頭文字D 峠の弾丸   作:ペンギン太郎

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 更新しました。
 今回はアニオリ回の拓海達のダブルデートをベースにしましたがそれなりに書けたと思いますのでどうかご覧なさってください。


ACT.16 トリプルデート

 

 「ということが昨日あったんだよ。あのEG6、今度見つけたら絶対に負かしてやるんだから」

 

 

 秋名に突如現れたEG6とのバトルから一夜明け、タケルはその場にいなかった拓海に昨日のことを話してはリベンジをかまそうとしていた。

 

 

 「タケル、熱くなってるとこ悪いけどEG6ってどんな車なんだ?」

 

 「お前ってホント車に関しては素人だなぁ。EG6っていうのはシビックっていうホンダの車の型式で、拓海が乗ってるハチロクとはライバル関係にあたるんだよ」

 

 「ああシビックか。それならそうと最初からシビックって言ってくれよ」

 

 「シビックはハチロクやスイスポと同じ1.6LのNAだけどVTECというホンダ独自のメカニズムが備わったB16型のエンジンが搭載されては物凄い速く走れる車になってるんだ。それに今じゃタイプRっていうサーキット仕様のも出てるぐらいだからね」

 

 「ふうん、そうなんだ…」

 

 

 EG6に気を付けるようタケルは忠告をするが拓海はEG6がどういう車なのか全然わかっていなかったためシビックについて軽く説明するも。タケルの話を聞いた拓海はそれなりに理解はしたものの、いつものようなボーっとしては全く興味を示さなかった。

 

 

 「とにかく。今度の相手はシビックである以上同じテンロクのNAの車に乗る者同士負けるわけにはいかないからお互い頑張ろうか」

 

 「そうだな。あ、そうだ。この前イツキに女の子を紹介してくれるよう茂木にお願いしたんだが…。俺が友達思いだからか心当たりある子を紹介してくれることになったんだ」

 

 「おぉ、それは良かったじゃないかぁ!!で、茂木さんは何て言ってたの?」

 

 

 タケルは先程とは打って変わるや興味津々で拓海の話を聞く。

 

 

 「とりあえず明日その子を連れてくるから一緒に遊びにいこうって話になってな。もしお前も空いてるなら一緒に来てくれるよな?」

 

 「当然行くに決まってるじゃないか。ここのところ特に予定もないからご一緒させてもらうよ。それにしても良かったな拓海、これでイツキから文句を言われずに済むね」

 

 「そうだな。それで集合に関してだけど駅前で茂木と合流することになってるから俺達もそこで待ち合わせしよっか」

 

 「OK、駅前に集合ね。イツキのハチゴーじゃ不安だから念の為に僕もスイスポを持ってくるよ」

 

 

 というわけでなつきの紹介で女の子と遊ぶことになったタケルはこうしていつもの三人で集まっては女の子とのデートを楽しむのだった。

 

 

 

 渋川市 駅前

 

 

 「おい拓海、本当なんだよな?後でジョークっつたらなぁ…絶交だからな!!」

 

 「……」

 

 「(普段のイツキじゃ想像つかないくらいキメてるけど果たして上手くいくかなぁ…)」

 

 

 翌日の朝。イツキは女の子と遊ぶ為に気合いを入れてきたのか、髪を整えては赤いポロシャツにチノパンを履いてはなつきと紹介する女の子と来るのを待ち構え。一緒に来た二人は興奮するイツキにどう言葉をかけたらいいか困惑してはなつきが来るのを待つ。

 ちなみにタケルもスズキのロゴが入った青のTシャツと黒のGパンを履いてはそれなりにオシャレをしてきた。

 

 

 「本当に来るんだろうなァ、女の子連れて」

 

 「大丈夫だって。茂木がそう言ってたんだから、女の子連れてくるって」

 

 「そうだぞイツキ。拓海がお前の為にわざわざお願いしたんだから信じてやれよ」

 

 「可愛い子かなァ。ナイスバディかなァ。それともちょー美人かなァ!!」

 

 「なぁ拓海、茂木さんが今日連れてくる子なんだけど、茂木さんとは一体どういう関係か聞いてる?」

 

 「あぁ、茂木の話じゃ中学時代の知り合いって言ってたけど」

 

