頭文字D 峠の弾丸   作:ペンギン太郎

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 新作です。
 今作ではスイスポを主役にしては書いていきますのでどうぞよろしくお願いします。


FIRST STAGE
ACT.1 スイフトスポーツ


 200X年 群馬県 S市 県立S高校

 

 夏真っ盛りの高校の屋上にて3人の男子生徒が佇んで駄弁っていた。

 

 

 「91年式で130万…。高いなぁ……好きな色だけどS13は高すぎる……。やっぱシルビアは止めてハチロク探そう。そっちの方が現実味あるし、やっぱ車はFRじゃないとなーって拓海聞いてんのか?」

 

 「聞いてるよイツキ。そのハチロクってのはいくらするんだ?」

 

 

 三人のうちの一人である武内樹(たけうちいつき)は車のカタログ雑誌を見て値段の高さに辟易し、隣にて突っ立って景色を眺めている藤原拓海(ふじわらたくみ)に話を聞いているか尋ね。拓海は気だるそうに返事をしてイツキの話を聞き続けていた。

 

 

 「中古で30万ってのがある。車検無しだけど…」

 

 「イツキ、それは止めといた方がいいかもしれないよ。買った後で車検取るのに結構お金が掛かるしね」

 

 「そうなのかタケル?」

 

 「僕の知り合いに自動車の整備工場をやっている人がいてね。そういったことに関して色々聞いてるんだ。車検が切れた車は購入費用が安くて手に入りやすいけど、そのままの状態で走らせることができないから保険が効かないのもそうだし。車を走らせるのにナンバーを取得するにもかなりの費用が掛かるってね」

 

 

 拓海の横に並び立ってイツキの話を聞いていたタケルこと斎藤丈瑠(さいとうたける)は車検切れの車に手を出さないよう注意を施す。

 

 

 

 「ふーん…そんで貯金は今んとこ幾らあるんだ?」

 

 「5万とちょっと」

 

 「う〜ん、その額じゃあ車を買うのは難しいかもね」

 

 「先は長ぇーな」

 

 「もっとこう、ドッカーンと稼げるバイトねぇかなぁ…今やってるGSのバイトじゃあ、夏休みフルで働いても良いトコ12万だもんなぁ」

 

 「仕方ないよ。僕達はまだ高校生だから車なんてそう簡単に手に入らないんだしさ」

 

 「そうだな。手に入るのがいつになるやらだ」

 

 「バイトしてるんだ?拓海君達」

 

 「茂木……?」

 

 「あ、茂木さん」

 

 

 タケル達に話しかけてきたのは同学年の女子生徒の茂木(もぎ)なつきだ。なつきはきょとんとしたような顔をしては拓海の顔を見つめ。拓海はなつきからの視線にたじたじする。

 

 

 「何よ? あたしが話しかけたの、そんなに変だった?」

 

 「いや、別に……」

 

 「(拓海の奴、茂木さんとはあんま関わりたくないって顔してるなぁ。まぁ過去にあんな事があったんだし無理もないか)」

 

 「ふーん。ところでさ、バイトって1ヵ月働いて12万なの?それって週に何日くらい働くのぉ?」

 

 「朝から晩までみっちりだよ週5回か6回8時間働いてさ」

 

 「えーっ!? それだけ働いてたったの12万円なの!?」

 

 「普通そんなモンだろ、どんな金銭感覚してんだよ」

 

 「高校生のバイトなんて時給安いんだぜ」

 

 「そもそもガソリンスタンドでの仕事自体給料が低いしね」

 

 

 なつきは学生のバイト代の安さに驚きを見せるも三人はなつきのあまりにもの金銭感覚の無さに呆れるしかなかった。

 

 

 「へぇ~知らなかった……なつきバイトしたこと無いからさ」

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

 「バイト頑張ってね、期末試験終わったらみんなで遊びに行こ?」

 

 

 なつきはタケル達3人にバイトを頑張るよう励ましの言葉をかけるや教室へと戻っていき。屋上にはタケル達三人だけが残る。

 

 

 「茂木なつきと話したの1年ぶりくらいだな」

 

