白いもんじゃないと思いますけど…。とにかく行きますよ池谷先輩」

 

 「頼むぜ拓海、全開でな」

 

 「拓海、お前の走り裏からじっくり見させてもらうからね」

 

 「(全開は止めとこ…。90パーセントぐらいでいいか)」

 

 

 拓海は池谷からのリクエストに従ってはアクセルを踏み込んでは全開走行よりも少しセーブした状態で走り始め。それに続くかのようにタケルもギアを1速に入れアクセルを踏んではハチロクを追いかけていった。

 

 

 「あーあ行っちゃった…、ハチロクはいい音してんなァ…。ターボじゃ絶対出ねー音だもんな」

 

 

 

 

 

 「(スタートダッシュを見る限りだとそんな速くはないみたいだけど…あのハチロク、どんなチューニングを施してるんだ?)」

 

 

 タケルはハチロクの中身について考えながら走っているやハチロクは一つ目のコーナーに差し掛かろうとする。

 

 

 「(いよいよ最初のコーナーに突入か…。僕の走りとどう違うかじっくりと見極めて…え?)」

 

 

 ガアアアア

 

 

 「(嘘でしょ!?いきなりブレーキも踏まずコーナーに突っ込む気なのか…!!)」

 

 

 ハチロクが驚異的なオーバースピードでコーナーに突っ込み。物凄いスピードでコーナーを攻め込むハチロクにタケルは驚くも冷静に前を見ては拓海の走りを観察する。

 

 

 「おっおい…拓海ィ…ブレーキ…!!」

 

 

 ナビシートに同乗してる池谷はブレーキを踏むよう焦りながら言うが拓海はそのままコーナーへと突っ込んでいく。

 

 

 「ああああー!!」

 

 

 あまりにものブレーキの遅さに池谷は悲鳴を上げてはここで死ぬのかと思う。

 だが拓海はガードレールにぶつけるかと思いきや、親の仇のようなブレーキングをし、荷重の抜けたリアタイヤはブレイク。

 その場で鮮やかに4輪ドリフトをしては第1コーナーを抜けていったのだ。

 

 

 「凄え…」

 

 

 第一コーナーの後ろから密かに見ていた祐一も拓海の4輪ドリフトを見ては拓海の超絶的な技術の高さを絶賛する。

 

 

 「(あれが4輪ドリフト…。ビデオでは繰り返し見てきたけど生で見るのは初めてだ。4輪ドリフトをするのもそうだが、最小限のカウンターステアで抵抗を抑え、全開でアクセルを踏みながらコーナーを曲がるなんて上手いどころの話じゃない…!!)」

 

 

 後方から拓海の超絶的な4輪ドリフトを間近で見たタケルはあまりにもの技術の高さに圧倒されるのであった。

 

 

 「(なんでだ…なんでこんなんなってもコントロールできる…!?どうなってんだァ車かこれは!?)」

 

 

 ガードレールとの距離は6センチ。

 拓海にとっては余裕しゃくしゃくである。

 

 

 キンコンキンコン

 

 

 「げええ…こんなとこでキンコン鳴らすのか…!?ちょっと…そんな…もうコーナーが…」

 

 

 昔の車には100キロを越えると警告音がなるようになっており。それを聞いた池谷は拓海が100キロ以上もスピードを出しては秋名の下りを走ってることに驚く。

 

 

 ゴォォォォ

 

 

 「ぎゃあああっ!!」

 

 

 今日に至るまで体験したことのない角度からの猛烈なヨコGに驚く池谷。

 4輪ドリフト状態のハチロクはアウト側のガードレール目指してまっしぐらに進んでいく。

 

 

 「(ガードレールが迫る迫るもう向こうは谷底だああ!!)」

 

 

 ガードレールが間近に迫るや池谷は泣きそうな顔になってはぶつかるのではないかと悲観する。ところが、

 

 

 コツン

 

 

 ここで拓海がちょっとサービス精神を発揮。

 

 

 「(リアバンパーとガードレールのフレンチキス!?少しでもタイミングがズレたら即座に板金行きなのに拓海の奴、擦れるように走ってはガードレールに当てやがった!!」

 

 

 ガードレールにフレンチキスしたハチロクは僅かな反動でリアタイヤのトラクションを回復させてはコーナーを再び立ち上がらせる。

 

 

 キンコンキンコン

 

 

 「(ああ…まただ…簡便してくれ…こんな短いストレートでねぜぇ〜!?)」

 

 

 

 薄れてゆく意識の中で池谷は拓海の驚異的なドラテクに目をやる。

 するとそこには気合の入ってない眼差しでステアリングを握る拓海の姿で、狂気の流れる沙汰で背景に合わないほどリラックスどころかかったるくしていた拓海であった…。

 

