頭文字D 峠の弾丸   作:ペンギン太郎

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 ようやく更新できました。
 今回はガムテープデスマッチに関する説明をする話とタケルのデート回です。


ACT.18 タケルの初デート

 「なにィ、ガムテープデスマッチだぁ?そいつは無謀にも程があるぜ」

 

 「そうなんだよおじさん。ガムテープデスマッチじゃなきゃ勝負は受けないって生意気なこと言ってさ。本当腹立たしいったらありゃしないよ」

 

 「俺達も昔は小道具なんかを使ったり制限を付けたりしてはバトルをしたことがあるが、その中でもガムテープデスマッチは一番ヤバかったからな」

 

 

 政志の自動車工場に車を持ってきたタケルは昨晩の出来事を話すも、過去にガムテープデスマッチをしたことがあったのか政志はその危険性をすぐさま理解するのだった。

 

 

 「タケル、そんなにムカつくと思うのなら引き受けたらいいんじゃないの?あんたならその走り屋を負せられるかもしれないんだしさ…」

 

 「そう簡単に言うけどな遥香、こればっかしはそう簡単な話じゃないんだ。右手とステアリングを固定するってことはステアリングが曲げられる範囲が限られてな。言うなればコイツは『FR殺し』って言っても過言じゃねえんだ」

 

 「政志さんまで。一体ガムテープデスマッチのどこが危険だって言うのよ…。私にはさっぱり…」

 

 「姉ちゃん、実際に車に乗ってみては試してみてよ。その恐ろしさがよ〜くわかるからね。おじさん、ここってFRの車を置いてたりしてないか?」

 

 「それなら向こうに整備前のチェイサーが置いてあるからそいつを使いな」

 

 「OK。ちょっくら借りさせてもらうよ。姉ちゃん着いてきて」

 

 「え、えぇ…」

 

 

 政志からFR車を貸してもらうや遥香を工場に置いてあるFR車に乗せるや、ガムテープデスマッチがどれほど危険なバトルなのかタケルと政志が説明をする。

 

 

 「いい姉ちゃん。ステアリングを握ってる右手を離さずに曲げられる範囲まで回してみて」

 

 「え?こ、こうかしら…」

 

 

 タケルの言うことに従っては右手を離さずステアリングを握っては曲げられる範囲まで力一杯曲げ。限界に達しては右手を離しては息を切らす。

 

 

 「はぁ、はぁ…ここまでが限界だわ…。これのどこが危険なのよ?」

 

 「車から降りては前のタイヤを見てごらん…その恐ろしさが一発でわかるよ」

 

 「?…えっ!?」

 

 

 遥香は言われた通りに前輪駆動を見てはタイヤが切れてないことに驚く。

 

 

 「タイヤが全然回ってないわ!!これじゃあ車が曲がらず走れないじゃない!!」

 

 「わかった姉ちゃん?ステアリングはきっかけ作りにしか使えないからとにかく後ろのリアタイヤをスライドさせて曲がるしかないんだ。ありとあらゆるコーナーを全部ね」

 

 「でも、拓海君ならドリフトで何とかなるんじゃないのかしら…」

 

 「そう思えるかもしれねえけどな、こいつはそう簡単なことじゃねえんだ。カウンターが当てられないからドリフトのコントロールが難しく少しでもオーバーステアになれば即座にスピンしてしまうんだ。それに相手の車はEG6だろ?EG6はFFだからこれはあからさまに向こうが有利に働くようになっているんだよ」

 

 「タケル、この勝負はFFが有利って言ってるけどそれって拓海君の車とどう違うの?」

 

 「駆動方式の違いだよ。車っていうのは前輪か後輪のどちらかしか曲がらないようになっていてね。ハチロクはFRだからフロントエンジンリアドライブで前にエンジンがあってタイヤを動かすのは後輪なのに対し、僕のスイスポやシビックはFFつまりフロントエンジンフロントドライブ。前にエンジン前で動かすからこの手のルールに関してはFFが有利になるように作られてるんだ」

 

 「そういうこった。FFのEG6ならオーバーステアをアクセルで止められるから思い切った突っ込みができるし、サイドを引いてアンダーステアも消せるからな。ハチロクみたいなFRは例えプロでもカウンターを当てなくてはオーバーステアは止められないんだ。だからといって入り口でアンダーを出せばそれで終わりになる。このルールで乗り切るにはサーカスの綱渡りの様な物凄く狭いコントロール領域を外さないよう走り続けないといけねぇんだ」

