EG6とのバトルはもうしばらく先になりますがどうか長い目で見ていてくださいね。
「「ありがとうございましたー」」
「なにぃぃぃ!?お前ら3人、女の子とデートをしてただとぉぉぉ!?」
なつき達と一緒にデートをした拓海とイツキがいつものようにバイトに励んでいる中、先輩である池谷はタケルから昨日のことを聞いては激しく驚くのである。
「え、えぇ…、昨日拓海のガールフレンドである茂木さんの紹介で女の子と知り合ってはドライブデートしましてですね、楽しいひと時を過ごさせてもらったんです…。あの池谷さん…なんていうかその…目が血走ってますけど…」
「俺は昨日必死に汗水垂らしては働いてたのに、先輩の俺を差し置いて女の子とデートをするなんざ許せん!!」
「ちょ、落ち着いてください池谷さん!!まだ上手くいったと決まったわけではないんですからひとまずその怒りを鎮めてください!!」
必死に池谷を宥めては怒りを鎮めさせようとするタケルであったが、池谷は後輩である拓海とイツキにタケルの三人が女の子と遊んでたことが余っ程腹立たしいと思ったのか、怒りの眼差しをタケル達に向けるのであった。
しかし、タケルに諭されつつも怒りを収めた池谷は拓海を呼び出しあるお願いをするのである。
「それはそうと拓海、お前俺のS13運転してみたくない?」
「はぁー?なんでですか?」
「お前が運転するの見て参考にしたいんだよなー」
「なるほど、拓海が池谷さんの車を運転するのを間近で見ては自身のドラテク向上に繋げたいのですね」
「そういうことだ。拓海、この話引き受けてくれるよな?」
「いいですよー俺遠慮しときますよー。池谷さんが大事にしてる車だから…」
「まぁそう言わないでさー、たまには違う車乗るとまた新鮮でいいぞー」
「拓海、池谷さんがこうして頼んでるんだ。引き受けてやりなよ」
「……」
拓海は戸惑いつつあったがタケルからの一押しもあってか。池谷からの頼みを引き受けることになっては今晩秋名にて池谷のS13を運転することになり拓海ははぁとため息をついたのである。
鈴木自動車整備工場
ブォォォォン
「うん。油圧計も問題はないしブレーキもABSが機能してるからこの前とは違って制動が掛かりやすくなってるね」
今晩秋名山に行く為にスイスポの調整をしていくタケルは前回秋名で走らせた時にABSをオフにしたまま走った経験から無闇に切るのはマズいと判断したか、ABSが付いた状態に戻すのだった。
「どうやらこの前の経験が余っ程効いてはABSのありがたみを知ってみてえだなタケル」
「いやぁ〜拓海に対抗するあまり真似してみたら思いの外危ない目にあったからね。自分なりに走り込んではいつか拓海を追い抜いてみせるよ」
「へっ、果たしてそれがいつになるやらだ。何せお前の言う拓海はあの文太が鍛え上げた自慢の息子だからな。そう簡単に追いつけやしねえよ」
「なんだとぉ!!まぁ、それに関してはごもっともだけど…」
「タケル。ちょっといい?」
「ん?どうしたの姉ちゃん」
政志と二人で話しているところに姉の遥香が割って入ってきてはタケルに言う。
「さっきタケルの携帯に連絡が入ってきたからこうして持ってきてあげたのよ。ちゃんと携帯くらい持ち歩きなさいよね」
「はははっ。悪いね姉ちゃん。で、相手は誰からだったかわかる?」
「そんなの私が知るわけないでしょ。知らない番号からきたんだから出るわけないじゃない」
「そうだったね。でも一体誰が…」
ピリリリリ
「お、さっそく電話が鳴ったみてぇだぞ。タケル、出てやりな」
「は〜い」
遥香から自分の携帯を受け取るや、タケルは掛かってきた番号に記憶はないがとりあえず出ることにした。
「もしもし。どちら様でしょうか?」
『俺だ。ナイトキッズの中里だ』
「あ、中里さん。お久しぶりです」
相手はまさかのナイトキッズの中里からであり、以前タケルは拓海との勝負を挑みに中里がスタンドに寄った際、連絡手段として自分の携帯番号が書かれたメモを中里に渡したのだ。