 「いや俺はルックスはそこそこでいいんだ。あんま期待しすぎるとガッカリするしなァ」

 

 「よく言うよ拓海に頼んどいてさ。でもまぁ、茂木さんがどんな子を連れてきてくれるかは僕も期待してるし一体どんな子だろうかなぁ〜」

 

 

 拓海に任せておきながら偉そうに言うイツキに呆れるつつ、なつきが連れてくる女の子にタケルは期待を寄せるのだった。

 

 

 「た~く~み~。お前ホント約束は守ってくれたんだなぁ!!俺友達を持って幸せだよォ!!」

 

 「お、おい。オーバーなんだよ…」

 

 

 女の子と遊べることが嬉しかったか、拓海にヘッドロックをかけては大はしゃぎするイツキ。果たしてなつきはどんな子を紹介してくれるだろうか。

 

 

 「見てろよ。可愛い子乗せて秋名山最速の男になってやる!!ぶわっはっはっはっは!!」

 

 「(イツキ、ハチゴーに乗ってるお前は秋名山最速ならぬ最遅(・・)の男になってるけどね…)」

 

 

 イツキはその場で声高々に大笑いしては女の子とのデートを成功させようと意気込む。しかし、

 

 

 ピチャ

 

 

 「あぁぁ!?やったなァ…くそォ!!俺のレビン、俺のレビン…」

 

 

 イツキの足元に止まっていた鳩がその場から飛び立っては前に停めていたハチゴーのボンネットに糞を落としていき。愛車に糞を落とされたイツキは発狂するやハチゴーを拭いていく始末であった…。

 

 

 「ところで拓海、もうすぐ茂木さん達が来るんじゃないのか?」

 

 「そうだな、もうそろそろ来てもいい頃だけど」

 

 

 「わぁ!!」

 

 

 「!?」

 

 「拓海君待った?」

 

 「茂木脅かすなよ」

 

 

 拓海が後ろから背中を押されては振り向くやなつきが立っており、キャミソールに半パンと今時の女の子らしい格好をしては拓海を意識させていく。

 

 

 「ういーっす」

 

 「やぁ茂木さん」

 

 

 タケルとイツキがなつきに挨拶をし。なつきはその場で連れてきた友達をタケル達に紹介する。

 

 

 「紹介するね、友達の沙織。でこっちが拓海君とイツキ君にタケル君」

 

 

 なつきが連れてきた沙織という名の女の子は白を基調としたへそ出しコーデをしており。顔はなつきにも負けない程の美人で、沙織はタケル達に微笑みながら挨拶をする。

 

 

 「よろしくね」

 

 「どうも」

 

 「はじめまして」

 

 「えぇ!?よかよか顔だァ…」

 

 

 拓海とタケルが軽く挨拶するのに対し、イツキは沙織の顔を見ては惚れたのか、顔を赤らめてはうっとりするのだった。

 

 

 「あ、そうそう。もう一人紹介したい子がいるからちょっと待ってもらってもいいかな?」

 

 「へ?もう一人来るって?」

 

 「拓海君がね、イツキ君だけに女の子を紹介したらタケル君が可哀想だからもう一人いたら声をかけてくれないかってお願いしたの。それで、もう一人の子が来るまで待ってくれる?」

 

 「な、なんだと…!?。拓海が、僕の為に女の子を…」

 

 

 なんと拓海はイツキだけじゃなくタケルの為に女の子を紹介してくれるようなつきに頼んでいたのだった。

 

 

 「拓海、茂木さん…」

 

 「な、なんだよタケル。急に手を握って…」

 

 「タケル君?どうかしたの?」

 

 「今日はホント…色々とありがとね」

 

 「う、うん…どういたしまして」

 

 

 タケルは拓海の手を掴むや涙目になっては二人に感謝の言葉を述べるのだった。

 

 

 「良かったなァタケル。これでお前だけ除け者にならずに済んでよォ」

 

 「茂木、もう一人の女の子って一体どんな子か教えてくれるよな」

 

 「うん。その子とは小学校の時からのお友達でね。中学を卒業すると同時に高崎に引っ越しては中々会えていないけどとても仲のいい子なんだ」

 

 