 「えぇ?」

 

 「サッカー部に居たときはよく話してたんだけどな。あいつマネージャーやってたし。けど、ある時からすげぇ嫌われちまってさ。廊下ですれ違っても目も合わされない位にな」

 

 「ホントかよ、お前何したんだ?」

 

 「別に茂木には何もしてねーけどさ、その頃アイツの彼氏だった3年の先輩をさぁ。殴ったんだよ部室で…」

 

 「サッカー部の先輩を殴った!?」

 

 「あったねそういや、去年拓海が先輩を殴ってはサッカー部を辞めちゃったヤツ」

 

 

 タケルはその場に居合わせていた為、当時の状況を知っており。当時3年生だった先輩がなつきを弄んだのを部室で自慢気に話していてるのを聞いた拓海がブチ切れては先輩を殴り倒し、結果として拓海はサッカー部を辞めてしまう羽目になったというのだ。

 

 

 「お前って昔からそういうトコあるよなぁ……。普段は眠そうにボーっとしてんのに、たまにキレたら人格変わるからなー」

 

 「小学生ぐらいの時ってさ、すぐ泣くのに泣き出してからは妙に強いヤツいるだろ。俺ってそういうガキだったんだよな」

 

 「そうなの?僕は拓海とは中学からの付き合いだからその頃の拓海を知らないから何とも言えないけど…」

 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 

 「ヤバッ、もうチャイムが鳴っちゃた。早く行かないと先生に怒られるよ」

 

 「うわ、ホントだ!急ぐぞ!」

 

 「ああ、ちょ、待てよ!」

 

 

 チャイムが鳴るやタケル達三人は急いで教室に戻って次の授業へと足を進めていくのだった。

 

 

 

 

 

 「なー拓海、タケル、3人で共同でハチロク買わねーか?3人のバイト代を合わせればローン払えるじゃんかよー」

 

 

 放課後になり、僕達は学校を出ては下校し、イツキが昼休みに話していた会話の続きをする。

 

 

 「僕だったらハチロク買うくらいなら他の車が欲しいかなぁ」

 

 「やだよー大体なんでそんなに無理してまで車が欲しいんだよ、お前ん家にも車ぐらいあるだろうが。それ借りれば良いじゃん」

 

 「ダメだよ親父の車なんて。FFでオートマでオマケにエンジンディーゼルなんだぜ。サイテーだよ、あんなの車じゃねぇよ」

 

 「タイヤ4つ付いててちゃんと走れば立派に車だよ」

 

 「イツキ。FFでもシビックやスターレットといった走りのいい車があるんだしそう決めつけるのはよくないよ」

 

 「わかってねぇなー。峠に行って楽しく無けりゃあ車の意味ねぇじゃん」

 

 「お前よくそれ言ってるけどさー、峠に行って何すんだよ?」

 

 「そんなの決まってるんだろ、攻めるんだよ峠のコーナーを」

 

 「楽しいんか、そんなことして?」

 

 「そうだなぁ。僕も昔二輪の免許取っては峠を攻めたことはあるけどこれが思いのほか楽しいんだよね」

 

 

 タケルが二輪の免許を持っているのは数年前に亡くなった父親が乗っていたバイクに乗るためで、高校に入ってすぐさま教習所に通っては二輪の免許を取得し、四輪の免許を取るまでの間はバイクを乗り回していたのだ。

 

 

 「そうだよ。タケルが言ってるように楽しいに決まってるじゃん! 男なら格好良く峠を攻めてみたいと思わねぇのかよ?」

 

 「俺もう飽きてるんだよなーそういうの…」

 

 「へ?それってどういう意味だ拓海?」

 

 「何言ってんだお前は?俺達先月免許取ったばっかじゃん」

 

 

 拓海が既に峠を攻めているかのような発言に二人は疑問を浮かべる。

 

 

 「まぁいいや。僕はこのまま(うち)に帰るから二人共バイト頑張れよー」

 

 「おう。また明日なタケル」

 

 

 