「一体何の用があって僕に電話したのですか?ひょっとして今度は僕にバトルの申し込みでもしようと言うんじゃ…」
『いや、俺のR32は今修理に出してるから走れなくてな。今日は別の用があってお前に連絡したんだ』
中里のR32は前回秋名の下りでバトルしては、リアをガードレールにぶつけ凹ませてしまった為現在は修理に出していると言い。話を切り替えては用件をタケルに伝え始める。
『実を言うとな。今晩うちのNo.2にあたる庄司慎吾って奴がお前達の元に向かうかもしれなくてな。それを伝えようと思って連絡したってわけなんだ』
「庄司慎吾?その人が今日の夜、秋名山に来ると言うんですね?」
『ああそうだ。慎吾はうちのチームじゃダウンヒルのスペシャリストなんだが勝つ為なら危険な手段を厭わない奴で、チーム内では『デンジャラス慎吾』と呼ばれる程の走り屋なんだ』
「その人が今晩僕か拓海に挑戦を挑もうとしてるのですね?」
『だが気を付けることだな。慎吾はお前達に挑むのに何か恐ろしい手を使ってくるかもしれねえからな。あいつのそういったやり方が俺は好きになれないんだ。本来ならリーダーである俺が慎吾を止めるべきなんだが、前回の敗北が余程効いたかチーム内では俺の発言は皆無に等しい状態になっているんだ』
「仕方ありませんよ。中里さんだって全力を尽くしては拓海に負けたんですからそんな責めなくてもいいですよ。あなたの走りは後ろから見てた僕からして凄かったですしね」
『フッ、そう言ってくれるとはありがたいぜ。もしR32が戻ってきたら今度はお前にバトルを仕掛けるからな』
「いいですよ。その時は秋名かあなたの地元である妙技で決着をつけましようか」
『あぁ。お前には絶対に負けねえから覚悟しとくんだな!!』
そう言っては中里が電話を切り、タケルは再びスイスポに目を向けては言う。
「ま、そういうことだから今度もよろしく頼むね、相棒…」
秋名山 頂上
秋名の頂上にタケル達が集まっては早速池谷のS13を乗ることになった拓海は乗り気な顔を見せずにいたのである。
「あまり気が進まないけどー。俺、ハチロク以外乗ったことないから上手く乗れないと思いますよー」
「そんな筈ないよ。前に一度イツキのハチゴーに乗っては完璧に乗りこなしてたじゃないか。あの時と同じようにすればいいんだよ」
「軽く流してくれるだけで凄い勉強になると思うから…一生のお願い…」
「……先輩がそこまで言うのなら…、一回だけですよ。あんまり期待しないでくださいね」
拓海がS13のドライブシートに乗ってはその横に池谷が腰を降ろし、いつでも出れるよう拓海はS13のエンジンを蒸しては
「良かったなァ池谷。失神するんじゃねぇぞ」
「大丈夫大丈夫。二回目だしな」
「(池谷さんは呑気に言ってるけど、本当に大丈夫なのか不安だなぁ…)」
前回ハチロクに乗っては恐ろしい目にあったにも関わらず、軽々しく言っては拓海の運転を経験すると云う池谷。
果たして、健二が言うように今度こそ気絶しないのだろうか。
「それじゃあ行きますよ」
拓海はギアをN→1速に入れるや車を発進させ、ダウンヒルを開始した。
「(さて、拓海の腕で池谷さんのS13がどう変わるのか戻ってきた後でじっくりと聞かせてもらいますかね)」
「なにやればいいんですか先輩?」
「ブレーキングドリフト頼むわ。タイミングを覚えたいんだ」
「そうっすか…」
拓海は池谷からのリクエスト通りブレーキングドリフトを始めようとアクセルを思いっきし踏み込んでいく。
「(オイオイいきなり行く気か一個目で…)」
拓海はアクセルを踏みつつ手早くシフト操作をしてはコーナーに入る。
「(速すぎねえかいくら何でもこのスピード。ウワーッヤバーッ)」
ギャオオオ
「ぎゃああああ!!」
拓海が一つ目のコーナーをコーナリングするや初めて拓海のハチロクに乗った時と同じ様に悲鳴を上げる池谷。