 

 「嘘でしょ。こんな恐ろしいことを考えるなんて…お姉ちゃん、信じられないわ…」

 

 

 二人の説明を聞いた遥香はガムテープデスマッチの恐ろしさを理解したのか顔を引きつっては恐怖を感じる。

 

 

 「ま、ともかくこのバトルは引き受けないことだな。お前さんのスイスポもEG6と同じFFとはいえ、相手はかなりの練習はしてきてるだろうから流石に勝ち目はないかもしれねえ」

 

 「それはわかってるけどあそこまでバカにされたからには黙ってるわけにもいかないんだ。なんとしてでもあいつには絶対に勝ってみせるよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 自宅 タケルの部屋

 

 

 「う〜んやっぱりスイスポとシビックじゃあ同じFF車とはいえ、載せているエンジンが全然違うから勝つのが難しいか。スイスポのM16Aはノーマルで125馬力なのに対し、EG6のB16Aは軽く回しただけで170は出るからなぁ…。地元でやるからアドバンテージの差はこっちにあるけどそこにガムテープデスマッチだからどう攻略するべきかだ。車の性能で敵わないんじゃコーナーで差をつけるしかないか。拓海が当たり前のようにやってるあれ(・・)の練習をしてはいるけどまだ実戦で試したことがないからぶっつけ本番でやるわけにはいかないし。はぁっ…行き詰まってはため息がでちゃうよ」

 

 

 

 ピリリリリ

 

 

 「ん、誰からだろう…?」

 

 

 タケルが今度の相手となるEG6にどう立ち向かうか車の雑誌を読み漁っては考えに明け暮れている中、手元に置いていた携帯から着信音が鳴り。タケルはそれを手にとっては電話に出る。

 

 

 ピッ

 

 

 「もしもし。一体どちら様で…」

 

 『タケル君、私よ。ほら、なつきの紹介で知り合った…』

 

 「あ、結衣さん。この間はどうも、今日はなんのご要で僕に電話をしてくれたのですか?」

 

 

 電話の相手は前になつきの紹介で知り合った結衣からであった。タケルは何の用があって自分に電話を掛けてきたか質問をするや理由を言う。

 

 

 『実はね。今度の金曜日タケル君に会いたいんだけどその日は空いてるかどうか聞きたくて電話をしたの?もしタケル君がその日は大丈夫だっていうのなら会いに来てもいい?』

 

 「金曜日か…全然構わないよ。その日は特に予定がないからね」

 

 『良かった。じゃあ私は電車で渋川駅に向かうから駅前で待ち合わせてもいいかな?』

 

 「勿論♪じゃあ金曜は駅前で結衣さんが来るのを待っているからね」

 

 

 結衣が指定した金曜はナイトキッズの慎吾とのバトルの前日であったのでタケルは結衣からの誘いを受けることにしては二人っきりでデートをすることになるのであっま。

 

 

 

 

 

 渋川駅

 

 

 「おまたせタケル君」

 

 「やぁ。この間拓海達と一緒にデートした日以来だね」

 

 

 駅舎内から出てきた結衣は帽子を被っては青いデニムを履いては上にTシャツを着ており、夏を彷彿とさせる格好をしていた。

 

 

 「それで結衣さん、今日はどこか行きたいところがある?」

 

 「じゃあ早速だけど秋名山でいいかな?タケル君が普段どういった場所で走っているか見てみたいの」

 

 「秋名山か…。いいよ、結衣さんがそこに行きたいって言うのなら連れてってあげるよ」

 

 

 タケルは結衣をスイスポのナビシートにエスコートしては隣に乗せ、早速結衣を秋名山へと案内することに。

 

 

 

 

 秋名山 高嶺展望台

 

 

 「わぁ〜こんなに綺麗な景色が秋名山で見られるなんて思ってもみなかったわ…」

 

 「そうか?いつも走りに来てる僕にとっては当たり前の景色だけど結衣さんからしたら珍しいもんなんだね」

 

 

 初めてきた秋名山の山頂付近にある展望台に来ては、そこから見える絶景を眺めては感動をする結衣。

 タケルからすれば何度も観てきた景色であった為、山中から眺める渋川市の町並みが新鮮に見えると思う結衣を珍しく見る。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 「えぇ…私は小さい頃、いつも両親が遊びに連れて行ってくれるのは地元の温泉街ばっかりだったからこういった山奥に訪れたのは今日が初めてなんだ」