 拓海達と別れるやタケルは夕方に予定が入っていたので、一人さっそうと歩き始めては自宅へと進む。

 

 

 

 

 

 ガソリンスタンド

 

 

 「「ありがとうございましたー!!」」

 

 

 タケルが帰宅していたその頃、拓海とイツキは渋川市にあるガソリンスタンドでバイトをしていた。

 ガソリンスタンドに来た客の車にガソリンを入れては見送り、行ったのを確認したイツキは拓海に話しかける。

 

 

 「拓海ぃ、さっきの話の続きだけどさー。買おうぜハチロク」

 

 「要らねぇよーハチロクなんて車」

 

 「ほぉ〜お前らハチロク狙うなんて良い趣味してるじゃねーか」

 

 「でしょでしょ!? 池谷先輩もそう思いますよね!?」

 

 

 拓海達のバイトの先輩である池谷浩一郎(いけたにこういちろう)こと池谷先輩がイツキがハチロクを買うと聞いては賛同する。

 

 

 「ああ、良い車だぞハチロクは」

 

 「ほら見ろー、聞いたか拓海!!」

 

 「でも俺そのハチロクって車よく知らねーからなぁ……結局どこの車なんだよ、マツダだっけ?」

 

 

 ズコッ

 

 

 拓海が珍回答をしてはイツキと池谷先輩がコケる。

 

 

 「マジか拓海、ハイオク飲んでみるかおめー」

 

 「GSでバイトしててハチロク知らねーなんて大恥もいいとこだぞ!!」

 

 

 池谷は給油口を手にしては拓海に向けてはからかい、イツキもそれに便乗しては拓海を攻め立てる。

 

 

 「ハチロクはトヨタだよ。ジェネレーションギャップを感じたー。まぁ無理もねーのかな…」

 

 「あの…俺は知ってんですけど」

 

 「そんな古いのかー。あんまりイメージが良くねーなーウチにも商売で使ってる古いトヨタの車あるから」

 

 「そんなのと一緒にすんなよ。古く立ってハチロクだけは別だよ」

 

 

 拓海ん家にある車をハチロクと一緒にするなとイツキは言うも後にそれがフラグになるとはこの時のイツキは思わなかったのである。

 

 

 「ハチロク買ったら、池谷先輩がやってるチームの秋名スピードスターズに入れてもらえますか?」

 

 「ああ。それなら今日土曜日だからチームの定例会やるから、夜になればチームのメンバーも秋名山に集まるぞ。お前らも来るか?」

 

 「良いんですか!?あ……でも俺ら車無いから……」

 

 「心配すんな、乗せてってやるよ」

 

 「先輩のS13に!?」

 

 

 スタンドには池谷の車であるS13 シルビアが置いてあり、それに乗せてもらうことになったイツキは物凄く興奮する。

 S13はスタイリングが良くデートカーとして若者から絶賛されている車で、何よりの特徴が扱いやすいコンパクトサイズと今時珍しいFR方式を取っている為ドリフト好きの走り屋からも高い評価を得ているのだ。

 

 

 「行きます行きます。俺、絶対に行きます!!拓海も行くだろ!?こんなチャンス滅多にないぞ!!」

 

 「俺……行くなんて言ってねぇんだけどな……」

 

 

 イツキは憧れの秋名スピードスターズに会えると知るや一人で勝手に盛り上がってはヒートアップするのだった。

 

 

 

 

 

 鈴木自動車整備工場

 

 

 「よぉタケル。お前さんようやっと四輪の免許を取ったんだってな。ははっ…子供が大きくなるってのは案外早いもんだな全く」

 

 「おじさん。僕だってもう18歳になったんだから子供扱いしないでよ」

 

 

 自宅に戻ってきたタケルは私服に着替えるや家のすぐそばにある整備工場へ来てはそこの経営者である鈴木政志(すずきまさし)に挨拶する。

 政志とは父親の代からの付き合いでタケルが運転免許を取る際元走り屋の政志から色々と指導を受けては運転技術を磨いてきたのだ。

 

 

 「おうおう。免許を取ったからとはいえ生意気な口を叩くのは高校を出てからにしろってんだよ」

 