 

 「あははっ…。拓海の言うように全然参考にならないや。あんなもんどうやって身につけろって言うんだよ…」

 

 

 タケルもハチロクの常識を越える走りを見続けてはあまりにもの凄さに笑うことしかできず、スイスポを走らせてはハチロクの後を追い続けて行くしかなかったのであった。

 

 

 

 

 

 秋名山 旧料金所跡

 

 「あれれ…もう帰ってきたぞハチロク」

 

 「どうしたのかな…麓まで往復したにしちゃ早すぎる」

 

 

 イツキと健二が戻ってきたハチロクに向かっては中の様子を確認するやイツキ達はあああっ!!と叫んでは驚いていた。

 

 

 「イツキー、池谷さんは今どうなってるんだ?」

 

 

 ハチロクから遅れて数秒後にスイスポも到着、タケルは車から降りてはハチロクの前に立っているイツキに池谷の様子を尋ねる。

 

 

 「し、失神してる…」

 

 

 イツキが言うようにハチロクのリアシートでは池谷がよだれを垂らしては気絶していた。

 

 

 「やっぱりね。こうなると思ったよ…」

 

 

 タケルはこうなることを分かっていながら黙っていたのもあえて本人に体験させては本気のダウンヒルの恐ろしさを身に染み込ませた方がいいと判断したからであった。

 

 

 「拓海。いくつめのコーナーだ?」

 

 

 イツキからの質問に拓海は指を3本立てては見せる。

 

 

 「みっ…3つ目!?」

 

 「そりゃあオーバースピードでコーナーギリギリまで攻めては曲がっていったんだから池谷さんがこうなるのも当然だよ」

 

 

 「えええええ!! 私は見た、断末魔の絶叫が秋名山にこだまする恐怖のダウンヒル、池谷先輩コーナー3つで失神事件!!」

 

 

 イツキが絶叫しては大袈裟に言うもタケルはそれを無視しては池谷の間抜けな様を見てはため息をつくのだった。

 

 

 「どうやら本当らしいな…」

 

 「あれ、店長?どうしてここに?」

 

 「あ、いや…ちょっと気になってな…。ははは…こりゃあお呼びでないか」

 

 タケル達のすぐそばには祐一が立っており、拓海の走りを見てはその実力が本物であることを確信したのであった。

 

 

 

 

 

 

 高崎市にある走り屋御用達の喫茶店。

 

 レッドサンズの高橋兄弟と史浩が前に涼介が遭遇した中里について話をしていた。

 

 

 「ナイトキッズの中里?そいつなら知ってるぞ。前S13に乗ってる頃から速いので有名だった奴さ…。今はR32に乗り換えてるらしいけどな…」

 

 「ふん。信用できねーなR32に乗ってる奴のウデなんて…」

 

 「また始まった。ハンパじゃねーからな啓介の32嫌いも…」

 

 

 R32という言葉を聞いた啓介は機嫌を損ねる。啓介はR32嫌いで前に関越道を走ってた際R32に乗っていた素人をブチ抜く程である。

 

 

 「話を戻すけどな涼介…。中里に先を越されるのは不味い気がするけどなー。俺達が勝てなかったハチロクとスイスポにナイトキッズが勝つようなことがあってみろ…。レッドサンズはナイトキッズよりもレベルが低いってことになりかねないぞ…。噂ってのはそんなもんだからなー中里の狙いもそのへんにあるんじゃねーのか?」

 

 

 史浩は中里に先を越されては自分達のメンツに響くのではないかと懸念するも啓介は言う。

 

 

 「心配することねぇと思うよ…。ユーレイパンダと弾丸イエローに勝てるような奴がナイトキッズにいるわけねぇや秋名の下りを走る限りどんな奴が来てもダメだろ。あいつらに負けてる俺だから分かる…。兄貴以外の奴には手に負えねぇな。それぐらいあの二台は桁違いに速くて上手い」

 

 「そーなのか…。分かんねーな俺には…。ハイパワーの車がなんでハチロクやスイスポに勝てないのかな…」

 

 「時にはパワーが出すぎていてもダメな時があるってことさ…」

 

 

 涼介は史浩にハチロクとスイスポがFD勝つことができたのか理由を説明する。

 

 

 「ターボパワーって奴は直線では強力な味方だけどコーナーの立ち上がりでは車の挙動を乱す諸刃の剣なんだ。その点ハチロクとスイスポなら一度姿勢を決めたら後はガンガン踏んでいけるからな…。ストレートの短いテクニカルなコースでは非力でも思い切って踏んでいける車の方が速いことがある」

 

 「打倒R32の為に…強化したターボパワーが啓介の仇となったわけか…」

 