 

 「そうだったか。だとしたらここに来たのは正解だったみたいだね。それに今はまだ明るいけど夜になるとここから観る夜景は煌びやかになるんだ」

 

 「じゃあまた今度夜になったらここに来ましょう」

 

 「いいよ。その時はまた車に乗せては連れてってあげるよ」

 

 

 二人はまた今度ここに訪れては夜景を見ると約束しては話を変える。

 

 

 「ところで結衣さん。今日僕に会いたいって言ってたけど、どういう理由(ワケ)で会いたくなったか聞かせてくれる?」

 

 「え、えっと…それはね…。私、タケル君だけに話したいことがあって今日会えないかお願いしたの」

 

 「僕に話したいこと?」

 

 

 結衣は暫しの沈黙をしてはタケルに話をする。

 

 

 「前にタケル君、私の前でプロのドライバーになるって言ったよね。タケル君の目標を聞いてから、私自身どうしたいのか考えたの…。両親が敷いたレールに乗ってはずっと親の期待に応えてきたような日々を送ってきた私には何が向いてるのかなって…」

 

 

 「へぇ〜結衣さんは僕が思ってた以上に苦労をしてきたんだ。まぁ親が警察官である以上世間の目もあるしね…」

 

 

 普段から自由気ままに生きてるタケルとは違い結衣は親に縛られては不自由な生活を送ってきた為、タケルの言葉に胸を打たれたのか思いを口にする。

 

 

 「それでね、私…高校を卒業したらナースになるために看護学校に行こうか考えているの。それを話したくて今日タケル君に時間を取ってもらったんだ」

 

 「看護学校か…いいじゃないか。僕からしたら結衣さんのナース姿、結構似合うかもしれないし」

 

 「ふふっ、ありがとうタケル君。そう言ってくれると嬉しいわ」

 

 「ねぇ、どうしてナースさんになりたいと思ったか教えてよ」

 

 「うん。昔ね、体が弱くて病院に入院したことがあって病室に一人ぼっちでいた私に『夢を持てばきっとあなたの病気は治るから元気をだして』って声を掛けては励ましてくれた人がいたんだ。その時から私はあの人みたいな素敵な人になりたいって」

 

 「人との出逢いが運命を変えるって話はよく聞くけど結衣さんもその人との出逢いがなければきっと素敵な目標が見つからなかったかもしれないね」

 

 「うん。だから私決めたの。いつかきっと、あの人みたいな素敵なナースになりたいって…」

 

 

 結衣はそう思いをタケルに打ち明け、今日というひと時を思いっきり過ごしていった。

 

 

 

 

 

 場所は再び渋川駅前

 

 

 「今日はありがとねタケル君。色々と話を聞いてくれたおかげでやる気が出たわ」

 

 「こっちこそ、行き詰まってた時に結衣さんが声を掛けてもらってはスッキリしたしね。そうだ、今度遊びに行くとき、また拓海やイツキを誘ってもいい?」

 

 「いいわよ。私もなつきと一緒に遊びたいと思ってたとこだからまた今度遊びに行く際なつき達と一緒にどっかへ遊びに行きましょう」

 

 「うん。きっと拓海達も喜ぶだろうなきっと…」

 

 

 ピリリリリ

 

 

 タケルが結衣と話している間を割って入るかのように携帯が鳴り響き、タケルはそれを手にとっては掛けてきた番号を確認する。

 

 

 「あれ?池谷さんからだ。一体どうしたっていうんだこんな時に?あ、結衣さん。申し訳ないけど今電話出てもいい?」

 

 「いいわよ。私はここで話が終わるのを待っているわ」

 

 「サンキュー。すぐに終わらせるから待っていてね」

 

 

 結衣からの了解を得るや、タケルはすぐさま池谷からの電話に出る。

 

 

 「もしもし池谷さん。どうしたのですか急に電話を掛けたりして…」

 

 

 『大変だタケル。イツキの野郎、秋名の峠で事故を起こしやがったんだ!!』

 

 「イツキが事故ったですって!?一体どういうことか詳しく聞かせてください!!」

 

 

 池谷から発せられたのはなんとイツキが事故を起こしたという話でそれを聞いたタケルと結衣は激しく驚いては池谷から理由を聞く。

 

 