プシャアアア
「(凄ええ…。初めて乗った車でいきなりのドリフト…。俺のS13って本当はこんなに速かったのかァ…)」
「うちの車とはちょっと違いますけど…、大体分かりましたよ…この車の乗り方…」
「えっ。だってまだ走り始めてコーナー3つしか…」
「行きますよドリフト」
「え?(じゃあ今のは何だったんだ?)」
プシャアアア
「うわー!!」
拓海は勢いを突かせてはS13を全開で走らせ、ブレーキングをしながら次のコーナーを滑らせては曲がっていった。
ガァァァァァ
「今のはだいたい…、イメージどおり…に曲がれたと思いますよ」
「(凄い!!凄すぎて何がどうなってんのか全然わかんねー)」
リクエスト通りブレーキングドリフトをした拓海だが、拓海の手早い操作と慣れないスピードで攻め込んだ為池谷はその仕組みを理解できず困惑しては拓海のテクニックの高さに驚かされるしかなかったのだった。
「帰って来たぞー池谷と拓海…。池谷の奴、また気を失ってんじゃないだろーなー」
「スタートダッシュを見た限りじゃ拓海はリミッターを掛けては走ってましたので多分大丈夫だと思いますよ」
健二とタケルが戻ってきたS13を出迎えるや池谷が無事かどうか確認する。
「ひーっ」
「お…今度はちゃんと起きてた…」
「一応成長はしてるみたいですね」
池谷は二度目だからか耐性がついては失神せず乗り切ることができた。
「どうだった池谷。ブレーキングドリフトのヒントを何か掴んだか?」
「全然。まるでわかんねー」
「何だそりゃ?何のために態々拓海に頼み込んだんだよー」
「そう言うけどなー健二…。拓海の場合あまりにも簡単そうにとてつもない技繰り出すから…。全然レベルが違いすぎて参考にならない…ということがよくわかった…大収穫だ」
ズコッ
池谷が珍解答をしては健二はその場でつっこける。
「(まぁこれで店長が言ってたように拓海はFRに限ってならどんな車でも乗りこなすことが証明できたことだし、これはこれで良しとするか…)」
池谷の体験談を聞いたタケルは以前祐一が言った拓海の適応性の高さを改めて思い知るのだった。
ガアアアア
「ん?下の方から車の音が聞こえるけど。一体誰が…!!」
下から車のエンジン音が響いてくるので見てみるとなんと前に池谷のS13にわざと車をぶつけてきては挑発した赤い車がこっちに向かって来るのだった。
「EG6!!昨日の奴だ!!間違いないあのヤローッ」
「タケル、あれが前に言ってたシビックって奴か?」
「そうだよ。EG6型シビックSiR。池谷さんに態と車をぶつけては嫌がらせをしてた奴さ」
「そうか…」
EG6は仲間を引き連れてはスピードスターズとタケル達の向かい側に車を止め降りてくるやスピードスターズがいる方を見つめていた。
「おいお前、昨日後ろから俺の車に当てやがっただろ!?」
「誰?お前」
「忘れたとは言わせねーぞ。そこに置いてあるツートンのS13だ!!」
「ああ…あれか」
「あれか…じゃねーんだよ。謝れよてめぇ、ひとつ間違えれば俺は今頃大怪我だ」
「謝れだとォ…。冗談だろあれはお前が悪いんじゃねーのかァ?」
EG6のドライバーは自分には非がないような言い方をしては続けて言う。
「前を走る奴が下手すぎて予想ができなかったんだよォ。まさかあんな遅い突っ込みするとは思わなかったもんでなァ…。ブレーキが間に合わなくてついコツンとなー」
「んだとォォ」
「嫌らしい言い方をするぜあの野郎ォ、池谷にとっちゃ屈辱的だろうな。走り屋としてのプライドズタズタだぜ…」
「(…ナイトキッズのステッカー。ひょっとしてこいつが中里さんが言ってた慎吾って奴なのか?)」
タケルはEG6のリアフェンダーに付いているナイトキッズのステッカーを見てはEG6のドライバーが前に中里が言っていた庄司慎吾ではないかと推測する。
「どうしても謝れって言うなら…。お前らが俺達のルールで