 なつきがタケルの為に紹介してくれる女の子。それは一体どんな子なのだろうか。

 

 

 「なつきー」

 

 

 なつきの名前を叫んでは呼び掛けてきた一人の女の子。

 青のワンピースを着ては長い黒髪をなびかせ、まるで森林から来たような風貌を漂わせてはタケル達の元に駆けつけ。走ってきたからなのかなつきの前に着くやはぁはぁと息を切らす。

 

 

 「もう遅いじゃない結衣。あたし達は結衣が来るのを待ってたんだよォ」

 

 「ごめんなつき。今日支度をするのに手間取っちゃって」

 

 「もうしょうがないわね。あ、紹介するねタケル君、あたしの友達の結衣。でこっちが拓海君とイツキ君よ」

 

 「はじめまして。私、小林結衣っていうの。よろしくね」

 

 「ど、どうも…(うわぁ…めちゃくちゃ可愛いじゃないかこの子。今日来てよかったぁ…!!)」

 

 

 結衣の容姿に惚れたかイツキと同様に顔を赤らめては興奮寸前になり。心臓をバクバクとしてはなつき達と一緒にデートを楽しもうとすることになるのであった。

 

 

 「それじゃあ皆揃ったことだし、今から目的地に行くとしてどっちの車に乗るかここで決めるとしましょうか」

 

 「俺はイツキの横に乗っとくよ。イツキの運転だとどうなるかわからないしな」

 

 「それならなつきもイツキ君の車に乗せてもらおうかな。イツキ君の車、拓海君のトレノに似てるしね」

 

 「どうする結衣。あたし達はどっちの車に乗せてもらう?」

 

 「え?う~ん…」

 

 

 結衣はどちらの車に乗るのを決めたか、スイスポの次にタケルを一目見て腕を組んでは言う。

 

 

 「じゃあ私、タケル君の車に乗せてもらうわ。タケル君の車、黄色で目立っているけど見た目が可愛いらしいしね」

 

 「おっ!結衣さん、いいセンスしてるじゃないか。スイスポは見た目も走りもいい車だからね(うわぁ…間近で腕を組んでもらうなんて最高だよ…)」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 「なんだよ。俺のレビンだってタケルの車には負けてないぞ。一体どこが劣って…」

 

 「えっとイツキ君だったかな。ごめんね、私から見てイツキ君の車は見た目が古臭くておじさんが乗っていそうな気がしたの…」

 

 

 「お、おじさん!!」

 

 

 結衣の口からハチゴーがおじさんが乗る車だと言われてはショックを受けてはその場で落ち込むのであった。

 

 

 「(聞いたか拓海、イツキのハチゴーがおじさんが乗る車って)」

 

 「(女の子からしたらそういうふうに見えるかもしれないけど、ちょっと言い過ぎじゃないか?)」

 

 「(確かにそうかもしれないけど、今時の車がエコカーやらミニバンになっている今じゃハチゴーみたいな旧車はおじさんが乗っていそうに見えるのも無理はないからね)」

 

 

 

 

 スイスポ 車内

 

 

 「へぇ~タケル君達は秋名山で走り屋をしてるんだ」

 

 「まぁ地元の秋名では2番目か3番目くらいだけど群馬には僕よりも凄い走り屋が大勢いるからまだまだ修行中ってところかなぁ」

 

 「そうなんだ…」

 

 

 なつき達と合流しては車に乗りドライブをするタケル達。イツキのハチゴーには拓海とイツキになつきと沙織。スイスポにタケルと結衣が乗ってはドライブデートを楽しんでいる真っ最中で。タケルが結衣に自分が秋名の走り屋だと話しては盛り上がり、ハチゴーを運転しているイツキも大した腕がないにもかかわらず自分は秋名山では結構速いほうだと豪語しては横に乗っている拓海を呆れさせるのであった。

 

 

 「でも私、走り屋に対してあまりいいイメージを持ってないんだ」

 

 「え、どうして…?車を走らせるほど楽しいことなんかないっていうのに…」

 

 「だって、走り屋って自分勝手に車を振り回しては周りに散々迷惑をかける人達の集まりだから私は好きにはなれないわ」

 