 『それが、俺もついさっき知ったばっかで今拓海と一緒に市立病院に向かっているところなんだ。それで悪いがタケル、今からお前もイツキがいるとこへ来てくれないか?』

 

 「わかりました。僕もすぐさまそちらへ向かいますので先に行って待っていてください」

 

 『すまない。先に行ってお前が来るのを待ってるよ』

 

 

 そう言って電話を切っては結衣に先程の電話の内容を話すことに。

 

 

 「結衣さん。今さっきイツキが事故を起こしたって話があってね。すぐにあいつの元に向かわなくちゃいけなくなったんだ…」

 

 

 「待って、イツキ君は今日沙織と一緒に秋名に遊びに行ってるって私聞いてるんだけど…」

 

 「なんだって!?その話本当か結衣さん!?」

 

 「えぇ。昨日沙織がイツキ君とデートをするって直接本人から聞いたの…。まさか沙織も…」

 

 「落ち着いて結衣さん。今イツキが運ばれた病院を聞いたからとりあえず一緒に行こう」

 

 「うん…」

 

 

 タケルは困惑する結衣を宥めつつ車に乗せては、イツキが運ばれた病院に向け車を全開に飛ばしては駆けつけるのだった。

 

 

 

 

 

 市立病院

 

 「イツキ、大丈夫か?」

 

 「タケル、それに結衣さんも」

 

 「よく来てくれたなタケル。横にいる子はタケルのガールフレンドであってるよな?」

 

 「はい。私は結衣といいましてタケル君の友達です」

 

 「そうか。イツキの為に足を運んでくれてありがとな」

 

 

 池谷が来てくれた二人に例を言っては出迎え、腕にテーピングを施されては痛そうな状態になっているイツキと話をする。

 

 

 「ったく、心配かけさせやがって。イツキが事故を起こしたと聞いた時は心臓が止まるかと思ったんだぞ。で、怪我の具合はどうなんだ?」

 

 「心配要らないよ。見た目ほど酷くはないからな。まあ、念のため検査しなきゃいけないから入院する事になっちゃたけど」

 

 「イツキ君、確か沙織と一緒にいたんだよね?沙織はどうなったの?」

 

 「沙織ちゃんはちょっと擦りむいただけだったから、家に帰ったよ」

 

 「そう、良かったぁ…」

 

 

 イツキから沙織が無事だと聞いた結衣はホッと一息しては安堵する。

 

 

 「ハチゴーの方はどうなった?」

 

 「上手くスピンしたからリアのトランクがイカれたくらいでおさまって」

 

 「まさかイツキ、沙織ちゃんの前でカッコつけようと秋名の下りを攻めたんじゃ?」

 

 「そんなんじゃないよ。秋名の下りでEG6に煽られて…」

 

 「なんだって!?ナイトキッズのEG6にやられただと!?」

 

 

 イツキは悔しそうに顔を滲ませ当時の状況を話す。

 沙織を車の横に乗せては秋名の峠を走っている時に後ろから慎吾のEG6にバンパーをプッシュをされ。慎吾の挑発に乗っては秋名の下りで勝負を仕掛けるも車とドライバーの差が大きかったか、ハチゴーはコーナーに入るや後ろから押されては車をスピンさせてしまい、イツキと沙織は怪我を負ってしまったという。

 

 

 「あの野郎……またやりやがったか!!」

 

 「酷い…。いくらなんでもここまでやるなんて酷すぎるよ…」

 

 「お前、なんで横に彼女を乗せていながらバトルなんてしたんだよ!!そういう時はまず真っ先に彼女の安全を優先すべきだと考えなかったのか!?」

 

 

 池谷と結衣が慎吾のしたことに怒りを見せてるのに対し、タケルは慎吾から煽られたとはいえ沙織を横に乗せながらバトルをしたイツキを非難する。

 

 

 「だって。今日のデートで沙織ちゃんにいいとこ見せれなかったから、せめて走り屋としてだけはカッコイイとこを見せようと…」

 

 「だからって、相手はわざと車をぶつけてくる危ない奴だったんだぞ!!イツキがその時に適切な行動をとっていれば沙織ちゃんも怪我をせずに済んだかもしれなかったのに!!」

 

 「う、うるさい!お前に何がわかるって言うんだ!!俺だって少しくらいカッコつけたかったんだよ!!とにかく俺は負けはしたけど、いつか上手くなってはあのEG6を見返してやるんだ!!」

 