 「確かに秋名の下りだと350馬力を全開にできる時間なんてトータルしてもほんの僅かだったよ。一瞬ドカンと開けたと思ったらもう次のブレーキングだしパーシャルも長くてイライラするんだ」

 

 「その辺はリアタイヤだけでパワーを路面に伝えるFRの宿命だろ…」

 

 「おい…待てよ、それじゃあ…!!4WDのR32ならどうなる…!?踏んでも安定してトラクションの掛るアテーサE-TSシステムならターボパワーをいくらでも使えるんじゃないのか…。中里のR32ならハチロクとスイスポに勝つんじゃあ…!?」

 

 「それはどうかな…。大事な事を一つ見落としてるぜ」

 

 「大事な事?」

 

 

 涼介はR32の弱点に気付いており、それを史浩に説明しだすのだった。

 

 

 

 

 

 渋川市 伊香保温泉

 

 拓海とイツキは地元の観光スポットである伊香保温泉に来ては練り歩いており。話をしながら地元を観光していた。

 

 

 「なんか不思議な感じだよなー。お前のこと見る目が…前と違って来たよ」

 

 「なんだそれ?」

 

 「まぁ食えよ温泉饅頭。できたてホヤホヤ」

 

 「ハフハフ…あんこが熱いんだこれが…」

 

 

 熱々の饅頭を食べてはそれぞれ感想を口にし、近くの階段に腰を下ろす。

 

 

 「そうしてる時はいつもの拓海だけどなー。眠そうな顔して饅頭食ってるボケた男だよ」

 

 「けどなー、一旦ハチロクに乗ってドライブシートに収まって夜の峠に飛び出して行けば…今や秋名の走り屋達の憧れのヒーローだぞお前ー」

 

 「そうかなー。そういうもんかな照れるなイツキ」

 

 「今は違うって言ってるだろーがただの饅頭食ってるボケ男だよ」

 

 「(ボケ男はねーだろ…)」

 

 

 イツキから言われるや拓海は悲しげにしては饅頭を頬張る。

 

 

 「2人共。何呑気に饅頭なんか食べてんだ?」

 

 「ん?なんだタケルじゃんか…って何だその格好は?」

 

 

 後ろから声をかけられたので振り向くとそこには同じ走り仲間のタケルが立っており。いつもの制服姿や私服を着た格好をしておらず、法被を着ては左肩に竹箒を担いだ状態で拓海達に話しかけてきた。

 

 

 「あぁこれ?実は今姉ちゃんの紹介でこの先にある旅館でバイトしてるんだ」

 

 「へぇ〜珍しいな。いっつも遊んでばかりいたお前がバイトするなんてよぉ」

 

 「だってスイスポを走らせるのに色々とお金が掛かったんだからそれを払う為に仕方なしに働いてるんだよ」

 

 「そっか。車走らせるにはガソリンやらタイヤと色々と金が飛ぶもんだからな。俺達もガソリンスタンドで働いてるけど車買ったらすぐに無くなるかもしれないしよォ」

 

 「そうか?俺いっつも車に関しては親父に任せっきりだったからそういうのって意識したことなかったよ」

 

 

 タケルがバイトを始めたことに拓海達は意外そうな顔をするも話を戻す。

 

 

 「俺もなー自分でちょっと複雑な感じだよ。この前の交流戦の時もそうだし、前に池谷先輩を乗せた時もそうなんだけどさ……。ただ俺はいつもの様に走ってるだけなのに…。何であんなに喜んでくれるか分かんねーよ。俺今まで人を喜ばすことなんてしたことないからなー。俺のすることで誰かが喜んでくれるのは嬉しいんだよなーすげー」

 

 「そうかァ…。お前って案外サービス精神溢れた奴だったんだなー」

 

 「本当だね。拓海って意外といい奴だったとは驚いたよ」

 

 

 タケルとイツキは拓海の意外な一面を見ては拓海がいい奴だったと思うのであった。

 

 

 「(走ることがたのしくなってきたなー段々)」

 

 「なぁ拓海…。そのサービス精神を見込んで一つ頼みがあるんだけどさー。俺がハチロク買ったらドリフトコーチしてくれなー」

 

 「良いけど厳しいぜ俺のコーチは」

 

 「だったら僕も付き合ってあげるよ。ドラテクじゃ拓海には及ばないけど走りの基礎くらいなら教えてあげられるしね」

 

 

 

 

 

 

 秋名山 夜

 

 

 秋名の峠を激しいエキゾーストを響かせては一台の黒い車が駆け抜け、前を走っているであろう地元の走り屋の車の後ろに来ていた。

 

 

 「R32!?近頃ちょくちょく見かける奴だぜ…畜生煽ってきやがって」

 

 「パスさせねーで頑張ってみろや」

 