 「うぐっ…!!ま、まぁ…結衣さんの言うことはわからなくもないよ。何せ走り屋って本気で走ってると周囲が見えなくなるからね。ははっ…(参ったなぁ、そこまで言われちゃあ言い返せないよ…)」

 

 

 結衣から走り屋に対する悪いイメージを言われるや、タケルは結衣からの容赦ない言葉が刺さったのか反論できずに押し黙ってしまう。

 

 

 「でもね結衣さん。走り屋が皆結衣さんが思ってるような悪い人達ばかりじゃないだ。僕が今ホームコースにしてる秋名にはマナーを守っては周囲に気を配りながら走ってる人もいれば、後輩思いで何かと面倒見のいい人もいるから一概にすべての走り屋が社会の悪だっていうわけじゃないんだよ」

 

 

 結衣の走り屋に対する偏見を変えさせようと思ったか、タケルは普段世話になっているスピードスターズのメンバーを引き合いに出しては結衣を説得する。

 

 

 「へぇ…。じゃあ今前を走ってるイツキ君もそんな悪い人じゃないんだね」

 

 「そうさ、普段のイツキはお調子者だけど何かといい奴で…」

 

 

 パパァー

 

 キイィィィ

 

 

 スイスポの前を行くハチゴーは車線からはみ出ては反対側から来た大型トラックにクラクションを鳴らされてはぶつかりかけるも、即座に車線を戻してはゆらゆらと揺らしながら車を走らせる。

 

 

 「ねえ、あれのどこがいい人なの…」

 

 「あははっ…イツキの奴調子に乗っては走り屋の走らせ方をやろうとしたなぁ(あいつ、後でぶん殴っておかないと!!)」

 

 

 イツキが余計なことをしたあまり、結衣は走り屋に対するイメージを更に悪化させてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 伊香保グリーン牧場

 

 

 「なつき大丈夫?気分はどう…」

 

 「うん、もう平気」

 

 「拓海、帰りはお前がハチゴーを運転してくれないか。イツキの運転じゃ事後を起こしそうで怖いし」

 

 「わかった。帰りは俺がイツキのハチゴーを運転するよ」

 

 

 車に揺られること数分が経ち、タケル達は渋川市にある牧場に来てはデートを満喫する。

 この牧場ではアウトドアは勿論、乗馬体験をできたりと動物と触れ合うことができる場所で。タケル達がデートをするのにうってつけの場所であったが、なつきはイツキの運転で車酔いしたのか近くの野原で横になっては気分を落ち着かせるのだった。

 因みにイツキは着いてすぐさまタケルに殴られ、沙織と共に行動するのだった。

 

 

 「あいつの運転は荒っぽいからなァ…」

 

 「だよね。女の子を乗せておきながら車酔いさせるなんて走り屋どころか男として失格だよ」

 

 「タケル君、イツキ君に対してめっぽう厳しいんだね」

 

 「そうか?イツキとは普段こういうふうに接してるから何とも思わなかったけど」

 

 「それで仲がいいって言うなんて私には考えられないわ」

 

 

 結衣がタケルとイツキとの友好関係に疑問を持つが、当の本人が問題ないというのでそれ以上は聞かないことにした。

 

 

 『おーい、皆』

 

 

 タケル達がくつろいでいる野原の前で頭にたんこぶができたイツキが沙織と一緒に乗馬体験をしてはタケル達に手を振る。

 

 

 『気分最高だぜ。うわっはっはっは!!』

 

 『なつき達も乗りなよ』

 

 

 イツキ達はデートを満喫しては楽しいそうな顔を見せ、それを見たなつきはタケル達に言う。

 

 

 「あの二人、結構お似合いだよね」

 

 「あぁ…」

 

 「いいんじゃないの。楽しそうで」

 

 「そうね。私達も後であれをやってみようよ」

 

 

 とまあ何はともあれ、タケル達は今日という一日を充実しながら過ごしていったのであった。

 

 

 

 

 

 夕方

 

 

 帰りは拓海がハチゴーを運転してはなつき達を駅前まで送っていきその場で別れることに。

 

 

 「家まで送ってやろうか…」

 

 「うん、いいの。沙織や結衣とは会うの久しぶりだからまだ話があるの」

 

 「イツキ君ありがと楽しかったわ。また今度ね」

 

 「あっはぁ~」

 