 「ふざけるなよ!!女の子をまともに守れなかった奴がリベンジをかますなんて偉そうなことを言うんじゃねえ!!」

 

 「やめろタケル、イツキは今怪我をしてるんだぞ!!」

 

 

 タケルがイツキの胸倉を掴んでは怒鳴り散らかし、池谷も大声を出しては落ち着かせようとするも。タケルは池谷の静止を無視してはイツキに言う。

 

 

 「お前はドラテク以前に走り屋のマナーから覚えろ!!変にカッコつけたりするから彼女に悪いとこばっか見せてしまったんだろうが!!」

 

 「くっ…!!この野郎…」

 

 

 イツキはタケルから言われたことが刺さったのか何も言い返せず黙ってるしかなかった。

 

 

 「そんなに悔しのなら何か言い返してみろよ。お前はいつもそうやって調子に乗ってはどれだけ迷惑を掛けたと想ってるんだ!!」

 

 「おいタケル、イツキだってもう泣きかけてるんだ。もうそのくらいにして…」

 

 

 暴走しているタケルを拓海が止めようとした矢先、

 

 

 パァン

 

 

 なんとタケルの頬に強烈なビンタが食らわされ、タケルはようやく落ち着いたか。自分にビンタをかました方を見るとそこには悲しそうな顔をした結衣が立っていたのだ。

 

 

 「結衣さん…」

 

 「どうして…」

 

 「え?」

 

 「どうして走り屋はそうやって人に迷惑を掛けては自分勝手なことをしでかすの!?自分さえ良ければ他の人がどうなっても構わないって言うのよ!!」

 

 「それは…」

 

 「タケル、これに関しては彼女のいうことが尤もだ。今の俺達じゃ何も言い返すことはできねえ」

 

 

 結衣は目に涙を浮かべては思いをぶちまけ、それを聞いたタケル達は結衣の言葉に反論もできずにいた。

 

 

 「最低よ…。走り屋なんて…いなくなってしまえばいいのに…」

 

 

 タケル達は言いかける言葉が見つからないのか、泣きじゃくる結衣を見ているだけしかできなかった。

 

 

 「(くそっ、僕としたことが。これじゃあ結衣さんと出会う前に戻ってしまったじゃないか。こうなってしまった以上もう取り返しが…)」

 

 「タケル、あいつは確かガムテープデスマッチがどうとか言ってたよな?」

 

 「え?確かに奴はそう言ってたけど…ってまさか拓海、ガムテープデスマッチをやるっていうんじゃ…」

 

 「俺やるよ。ガムテープデスマッチでもなんでも、やってやる!」

 

 

 拓海はイツキを傷つけられ、結衣の言葉に思うことがあったのか、ガムテープデスマッチをやると言いだした。

 

 

 「ダメだ拓海!!ガムテープデスマッチはお前が思ってるほど甘いものじゃないんだ!!」

 

 「タケルの言う通りだ。相手からの挑発に乗るな!!ガムテープデスマッチなんて無茶苦茶だ!!」

 

 「俺負けませんよ。どんなことがあっても!」

 

 

 拓海は二人からの警告を聞き入れず、病院を後にしては立ち去ってしまうのだった。

 

 

 「あのバカ、いくら腕に自信があるからってこのバトルだけは…」

 

 「待って、拓海君がやろうとしていることってそんなに危ないことなの?」

 

 

 結衣はタケルの腕を掴んでは引き止め、拓海がやろうとしているガムテープデスマッチについて聞いてきたのでタケルは簡単に説明をする。

 

 

 「危ないも何も、ガムテープデスマッチは拓海の乗る車だけが不利になるようになっていてね、下手に走り方を間違えれば一気に谷底へ落ちてしまうかもしれないんだ。イツキに怪我を負わせた奴もそれを利用しては拓海を秋名の下りでつぶそうと狙っているかもしれないしね」

 

 「そんな…。拓海君をおびき寄せる為にそこまでやるなんて…」

 

 「ごめんね結衣さん。さっき君が言ってたことに反することかもしれないけど、僕も今拓海と同じことを考えてたんだ」

 

 「同じこと?」

 

 「タケル、お前まさか拓海と同じガムテープデスマッチを…」

 

 「そうですよ。僕も最初はやらないほうがいいかと静止してましたけど決めました…」

 

 

 

 

 

 「ガムテープデスマッチで、あのEG6をぶっ潰します!!」




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