 「へ、そうだな。下りならパワーの差は小さくなるぜ。こちとら走り慣れてる地元だぜー!!」

 

 

 激しいエンジン音を響かせては豪快に走る黒のR32は前を走っている車を煽っては道を開けるよう急かすもに前を走っている車に乗っていた走り屋は以前ハチロクが秋名の下りでFDに勝ったことがある為自分達でもやろうと思えばできるのではないかと勘違いしてはバトルを仕掛ける。が、

 

 

 「だあああ〜〜〜っ!!大外から一気に行かれたァ!!」

 

 

 R32は大外から一気に抜かしては通り過ぎていき前へ突き進んでいった。

 

 

 「ゾッとするぜケタ違いの加速!!」

 

 「ケツから火ィ吹いてるぞォ!!」

 

 「やっぱりなァ…パワーのない車で大排気量の車をカモるなんて」

 

 「相手が余程の下手じゃないと現実には無理なんだよなー」

 

 

 

 

 「(凄いマシンだぜR32(こいつ)は。こいつに乗り換えた時からそれまでライバルだった奴等はライバルでなくなった。俺を本気にさせる相手がいなくなっちまったんだ!!)」

 

 

 R32に乗っている中里は車の性能に惚れ惚れするもあまりにも凄さ故相手になる奴がいなくなったことに寂しさを感じていたのである。

 

 

 「(近頃流行りの目立つだけの遅いドリフト遊びは俺の趣味じゃねぇ。頭の中が真っ白になる様なギリギリのバトルでなきゃー俺はダメだ!!)」

 

 「(出てこい秋名のハチロク!!一目見て直感したぜお前ら相手なら相手にとって不足はない!!)」

 

 

 中里は打倒ハチロクを掲げては秋名の下りを猛スピードで突っ走るっては暗闇の中へと消えてゆくのであった。

 

 

 

 

 

 ガソリンスタンド

 

 

 「イツキ、ハイオク満タンで頼むわ」

 

 「OK。今入れてやるから待ってろ」

 

 

 この日拓海達がバイトしてるガソリンスタンドに来たタケルは乗ってきたスイスポにガソリンを入れてもらっては時間を潰していた。

 

 

 「池谷!!池谷どこ行った?」

 

 「池谷先輩ならさっき配達に出かけましたよ軽トラで」

 

 

 店長から池谷がどこへ行ったか尋ねられては配達に行ったとイツキが伝える。

 

 

 「そうかァ。じゃあ拓海に頼むわ…山田商事に伝票届けに行ってくれ俺の車使っていいから」

 

 「はい」

 

 

 拓海は祐一から車のキーを受け取るや祐一が使っている車に乗っては出かけていった。

 

 

 「店長…あのー…」

 

 「ん?どうしたイツキ?」

 

 「俺も一応免許持ってんですけど…なんでそういう用事は池谷先輩か拓海ばっかりなんですか?」

 

 

 イツキはタケルの車にガソリンを入れ終えるや店長に何故自分に運転させないのか理由を聞く。

 

 

 「それはなお前。自分の胸に手を当ててみろ」

 

 「は?」

 

 

 言われた通り胸に当てるもボケっとしてはその意味が理解できていなかった為祐一は言う。

 

 

 「つまりだ、池谷や拓海は信用できるけどお前だと大事な車へこんで返ってきそうな気がしてな…」

 

 

 「へこみー!!」

 

 

 イツキは自分の運転は信用できないと断言されてはその場で衝撃を受けては落ち込むのだった。

 

 

 「ま、そういうことだ」

 

 「仕方ないよ。免許取って間もないイツキに運転なんか任せられないんだしさ」

 

 「くそー今に見てろ。俺だってレビン買ったらメキメキ上手くなるぞー」

 

 「あのさぁイツキ。反骨心を出すのはいいけど、お前の場合かなり時間が掛かりそうな気がするよ」

 

 

 イツキが店長を見返そうと躍起になり、タケルがそれを宥めつつあったがスタンドには一台の車が入ってきた。

 

 

 「凄え…R32GT-Rだ」

 

 「かっちょええR-32は渋いよ」

 

 「イツキ。僕はもうガソリン入れ終えたから相手してやれよ」

 

 

 タケルから店に来たR32の相手をするようイツキに言い、イツキがR32の前に出るやR32からは一人の男が降りては尋ねる。

 

 

 「俺はナイトキッズの中里って言うんだけど、ここのスタンドに来ればスピードスターズのメンバーに連絡がつくって地元の奴に教えてもらって来たんだ」

 

 「え?スピードスターズに用があるってことはまさか…」

 

 「教えてくれ。あの有名なハチロクに会うにはいつ秋名に来れば会える!?」




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