 

 なつき達から手を振ってもらいながらその場で別れるや、イツキは沙織から楽しかったと言われたのが嬉しかったか沙織にまた会おうと声をかけていったのだった。

 

 

 

 

 

 ハチゴーから少し離れたところでタケルはスイスポを停めては結衣を車から降ろす。

 

 

 「今日はありがとねタケル君、イツキ君や拓海君にもよろしく伝えといてね」

 

 「OK。拓海達には僕から言っとくよ。今日は皆と一緒に楽しむことができて良かったよ結衣さん」

 

 「そう。ありがとうタケル君」

 

 

 結衣は微笑みを見せてはタケルに感謝する。

 

 

 「あ、そうだった。結衣さん、今朝のドライブで走り屋が好きじゃないって言ってたよね」

 

 「え?えぇ言ったわ。いくらタケル君やイツキ君達がいい人とはいえやっぱり私は走り屋のことは好きになれないわ」

 

 「いいよ別に、結衣さんが思ってることは正しいから否定する気はないよ。でもね結衣さん、ちょっといいかなぁ」

 

 「何かしら?」

 

 

 タケルは結衣をその場で引き止めては走り屋が何のために走り続けるのか自分なりの解釈を結衣に説明する。

 

 

 「確かに結衣さんが言うように僕達がやってることは社会的に見て良くないのは当然で、例え勝負に勝ったとしても所詮峠に蔓延る者達だけでやってるからお金なんて貰えるわけない。それどころかタイヤにガソリンと自分の懐を減らしていくだけだから正直言うとやる意味なんてあまりないんだ」

 

 「……」

 

 「けれど僕達は、こんなくだらないことにハマってはそこにたどり着いた者にしか見えないゴールを目指して全力で駆け抜けていくんだ。例え周りがどう言おうが僕達は車を走らせることが好きだし、車や走りに対する考えが違えど同じ走り屋同士競い合っては楽しみ続けたいからね」

 

 

 タケルは一生走り屋として生きていくとでも言うようなことを結衣に言うや、結衣はタケルの話に理解を示したのか表情が変わる。

 

 

 「タケル君、あなたが走り屋としてどれ程車を走らせることが好きかよぉくわかったわ。でも、私が走り屋を好きになれない理由は他にもあるの」

 

 「え?」

 

 

 結衣は深刻な顔をしてはタケルにある事実を告げる。

 

 

 「実は私…。親が警察官でね、それも交通機動隊に属してるから走り屋とは相性の悪い関係なの…」

 

 「そうだったんだ。そういう事情じゃ結衣さんが走り屋を好ましく思えないのも仕方ないか」

 

 

 「(まさか結衣さんが警察官の娘だったとはね。親が職業柄走り屋を捕まえようとしてるんじゃこの先ずっと結衣さんと関係を続けていけるか怪しくなってきたなぁ)」

 

 

 結衣の口から出たのは自分が警察官の娘であり、走り屋を相手にしている課に属している為走り屋とは仲良くなれないという事実であった。

 

 

 「だからその、ごめんなさいタケル君。私、あなたとは付き合うことができないの…」

 

 

 結衣はタケルに走り屋と警察の娘では付き合うことができないと言っては頭を下げる。

 

 

 「結衣さん、頭をあげてよ」

 

 「え?でも…」

 

 「別に僕は結衣さんが警察官の娘だろうとそんな気にしてないし、それに走り屋としてやるべき目標を決めたんだから今ここで言わせてもらうね」

 

 「……」

 

 

 「僕は一人の走り屋として偉業を成し遂げては、プロの世界を目指していくよ。それなら結衣さんのお父さんも納得はしてくれるだろうし、社会的に見てプロのドライバーは憧れの職業だからね。それと今話したことはついさっき決めたことでまだ拓海達には言ってすらいないんだ」

 

 

 「タケル君…」

 

 「そういうわけだから、また今度遊べる機会があったらまたデートをしようか。それも僕と結衣さんの二人っきりでね」

 

 「うん…」

 

 「じゃあ結衣さん。またね」

 

 「…またね。タケル君」

 

 

 そう言ってタケルは結衣と別れては車へと乗り込み、結衣に見送られながらその場を走り去っていったのであった。




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