 「何を!そりゃぁ僕はおじさんほど年食ってはいないけど…」

 

 「こらタケル!失礼なことを言わないの。すみません政志さんウチの弟が迷惑をかけてしまいまして」

 

 

 そう言って政志に頭を下げているのはタケルの姉である斎藤遥香(さいとうはるか)だ。遥香は両親に代わって弟であるタケルの面倒を見ており、タケルが何かとやらかしてはいつも世話を焼かされていたのだ。

 

 

 「まぁ落ち着け遥香。タケルだって自分なりに大人になろうとしてるんだ。これくらい大目に見てやりな」

 

 「はぁ…。政志さんが気にしてないのならいいですけど」

 

 「ところでおじさん。例の約束を忘れてないよね?」

 

 「そりゃぁ勿論覚えてるさ。お前さんが四輪の運転免許を取ったら車をプレゼントするって話だろ。お前さんにあげるヤツはちゃんと用意してあるから安心しな」

 

 「本当に!?ラッキー!!」

 

 「もう…タケルったら政志さんにまた迷惑をかけちゃってぇ…」

 

 「ははっ。まぁいいじゃないか遥香、タケルはお前さんらの親父と同じ走り屋になろうとしてんだ別に構わねえだろ?きっとあいつも天国で息子の成長を喜んでるに違いねえしな」

 

 

 政志がいうあいつとはタケルと遥香の父親のことで、嘗ては政志と同じ走り屋であったのだ。

 

 

 「で、おじさん。僕にくれる車ってのは一体何なんですか?まさか廃棄場から適当に拾ってきたポンコツ車だったりしないよね…?」

 

 「そんなわけねえだろ。お前さんにやる車はあそこに置いてあるぜ」

 

 

 政志が指を指しては整備工場のガレージに置いてある車を見せる。その車は黄色を基調としたボディを輝かせてまるで新品同様の輝きを見せつけていた。

 

 

 「おぉーっZC31S スイフトスポーツ…!!この車、僕が前から欲しかった車じゃないか。ありがとうおじさん!!」

 

 

 ZC31S スイフトスポーツ

 

 スズキが世界戦略を掲げては開発したハッチバックのボディが特徴で。主にラリーにて活躍しては欧州を中心に絶大の人気を誇る車である。

 スイスポを見たタケルは激しく興奮するやスイスポをベタベタと触っては歓喜する。

 

 

 「ちょっと政志さん。あの車をタケルにあげるにしてはいくらなんでも太っ腹過ぎませんか?」

 

 「いいんだよ。あれは知り合いから譲って貰ったヤツだし、タケルにはFRよりもFFのこいつがお似合いだからな。どうだタケル、そいつを気に入ってくれたか?」

 

 「当然。気に入るも何もこの車は前から狙っていた車だったからね。文句なんてつけようがないに決まってるじゃないか!」

 

 「あらあら、タケルったら欲しかった玩具を手に入れた子どもみたいに喜んでいるわね」

 

 「まぁタケルが気に入るのも当然だろ。何せこいつは若者を中心に人気がある車だしな」

 

 「へへっ。よろしくな相棒…」

 

 

 タケルは前から欲しがっていたスイスポを手に入れたのが余程嬉しかったか。そっと撫でては大切にしようと誓うのであった。

 

 

 

 

 

 「それじゃあ池谷先輩、お先に失礼しまーす」

 

 「おう、それじゃあ8時にバス停で拾ってやるからな」

 

 

 夕方、バイトを終えた拓海とイツキは制服に着替え自宅へと戻って行き、スタンドには池谷と店長である立花祐一(たちばなゆういち)だけが残っていた。

 

 

 「好きだなーお前ら。どこの峠に行くんだ?」

 

 「店長、この辺りで走るって言ったら秋名山しかないでしょう。ウチのチームは一応、秋名山最速を宣言してるんですよ」

 

 「秋名山最速を自称してる奴はゴロゴロ居るぞ。俺が現役で走ってた頃には、自他共に認める秋名山最速の走り屋ってのが居たんだよ。しかもそいつは今でも現役で走ってるんだぞ、秋名山を」