「(ハチロクとスイスポを名指しで呼んだところから察するにこいつがそうか…)」
「……」
相手が拓海とタケルを指名してきたことにこの男こそ中里が言ってた慎吾であると確信したのかタケルは慎吾を睨みつけ、拓海も慎吾の挑発に不機嫌そうな顔を見せる。
「スピードスターズには下り自慢のハチロクがいるそーじゃねーかよ。出せよそいつをよー」
「負けたら…。本当に地べたに手をついて…謝るんだろーな」
「待て拓海、相手はナイトキッズのNo2なんだ。迂闊に挑発に乗らない方がいいよ」
余程頭に来たのか拓海は前に出てはEG6にバトルを仕掛けようとするがタケルが拓海を制止しては挑発を受けないよう抑える。
「何だ、俺のことを知ってるのか?」
「ここに来る前に中里さんから連絡があったんですよ。庄司慎吾っていうナイトキッズのNo.2がバトルを仕掛けにくるってね」
「ほぅ…。毅がお前みたいなガキに言ってくるとは意外だな…」
「中里さんはこうも言ってましたよ、あなたの腕は確かだが勝つ為なら危険なバトルを仕掛けてくるゲス野郎だってね…」
「ケッ、毅の野郎は本当にあまっちょい奴なんだよ。そんなんだからハチロクのガキなんかに負けちまうんだからな」
「そんな言い方はないんじゃないですか。仮にも中里さんは全力を尽くしてはハチロクに負けたんですよ。それを見てすらいないあなたが中里さんを責める資格はないと僕は思いますけどね」
「知るかよ、今となっちゃあいつはもうナイトキッズのリーダーじゃねえからな。今度は俺がナイトキッズの新しいリーダーになるんだから別にいいだろ」
タケルが慎吾に文句を言うも平然と反論しては拓海に言う。
「ガキだからって容赦しねぇぞ。ダウンヒルの恐ろしさを思い知らせてやるぜ」
「……」
「待てよお前、さっきお前ルールがどうのこうのって言ってたな…。どういうことか説明しろよ」
池谷が慎吾にどんなルールを用意してきたのか質問するや慎吾は言う。
「大した事じゃねーさ…。ただ車を走らせるだけじゃつまんねーからな。ちょっとした小道具を使ってバトルを楽しくする為のルールだ…。右手とステアリングホイールをガムテープで縛るんだ。簡単なルールだろ、その状態でバトるだけさ…。俺らはガムテープデスマッチって呼んでるけどな!!」
「どういうことだ、右手とステアリングホイールをガムテープで縛るって…?」
「ギアを入れる左手はフリーなんだろ…?」
「ちょっと待て!!そんなルール明らかに危険過ぎるだろうが!!」
タケルはガムテープデスマッチの恐ろしさを理解したのか慎吾に向かって怒鳴り散らすも慎吾の方はニヤッと笑っては聞き流す。
「タケル、一体どういうことなんだ?危険過ぎるって一体…」
「まだわからないのかイツキ!!右手をガムテープで縛るってことはステアリングの持ち替えができなくなる。つまりステアリングが切れなくなるってことなんだよ!!」
「なんだと!?それじゃあ車が曲がらねぇってことになるじゃねえか!!」
池谷もガムテープデスマッチの恐ろしさを理解したか慎吾にガムテープデスマッチは受けられないと拒否をする。
「お前なんかじゃ話にならねえな。そうだ、秋名には下り自慢のハチロクとスイスポがいるそうじゃねえか。そいつらを出せよ」
「この野郎言わせておけば…!!」
「待てタケル、奴の挑発に乗るな。このルールは明らかにヤバすぎる!!」
池谷は今にも飛び出さんとするタケルをその場で抑えては慎吾の挑発に乗らないよう鎮める。
「今度の土曜日、秋名山頂でナイトキッズの庄司慎吾が待ってるって伝えておけ。ガムテープデスマッチで決着つけるってな。フッフッフ」
慎吾はそう言い残すや他に引き連れたメンバーと共に秋名の峠を走り去っては暗闇へと消えてゆくのであった。
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