 

 「今でもぉ? 俺、秋名の走り屋はだいたい知ってるけど、そんな歳食ったヤツ見たことないですけどねぇ……」

 

 「悪かったな歳食っててよ」

 

 「いやぁ、そういうワケじゃあ。あはははっ……」

 

 

 祐一はタバコを一息吸って口から煙を出して話を続ける。

 

 

 「お前らとは走る時間帯がズレてるだけさ。そいつは今は、とうふ屋のオヤジだからな」

 

 「はぁ? 伝説の走り屋がとうふ屋ですかぁ?」

 

 

 池谷は祐一が言う事に疑問を浮かべるも話を聞き続ける。

 

 

 「朝の4時とかそんな時間帯に、車に豆腐を載せて秋名湖畔のホテルに卸しに行くんだ。その帰りに空っぽの車で秋名山を下って行く姿は、そりゃあ一見の価値があるぞ。尋常なスピードじゃねぇからな。何せ商売だから、雨が降ろうが雪が降ろうが毎日走るんだ。年季が違うよ。秋名の峠ならアスファルトのシミひとつまで知り尽くしてる男だからな」

 

 

 祐一は深々と話してこう言い切る。

 

 

 「お前らが今時の速い車に乗って勝負しても、下りならアイツには歯が立たないだろうさ。何なら賭けても良いぜ。秋名山の下り最速は”とうふ屋のハチロク”だ!!」

 

 「秋名最速がとうふ屋のハチロクぅ!?」

 

 

 祐一が秋名最速の走り屋がとうふ屋のハチロクだと豪語するもそれを聞いていた池谷は疑問を浮かべるしかなかったのだった。

 

 

 「それともう一人、秋名最速の走り屋がいたな」

 

 「へ?もう一人いたのですか?」

 

 「そいつはもう生きてはいないが、“とうふ屋のハチロク”と同じ秋名では最速を誇っていてな。乗っていたのはFF車だったんだがこれが物凄く速くてはまるで弾丸のような走りをしていたんだ」

 

 「弾丸のように速かったって本気(マジ)で言ってんすか店長?」

 

 「ホントだ。実際に奴と走り屋としての日々を過ごしてきた俺やアイツらが証人なんだからな…」

 

 

 

 

 

 鈴木自動車整備工場

 

 

 「よし、これでスイスポは正真正銘お前さんの車になったぜタケル。ほれ、スイスポのキーだ」

 

 「サンキュー。んじゃ早速スイスポを動かすとしますか」

 

 

 スイスポに乗る為の書類手続きを済ませて合鍵を受け取ってタケルは早速乗り込んではスイスポのエンジンを掛けて車を始動させる。

 

 

 ギュルルル ブォーン

 

 

 エンジンが掛かったのを確認し、M16Aを回しては異常がないかチェックする。

 

 

 「うん、油圧系統は勿論電子機器にも問題はない。これならすぐにでもこいつを走らせられるね」

 

 「当然だ。何せ俺が完璧に仕上げたんだからな」

 

 「それじゃあ今からこれに乗っては姉ちゃんを仕事先である秋名湖のホテルに送っていくよ。今日は色々とありがとねおじさん」

 

 「おう。俺がやったんだから事故らないよう気を付けていけよな」

 

 「はーい。じゃあ早速行ってきまーす」

 

 

 スイスポを譲り受けたタケルは早速走らせるや、遥香が待っている自宅に向かっては遥香の仕事先である秋名湖のホテルへと飛ばしていくのだった。




 というわけで今作ではスイフトスポーツ(ZC31S)を主役とさせていただきます。
 因みに作者がスイスポを選んだ理由と致しましてはスイスポは今の時代比較的手に入り易いスポーツカーで『平成のAE86』と言われる程でそのスイスポを活躍させたいなと思い今作を書き始めました。

 尚作者はスイスポ(ZC33S)を試乗しては購入しようと考えたことがありましたが住んでる地域が豪雪地帯の為諦めざるをえませんでした。
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